魔法少女リリカルなのは 魂を受け継ぐ魔神皇帝 作:ユニコーン
こちらで徐々に修正しながら投稿して行きます!!
不定期更新ですが宜しくお願い致します!
それでは、どうぞ!
時は、新暦71年4月29日の夜。
この日、首都クラナガンの臨時空港でレリックの暴走による大規模な火災が発生した。
民間人は地上局員の指示の元で救助されたが、この空港の中に
その三人とは、管理局地上本部に所属するゲンヤ・ナカジマの娘二人、スバル・ナカジマ、ギンガ・ナカジマ。
そして、自分の名前だけ唯一覚えていた記憶喪失の少年『ユウヤ・シュテンベルグ』である。
ユウヤは、娘二人の母であるクイント・ナカジマが任務で遠出をしている時に保護した少年だ。
彼は保護された時から記憶喪失に陥っており、唯一覚えているのは名前だけだった。
名前を調べて親族を割り出そうとしたが、シュテンベルグという家名は管理世界内では見つからず、彼は次元漂流者としてナカジマ家に保護された。
ナカジマ家にはまだ小さいスバルとギンガがおり、二人と同じ時間を過ごしていく内にユウヤは徐々に明るさを取り戻していき、今となっては二人のお兄さんのような存在になっていた。
その様子がハッキリと表れたのは、4年前に母であるクイント・ナカジマが任務の際に殉職した時である。
大切は母親を失って壊れかけたスバルとギンガの心をユウヤはしっかりと支えていたからだ。
そんな彼が今、最大の危機に陥っている。
「ぐっ…」
「ユウくん! しっかりして!」
「もう直ぐだから、ここを真っ直ぐ行けば出口に着くから!」
スバルとギンガを爆発から生じた爆風から守る為に壁になったユウヤは真正面から受けた。
それにより重傷を負い、両腕は爆風で飛んできた硝子が深く刺さって血が止まらず、肋骨は瓦礫がぶつかって数本折れ、両足は大火傷を負っていてまともに動けないので、スバルとギンガはユウヤの肩を支えながら出口に向かって歩いている。
エントランスに差し掛かったその時、噴水の真ん中にある女神像がビシビシと音を立てて、三人に向かって崩れ落ちてきた。
「「キャーーーーー!!」」
「(くそッ、なんとか二人だけでも…ッ!?)」
二人だけでも逃がそうと頭を働かせるユウヤだったが、生憎自分は身動きが取れないでいる。
どんどん女神像は三人を押し潰そうと迫ってきていたが、どうやら本物の女神様は三人を見捨てては居なかったようだ。
「よかった、間に合った!」
三人は声がした方に顔を向けると、そこには女神像をバインドで固定していた管理局のエースオブエース【高町 なのは】一等空尉がいた。
「直ぐに助けるから待ってて!」
そう言って女神像を三人から離れた場所に倒して近付こうとしたが、天井から瓦礫がドンドン降り注いで来た。
なのはは瓦礫をアクセルシューターで打ち落としながら自分もレイジング・ハートに魔力を込めて、
「ディバイィィィン・バスターーーーーー!!!」
なのはの十八番の
すると、もう一人救助に参加した同僚から念話が届いた。
「【なのは!】」
「【フェイトちゃん!?】」
「【報告にあった生存者三名は見つかった!?】」
「【うん、でもその内一人は重傷なの! 早く手当したいけど瓦礫が邪魔で動けないの!!】」
「【わかった! もう直ぐ着くからなんとか持ち堪えて!!】」
念話の相手は同僚にして親友である管理局執務官【フェイト・T・ハラオウン】
会話から推定すると、そう遠くない位置にいる様だ。
フェイトとの念話を切り、三人を被う様にプロテクションを張りながら、今だ降り注ぐ瓦礫をプロテクション内から撃ち落としていく。
しかし、それはいたちごっこの様でもあった。
「(崩壊が速い、このままじゃここももうすぐ…!!?)」
「なのは!」
「フェイトちゃん!」
念話から数秒後、エントランスにフェイトが到着した。
しかしそこでなのはが意識を瓦礫から外したのが不味かった。
「「ああッ!?」」
すると、天井を支えるのに限界がきたのか、その一部がそのままの形で崩落してきた。
空港の天井の一部とはいえ、様々な気候に備える為に厚く強固に作られた天井は、20mプールの4レーン程の広さはある。
そしてその落下地点は三人の真上。
覆いかぶさるように落ちてきているので、アクセルシューターやディバインバスターで破壊しても、バリアジャケットを纏っていない子供三人は破壊した瓦礫で押しつぶされてしまう。
「(駄目、あの瓦礫の大きさではチャージが間に合わない!)
