そういえば国際展示場駅が虹ヶ咲学園前駅になるらしいですね。
「侑」
虹ヶ咲学園のファーストライブが決定した翌日。瑠和は音楽科に顔を出し、侑のもとを訪ねていた。
「瑠和君。こっちに来るなんて珍しいね。どうしたの?」
「お前に作曲を手伝ってほしい」
「え?いいけど………誰の?」
「………」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
瑠和が嵐珠の部屋から去った日から三週間が経ち、同棲の契約を終えたことで瑠和と彼方はまた別々の暮らしに戻った。
「………」
久しぶりに我が家に戻ってきた璃奈が見たのは布団にくるまる兄の姿だった。
「何やってるの?」
「布団に残った彼方の温もりを感じてる………」
表情が出ない璃奈でさえ引いてるの伝わってくる間が空いた。しかし瑠和はそんなもの気にする素振りも見せない。璃奈は少しだけ考える。このまま彼方に依存したままでは、瑠和がいつか来るであろう別れ、つまり卒業から先、立ち直れないのではないかと。
「………彼方さんは素敵な人だと思う。だけど、もうすぐ彼方さんも卒業しちゃうから…」
「だから何だ?」
「いつまで付き合ってられるかわからないし……………お兄ちゃんも」
「別れないよ」
璃奈の言葉を遮って瑠和が言った。
「え?」
「俺はずっと彼方のそばにいるって決めたんだ。なにがあっても、何が起ころうとも」
「お兄ちゃん……」
(そうでなきゃ明日和は……)
きまった未来というのはある意味での呪いでもあった。つまりはこの先の未来、何があっても瑠和は彼方との関係は切れないということだ。無論、彼方に飽きるわけも無いのだが。
「そういえば璃奈、なんで練習着なんだ?」
「……遥ちゃんが、もうすぐラブライブだから、最近練習に付き合ってた。今日も私が帰るギリギリまでお願いされたから」
「そうか………もうそんな時期か…………」
「………」
そんな二人の会話を、廊下で明日和は聞いていた。明日和は少し考えてからポケットの中から石を取り出した。それは未来で、瑠和が渡したお守りの石だった。
「信じる気持ち……」
―東雲学園―
「だからそれじゃあ間に合わないっていってんだろ!?」
「ですが、ここを変えれば決定的にパフォーマンスはよくなります!」
東雲学園、スクールアイドル部で言い合いをしているのはたった一人。良久と現直だった。スクールアイドル部のマネージャーとして、お互い意見がぶつかったようだ。お互いと言っても一人なのだが。
「まぁまぁ、現直さんも良久さんも落ち着いてください」
「はぁ………すいませんお見苦しいところを…」
最近疲れ気味の現直を遥は心配していた。そのことをことねに話すと、ことねは事情を知っていた。
「なんか最近歩夢さんに会えてないらしいよ。こっちが忙しいんじゃなくて、歩夢さんの様子が少し変なんだって」
「………」
―虹ヶ咲学園―
「瑠和君、ちょっといいかい?」
放課後、テストが近いため同好会の活動が休みなので帰ろうと席を立った瑠和のところに彼方がやってきた。
「彼方、どうかした?」
「ちょっと手伝ってほしくてねぇ」
瑠和は彼方につれられて屋上までやってきた。連れてこられた屋上にはブルーシートと丸まった半紙らしき紙が用意されていた。
「なにこれ」
「うん、もうすぐラブライブがあるでしょ?だから遥ちゃんのこと応援したくてね?」
「あーなるほど。いいよ、手伝う」
言わんとしてることを理解し、瑠和はすぐに手伝う準備に入った。書くのは彼方がメインなので瑠和はデザインを決めたり、全体的なバランスを指示する役として彼方を手伝う。
瑠和に依存している節があるとはいえ、やはり彼方は彼方だ。妹を溺愛している。
「ねぇ瑠和君」
「どうかした?」
作業中、彼方が瑠和に話しかけた。
「最近瑠和君、なにか思い悩んでない?」
「え………」
「彼方ちゃん意外とみんなのこと見てるからねぇ。瑠和君と、侑ちゃんと、歩夢ちゃんが今気になってるけど………どう?」
「…………」
思い悩んでいるのは事実だ。しかし、未来のことを知ったなんて言えるわけも無い。この先起こることを伝えれば、タイムパラドックスが起きかねない。
「俺は大丈夫だ。俺がやることは昔も今も変わらない。背負うのは、これが最後だ。だから………侑と歩夢のことは任せていいかな?」
「………うん、任せて!」
瑠和は彼方に二人のことを託した。準備が終わり、彼方の書く文字のバランスを伝えるべく瑠和は高い場所に移動する。
