魔法少女リリカルなのは 魂を受け継ぐ魔神皇帝   作:ユニコーン

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お待たせいたしました!

それでは、どうぞ!


第五話

 

「どりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「散開!!」

 

「「くッ!」」

 

 

 

<ドゴォーンッ!!>

 

 

 

 アギトと名乗るあのユニゾンデバイスが放った火炎弾は、少なくともAA+ぐらいの威力はあるだろう。

 バリアジャケットを纏っているのにその熱さに耐えられない熱量に加え、着弾した箇所は下水が流れているのに地面がえぐれ、水が蒸発しているのだ。

 とてもじゃないが、バリアジャケットだけで防げる熱ではない…纏めて掛かって来いと豪語するだけの力はある。

 

 

 

<ゴォォォォォォッ!!!>

 

 

 

「なッ!? くッ!!」

 

 

 炎が着弾して発生した爆煙の中から、ガリューと呼ばれていた異形が右腕から生えている鉤爪を延ばし、危険を漂わせる光を放ちながら突っ込んできた。

 スバル達は左右に分かれて避け、ガリューの攻撃はスバル達の後方の柱に行った。

 右腕の鉤爪を引き抜くと、刺さった壁には皹一つ入らず深く刺さっており、その鋭利さにスバル達は寒気を感じたが、敵は悠長に待ってはくれない。

 固まっているスバル達に向かって、再度ガリューは鉤爪を構えて突撃してきた。

 

 

「はぁぁー!」

 

「!」

 

 

 しかし、ガリューの攻撃をギンガがリボルバーナックルで迎え撃つ形で防ぎ、両者は反発するように弾かれた。

 

 

「(うそ!? 戦闘機人の私と腕力が互角!?)」

 

 

 ギンガは実は戦闘機人の、それも近接特化タイプである。

 普通の魔力強化した人間よりもギンガの腕力は上で今はデバイスを展開しているにも関わらず、ガリューは相打ちでも傷一つ付いていない…バリアを纏っていない状態でギンガの攻撃を受け止めるとは、恐ろしい強度を誇る鉤爪だ。

 

 

「オラオラオラオラァ! 隠れてねぇで出て来いやぁ!!」

 

 

 加えてアギトがスバル達を翻弄する様に火炎弾を振り放ってくる。

 スバル達は太い柱の後ろに隠れて攻撃を凌いでいた。

 

 

「どうするティア?」

 

「任務はあくまでケースの回収よ。あの子が持ってるケースを回収したいけど、それをさせてくれる隙がない…」

 

「こっちに向かってるヴィータ副隊長達が来るまで時間を稼いで、合流したら一網打尽ってことね?」

 

「そうね、そうすればあの子達を捕まえて事情を聞くことが出来るから、何とか持ち堪えましょう」

 

【よし、中々いい判断するようになったじゃねぇか!】

 

 

「「ヴィータ副隊長!?」」

 

 

【二人共、状況をよく読んだナイス判断ですよ!】

 

 

 スバルとティアナが話しをしている時に念話が届いてきた。

 

 

「【ヴィータ副隊長、リイン曹長、今どちらに?】」

 

【あいつらの真上だ、うまいこと惹きつけてろよ!!】

 

 

「ッ!? ルールー、何かが来る! 魔力反応は…でけぇ!!」

 

 

 念話をしている時にアギトが焦った声を上げた。

 ルーテシアはその声に釣られて上を見上げると天井が震えて皹が入り、遂には砕けて瓦礫と共に二つの影が飛び出てきた。

 

 

「うぉりぁぁぁぁぁああッッ!!」

 

「捕らえよ、凍てつく足枷! フリーレンフェッセルン!!」

 

 

 ヴィータがラケーテンハンマーをガリュー目掛けて接近して振り下ろし、リインが凍結魔法を唱えルーテシアとアギトを拘束する為に魔法を放つ。

 

 

「ガリュー」

 

「(コクッ)」

 

 

 しかし、ガリューはヴィータの攻撃を後ろに一歩下がって避け、一瞬で二人の元へと行き、ルーテシアは自分を抱えるのに邪魔になるケースを捨ててガリューに抱えられて暗闇の中へと去っていった。

 

 

「ち、逃げられたか」

 

「あそこから一瞬で二人の所へ移動して逃げるなんて、すごいですぅ」

 

