冗談です。半分くらい。
ど素人のクソ雑文章ですが、それでも構わないというどこかおかしい方はゆっくりしていってください!
「──アタック、砕けぃ
少女の前に、巨大な影が聳え立つ。
[裁きの神剣リ・ジェネシス]と合体した[天地神龍ガイ・アスラ]だ。
「フラッシュ、【超覚醒】![ブレイドラ]、その命を我が龍へ捧げろ!」
小さき翼竜の消滅とともに、ガイ・アスラから放たれる威圧感が増す。
「これにより我が龍はLv3、BPは26000だ!」
「ライフで受ける!」
その一太刀は豪快に、かつ正確に彼女を斬りつけた。
「バースト発動、[砲凰機神フェニック・セイザー]! [スレイヴ・ガイアスラ]二体を手札に戻すわ!」
「ふ、無駄な足掻きを!」
「塵も積もれば山となるのよ、召喚時効果で1コスト支払って[射手星鎧ブレイヴサジタリアス]を[神星皇ストライク・アポロドラゴン]に
「何をするかと思えばその程度か、所詮はA級止まりだな」
「そうかしら、ならあなたはB級ってことになるけど?」
「な……いいだろう、二度と吠え面かけんように潰してやる! 再度アタックだ、我が龍よ!」
巨龍はまたも動き始める。
少女のライフは残り2。 このアタックを通せば敗北が確定する。 そんな絶望的な状況の最中において、彼女は不敵な笑みを浮かべていた。
「ブロックよ、フェニック・セイザー!」
不死鳥の名を冠す機神は、少女を守らんがため宙に飛び立つ。 それでもガイ・アスラには及ばず、無惨に破壊されてしまった。
「ごめんセイザー、無駄にはしない。 破壊時効果で手札から[獅子星鎧レオブレイヴ]を1コスト支払って神星皇に直接合体!」
「無駄だ、我が龍は止まらぬ! [鎧竜人アンキロング]の効果でリザーブから【超覚醒】、終わりだ!」
「終わらせないわ。 フラッシュ、【アクセル】[己械人シェパードール]!」
「……く、凌いだか。 だが貴様のカードではガイ・アスラを止めることはできんぞ!」
「そうかしら。 やっぱりあなた、悲しい人ね」
「言わせておけばっ! ……良いだろう、ならば見せてみろ」
「言われなくても。 ……メインステップ、手札からネクサス[星の祭壇]を配置するわ」
フィールドに現れた祭壇から十二の光が溢れ出し、ガイ・アスラを包み込む。
「……っ、貴様!」
「祭壇の効果で裁きの神剣はもうナマクラよ。 さあ、最高のショーを見せてあげる! アタックステップ、行きなさい、ダブルブレイヴスピリット!」
「フラッシュ、【超覚醒】っ……」
「神星皇の合体時、射手座の力でアンキロングを破壊!」
「……!」
神星皇は空中に顕現した紅光の弓を持ち、アンキロングを射抜く。
「続けてフラッシュ、トドメのダメ押し! [ワイルドライド]を使用!」
「ぐ……!」
両のブレイヴが翠に輝き、神星皇はガイ・アスラへと突き進む。
「ブロックだ、我が龍!」
朽ちた剣を投げ捨て、天地神龍は腕を伸ばす。 その腕が神星皇へと届く寸前。
「貫け、ダブルブレイヴスピリットっ!」
白銀の獅子の盾は鬣を無数の剣へと変貌させ、ガイ・アスラを突き刺した。
「……効果でダブルブレイヴスピリットは回復。 再びアタック、射手座の力で神剣を破壊!」
「……天晴。 貴様、名は?」
「ソラ。 私はソラよ」
「そうか。 ……見事也、ソラ」
少女の目には、彼は笑っているように見えた。
「覚悟しておけ。 我はいずれ、貴様を──」
・・・
「で、俺が生まれたってわけ」
「わかんねえよなんだよそれ」
学校の屋上に寝そべる二人の男子。彼らの手には、40枚を超えるカードの束……『デッキ』が握られていた。
「ストライクアポロの使い手が母ちゃんで、ガイアスラの使い手が父ちゃんなんだよ。強さに一目惚れした父ちゃんの猛アピールに母ちゃんが折れたらしい」
「で、子供であるお前の名前がセカイ……まあ神星皇が太陽と月、天地神龍が地球モチーフだからわからないこともないけど」
セカイと呼ばれた少年……
