魔法少女リリカルなのは 魂を受け継ぐ魔神皇帝   作:ユニコーン

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お待たせいたしました!

それでは、どうぞ!


第三話

―――とある研究所―――

 

 

 

 

 薄暗い部屋の中で複数展開しているモニターの中で、大型モニターを眺めている二つの影。

 その影の一つは白衣を纏い、金色の瞳に紫色の髪の整った容姿を持つ美形の男。

 その正体は広域指名手配犯『ジェイル・スカリエッティ』

 彼は、生体改造や人造生命体の開発に異常な執念を抱く科学者であり、今まで起こして来た事件は数知れない。

 しかしその正体は次元世界の守護者管理局の最高位、最高評議会の野望の為にアルハザードの技術によって造られた人造生命体。

 開発コードネームは『無限の欲望(アンリミデットディザイア)

 コードネームの通り、数多の知識と経験を欲する狂人である。

 

 

「くくく、今日は私の娘達の晴れ舞台、なんとめでたい事だ。そうは思わないかね、ウーノ?」

 

 

 話を投げ掛けられた【ウーノ】と呼ばれたもう一つの影の人物。

 その人物はスカリエッティに瓜二つの顔をしているがウェーブの掛かった紫色の髪を背中まで伸ばし、モデルの様な容姿をした側近【ウーノ】

 ウーノはスカリエッテイが持つアルハザートの知識と技術力で造り出された12人姉妹の戦闘機人『ナンバーズ』の長女であり、妹達の総指揮を担当している。

 『ナンバーズ』と称されるのは、全員が数字に由来する名前を付けられているからだ。

 【戦闘機人】とは、人間の肉体に機械を埋め込み、各部位を強化したサイボーグの様な存在。

 身体に機械を埋め込む為、定期的にメンテナンスをする必要があるが、常人を逸脱した身体能力を持ち、更に個々に固有の武装とIS《インヒューレントスキル》という特殊技能を持つ。

 【IS】とは、戦闘機人が有する魔力以外の力を原動力とした特殊技能の総称であり、それぞれが特定の分野に特化されている。

 ウーノはスカリエッティの側近として造られた為に戦闘能力は低いが、IS不可触の秘書《フローレス・セクレタリー》を持つ。

 その能力は、自分や自分のいる施設をレーダーなどの探知から隠す『ステルス能力』と、知能の加速による『情報処理・統括力の向上』という二つの能力である。

 未だに管理局がスカリエッティのアジトを発見出来ないのは、一重にウーノの能力のお陰でもある。

 

 

「『セイン』に『ディエチ』の稼動調査に加え、『クアットロ』のISと指揮能力調査の一環にしては…少々荷が重いのではないですか? いくら『トーレ』が様子を見るとはいえ、相手は機動六課ですよ?」

 

 

 ウーノは自分より後にロールアウトされた妹達のことを心配していた。

 スカリエッティはナンバーズを創る時、ただの機械ではつまらないと思い、個々の心を入れる為に敢えて機械だけでなく人間としての感情を入れて創った。

 そしてロールアウトされた娘達は感情を持ち、機械が埋め込まれた事以外は人間と変わりはない。

 長女として造られたウーノは姉として妹達の面倒をしっかりと見ており、家族としての愛情もたっぷりと注いでいる。

 その為、妹達を心配して今の様にスカリエッティに進言したりもする。

 

 

「何、普段の力を出せば遅れを取る様なことはない。彼女達の事を信じようではないか。それとも君は妹達を信頼していないのかい?」

 

「いえ、その様な事は…」

 

 

 長女として一番長く稼働しているウーノは妹達の実力はスカリエッティよりもよく知っているが、家族が傷つく姿は見たくない。

 そして治療も戦闘機人ならばカプセルに入れば短時間で治療可能だが、戦闘機人も痛みは感じる。

 妹達を心配している故に、スカリエッティへの返答も言葉を濁していた。

 

 

「それに…あのコードの意味が分からない以上、今のうちに娘達には経験を積ませておかねば後々対処しきれなくなる事も可能性があるからね」

 

「(アルハザードの知識を持つドクターでさえ理解する事の出来ないコード…いったい、何の意味があるのでしょうか、あの予言は)」

 

 

 二人が話しているのは、数年前に二番目の妹、諜報に長けるタイプの【ドゥーエ】が聖王協会に潜伏している際に耳にしたことだ。

 その予言を聞く限り、予言の内容は我らナンバーズとドクターの事を指しているのは直ぐにわかった。

 しかし、問題はその予言が発動した数日にさらに発動(・・)した予言だ。

 