『『いやいや関心しちゃいけないでしょう…』』

 

 

 公務執行妨害で拘束しなければいけない相手が逃走したのに関わらずリインが相手を関心することにフォワードとギンガ、そしていつの間にか目を覚ましたキャロは思わず突っ込みを入れる。

 

 

「ですが、ケースを落としていったのが幸いです」

 

 

 まだダメージが抜けていないキャロがエリオに支えられながらルーテシアの居た場所に落ちているケースを拾って言った。

 ケースを空けて確認すると、レリックは無事に封印されてあった。

 

 

 

<ゴゴゴゴ……!>

 

 

 

「な、なんだ!?」

 

「地震!?」

 

 

 突然、辺り一面が縦に小刻みに揺れ始めた。

 柱のあっちこっちに徐々に皹が入っていき、ヴィータとリインが空けた天井が崩れていき、穴が広がっていく。

 

 

「いえ、大型召喚の気配がします、多分それで!」

 

「ちぃ、奴さんは目的の為なら周りは関係ねぇのか!? スバル!」

 

「はい! ウィングロード!!」

 

 

 スバルは右腕のリボルバーナックルを床に叩きつけ、空中に道を作る青い道『ウィングロード』を螺旋状に発動させた。

 

 

「スバルとギンガが先に行け! あたしが最後に飛んで行く!」

 

「「はい!」」

 

 

 スバルとギンガは言われた通り先導し、後ろにティアナとキャロ、エリオが続いてウイング・ロードを走っていく。

 

 

「ねぇ、キャロ」

 

「はい?」

 

 

 ティアナが隣で一緒に走っているキャロに話しかけた。

 

 

「ここを抜ける前にやりたいことがあるから、協力してくれない?」

 

「? ……はい!」

 

 

 少しだけ考えるそぶりをキャロはしたが、すぐにティアナのお願いに協力をした。

 

 

「ありがと…これでよし! …なっ!?」

 

 

 走りながらティアナはケースに何かをし終え、地上まであと僅かの距離になった時、巨大な瓦礫が降って来た。

 その大きさは、自分達が駆け上がっている空間を埋め尽くすぐらいの大きさで、今更引き帰そうにも落下スピードのほうが速く、どの道間に合わない。

 

 

「いくよ、ギン姉!!」

 

「ええ!!」

 

 

 そんな中、ギンガが新たにウイング・ロードを瓦礫一直線に向けて形成し、スバルとギンガはギンガのウイングロードに移って己の相棒のギアを上げて瓦礫に突っ込んだ。

 

 

「ダブルッ」

 

 

 二人のリボルバーナックルがカードリッチを二発ロードしてギアの回転が激しくなる。

 

 

「プレッシャーッ!」

 

 

 二人はリボルバーナックルを上半身が後ろに仰け反るまで引き締め、タイミングを伺う。

 

 

「「パーーーーーンチ!!!」」

 

 

 

<ドゴォォォォォォォォォォォォォン!!>

 

 

 

 掛け声と共にタイミングを合わせて放った二人の拳から、リボルバ-ナックルを模した自分達の身長と変わらない大きさの魔力弾が勢いよく放たれ、見事瓦礫を粉砕し、更に地上へと吹き飛ばした。

 

 

「(あいつら、いつの間にあんな技をッ!? だが、今はそれよりも容疑者の確保だ!)」

 

 

 ヴィータは二人の技の威力を見て驚愕したが、地上へと脱出したヴィータは直ぐに考えを容疑者確保に変えて全員を引き連れて膨大な魔力反応のする場所へと急行した。

 

 

 

 

―――廃墟―――

 

 

 

 

「ディエチちゃ~ん、ちゃんと見えてる~?」

 

「ああ、遮蔽物もないし、空気も澄んでる。よ~く見える」

 

 

 機動六課が位置する所から遠く離れた廃墟、その一角の屋上に二人の青い全身タイツで身を包み、その上にマントを着ている女性が二人いた。

 ディエチと呼ばれた長く栗色をした髪を黄色いリボンで後ろにリボン結びで結んだ女は、自身の左目に搭載されてる【サーチアイ】でヘリを見ている。

 

 

「でもいいのかクアットロ? ヘリを撃っちゃって…ケースは残せるだろうけど、マテリアルの方は破壊しちゃうことになるぞ?」

 