「で、お前誰なんだよ。同じクラスじゃないだろ?」
「さっきバトルしたときに自己紹介しただろうが。アンタークだよ」
「それは
「タクヤ。
ちなみにセカイの選手名は両親の進言(実際は「父さんたちのつけた名前、気に入ってくれてなかったのか……?」とさみしそうに呟いた父の言葉)によりそのままセカイである。
「それにしても、入学して間もなく屋上で寝るとは……セカイには友達いないのか?」
「お前ほぼ初対面の相手にめちゃくちゃ失礼だな。呼び出されてんだよ」
「バトルしたからもう友達だろ。てか人待ってるのによくバトルしてくれたな」
「申し込まれたらやるしかないだろ。約束まで時間もあったし」
「とんだバトルジャンキーだな」
「俺を見つけるなりバトル申し込んでくるやつにだけは言われたくない……そうだ、タクヤはどうして屋上に?」
「それがだな、呼び出しくらったんだよ。つまりお揃い」
タクヤも起き上がり、二人は向かい合う。
「じゃあ、お前もあの女に……」
「あの女、とは失礼な物言いですね」
屋上への出入り口から、銀髪の女が現れる。上履きの色はセカイたちの青色とは違う赤。上級生である。
「お二人とも、時間よりずいぶんと早い到着ですね。私に会うのが楽しみでしたか?」
「「まさかぁ」」
「……気分を害しました。このまま校庭まで突き落としてもいいんですよ?」
「「会いたかったです!」」
「よろしい。手荒な真似は好みませんので」
「「……はぁ」」
・・・
遡ること数時間前。
「……あれ?」
セカイは教室に入り、異常に気付いた。
「誰もいない……」
普段なら、この時間にはすでに多くの生徒が登校しているはずだ。だというのに、教室には誰もいない。いや、教室だけではなかった。他のクラス、学年、職員室。どこからも人の気配が感じられない。
「……」
予定を確認するも、とくに休校日というわけでもない。何かが起こっている、そう判断せざるを得なかった。
「なるほど、やはりあなたが選ばれましたか」
「っ!?」
後ろから女の声がしたと同時に、後頭部に固いものが当たる。
「そのままゆっくりと振り向いて。妙な動きをすれば撃ちますので悪しからず」
「……!」
恐る恐る振り向くと、セカイはそのまま勢いよく床に押し倒される。
「ひっ……」
眉間に銃口を突き付けられ、セカイは恐怖に目を瞑る。
「……目を開けなさい、怯える必要はありません」
眉間に当てられていたものの感覚がなくなり、代わりに頭を撫でられているような感覚が伝わってくる。目を開けると、そこには銀髪の女がいた。クラスの女子と同じ制服を身に纏っているため、この学校の生徒なのだろう。セカイはそう判断し、少しだけ警戒を解く。
「……あな、たは?」
「……そうですね。お姉さんとでも呼んでください」
「……」
「さて、本題に移ります。本日の放課後、具体的には最終下校時刻の二十分ほど前に屋上に来てください」
「そ、それは良いんですけど」
「ほかに何か問題が?」
「なんで頭を……?」
すると、彼女は手を止める。
「こうすれば大体の男は無抵抗になる、と同級生が教えてくれたので」
「……」
事実、セカイは無抵抗になってしまったのだから何も言えない。
「そろそろ時間です。このことは他言無用ですよ」
「え、時間って……」
なんのこと、と言おうとしたその瞬間。セカイは水に落ちるような感覚にとらわれて──。
・・・
「で、目が覚めたら教室の机に伏せて寝てたと」
「俺も俺も。脅されただけだったけど」
タクヤも同じようなことをされたらしく、眉間をさすっては震えている。
「では自己紹介を。私は
「バトスピ部?この学校にそんなのありましたっけ」
タクヤの質問に、リュウカは不機嫌そうな顔をする。
「非公認です」
「ええ……」
「お二人をここにお呼びしたのは、バトスピ部へのスカウトが目的なのです」
そう聞くと、タクヤは目を輝かせた。
「ずっとバトスピできるってことか!?」
