全然辛くはないけど皆さん5thにはいかれましたか?私はそもそも当たらなかったのですがせめてグッズだけでも買いに行きたかったのですがそれすら………まぁ土曜は仕事、日曜は試験でそもそもそれどころではなかったんですが。
虹ヶ咲は劇場版やらんのかなぁ。やってほしいなぁ………もはや生きる糧なんだよねぇ。
あ、梨子ちゃん誕生日おめでとう。まだCD買いに行けないけどちょっと待ってね。
今回はちょびっと短いです。
スクールアイドルフェスティバル四日目。今日は紫苑女学院での開催だ。
「………」
瑠和は紫苑女で売っているハンバーガーを齧りながら空を見つめる。結果的に栞子の笑顔は見られなかったが誰かのためにと走り始めると無理も厭わない瑠和的にはいい結果に落ち着いたのかもしれない。
「ん?おお、瑠和君」
「薫子さん」
黄昏る瑠和のところに薫子が来た。
「どうしたのこんなところで」
「いえ………特に理由は……………ん?ここ、紫苑女なのになんでこんなところに?」
瑠和は虹ヶ咲の教育実習に来ているはずの薫子がなぜこんなところに来ているのかということに驚く。
「ああ、今はお祭りじゃない?だからあんまりやることなくてね。それに、アタシはここの卒業生だったからねぇ」
「そうだったんですか………知らなかったな」
「そりゃ栞子もまだ小学生の時の話だからねぇ。でも、一応その時スクールアイドルやってたのよ?」
「え?」
なにか、記憶の中に引っかかるものがあった。覚えたわけでもないような記憶が急に脳内に蘇る。
―2年前―
それは、2年前の話だ。付き合って1月経ったある日、瑠和は栞子の家に遊びに来ていた。一緒に好きな映画を見ようという話だったが、恋人の部屋というのは少し落ち着かないもので自然と視界が忙しく動いていた。
そんな時ふと目に入ったのは写真立てだ。
「…これは」
手に取ってみるとそれは栞子ともう一人の少女が仲良く同じポーズを取っている写真だった。
「ああ、それは姉さんとの写真です」
「栞子は姉ちゃんがいるのか」
「ええ、今は実家を離れていますが」
姉妹の写真と言われれば別に違和感がないが、普通じゃしないようなポーズを取っていることに瑠和は違和感を覚えていた。
「………これ、なんのポーズなんだ?」
「…………姉さんが高校生の時、スクールアイドルをやっていまして。その練習に付き合わされた時の写真です」
付き合わされたという割にはずいぶんと楽しそうな栞子の表情を瑠和は気にした。今の栞子に比べて写真の中の栞子はずいぶん楽しそうだったからだ。
「栞子は笑わないよな」
「………それはあなたもでしょう」
そう言われた瞬間瑠和は何か納得したような気がした。瑠和も家族との一件があってから笑わなくなった。きっと栞子もそうだったんだろうと思った。
「そうだな」
―現在―
栞子がいつから笑ってないかはわからない。しかし、もし写真の中の栞子のことを知れれば栞子の笑顔にたどり着ける。そう思った。
「………薫子さん、昔の栞子のこと聞かせてください!!」
「ん?まぁいいけど……なんで?」
「あいつの笑顔が…………大好きが見たいんです」
その言葉で薫子は何かを悟った。もしくは薫子自身ずっと気づきながら目を反らしていたのかもしれないことを、目の前の少年が変えてくれる。そう感じたのかもしれない。
「あの子もね、小さい頃は今ほどクールな子じゃなかったのよ。そりゃ今だって笑うし可愛いけど、心の奥はどこか冷めていて………あの子がそんな感じになったのは………きっとあの日から」
薫子はすべてを話した。彼女自身がスクールアイドルをやっていた時代、何があったのか。スクールアイドルをやっていたがラブライブでは予選落ち、元々嵐珠という親友が引っ越してしまった栞子を元気づけようとやったスクールアイドル活動が、結果的に彼女を曇らせるきっかけになったのではないかと。
全部聞いた瑠和の顔はどこか晴れたような気がしていた。それは話終わった薫子もそうだった。
「………ここまで話しておいてあれだけど…なんか自分が情けなくなっちゃった……心のどこかではあの子の気持ちに………ううん、顔を見ればすぐにわかるんだから…気づいていたのに」
「でも、仕方なかったんじゃないですか。そんなことあったら一番傷ついたのは薫子さんで、それにすぐに受験だのなんだので………気遣う余裕もなかったんでしょう?」
「そうだけど……たった一人の妹悲しませておいてそれは言い訳としてあまりに…………」