「うっふふ、ドクターとウーノ姉様曰く、あのマテリアルが当たりなら…『聖王の器』ならば、ちょっとやそっとじゃ壊れはしないって♪」

 

「ふ~ん……」

 

 

 クアットロと呼ばれる眼鏡を掛けて白いマントをしてる女性は、ディエチの質問に機嫌よく答える。

 ディエチは身に纏っているマントと脱ぎ捨てた後、自身の持っている身の丈を超える物を包んでいる布も捨て、固有武器『イノーメスカノン』を露にした。

 

 

 

<ブンッ>

 

 

 

『クアットロ、ルーテシアお嬢様とアギト様が捕まったわ』

 

「ん~? あ~そういえばぁ、あのチビ騎士に捕まってましたわね~」

 

 

 ウーノから知らせを聞いたクアットロはモニターを展開し、現在の二人を見た。

 モニターには大人しく捕まっているルーテシアと、バインドを齧って抜け出そうともがいているアギトが映っていた。

 

 

『今はセインが様子を伺ってるけど…』

 

「フォロー、しますぅ?」

 

『お願い…』

 

 

<ブンッ>

 

 

 ウーノのお願いを聞いたクアットロは、セインと呼ばれる自分の妹が今何処に居るのか確認して指示があるまで待機と伝えた。

 軽い下ごしらえを終わらせたクアットロはルーテシアに念話を送る。

 

 

「【ルーお嬢様~?】」

 

「【クアットロ?】」

 

「【はぁい、クアットロでございます~。何やらピンチの様子ですのでお助けいたしますねぇ~。今から私が言う事を復唱して下さ~い♪】」

 

「【…わかった】」

 

「IS・へヴィバレル、発動」

 

 

 クアットロがルーテシアに念話をしている間に、ディエチは自分の身の丈を超える長さのライフルを構え、照準を管理局に向かって飛んでいるヘリに定めた。

 ディエチの斜め上で悠々と座っているクアットロは相手にもっとも有効であろう事を口にする。

 

 

「逮捕はいいけど」

 

「逮捕は…いいけど―――」

 

 

 

 

 

「【大事なヘリは放っておいていいの?】」

 

 

 

 

 

「!? てめぇ、何を言ってやがる!」

 

 

 一方、ルーテシアの口から出てきた言葉を聞いたヴィータ達は困惑していた。

 何故なら、今まで黙秘を保っていた少女が突然、不吉な言葉を発したからだ。

 だが、ヴィータの質問には答えず、ルーテシアは感情の薄い瞳をヴィータに向けて更に発する。

 

 

「【貴方はまた―――】」

 

「【―――護れないかもね】」

 

 

「ッ!!?」

 

 

 その言葉を聞いたヴィータは何のことか察知し、弾かれるようにヘリの方向を見上げた。

 

 

 

「発射!」

 

 

 

<ドォゥゥゥゥンッ!!>

 

 

 

「「あッ!?」」

 

 

 イノーメスカノンのチャージを終えたディエチは、クアットロがトドメの言葉を口にしたと同時に砲撃を放った。

 空のガジェットの相手ははやてが引き受け、ヘリに急行しているなのはとフェイトは、遠い場所からヘリに一直線に迫る野太い閃光を見て、自分達もスピードを上げるが、砲撃との間に入るのには間に合わない。

 今居る場所からディバインバスターで砲撃を相殺しようにもチャージと飛距離が間に合わない……

 ハイヴェイからヘリの方向を見上げるヴィータもまた、砲撃が直撃する最悪の光景を思い描いていた……

 

 

 また、私/あたしは…

 

 護れなかったの/か…?―――

 

 

 

 ―――俺が護って見せますよ、なのはさん、フェイトさん?

 

 

 

<シュンッ!>

 

 

 

「「「!?」」」

 

 

 

<ドゴォォォォォンッ!!>

 

 

『ヘリは…ヘリはどうなったんや!?』

 

『だめです、ジャミングが酷くて確認出来ません……』

 

『そんな…シャマル、ヴァイス君!!』

 

 

 オペレーター達とはやては焦り、無事を祈っていた。

 しかし、なのはとフェイトはその場で止まってヘリのある方向を困惑の表情で凝視していた。

 

 

「ねぇ、フェイトちゃん…」

 

「…うん、私も見えた」

 

 