 

「(あの新たに発動した予言に記されたキーワードは…一体何なのかしら?)」

 

 

 しかしウーノは、ドクターでもわからないことが自分に分かるはずがないと頭を振り、自分の仕事をし始めた。

 

 

 

 

―――――ミッドチルダ廃墟―――――

 

 

 

 

 過去に起こった大規模の次元震により崩壊し、今だ復興の目処が立たない廃墟の一角。

 その一角にある電波塔に、紫色の長い髪を持つ幼い少女が立っている。

 少女の名は【ルーテシア・アルピーノ】

 己が目的の為にスカリエッティと手を組んでいる一人だ。

 ルーテシアは比較的高さのある廃墟の屋上の端に立ち、下を見下ろしていた。

 

 

『ヘリに確保されたケースとマテリアルは妹達が回収します。お嬢様は、地下の方をお願いいたします』

 

 

 不意に、ルーテシアの顔の横にウーノが映ったモニターが現れた。

 

 

「―――ん」

 

 

 ルーテシアはウーノの声に軽く反応しただけで、表情を一つも変えなかった。

 

 

『騎士ゼストとアギト様は?』

 

「別行動」

 

『…お一人、ですか?』

 

 

 心配そうなウーノの問いに、軽く首を振って否定する。

 

 

「一人じゃ、ないよ」

 

 

 そう告げて、右手を軽く前に出す。

 すると、右手を覆っているグローブに着けられた紫の宝玉が煌めき、虚空に漆黒の“穴”が現れた。

 少女はその穴に愛おしそうに頬を寄せ、小さく呟く。

 

 

「私には【ガリュー】がいるから」

 

『失礼しました。協力が必要でしたら、お申し付け下さい。最優先で実行いたします』

 

「うん」

 

 

 ルーテシアが頷くと、モニタが消える。

 それを横目に見ながら、ルーテシアは虚空に浮かぶ穴に語りかけた。

 

 

「行こうか。ガリュー」

 

 

 その声に答えるように、穴が小さく紫の光を発した。

 

 

「探し物を…見つけに」

 

 

 少女の足元に紫の魔方陣が輝いた刹那、少女の姿は消えていた。

 

 

 

―――地下水道―――

 

 

 

 

 一方、下水道に降りたレリック捜索班は下水にレリックケースが引っかかってないかと気を配りながら進んでいた。

 その最中、ギンガが所属する部隊から通信が入った。

 報告を聞いたギンガは険しい顔をしてはやてに通信を入れる。

 

 

「たった今私が所属する部隊から連絡があったのですが、今回の事件と関係がある可能性があります」

 

『なんやて?』

 

 

 ギンガは第108部隊より届いた報告をモニター越しにはやてに報告していた。

 

 

「はい、報告によると、現場にあったのは壊れたガジェットと生体ポットのようです。丁度5・6歳の子供が入るぐらいので、近くに重いものを引き摺った後があり、それが地下水道に続いて今私が参加しているこの事件と何か関係があるのではないかと思います」

 

 

 ギンガの話しを聞いているフォワード陣も、報告内容が今回の事件に関連していると察した。

 

 

「それと、その生体ポットの映像が届いたのですが…少し前の事件に似ている気がするんです」

 

『…私もな』

 

 

 モニターに展開された映像には壊れた生体ポットが映っていた。

 それを見て、はやてとギンガの声に暗さが混じった。

 

 

「…人造魔導師計画、素体培養機」

 

 

「「「!?」」」

 

 

 ギンガの呟きを聞いたフォワード陣は言葉を失った。

 

 

「人造魔導師計画って、確か―――」

 

「優秀な遺伝子を使って人工的に生み出した子供に、投薬とか、機械部品の埋め込みで、後天的に強力な魔力や能力を持たせる為の計画だよ」

 

 

 キャロの言葉を繋いだのはスバル。

 普段みんなに明るく接している様子からは想像が出来ないほど真剣さと暗さを含む声だった。

 

 

「倫理的な問題の他に、資金や今の技術じゃ研究の不備も出るから、余程の馬鹿じゃない限り手を出さないはずなんだけど…」

 

[動体反応確認!ガジェットドローンです!!]

 

 

 キャロの持つデバイス【ケリュケイオン】の警告と同時に、前方からⅠ型が多数突撃してきた。

 各々は構えを取り、迎撃に出た。

 

 

 




いかがでしたでしょうか?

場面は余り進んでいませんが、次回から戦闘に入ります!

感想、アドバイス等をお待ちしております!
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