「上級生には敬語を使いなさい。バトスピ部ではあなたたち二人以外に私を含めた三人が活動していますので、彼らとなら好きにバトルしてもらって構いませんが」
「よぉし入部します!」
「ちょ、ちょっと待てよ……!」
タクヤとは対照的に、セカイはどこか否定的な態度を示した。
「俺は入るなんて一言も……」
「いいえ、あなたは入ります。なぜなら」
リュウカは懐からナイフを取り出す。
「選ぶ権利など、もとより存在しませんので」
そう言って喉元にナイフを突きつけられては、抵抗のしようもない。
「『Yes』か『はい』で答えなさい。入部しますか?」
「……はい」
「ありがとうございます。お二人の入部を心から歓迎しますよ」
ナイフをしまいつつ、リュウカは反対の手でセカイの頭を撫でる。
「……なあなあ、部長さん」
「なんでしょう?」
「なんで俺たちなんですか?」
タクヤの疑問にセカイも同調する。
「それに、今朝の出来事もまだよくわかってませんし……」
「ふむ。いいでしょう、ついてきなさい」
そう言うが早いか下階へ向かうリュウカに、慌てて後を追うセカイとタクヤ。校内には生徒は残っておらず、朝のように不気味な静けさのみが広がっていた。
「これって今朝の……」
「あ、いえ。これは普通に人がいないだけです。他の生徒は部活でしょう」
「あっ、そっすか……」
顔を手で覆うタクヤを気にせず、リュウカは階段を降り続ける。
「……あれ、この先って確か」
「物置……ですか?」
一階に到着すると、リュウカは階段裏の怪しい扉へと手を掛ける。
「部室です」
扉が開かれ、中から煙と光が漏れ出す。
「ちょ、なんですかこれ……!」
「部長さん、何が起きて……」
口元を抑えてリュウカを見る二人。しかしそこにリュウカはいなかった。
「何をしているのです。早く入りなさい」
光の先から声がする。
「うーん……えいっ」
「あっ!?」
セカイの背中を押すタクヤ。完全に油断していたセカイは、そのまま光に吞みこまれ……。
「俺もっ!」
タクヤも続けて光の中に飛び込む。扉はひとりでに閉まり、階段裏には再び静寂が訪れた。
・・・
光の先に広がっていたのは、物置でもなければ煙の立ち込める空間でもなかった。部屋自体に異常はなく、空き教室のような状態。
「な、なんだこりゃ……」
タクヤとセカイの視線は教室ではなく、窓の外へと向けられていた。
「屋上より高い……というか」
「明らかに学校じゃねえ……」
窓の外に見えたのは広大な草原。地面とは相当な距離があり、目測だけでもビルの十階くらいの高さがあった。
「入れましたね。ここが私たちバトスピ部の活動場所です」
「ちょ、なんなんですかここ!?」
「説明には時間がかかりますが……簡単に言えばネクサスの世界です。ちなみに今は[颶風高原]ですね」
「「……はい?」」
「黒板にまとめておきますので、お二人はバトルでもして待っていてください」
「ええ……」
「いいじゃん、やろうぜ」
「……はあ。仕方ないな」
二人は声を合わせ、高らかに叫ぶ。
「「ゲートオープン、界放っ!」」
・・・
「……あれ?」
セカイは目を開き、その光景に驚く。
「いつものバトルフィールドじゃない!」
「おおおマジかよ、てかここってさっきの草原じゃねえか!」
「嘘ちゃんと帰れんの!?」
「知らん」
そも、バトルフィールドは多くの人間が知る唯一の異界である。カードバトラーが持つデッキの帰巣本能とでも呼ぶべき力によって
「……ま、プレイボードもあるしバトルはできるか」
「よっしゃさっきのリベンジだ!」
現実世界でのバトルにプレイシートを利用するように、バトルフィールドではプレイボードと呼ばれる板を利用する。プレイボードにはプレイシートと同様の役割以外にもコアの装填やライフによる障壁展開などの機能が備わっており、バトルを彩る重要なアイテムとなっている。
「デッキセット、コア装填。スタンバイ」
《スタンバイ確認。バトルが開始されます》