 フェイトとなのはは見えていたのだ。

 自分達の下を自分達より早く飛び、ヘリと砲撃の間に割って入った存在を―――

 

 

 

 

 

「………」

 

「あらぁ? どうしたの、ディエチちゃ~ん?」

 

 

 ディエチは砲撃を放った体勢のまま固まっていた。

 クアットロは気付いていない様だが、砲撃がヘリに着弾する殺那、何かが間に割り込んでヘリの盾になったのをディエチは見ていた。

 

 

「今、何かが割り込んで…?」

 

 

 

<ボフンッドヒュゥゥンッ!!>

 

 

 

「「な!?」」

 

 

 爆煙に変化があり何かと見ていたら、中から何かが猛スピードでディエチとクアットロに迫る。

 ディエチは左目の望遠鏡を赤外線に切り替えて正体を見ようとしたが、意図的か分からないが爆煙を濃く纏ったまま猛スピードで突っ込んで来ていて座標が合わず、解析が間に合わない。

 しかし一直線にディエチ達に向かっているので、ならばと、イノーメスカノンで撃ち落とそうと再び構えると―――

 

 

「『剃』」

 

 

 

<ブゥンッ!>

 

 

 

「なッ!?」

 

「消え---」

 

 

 

<ブゥンッ!>

 

 

 

「「!?」」

 

 

 突如、射線から消えて一瞬の内に自分達の横に現れた。

 そして―――

 

 

「『嵐脚』」

 

 

<シャァンッ!>

 

 

 

 イノーメスカノンが半分に切られた――――

 

 

 

「「…え?」」

 

 

 

<ドゴォォォォン!>

 

 

 

「「いやぁぁぁぁぁぁ!」」

 

 

 

<ガンッ!>

 

 

 

「ふぎゃッ!?」

 

「ぐッ!」

 

 

 悠々と壁の上に座っていたクアットロはイノーメスカノンの爆発を直接受けて吹き飛び、床に後頭部を思いっ切り打ち付けて奇声を上げて蹲った。

 ディエチは受身を上手く取れず右肩を打ち、クアットロの横で右肩を抑えて尻餅をついていた。

 自身の固有武器が破壊された所には、爆煙を纏った何かがディエチ達を見据える様にそこに両足でそびえ立っていた。

 

 

「あいたたたたた、もう~…あ、あら~? あなたは、な、何なのかしら~~?」

 

 

 クアットロは地面に打ち付けて出来たタンコブを片手で涙目で抑えながら、何時も通り喋っているつもりだが、声は震えて眼鏡がズレていた。

 一方、ディエチは焦っていた。

 唯一の自分の固有武器を破壊され、尚且つ自分は近接戦闘は不向きな上に手負いなので戦闘になれば確実に戦闘機人の身体でもやられる。

 クアットロも作戦参謀のポジションだから、考えるまでもない。

 クアットロのIS、シルバーカーテン…姿を自在に操り、センサーすら翻弄する効果があるそれを使いながら逃げれば行けるかもしれないが、相手はイノーメスカノンよりも早く移動することが出来る存在。

 幻惑で映された大量の自分達を片っ端から片付けられて行けば、直ぐに本体がバレてやられてしまう。

 

 

「…ん?」

 

 

 

<シュンッギィィィン!!>

 

 

 

「「!?」」

 

 

 

<ガキィィィンッ!>

 

 

 

「くッ!」

 

「「トーレ/姉様!」」

 

 

 爆煙を纏った何かが動き出す前に、監視役として二人を見張っていたトーレがライドインパルスで爆煙に背後から攻撃を仕掛けたが、何か鈍い音を立てるものに攻撃を受け止められ、弾き返された。

 その反動を何とか生かしてディエチ達と爆煙の間に入り、二人を守る様に構えるが…

 

 

「(バカな、インパルスブレードが欠けた(・・)だと!?)」

 

 

 トーレは右腕のインパルスブレードが掛けている事に驚愕していた。

 自身のIS・ライドインパルス…瞬時に移動して敵を切り裂くISを使って今まで小競り合い状態になったことは戦っているうちに何度もあるが、欠ける(・・・)ことは決してなかった。

