今週末開催の僕ラブ47にでます!買ってくれた方には天王寺瑠和の学生証風名刺をプレゼント!ニジ26にて!
目覚ましの音がなる。
「ん…」
眠たい体を起こし、タイマーで点くようにしていたエアコンで暖まった居間へ行く。
朝食を作っていると妹が起きてきた。
「お兄ちゃんおはよ…」
「ああ、おはよう」
朝食を食べ、学校にいく準備を整え、家を出て通学路を璃奈と歩く。
「瑠和!」
「おはようございます!」
「瑠和君おはよ~」
「二人とも、おはよう」
後輩、クラスメイト、先輩二人。計四人が通学路の途中で待っていた。
「………おはようございます」
璃奈を含めた六人で学校へ行く。授業を受け、放課後に部活に行き、入れた覚えのないシフトのバイトへ行く。
これが、俺、天王寺瑠和の一日だ。
俺の、知らない一日だ。
◆
記憶を失ったとわかったとき、不思議と不安はなかった。高々一年間の記憶だし、医者の先生によれば記憶は戻る可能性もあるとのことだった。
だからあまり深く考えなかった。
この一年間で、俺自身が紡いだ絆の強さを。
『俺はいままで同好会で起きた問題を解決してきた!それはマネージャーだからといえばそれまでだ!だけど今は、今だけは違う!俺は俺の心のままに!心の声に正直にここにいる!スクールアイドルマネージャーとしてじゃない!一人の人間として、男として近江彼方のライブを見るためにここにいる!スクールアイドルの本懐は大好きを叫ぶことだ!俺はただのマネージャーだが俺も叫ぶ!俺はあの日の彼方さんのライブからスクールアイドルの………近江彼方の魅力に気づいたんだ!』
画面に移っているのは第一回スクールアイドルフェスティバルの俺のライブ映像。
とても自分とは思えない。
記憶を戻せずに二週間ほどが経った。俺は近江彼方、桜坂しずく、鐘嵐珠、朝香果林、そして実の妹の璃奈に、恋慕を抱かれている事実を知った。
だから愛される決意は固めた。
しかし疑問が残る。本当に彼女たちが好きなのは俺なのかという疑問だ。
一年後の俺はまるで別人だ。いまの、一年前の俺に彼女たちに好かれる要素なんてないような気がする。
明日和の言葉で決意を固めたからこそ、その疑問が消えない。本当に俺でいいのか?
―翌日―
「…………」
校舎裏。人目につかない場所で瑠和はガラスに映る自分を眺めていた。ガラスに映る自分は、見慣れた姿のはずなのに、時々別人を眺めているような錯覚に陥る。
「俺は」
「あら」
横で声がした。そちらを見ると、朝香果林がいた。
「あ…………果林さん…でしたっけ」
「……こんなところで何してるの?」
「…………別に」
何をしていたわけでもないのだが、ただひたすら自分を眺めていたというセンチメンタリズムな行動にわずかに恥ずかしさがないわけでもない。
「なぁに?ひょっとして「五人からモテてる俺かっけー」みたいに考えてたの?」
「…………別に」
「…悩み事?」
◆
「なるほどね………」
瑠和は果林に悩みを吐露した。自分を想ってくれている相手にこんなこと言いたくなかったが、悩みを打ち明けられる相手も見当たらなかったのだ。
「これは、言葉じゃ伝わらないわね………ねぇ、あなた私が読モやってるの知ってる?」
「ああ………なんか、聞きました」
「それでちょっと忙しくって、今度私の手伝いしに来てくれる?マネージャーの仕事の一環として」
「………はぁ…」
何か腑に落ちない提案をされ瑠和は困惑した。だが、何か意図があるのかと思い、その提案を飲んでみることにした。
―数日後 寮―
「というわけでお願いね」
「…」
瑠和は果林の部屋について絶句した。その果林の美しい容姿からは想像できないような部屋の汚さに。璃奈もだらしないところがないわけではないがここまでではない。
「…………で、俺は何をすれば?」
「あなたが決めなさい」
「え……?」
「じゃ、私は撮影言ってくるから、頑張りなさい」
「はぁぁ!?」
果林は手伝ってくれと言ったが、とくに何をしてほしいかというような指示はなく瑠和を一人おいて撮影に出かけて行ってしまったのだ。
「………はぁ……何なんだあの人…とりあえず部屋に連れてきたってことは片づけとか掃除をしてほしいってことなんだろうけど……下着とか……考えないのか?」
色々疑問に思うところはありながらも瑠和は部屋の片づけを始める。
服を片付け、着たものなのか出してるだけなのかわからない物はとりあえず洗濯機に放り込む。大きなものが片付いたところで掃除機をかけ、窓際やキッチンなど埃が溜まっている場所を掃除し始める。
「ん」
瑠和はふと壁にかかっている写真を見る。壁にはたくさんの写真が飾られていたライブ後の集合写真以外にもたくさんの同好会との思い出も。