「えーっとLがけっこう右上に向いてるんで………」
数十分かけて遥を応援するための幕が完成した。瑠和も結構指示するだけで疲れ、屋上で少し休憩しようとしたとき、目の前に焼き芋が差し出された。
「んあ?」
「…………どうぞ」
差し出してきたのは明日和だった。どういう意図か知らないが瑠和はとりあえず焼き芋を受け取る。
「どうしたんだこれ」
「焼き菓子同好会の人たちがくれました…………この間の私のゲリラライブを見てくれたみたいで……期待してるって…」
「………そうか。ならいいんじゃねぇか?」
「………期待されるのは…苦手です」
未来で、相当な期待を持たれたんだろう。期待されることに対して恐怖心と言うか、ビビって萎縮してしまうのだろう。仕方ないと言えば仕方ないのかも知れない。
24年後の虹ヶ咲学園のスクールアイドルフェスティバルには実力が求められる。初代虹ヶ咲スクールアイドル同好会メンバーの娘として、彼女に背負わされた期待は相当なもの。仕方ないのだ。
「仕方ないなんて…認めてたまるか」
瑠和は小さくつぶやいた。
期待に応えなきゃいけないなんて、そんなものは本当の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のあるべき姿ではない。
だから、伝えなければならない。知ってもらわなければならない。本当の同好会を、本当のスクールアイドルを。
「何か言いました?」
「………来てくれ、明日和」
瑠和は明日和を連れてお台場の街に出た。科学未来館、ジョイポリス、アクアシティ、様々な場所を連れあるき、全力で遊ぶ。代金はすべて瑠和持ちになるが、今の瑠和はあまり気にしない。
最初は瑠和に引っ張られ仕方なくといった雰囲気の明日和だったが、次第に笑顔を見せるようになっていった。
そんな中でショッピングに立ち寄ったヴィーナスフォート。服や化粧道具などを見ている中でふと、明日和は先を歩く瑠和の手を見た。
「………」
「…ん?どうした?」
視線を感じた瑠和は明日和に尋ねた。
「いえ…」
しばらく遊んだ二人は休憩を兼ねて観覧車に乗る。
「………この観覧車から見える景色………こんななんですね」
「…乗ったことないのか?」
「ええ。見たことがあるだけです」
(未来の俺は観覧車にも乗せないのか?)
そんなことを思いながらも観覧車はゆっくりと回っていく。静かになった観覧車の中で明日和は思い切って瑠和に今回の外出の意図を尋ねてみる。
「…………どうして、急に私を連れ出したんですか?」
「気負ってるみたいだったからさ、息抜きにな。彼方も俺のためにこうやって連れ出してくれたんだ」
「そうですか……」
「それでさ、今日は何が一番楽しかった?」
「え?」
急に言われ、明日和は少し考える。瑠和は今日一日連れまわす中で明日和の大好きが何なのか調べようとしたが、どれもいまいち響かなかったのか明日和から「トキメキ」を感じられなかった。
「明日和は何が好きだったのかなって」
「…………私は…」
何かを言おうとして言葉に詰まったのか、明日和は黙ってしまった。そのまま明日和が再び口を開くことはなく観覧車は一周してしまった。
観覧車を下りてからしばらく明日和は黙ったままだった。何か聞いちゃいけないことを聞いてしまったのだろうかと瑠和は思い悩む。自分の娘ではあるがその成長過程を見てきたわけではない。現状では少し親しい間柄の同年代くらいでしかないのだ。
そんなことを思いながら夢の大橋を歩いていると、前から叫び声が聞こえた。
「あーーーーーー!!!」
聞き覚えのある声に目を凝らすと声の主は先ほど書いていた巨大な応援旗を丸めたものを抱えた彼方だった。
「彼方!?」
「瑠和君の………浮気者ぉ!!!」
結構距離があったのにかかわらず彼方のバッグが瑠和の顔面に命中する。明日和が瑠和と彼方の娘だということを認識しているのは瑠和だけだ。彼方を置いて二人で観覧車から出てくる二人は、瑠和からすれば未来の娘との交流以外の何物でもないが、はたから見れば浮気現場にしか見えなかったのだ。
明日和がすぐに彼方に事情を説明して誤解は解けたが瑠和は鼻血を垂れ流すこととなった。
「ごめんねぇ、彼方ちゃん早とちりしちゃった……」
「気にしないで………俺も、先走った。いろいろと」
瑠和の鼻にティッシュを詰めながら彼方が謝罪する。そんな様子を、明日和は後ろから見ていた。明日和の目に映る光景は自分の記憶の中に重なるものがあった。