・・・
《ターン1:プレイヤー[アンターク]》
「よっしゃ、まずは……[調査員エウロー]をLv1で召喚!」
[調査員エウロー]をはじめとした調査員の面々は、それぞれお互いをサポートする効果を持っている。六色の軽減を持ち合わせており、どの調査員からでも展開しやすいのが特徴だ。
「続けてバーストセット、んでこのままターンエンドだ。やっぱエウローかわいいなあ」
「……」
「んだよその顔。はやく進めろよ」
《ターン2:プレイヤー[セカイ]》
「……メインステップ。手札から[リューマン・クロウ]をLv1で召喚。続けて[剣神無双リューマン・ゴッドソード]をLv1で召喚!」
「うわ」
「うわってなんだよ。不足コストはクロウから」
苦い顔をするタクヤ。それもそのはず、リュウカを待つ間のバトルでもタクヤは同じ展開を体験してしまったのだ。
「アタックするなよ?絶対アタックするなよ?」
「アタックステップ。ゴッドソードでアタック」
「無慈悲!まだエウローのLv足りないんだって!」
赤いマントをたなびかせ、ゴッドソードは空を飛ぶ。
「アタック時にワンドロー、このアタックはどうする?」
「ええいフラッシュなし、ブロックなし!ライフで受ける!」
プレイボードから光が飛び出し、タクヤの身を包む。ライフの障壁展開だ。
「バースト発動、 [選ばれし探索者アレックス]!」
タクヤのプレイボードからカードが跳ね上がり、そのまま裏返る。
「Lv1で召喚、続けて1コアブースト。さらにこのバトルが終了したときアタックステップも終了させる!」
フィールドに召喚された紫髪の少女が杖を掲げると、杖にあしらわれた宝玉から虹の光が溢れ出した。
「さ、俺のターンっと……」
「いいや、まだだ。まだこのバトルは終わってない」
「あン?まだなんか……あっ」
「思い出したか。ゴッドソードの効果、バトル終了時に系統:「剣使」/「竜人」を持つスピリットかアルティメットをノーコストで召喚できる。よって俺は手札から[究極輝神アルティメット・オーバーレイ]を召喚!」
ゴッドソードを炎が包み、そこから現れたのは黄金の鎧を身に纏ったドラゴン。その名の通り、神々しく輝く究極の竜。
「お、おう……出すなよ?絶対アレは出すなよ!?」
「わかった、オーバーレイの効果で手札から[太陽神剣ソルキャリバー]と[月光神剣ウィングオブルナ]を直接合体!」
「もうやだ……」
オーバーレイの手に握られていた、星の力を宿した二振りの剣。片や紅焔の如く煌めき、片や空明と見紛うほどに透き通っていた。
「ま、まあこれでアタックステップは終わりだ。……だ、だよな?」
「さすがにな。ターンエンド」
《ターン3:プレイヤー[アンターク]》
「やっぱ後1で出ていいカードじゃねえだろ……」
「出ちゃったもんはしょうがねえだろ」
「いや出したのお前だからな!?」
「いいから進めろって」
セカイに急かされ、タクヤは文句を言いながらもターンを進める。
「……よし。メインステップ、手札から[神調査員 天使シラベル]をLv2で召喚、デッキから三枚オープンして「アンターク」を含むカードを手札に加える」
翼を携えた少女が現れると同時に、タクヤのデッキが捲れる。
「……対象、一枚。[究極なる女王アンターク]を手札に、残りはデッキの下へ」
「キーカードわっかりやす……」
「うるせえやい![調査員オッザニア]をLv1で召喚、シラベルの効果で一枚ドロー。続いて[調査員フリック]、[調査員ラーテン]をそれぞれLv1で召喚。アレックスを消滅させて[調査員ノルド]をLv1で召喚、シラベルを消滅させて[究極なる女王アンターク]をLv3で召喚だ!」
次々とフィールドに現れる調査員達と、細身の鎧騎士。
「さあて、お返しの時間だ。アタックステップ!」
「来るか……!」
セカイは不敵に笑顔を浮かべ、タクヤも応じるように笑う。
「行けっ、ラーテン!オッザニアの効果でBPを+3000、デッキから一枚ドロー!」