薫子の手が掴まれる。その先の言葉は瑠和が言わせなかった。
「そんな風に言わないでください。確かに逃げたって言われるかもしれない。だけど、薫子さんが栞子に灯した灯はきっと消えてない」
「…多分今更アタシが何言っても駄目だと思う………でも、君の言うとおりあの子がスクールアイドルをやりたいって気持ちは変わってないと思う…………任せていい?」
事情が分かったせいかさっきまで曇っていた瑠和の頭は冴えていた。瑠和はその自信と共に首を縦に振った。
「任せてください」
「ありがとう。強いんだね。君は……どうしてそんなに強くいれるの?」
「俺は強くなんてないです。俺もずっと妹から逃げてた。そんなときに出会ったのが…………彼方さんです」
「彼方って虹ヶ咲のスクールアイドルの?」
「はい。元々高咲侑ってやつを見ていて俺は誰かの助けになりたいって思ってた。人の顔色が見えることを呪うだけじゃなくてせめて役立てたいって。だけど、それだけじゃダメだった。俺は自分が不幸だったってことに甘えて自分の弱さに向き合おうとしなかった。誰かを救うことで、自分の弱さからもっと逃げようとしていたんです」
あの日、自然と彼方に自分の事情を話したのは彼女だったら頼れると思ったからだろうか。そんな風に思うときがある。
「でも彼方さんは、お金がなかったり、親が忙しくて全然自分に構ってくれなかったり………そんな不幸を不幸と思わず全部受け入れて楽しんでるあの人が輝いて見えて………だからそんな風になりたかったのかもしれない」
瑠和は立ちあがった。
「まぁ任せてください。栞子のことは俺の欲望でもありますから」
瑠和は決意を固めて走っていく。気づいてしまえば理解は早い。前のように同好会に無茶ぶりをやってもらうこともない。
「彼方さん!みんな!」
下手に明るいのは瑠和には似合わない。だから瑠和は同好会に託した。自分の想いを。同好会は瑠和の頼みを断るような集まりではない。皆快く引き受けてくれた。
とりあえず現在の栞子のことは同好会に任せ、瑠和は侑のところへ行った。
「それから侑、ちょっと協力してくれないか?」
「ん?私?」
「ああ、最終日のための曲を作ってくれてるお前にこんなこと頼むのは申し訳ないんだけどな…」
「ううん、瑠和君が頑張ってくれてるから私も音楽家に集中できてるわけだから………私にできることなら何でも言って!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
瑠和たちが裏で色々やっている間に彼方たちは栞子と一緒に紫苑女の出し物を堪能していた。
そして、最後に紫苑女学院のステージまで案内される。
「ここは…………」
「お前の………夢が始まったところじゃねぇのか」
ステージの上に瑠和が現れる。
「瑠和さん?」
「…………お前が呪いのように繰り返す適性って言葉………それが何なのか薫子さんから聞いてわかった気がした…………だから、お前をその呪縛から引きずり出す」
「え?」
「泣かないで…………塞がないで………見えてるものだけが真実じゃない……耳済まして…研ぎ澄まして…名もない感情がうねり押し寄せてく………♪」
瑠和は唐突に歌い始める。それと同時にギターとピアノがメインの伴奏が流れ始める。栞子が学園祭を堪能している間に瑠和と侑が完成させた曲だ。
「全て捧げても守り抜くと誓う…たとえ悪魔の手を取ろうとも……っ!I wanna be your hero!!♪」
それは瑠和の想いを、願いを込めた歌だった。侑に力を借り、新曲を数時間で完成させたのだ。そしてそれを歌うのはその気落ちを届けたい瑠和自身だった。
「どんなに離れていても、翔けるよ。距離も時さえも超えて行く力を……重ねた絆で今を抱きしめられたら光が降り注ぐ未来へとつながるだろう。I'm missing you missing you I'm missing you…♪」
I'm missing you、それはきっと数年越しの瑠和の想いだ。いまは彼方が、同好会メンバーがそばにいてくれるから寂しいとは思わない。だが、栞子が笑っていないのは瑠和にとって寂しいのだ。同好会と重ねた絆で今を抱きしめられたら……栞子の笑顔に届く。そんな気がした。
「心が叫んでいるこんなにも!…I'm missing you I'm missing you 強く…強くもっと!♪」
再開の日から感じていた、瑠和の叫びが木霊する。