(明日和は何が好きだったのかなって)
さっきの瑠和の言葉が頭の中で引っかかる。自分の好きなこと、それは何となくわかっていた。だがそれを伝えられない理由があった。しかし、今なら…
「………あの、瑠和さん…」
「ん?」
明日和少し迷う素振りを見せながら瑠和に左手を差し出す。瑠和と彼方は顔を見合わせ、頭に疑問符を浮かべながらも左手で明日和の手を握る。
「それじゃただの握手です……」
「?」
「言わせないでください!逆です!」
明日和は瑠和の右手を掴み、自分の左手を握らせた。
「…」
「彼方さんも…」
明日和は彼方に右手を差し出した。彼方は少し驚いた顔をしていたがすぐに笑顔になった。
「…うん♪」
三人は手を繋いだ。親子のような三人を夕日が照らす。その景色は、明日和の記憶の中にある家族との思い出そのものだった。
「………父がまだ優しかったころ、こうやってよく……手を繋いでました。家族みんなで。私は、手をつなぐのが……好きです。手を繋いでいると、自然と心が温かくなって……子供っぽいですよね」
初めて明日和は本心を話した。瑠和は少し安心したような気分になる。未来の自分が取ってきた冷たい態度が彼女のスクールアイドルとしての本心を消してしまってないか不安だったのだ。だけどそんなことはなかった。
「お前と一緒の考えの奴は、いっぱいいるよ。きっと」
「そうですか?」
「あとは、叫べばいいんだよ。ステージで。自分の大好きを。しがらみも、期待も関係ない。同じ大好きをもってる人たちが応援してくれる。それがスクールアイドルなんだ。誰かが求めたステージじゃなくて、自分の大好きを叫ぶのがスクールアイドルなんだ」
「………え?」
「そうだよぉ?なんってたってスクールアイドルフェスティバルはみんなの夢が叶う日だもんねぇ」
「自分の大好き…………」
眠る。本当の自分。可愛いもの。誰かを世話する。様々な大好きがある。明日和の手を繋ぐことも、一つの大好きなのだ。
それを、分かち合うことができればどんなに素敵だろう。明日和はそう思った。
「私は叫びたい………自分の想いを。大好きを」
「叫べばいいさ。誰かが用意した歌や、踊りじゃない。お前だけのライブを!」
「え、ちょ、ちょっと!」
瑠和は明日和の手を引っ張って走り出した。それによって明日和と手を繋いでいる彼方も引っ張られるが彼方は流れに身を任せた。
―虹ヶ咲学園 女子寮―
「たのもー!」
「うわっ!びっくりした!」
瑠和はそのままミアの部屋に突入した。手を繋いだままの明日和と彼方も流れるようにミアの部屋に入って来る。
「女性の部屋にノックもなしで入ってくるとかデリカシーの欠片もないの?」
「悪い悪い。ところでミア、お前にたのみたいことがあってさ」
無視かよというような表情をするが、ミアにとって瑠和は恩人だ。そんな恩人がわざわざ自分に頼ってくれたのでミアは仕方なく一旦水に流す。
「………なに?」
「曲を作るのを手伝ってほしい」
「………いいけど、なんでボク?侑は?」
「今別件で忙しそうでな。お前にしか頼めないんだ。頼む!」
瑠和は頭を下げる。それを見て彼方も頭を下げ、明日和も少し戸惑いながら頭を下げた。
「………仕方ないなぁ」
やれやれといった感じでミアは瑠和の頼みを承諾した。さっそく作曲の準備に取り掛かり、瑠和、明日和、彼方、ミアの四人は喫茶店に移動した。
その移動中、ふと瑠和は彼方に尋ねる。
「そういえば、侑と歩夢は?」
「んぅ?ああ、あの後侑ちゃんからも歩夢ちゃんからも相談されてね?いい方法思いついたし………歩夢ちゃんのことは彼方ちゃんより適任がいるからねぇ」
そう言って彼方はにっこり笑った。
◆
「歩夢!」
同時刻。別場所にて、下校中の歩夢の背後から歩夢を呼び止める声が聞こえた。振り向くとそこには息を切らした良久が立っていた。
「現……良久君?」
「彼方から聞いたぞ色々!なんで話してくれなかった!?」
「だって………ラブライブが控えてるのに私のことなんかで…」
眼を反らしつつ歩夢が呟いた瞬間、現直が歩夢の手を掴んで一気に詰め寄る。
「僕にとってあなたはすべてだ!そんなあなたより大切なことなんてあるはずない!!」
急に詰め寄られ歩夢は顔を赤くしてしまう。二人は一旦場所を公園に移動し、歩夢から何があったかの事情を改めて聞いた。歩夢も侑も、お互い別々の目標に向かって行ってしまってることに、距離が離れて行ってしまうことに不安を覚えていたのだ。
「…………なんだ……そんなことですか」
