めだかボックス?知ってる、主人公チートの漫画だろ?   作:慧都

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『安心院』と玲

 

 

「遅いなぁ、禊。夕飯までには帰ってくるって言ったのに…」

 

 

 

カチ、コチ、カチ、コチ

 

 

独り言と時計の音が暗いリビングに響く

 

対面に置かれた二人分の食事にはラップがかけられ、椅子に座るものを待っている

 

「もう10時か、禊には悪いけどやることはやらないと」

 

フラフラと風呂へ向かう玲

 

いつからこんなうまくいかなくなったのか?

 

玲は考える

わかっている、禊が元生徒会長を追い出し生徒会長に就任してからだ

 

阿久根君が自分との約束を破り、黒神めだかを壊そうとして失敗し

黒神めだかを禊が生徒会に迎え入れ

その兄である黒神真黒を引き込み

あの安心院なじみが副会長をやっている

生徒会の生徒会長になってから

 

 

阿久根君の裏切りは仕方が無いし、黒神めだかの就任は禊の計画だろう、その兄真黒は重度のシスコンだと聞くので妹のいる生徒会に入るのはおかしくない

 

だが、安心院なじみは一体どこから現れた?

生徒会ほどの権限はないとはいえ、生徒のデータくらいは風紀委員長である自分に入ってくるはず

生徒の名前と顔は風紀委員として覚えておくべきだと思い、全て把握していた

だが、安心院なじみだけ情報がない。経歴不明、所属不明の人物をこの学校が受け入れるのか?それに何故皆は気がつかない、後から出てきた人が元からそこにあったかのようにいるというのに誰も疑問を感じない!?

 

わからない、わからない、わからない………

 

あいつは夢の中であった存在、現に夢で会った時と現実で会った時では印象は変わっていなかった

むこうも自分を知っていたことから、あれは夢ではなく現実であったということか?

 

視界がぐるぐると回り、思考がおぼつかない、筋道の立った思考ができていない、etc……

 

シャワーを頭から浴びながら、玲は考える

 

そもそも前提が間違っていないか?

生徒会が原因でなく、その中の一人が原因なのではないか?

 

安心院なじみ

 

彼女が全ての鍵を握っているとは考えられないか?

 

 

カチッ

 

 

何かピースが嵌った気がした

気がついたら学校に存在していた彼女

気がついたら当たり前に周りにいる彼女

気がついたら禊の隣で親友ポジションを確立している彼女

 

すべてアイツが悪いんじゃないか?

 

仮説であったその考えは玲の中で急速に大きくなっていく

 

そうだ、あいつがいなくなれば元の平穏な日々に戻るんじゃないのか?

 

思考は元の禊のことから大きく逸脱している

しかしそんなことに気がつかないほど玲は混乱していた

 

「あいつを学校から追い出す、そうすれば元に戻るんだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビシッ

 

 

 

 

 

世界は崩れ始める

絶望と苦悩の果てに、世界は廻る

 

 





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