「大切なものが増えて行くほど臆病になり、押しつぶされそうなときも……身体中をめぐる、燃えるような血潮…遺伝子(キオク)が語り掛ける……I wanna be your hero…繰り返される無償の愛情……揺らぐことのない信じぬく力を………♪」
押しつぶされそうなときも、仲間が見せてくれる信頼の色。それが何度も瑠和を立ち上がらせてきた。
「I wanna be I wanna be your hero どんなに離れていても、翔けるよ。距離も時さえも超えて行く力を……重ねた絆で今を抱きしめられたら光が降り注ぐ未来へとつながるだろう。I'm missing you missing you I'm missing you…心が叫んでいるこんなにも!…I'm missing you I'm missing you 強く…強くもぉっとぉぉぉぉぉ!♪」
かつてないほどの全力の歌唱がステージに響き渡った。
「瑠和さん………」
「はぁ………はぁ………今日は、何の日か知ってるか?」
「え?えと………フェスティバルの四日目ではないのですか?」
「そうだけど、そうじゃないよ三船さん」
「今日は、みんなの夢が叶う日だよ」
エマにいわれ、栞子はハッとする。
「こ~んなに頑張ってくれた栞子ちゃんの夢も叶わなきゃ、スクールアイドルフェスティバルは成功とはいえないよね?」
「私の………夢…」
栞子はステージの瑠和を見た。瑠和は笑顔で手を差し伸べる。
「お前が笑顔になること、それが俺の夢でもあった………だから、栞子も夢を叶えてくれよ。適性って言葉に縛られず………俺はスクールアイドルなんて向いてないと思うし、言うほどやりたいとも思わない…だけど、歌にのせて思いを届けることは、大好きなんだ。何度も届けられてきた。だからこそ誰より知ってる。夢は叶うって。俺が今やってることに………適性なんて、必要か?」
「……」
栞子は少し手を伸ばそうと思った。しかし、そのステージに焼き付いた過去が、かつての姉の姿がその手を止める。
「でも………姉は泣いていました。夢を叶えようと…三年間、努力し続けて…。最後は………泣いていたんです!後悔していたんです!!」
「してないよ。後悔なんか」
「姉さん!?」
そこに薫子が現れた。
「確かにあの時は悔しかった。でも………今では、やってよかったって、思ってるスポットライトの眩しさも、歌を届ける喜びも、可愛い妹にすごいって言ってもらう誇らしさも、スクールアイドルをやって知ることができたんだから」
「私はあなたが応援してくれたから、幸せな高校生活を送ることができたって思ってる。それで今は教師になってたくさんの人を、アナタを、応援できる人になりたいって思ってる」
「三船さんは、お姉さんのステージを見てたくさんの幸せをもらったんじゃないの?」
徐々に気づいていく。適正という言葉だけで封じ込めていた自分の想いに。かつて受けた感動をいつか自分が伝える側になりたい。そんな思いがあったのに、あの日を境にそれを封じ込めてしまっていた。
「そうです。姉は私にたくさんの胸の高まる思い出をくれました。そんなもの、現実のまえでは無意味だと思っていました。そのはずなのに、私が皆さんを応援しようとしたのは、スクールアイドルから離れたくなかっただけなのかもしれません…………私に、できるでしょうか?」
「当たり前よ」
栞子の不安そうな質問を消し飛ばすような声が聞こえた。そこに現れたのは嵐珠だった。最終日が終わるまで同好会と関わらない予定だったが、たまたま栞子を見かけ、ここにやってきていたのだ。
「嵐珠」
「嵐珠だって誰かと何かやることなんて……慣れ合うなんて想像できなかった。だけど、それはもうすぐ叶おうとしてる。嵐珠にできて栞子にできなわけないじゃない」
「…」
栞子はそっと瑠和の差し伸ばされた手を掴む。瑠和は笑って栞子の手を引っ張り、ステージに引き上げた。それと同時に瑠和はステージを下りる。二人がすれ違う瞬間、瑠和は栞子に伝えた。
「思いのままに感情を吐き出せよ」
栞子は、小さく頷いてステージに立った。
彼女の吐き出した感情は素晴らしい色で、ずっと瑠和が見たかった色が広がって行くのを感じた。
「これでいい…………これが俺の…」
続く
皆さんはホテルにはいかれました?またアップグレードしたらしいですね。アンケートに「おかえりっていわれたい」って書いたのですが皆願いは一緒らしい。