「くッ!」
[sonic move!!]
なのはの居るエントランスに到着したフェイトは、天井から落ちてくる巨大な瓦礫を見た。
そして、なのはが直ぐに瓦礫を破壊しようと魔力を溜めたもチャージが間に合わないとすぐに判断したフェイトは、瓦礫の落下地点に居る三人を助けようとソニックムーブを使った。
瓦礫とフェイトの速さはフェイトの方が僅かに速い。
しかし、スバルとギンガ、そして大怪我をしたユウヤを一緒に抱えて飛ぶには、フェイトの華奢な身体では、飛べたとして持ち前のスピードは格段に落ち、一緒に潰されるのは眼に見えている。
そう瞬時に判断したユウヤは、驚くべき行動に出た。
<――――トン―――――>
「「「「―――え?」」」」
フェイトの胸に飛び込んで来た重さは、スバルとギンガ二人だけだった。
そう、ユウヤは最後の力を振り絞って二人をフェイトが飛んでくる方向に突き飛ばしたのだ。
そうする事によってフェイトへの負担は軽くなり、瓦礫を回避できる。
しかしフェイトも、ユウヤの突拍子もない行為に二人を抱えたまま固まってしまった。
[sonic move!!]
固まって動けないフェイトに代わって、バルディッシュが主導権を強引に握ってフェイトを動かし、二人をしっかり抱えてそこから離れた。
この時、ギンガとスバルの流れる時間がとてつもなく遅く感じた。
スバルとギンガはその時の中で後ろ―――ユウヤの居る方を振り向く。
「ユウくん!!」
スバルは必死でユウヤに向かって手を伸ばそうとするが、ユウヤは二人をフェイトに向かって突き飛ばし、ソニックムーブでその場を離れたのでスバルの手は届く事はずがない。
最後にユウヤは、二人に向かって微笑みながら言った。
『スバル、ギンガ―――――――』
『―――――――元気でね』
「ユウく―――――」
<―――ドガァァァァアアアン!!>
スバルがユウヤの名を呼ぶ声を遮るかのように、瓦礫はユウヤに降り注ぎ、その衝撃で床は崩れ、ユウヤは瓦礫と共に地下奥へと落下していった。
「「………」」
なのはとフェイト、二人のデバイス、そしてフェイトは、今目の前で起こった一寸の出来事に対して呆然としていた。
助ける筈だった三人の命が…その手に抱えているのは二人だけ…もうひとりの少年は、彼女達二人を突き飛ばして瓦礫と共に落ちて行った。
「「ユウくーーーーーーーーーーーーん!!!!」」
二人はユウヤが落ちていった穴に向かって、ユウヤの名を泣きながら叫んだ。
「「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
新暦71年4月29日 夜
この日、ミッドチルダの首都『クラナガン』の臨海空港でレリックによる大規模火災が発生した。
地上局員と少女三人の奮闘により、被害は少なく終わった。
しかし、その被害の中に行方不明者が含まれていた
ユウヤ・シュテンベルグ
そして今、ここから新たな物語が始まろうとしている。
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