あと彼方ちゃん誕生日おめでとう!r-18の方今日中に書けたら出します。
「ああ、来ていただけましたか」
「おう」
ここは虹ヶ咲学園の西棟屋上。普段同好会がストレッチやステップ練習等練習に使う場所であり、同好会にとってはいろいろな思い出がある場所だ。
そして今日ここにいるのは中川菜々と、天王寺瑠和。
記憶を取り戻す作戦今日は中川菜々及び優木せつ菜だ。菜々は最初に瑠和を西棟屋上まで呼び出した。
「ここ、何か思い出しませんか?」
「………そうだな」
「じゃあ、こちらも」
菜々はノートを一冊渡した。瑠和がそれを受け取りペラペラとページを開くとそこにはいろいろな歌の歌詞と思われる文字列があった。だが瑠和はそれ以上に、感じているものがあった。それはあふれ出るばかりの「大好き」という気持ち。
スクールアイドルが、歌うことが大好きで書いたことが分かる熱意。文字の書き方か、言葉の意味からかは分からないが、それを感じ取つことができた。
「歌詞………か」
「はい。私たちの…………いいえ、私の歌の歌詞です。それを見て、何か感じますか」
「すごいな。熱い思いが伝わってくるみたいだ」
その言葉を聞き、菜々は少し涙が上がってくる。それは、瑠和があの日、あの時言ってくれた言葉の通りだったからだ。
(ゴミ捨て場からな…最初に見つけた時は初めて同好会に行った時だ。この歌詞を見つけた時俺は心底感動したよ。そしてその後お前から大好きを叫びたいって聞いて歌詞の意味に納得した………)
そう言っていた。現直のように別人格が生まれたわけではない。本当に瑠和のままであるのだと実感したのだ。
「ここで、私はあなたに激昂されたんです。思い出せませんか?」
「………どうだろうな……少なくとも、俺は覚えてねぇよ」
「そうですか………この場所で、「中川菜々」としてあなた会えば、なにか思い出すかもと思ったのですが…」
菜々の横顔を見ていると、瑠和はふと何かを思い出す。
「………なぁ中川。いや、優木って呼んだ方がいいか?」
「どちらでも大丈夫ですよ。でも、あなたはせつ菜って呼んでくれました」
「じゃあ、せつ菜。ちょっと付き合ってくれるか?」
「?」
―潮風公園―
瑠和はせつ菜を連れて潮風公園まで来た。
「なぜ、ここに?」
「え?いや………なんでだろうな。お前わからないか?」
連れてきたのは瑠和のはずなのにその瑠和もわからないと言う。
「ええ!?私がですか?いえ………特にあまりここに来たこともないのですが……」
「そっか……なんかお前に関係あるって気がしたんだけど……」
「別の誰かと勘違いされているのでは?」
「うーん……」
愛の時と同じだ。確かに記憶の片隅に存在し、デジャヴのように蘇るのに誰もそれを知らない。二回目となるとただのデジャヴや勘違いというわけでもないような気がしてくる。
(いったいなんなんだ?)
記憶喪失。知らない友達。知らない恋人。知らない関係。知らない記憶。そんな幾重の知らない物に囲まれた瑠和の表情は、見るに堪えない物だった。
「…………あ、瑠和さん!」
「ん?」
「アイス食べませんか!?ほら、割引券あるんです!」
「……この季節にか?」
とかなんとかいったものの、少し気分転換がしたかったところだ。せつ菜の提案に乗り、アイスを食べにアクアシティに向かった。
「ん~!おいしいです!」
「まぁ建物の中は暖房効いてるからな。うん、案外悪くない」
二人でアイスをほおばり、季節外れのアイスも悪くないと感じながら食べているとさっきまでの鬱な気分もなくなってきた。
「そういえばライブとかは見られたんですか?」
「ああ、とりあえずみんなのやつはな。みんな曲調もイメージもばらばらで、キラキラしてて、輝いてた」
「どれが好きとかありましたか?」
「あー………みんな素敵だったけどな。特に好きだったのは………彼方さん、宮下、嵐珠、璃奈、しずく………かな」
「そ、そうですか」
自分の名前が出てこなかったことにせつ菜は少し肩を落とす。
「………今のはあくまで俺の感性だ。俺はお前の歌も好きだよ」
せつ菜はなるべく表情に出さないようにしていたが、色の変化に瑠和は当然気づいて発言を少し訂正する。その姿勢にせつ菜も感情を読まれたことを察する。
「………なんだか不思議ですね。瑠和さんは彼方さんの恋人ですから、私が選ばれないのは当然なのに………妙にショックでした」
「…………そっか」
―帰路―
それからしばらく色々回ってみたが、これと言って瑠和の記憶が戻るようなことはなかった。日も沈んできたので、解散という形になる。
「それじゃあ、今日はありがとうな」
「はい、ではまた明日」
「ああ」
瑠和は後ろを向いてそのまま帰ろうとした。帰ろうとしている瑠和の後姿を見たとき、せつ菜の心がぞわっとした。不安、恐怖、それらに似た感情。
その感情に駆られた時、せつ菜は無意識に動いていた。
「瑠和さん!」
「うお!」
せつ菜は瑠和に背後から抱き着いていた。
「せ、せつ菜…?」
「……………あの…………」
抱きしめたはいいものの、せつ菜は顔を赤くして動けずにいた。瑠和はせつ菜の手をそっと握り、口を開く。
「…………せつ菜。ありがとう。お前の言いたいこと、なんとなくわかるよ」
「………私は、あなたのコト嫌いじゃないです。でも、大切な存在であることは変わりません…。だから、きっと、思い出してください!」
「ああ」
せつ菜の手がするりと抜け、瑠和は振り返らず歩いていく。その姿を見ていたせつ菜は小さくため息をつく。
「でないと、私の想いが、爆発してしまいますから……」
先ほど感じた不安、恐怖、それらの感情の正体をせつ菜はようやく口にできた。
続く
ストーリー中に出す次元系の設定(ナタや不思議な石等)って必要だと思いますか?
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これまで通りでいい
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減らしてほしい