 形成し直せば元に戻るが、ドクターが造ったこのライドインパルスとインパルスブレードが初めて負けたのだ。

 トーレは自分の前に居る存在に警戒をさらに強くした。

 やがて、煙が晴れて自身達と相対している謎の正体が露になった。

 その姿は、両腕に螺旋を模倣させる刃を備え、両足は強靭な強度が見た目で解る程の黒い鎧を纏い、黒い髪を短く整えている。

 身長はトーレより身長は少しだけ高く、胸元には【Z】の紋章(エンブレム)が赤く輝いていた。

 そして―――

 

 

「(何なんだこの男はッ!)」

 

 

 目の前の男から発せられる圧力に三人は動けないでいた。

 無理もない、男の周りが蜃気楼の様にユラユラと揺れているのが目で見えるぐらい強い圧力だ。

 その圧力は、まるでその存在にひれ伏される様な感じだった。

 

 

<ブンッ>

 

 

 

『トーレ、レリックとルーテシアお嬢様を確保したから直ぐに戻りなさい。ドクターからの命令よ』

 

「ウーノ!? …くッ! ライドインパルス!」

 

 

 トーレは自身の横に映されたウーノの指示通り、直ぐ様二人を抱えてISを発動させ、その場から消えた。

 

 

「行ったか……向こうは、ん?」

 

 

 彼は三人が退いたのを確認して後方に飛んでいるヘリを見ようとする途中、高速道路にフォワード陣がいるのが目に入った。

 

 

「『剃・月歩』!!」

 

 

 そして、少年は自分の宝の危険を察知し、その場から高速道路に向かって直行した。

 一方、他の仲間を聞き出そうとルーテシアにヴィータが鬼の形相で迫るが、隙を突いた戦闘機人によって容疑者二名は逃げられる上に、レリックケースを盗られた。

 そして、カンカンなヴィータにスバル達がレリックの本当の隠し場所をヴィータとリインに種明かしをしている時に、事は起こった。

 

 

 

<ジャリッ>

 

 

 

『相棒、後ろです!』

 

「え?」

 

 

 相棒のマッハキャリバーから切羽詰ったセリフが飛び、それと同時に破片を踏み割る音が背後から聞こえてスバルが後ろを振り向いた時、そこには半壊してコードやら基盤がはみ出ているⅢ型が、スバルに向かって巨大なベルトのアームを既に振り下ろしていた。

 

 

「スバルッ!」

 

 

 離れてはいるが、比較的一番近くに居るギンガが叫んでスバルの元へ手を伸ばし、ティアナは銃を構えて撃とうとするが間に合わない。

 他のメンバーも動くが、スバルから距離が離れている為に突き飛ばそうにも間に合わない。

 

 

『……ユウ君…』

 

 

 走馬灯だろうか、ベルトのアームが止まったように感じる。

 更に今までの出来事がフィルムの様に流れてくる。

 その殆んどは、大好きなユウヤと共に過ごした日々だった。

 そして、ユウヤが行方不明となった時、ギンガと共に泣きながら誓った『強くなる』という記憶が鮮明に写される。

 

 

『ごめん、ギン姉…約束、守れないみたい……母さん、今…逝くね?』

 

「スバルーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『獣厳!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<ドゴォォン!!>

 

 

 

『『え!?』』

 

 

 殺那、掛け声と共に何かがⅢ型に突っ込み、Ⅲ型が爆発した。

 何が起こったか分からず全員があっけに取られている中、爆煙が徐々に晴れていき、中から人影が見えてきた。

 

 

「調子に乗り過ぎだガジェット…」

 

「「…え?」」

 

 

 爆煙の中から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

 

「俺の宝に手を出す輩は……例え神だろうが悪魔だろうが、容赦はしない」

 

「「―――!?」」

 

 

 そして聞き覚えのあるセリフに二人は固まった。

 

 

「「(このセリフ…ッ)」」

 

 

 そのセリフは小さい頃によく言っていた想い人の口癖、一句一字違わないそのセリフが頭の中で小さい頃に聞いていたセリフと重なった。

 そして爆煙が晴れて露になった正体を見て、次第に涙が込み上げてきた。

 何故なら―――

 

 

「ユウ……君?」

 

 

 そこには―――

 

 

「久しぶりだな、怪我はないか? ギンガ、スバル」

 

 

 ―――四年間もずっと行方不明となり、会いたくても会えなかった想い人【ユウヤ・シュテンベルグ】が、成長してスバルの目の前に立っていたのだから。

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?

主人公、五話にてやっと登場です!

感想、アドバイス等をお待ちしております!
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