「……ライフだ!」
セカイの一つ目のライフを奪ったのは、緑の殻人ラーテン。俊敏な足捌きで瞬く間に忍び寄り、見事ライフを砕いてみせた。
「続け、フリック!んでもってドローとBP+3000!」
「これもライフ!」
二つ目のライフは、蛇族の男フリックによって破壊された。掴みどころのない動きでセカイに近づいたかと思えば、怯えて離れて、また近づいて……そんなことを三回ほど繰り返したのち、ようやく障壁を叩き割った。
「まだまだ行くぜ、ノルドでアタック!そんでおなじみワンドロー!」
「……あー、じゃあこれもライフで!」
続いてセカイに向かったのは、青肌の巨人ノルド。アルティメットにも引けを取らないその体躯でセカイを握りつぶす……わけでもなく、障壁を軽く小突いて砕くと申し訳なさそうに帰っていった。
「ほらほらどうした、エウローでアタックだ!デッキから以下略!」
続いて突撃してきたのは、硝子のように透き通る肌を持つ銀髪の少女エウロー。
「……フラッシュ、[
エウローの攻撃がライフに届くと同時、セカイの前に巨大な光盾が顕現する。
「ここでかよっ……!」
勢いづいていただけあって、その猛攻を止められたタクヤは呟きながら歯を軋ませる。
「ギリギリの勝負、燃えるだろ?」
「いやいやいや、なんだよそのドヤ顔。そのインチキ手札では燃えねえよ?」
「インチキて」
「少なくとも後攻1ターンで出てくる奴じゃないとおもうんだわそれ」
「出ちゃったもんはしょうがねえだろ」
「それさっきも聞いたし漏らしたみたいな言い方すんなよ……とりあえずターンエンドで」
《ターン4:プレイヤー[セカイ]》
「んじゃいくぞー」
「もう消化試合みたいな雰囲気出してんじゃねえよ……」
「コア、ドロー、リフレッシュ、メイン」
「人の話聞けや」
「聞いて何か変わると思うか?」
「二回しかバトルしてないけど俺お前のことちょっと嫌いだ」
「バトルしたら友達とか言ってたの誰だよ。合体アルティメットをLv4にアップ、続けて……んんっ」
「?」
咳払いで喉の調子を整えるセカイに、タクヤは心配そうな目を向ける。
「あー、あー。よし」
「大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない。それより行くぞ?」
ニヤリ、と口角を上げたセカイは、カードを高く宙に掲げる。
「月よ、戦場を
セカイの叫びに呼応するかのように、嘶きがフィールドを木霊する。その直後、セカイの背後から巨大な月が現れた。次第に赤い龍に変貌していく
「うわ……っと」
月紅龍がフィールドに降り立った衝撃でタクヤはバランスを崩しかける。
「あぶね……ってかお前それ、まさか」
「口上召喚。あんま生では見ないだろ?」
「あんまどころか今やってるバトラーいないぞ!?」
口上召喚。かつてバトルスピリッツが普及しきっていなかった世で注目を集めるために生み出された、一種の演出である。普通の召喚と特に違いはない。また、召喚口上はカードによって決められているわけではなく、人によって異なる場合が多い。
「俺の両親も口上世代なんだよ。で、見せられてる間に覚えた」
「お前顔真っ赤だぞ。照れるならやらなきゃいいのに」
「……アタックステップ。合体アルティメットでアタック。ウィングオブルナの効果でフリックを手札に戻してソルキャリバーの効果でオッザニアとアンタークを破壊。【アルティメットトリガー】、ロックオン」
「露骨に話逸らすな!んで、コスト……7、[アルティメット・リバース・ドラゴン]だ」
「ヒット。ノルドとエウローを破壊」
たった一体のアルティメットにフィールドが蹂躙される様を眺めるラーテンは、「Oh…」と呟いて固まってしまった。
「ら、ライフで……へぶっ」
三重に展開された障壁はあっけなく引き裂かれ、タクヤを守るライフはあと一つとなった。
「ライフ減少を確認、サジッタの効果で1枚ドロー」