考えてみれば果林はもう卒業する。
同好会の思い出を大切にしたいのだろうと感じた。
「…………」
と思いながらよく見るとクローゼットの扉にまで写真を飾っていることに気付く。
「…?」
変だと思った瑠和が写真を外し、クローゼットを開くと中から荷物の雪崩が押し出てきた。
「どわぁぁぁぁぁあ!!」
瑠和は荷物の雪崩の下敷きになりながらもなんとか這い出てくる。
「せっかく掃除したのによぉ……あ?」
這い出た先にあったゴミ箱が目に入る。雪崩の振動で倒れたのか床にゴミが散らばっている。そのごみを見てみるとゼリーや体系維持のための味気のない食事のゴミばかりだった。
「…………はぁ」
瑠和はため息をついて掃除と片づけを再開した。
それから、何時間か経った。
「ただいま」
日も沈む頃、果林が帰ってきた。
「おかえりなさいませ」
夕食を作って待っていた瑠和が出迎える。上着を受け取りハンガーに掛けて居間まで持っていった。果林が居間の扉を開くとそこには隅々まできれいに掃除され、整理整頓された部屋だった。
「まさかここまでするとは思ってなかったわ…」
「クローゼット開けたら雪崩が起きるとは思いませんでしたがそこも片付けておきました」
それを言われ果林は少し顔を赤くする。
「し、しょうがないじゃない!エマにあまり恥ずかしいところ見られたくなくて…」
どうやら掃除を手伝ってもらう時に少しでもよく見せたかったのか知らないがクローゼットに積めたらしい。
「別に口外しませんよ。一応任されたのでできる限りやっておきました。食事も栄養バランスとか考えて作りましたので」
普段運動をあまりしない妹のために栄養バランスを考えた料理は得意であった。
「そう。ありがとう」
「あと、体型維持のためでしょうけど食べなさすぎるのもよくないです。明日の朝飯と昼飯つくって冷蔵庫に入れておいたので食べてください」
瑠和はゴミ箱にたまったゼリーの空き袋や冷蔵庫の中身を見て瑠和は普段体型維持等のために色々気を使っているのに気づいた。しかし、ゼリーよりもしっかりバランスを取った食事の方が身体に良いと思った瑠和は果林のための食事を作ったのだ。
「…あなたライフデザイン学科の方が向いてるんじゃない?」
「それに特化できるほど才能はないと思います」
一通りやったことの説明を終えたあと、瑠和は帰ろうとした。これから自分の家での家事と炊事が待っている。
「じゃあ俺はこれで」
荷物をまとめて帰ろうとしたとき、果林が口を開く。
「やっぱり、あなたはアナタね」
「え?」
「いまの会話………二回目よ」
「………」
「昔、あなたに同じことを頼んだのよ。そして、帰ってきた時、同じ会話をした。それから同じ料理、同じ気付い。アナタはアナタよ。瑠和。無理して記憶をなくす前のあなたになる必要はないと思う」
「どうして………きっと、みんな前の俺が好きなんじゃ」
「だって、何もしないでもあなたはあなたの行動をとる。この間、アイラちゃんのためにみんなでライブしたでしょ」
「…」
「正直私、記憶をなくしたときのあなた嫌いだったわ。ナヨナヨしてて、自分で物事を決められないようなアナタ」
そう、果林はそんな瑠和を見るのは二回目だった。かつて自分と付き合っていた時の瑠和。何かを考えるより他人の顔色が見えてしまって、それに合わせて行動してしまい、それを正しいと思い込むことしかできなかった。
そのせいで自分の気持ちに向き合うことができなかった。
「でも…」
(こんな笑顔見せるやつじゃなったお前が笑顔でスクールアイドルできてんだ。そんな堅苦しさ、お前が勝手に思い込んでるだけ、勝手に限界を決めてるだけだよ)
「あの日のあなたは、確かに私たちが知っている、私の好きな天王寺瑠和だった。だから昔の?それとも未来の?まぁどっちでもいいけど、記憶のあるころのあなたに縛られる必要なんて、ないのよ。自分の良さに自身を持ちまなさい」
「………ありがとうございます」
「だから」
果林は一瞬の隙をついて、瑠和の唇を奪った。
「……っ!」
「自信をもって、私たちのことを愛しなさい」
タイトルの四字熟語は本来は異体同心です。しかし今回は身体と心を逆にしてみました。その方が、瑠和の心情にあってる気がしたので。
ストーリー中に出す次元系の設定(ナタや不思議な石等)って必要だと思いますか?
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これまで通りでいい
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減らしてほしい