トレーナー「ウマ娘VS ノー○e-POWER」 作:ゴールデンウィーク
走れなくなったサイレンススズカの代わりに稼ぐ方法が見つからなかった俺だが、いいことに気付いてしまった。
トレーナー「車で走ればよくね…?」
そう思った俺は理事長室にレースの申請をしに行った。
今は理事長が出張で不在のため樫本理事長代理が業務を行なっている。
理事長代理「車なんかに乗っている奴ァ アウト オブ 眼中 頼まれたって レースなんかさせねえよ」
トレーナー「は?」
平手打ちした後にお前は猿かと散々詰った挙句帰り道にお前を轢くぞと脅してなんとか理事長の許可を取りつけた俺は愛車のにっ○ん、ノー○e-POWERで出走することが可能になった。
このノー○e-POWERは長距離型の車で、芝、ダート共に使える万能型のクルマだ。
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※ウマ娘は丈夫なので車とぶつかっても大丈夫!
実況「さあやってまいりました優駿たちが集う有馬記念!」
「一番人気はダイワスカーレット!2番人気ウォッカ!3番人気はノー○e-POWER!各者(車)一斉にゲートに入ります!」
解説「大事なレースですからね!みんな気合い入ってますよ!」
ガシャコン
実況「さあレースが始まりました!」
ウォッカ「ダイワスカーレット…お前には絶対に負けられねぇ!前日降った雨のせいでインはぬかるんでて上手く踏み込めない…だからか皆インには走らずアウト気味に走ってる…あの車でさえも。」
ウォッカは周囲を見渡す。前方にはダイワスカーレット。そして右横には車が走っている。
車とウマ娘の性能差はさほどない。
むしろ最高速度だけで言えばウマ娘の方に分があると言っていい。
そのかわり車は、疲れない。常に出せる限りのスピードを出すことができる。
更に車はウマ娘と違ってオフロードでも比較的走ることができるために、このような雨上がりの日には簡単にインをつくことができる。
だからこそ、ウォッカは車からインコースをガードするような形で走っていた。
ウォッカ「あの車さえアウトに残しとけば後はあいつとのタイマンだ!」
しかし、見込みが甘かった。ノー○e-POWERは曲がりながらでもハイスピードを維持して突っ込んでくる。
ウォッカ「な、なにぃ!外からだと!?」
「なめてんじゃねぇぞ…!外からいかすかよぉ!」
ウォッカは外に回って車に軽くタックルするように走り、車の進路をズラす。
この車には、弱点がある。
ノー○e-POWERは一定の速度以下でウマ娘とぶつかりそうになった時、安全センサーが発動して自動的にブレーキがかかり、停止してしまう。そのため、運転手にとって正面側からウマ娘とぶつかることは致命傷なのである。ウォッカはそれを狙っていた。
車を無視して前に加速を続けたかと思うと突然ペースを緩め、わざと車にぶつかりに行くかのような挙動を見せる。
何度も外と内との駆け引きが続く。
「よぉし!インにはこねぇな!!!」
長年の勘からそう確信したウォッカはアウト側に張り、ペースを上げる
しかし、
ウォッカ「車が消えた…!?
まさか…!」
ノー○e-POWERはインをブチ抜き、焦ってインに詰めたウォッカと衝突。側面だったために車はそのまま直進し、ウォッカは転倒。そのままレースからフェードアウトとなった。
実況「さぁ最後のコーナーに突入!先頭は以前一番人気のダイワスカーレット!このまま独走か!?」
ウォッカが転倒したことなど知らないダイワスカーレットはレース開始直後から常に先頭を走っていた。
ダイワ「どこからでも来てみなさいウォッカ…体力にはまだ余力があるわ。」
しかしそれも束の間
ダイワ「ぐっ!?」
実況「並んだ並んだ!ノー○e-POWERがダイワスカーレットの側面を突いたぁぁあ!!!!」
トレーナー「突破口は…右だ」ギュイイイイイイイン
右コーナーをアウト気味に走っていたダイワスカーレットの脇腹を貫くかのようにインを攻めるトレーナー。
ダイワ「!?」
トレーナー「ダイワスカーレット…お前の欠点は右サイドの恐怖心を克服できていないってことだ…」
トレーナー「はっきり言えば…」
「右コーナーが下手くそだってことさ…!」
ダイワ「なにぃ…!」
実況「ノー○e-POWERが抜いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!大接戦ドゴーーーーーーン!!!!!いや!ハナ差でノー○e-POWER!ノー○e-POWERが勝ちました!!!」
「1着!ノー○e-POWER!2着ダイワスカーレット!!!3着セレナ!有馬記念を制しました!ノー○e-POWER!見事な走り!」
トレーナー「よーし!次も勝ってやる…!」
有馬記念を制したサイレンススズカのトレーナーは、今度はアイバではなく愛車と共にURAファイナルズ優勝への道を駆け上るーー!
その夢に立ち塞がるライバルとなるであろう最強の皇帝、シンボリルドルフ。そしてウマ娘としてもドライバーとしても超一流と謳われるマルゼンスキー。彼女らに勝つためにトレーナーは昼夜トレーニングに励む!俺たちのダービーはこれからだ!
ーーーーーーーーーーーご愛読ありがとうございました!