「なんで手札補充までできんの?」
「便利だろ。そんじゃあ止め、行くぞサジッタ!」
月紅龍は翼を広げ、殴りかかるような体勢でタクヤへと近づく。
「まだまだっ、フラッシュ[フロックリカバリー]!」
「なんじゃそりゃ」
「貰ったカード。回復させたラーテンでブロック!」
緑の風に包まれたラーテンは、半ばやけくそ気味にサジッタへと突撃、踏みつぶされた。
「っぶね……ま、まあこれでアタックステップは終わり」
「じゃないんだよなあ。サジッタが相手スピリットを破壊したのでライフをひとつもらう」
「そんなあ」
「ちょ溶けてる溶けてる」
「おれのらいふぅ」
「締まんねえな……」
サジッタが炎の弾を吐き出すと、それは矢を思わせる形になってタクヤの最後のライフを砕いた。
《プレイヤー[アンターク]のライフ消失を確認。WINNER:[セカイ]》
・・・
「おかえりなさい、セカイ。そちらの彼は……」
「ちょっと負けのショックで……ん?」
「どうかしましたか、変なものでも見たような顔をして」
「え、いや……今セカイって」
「何か問題でも?」
セカイの動揺に気づかないリュウカは、まだ黒板に何かを書いていた。
「能代君が復活し次第解説を始めます。もう少し待ちなさい」
「は、はあ」
黙々と手を動かすリュウカの背中を見て、セカイは不思議な感覚に襲われる。
「あの、先輩」
「部長、もしくはリュウカと。他の先輩も所属していますので」
「じゃあ部長」
「……リュウカと。やはりあなたに部長と呼ばれるのには慣れません」
「ええ……」
そこは慣れろよ、と内心思いつつも口には出さず、一人称を口にせず質問を続ける。
「……俺たち、どっかで会ったことあります?」
セカイの言葉にリュウカは驚いた様子で振り返った。
「……セカイ」
「ん……あれ、バトルは?」
タクヤが目を覚まし、それを見たリュウカは先ほどまでの落ち着いた雰囲気に戻る。
「終わったようですが。どのような負け方をしたのですか?」
「ごはっ……!」
「ちょ、何やってるんですか!?」
「反省会です。勝敗だけではいつまでも強くなれませんし、実力がなければカード達に申し訳がない……ある方にそう教えられたので」
「今はタクヤに申し訳ないと思ってくださいよ……」
「うう……それで、ここの説明はどうなってるんすか」
「……そうでした。では、解説を始めましょうか。板書の準備を」
教師と言われても違和感のない立ち振る舞いで、リュウカは解説に取り掛かる。
「さきほども言いましたが、ここはネクサスの世界です。バトルで実感はできましたね?」
「ま、まあ」
「端的に言いますと、我々はカードに頼らず門を開く力を持っているのです。つまりこのバトスピ部の主な活動場所は……」
黒板を力強く叩いて、ただ一言。
「異界、ということになりますね」
リュウカは至極真剣な顔で、そう言い放ったのだった。
目をふふふ、よくここまで読みましたね……お疲れ様です。というかそもそも読んでくださる方がいるのかもわからないままに書き連ねたわけですが。クソ雑展開クソ雑文章、クソ雑バトルにクソ雑名前ともはや俺自身がクソ雑そのものであることが露呈しました本当にありがとうございました!
さて、それではクソ雑設定コーナーです。
セカイは世界じゃなくて星の海と書いて星海です。
リュウカは龍の華と書いて龍華です。
タクヤは託す矢と書いて託矢です。
また、タクヤに関しては既に明らかになっているようなものですがモチーフのカードやテーマがそれぞれにあります。タクヤは一体何タークなんだ……!
苗字には特に決まりはありませんがこのまま行くとタクヤは……。
これは自分の語彙力、表現力の推移を見るための自己満作品になる可能性がものっっっっっすごく高いので今後は見かけても読まないほうがいいと思いますむしろ他の作者様のやつを読みに行けもしくは書け
なにはともあれ読んでくださってありがとうございました!