現直は少し笑う。
「そんなことって!私は侑ちゃんのことも、私の夢も大切で………」
「………距離が離れたくらいで、心の距離も離れてしまうなら、僕はどうなるんです?」
「え?」
「アナタと会ったのは小学生の時です。それからずっとあなたのことを想い続けてきました。どれだけ離れようと、どんなに希望が薄かろうと」
約十年間、公園で出会っただけの優しい女の子。その子に会いたい。それだけで現直はずっと生き続けてきた。出会ってからもすぐには告白はせず、手順を踏んだ。そして、侑が求められていることに気づいたときには歩夢の幸せを選び、自らは手を引いたのだ。
いったいどれほどの決断力と忍耐力を必要とするか、想像を絶するだろう。
「………でも、私は現直君みたいに強くない…」
「…………だったら…だったら!せめて僕がずっとそばにいます!あなたが侑さんを僕とは別のベクトルで大切に思っているのはわかっています。ですが、せめて……あなたの隣にいるくらいはできます!少しくらい、寂しさや不安な気持ちを受け止めることは……できます」
「…現直君」
「そうそう、何なら夜にネガティブな気持ちなんてすぐに忘れさせてやってもいいぜ?」
刹那、現直から良久に人格が変わり、歩夢に怪しい笑顔で詰め寄る。
「良久は黙っていてください!大事な話をしているんです!勝手に出てきて……」
「………っぷ、あは、あはは♪」
急に人格が変わった現直の行動はまるでノリ突っ込みを見ている様で、歩夢は自然と笑ってしまう。なにを笑われたのかすぐに察しがついた現直はかっこがつかないと少し照れる。一通り笑った歩夢は一回深呼吸をする。
「はーっ………そうだよね。私にはこんなに素敵な彼氏さんがいるんだもんね。なにも不安に思うことなんてない……よね?」
「……それに、前にも言ったじゃないですか。同じ道を、一緒に歩くのはただの仲間」
それは以前歩夢と侑の間にいろいろあった時、歩夢が現直からもらったアドバイスだ。無論歩夢は忘れているはずもなく、現直の言葉に続く。
「別々の道を共に立って行けるのが、友達………なんだよね」
「ええ」
「………そうだよね。なにも不安に思うことなんて…」
少しだけ、沈黙が流れる。歩夢は不安を吐き出してすっきりしたし、現直も今回のことを通じて決めたことがあった。それを話すタイミングを見計らって自然と沈黙が生まれたのだ。
「ロンドン。僕も行きます」
「え?」
ようやく口を開いた現直が言った言葉は歩夢にとっては衝撃的だった。
「東雲は虹ヶ咲と近場ですからね、同じ企業からの提案がウチの学校にも来ているんです。だから、僕も行きます」
しばらく衝撃で歩夢は開いた口が塞がらなかったが。さっき言っていたずっとそばにいるって言葉は嘘でも何でもないんだという現直の覚悟が分かった。
「現直君……ありがとう!」
歩夢は笑った。現直も自然に笑う二人は少しだけ、また分かり合えた気がした。
続く
11/24投稿のときのあとがき
虹ヶ咲新作OVA制作決定おめでとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!くぁsdfghj機lWELJBFアjdlkhぜお;rzsdxg。sf・kr女sてlzk背¥りぇほい;qrxfxdgん、dvchl、cbんgfgdrktgxktdfg;xdふぉphg背㎏¥@亜dj・エfdkん・bぁzdjgぁgkdmzbgksdfkyhs五dvfkSNRsf邪sTMsdぐl邪dhrxk、j。絵vj毛rsr・dんhldbhgdfj背kfhbtsjmfgんjhろsb¥xd;ksdkbjkℤ¥fんb;fldkm¥xlz;dkgf;jhm;ldkbtghんjfdbxgm!!!!!!
この感情を表現したいがためだけに未完成の話を投稿しました。
12月16日にヴィラフォンテーヌQ4(ライブ衣装Ver)部屋取れました!!彼方さんの誕生日をお台場で祝ってきます!!
新作のエモーションTシャツ全部ほしいんやがどうすれば?
あ、あと葉月恋さんお誕生日おめでとうございます!!
ストーリー中に出す次元系の設定(ナタや不思議な石等)って必要だと思いますか?
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これまで通りでいい
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減らしてほしい