夏真っ盛りのお昼頃。
やんちゃな盛りの三人娘はそうめんを食べて満腹になったのかお昼寝をしており、家主である男は所用で出かけている。
ピリリリリ…ピリリリリ…
元トレーナー宅の電話が着信で鳴り、洗い物をしていたエプロン姿のヒシアマゾンが、「はいよ〜!!」と濡れた手を拭きつつトタトタと駆け寄る。
出窓のところにある受話器をひょいと拾い上げると、相手は聞き覚えのある声…かつての寮長時代の生徒のひとりだ。
「おお〜!!アンタがかけてくるなんて珍しいねぇ〜!!」
ヒシアマゾンは腰に手を当てころころと笑う。
「で〜?なんだい?わざわざヒシアマ姐さんに連絡してくるたぁ、お困りなんだろ?」
「……………」
「恥ずかしがってちゃあ分かるモンもわかんないだろ〜?誰にも言いやしないからさ…うんうん、約束する」
蝉の鳴き声を背景に、面倒見のいい一面が顔を出す。
長丁場になると思ったのか、ヒシアマゾンは洗っていたコップを拭いて、その中に冷蔵庫から取り出した冷え冷えの麦茶を注ぐ。
「〜〜〜〜〜!!」
「うん…うん…え?そうなのかい?おめでとさん!!」
どうやらめでたいことがあった様子。
「なるほど。それでそれで?どう切り出したもんかって?アタシはほら、卒業と同時だったから…うんうん…」
「〜〜〜〜」
「いやいやぁ〜!!意外とアンタも乙女だねぇ〜♪」
「〜〜〜〜〜!!」
「アハハハ…悪かった悪かった。ちょいとからかいすぎたね。ごめんよ」
喋り続けて喉が渇いたのか、麦茶の入ったコップを傾け口をつける。
ひんやりとした感覚が喉を通り、心なしか涼しくなった気分にもなれる。
「分かった。それじゃあ今度ウチへおいでよ。旦那と掛け合って開けとくからさ。それで話そうじゃないさ。お相手も連れて」
「〜〜〜〜!!」
「大丈夫だって〜!!長い付き合いなんだろ〜?それこそ高等部からの…」
「………………」
「それじゃ、ご馳走作って待ってるよ〜!!」
ピッ…と電話を切って受話器を戻す。
「ただいま〜!!」
すると、ちょいどいいタイミングで彼女の夫が帰ってきた。
「おかえりトレ公!!」
「うん?呼び方が昔に戻ってるぞ〜?」
「アハハ、実は懐かしいヤツから電話が来てね〜…」
しっぽがパタパタしているのを見るや、ご機嫌な理由が分かったからか、「なるほど」と頷く。
「へぇ〜、誰から?」
「内緒♪」
元トレーナーは気になって聞いてみるも、返答は曖昧なもの。
しかし、嬉しそうな妻の様子に夫もほっこり顔だ。
「今度の休み、お客を呼んでいいかい?アンタも知ってるヤツだからさ♪」
「うん?別に構わないけど…」
そして、次の休日。
満を持しての歓迎ムード。
料理もたくさん並び、酒類も豊富だ。
子どもたちはヒシアマゾンの実家に預けてあるため問題は無い。
そして約束の時間。
入り口のチャイムがビンポ〜ンと鳴る。
夫婦は待ってましたとばかりに扉を開け来客を歓迎する。
「やぁやぁ!!いらっしゃい!!」
「今夜はゆっくりしていってくれると嬉しいよ」
そして、そのお相手とは…
「お、おじゃましますのだ…」
「やぁ、ヒシアマゾンなんだか初対面を思い出すなぁ〜。あ、先輩お久しぶりです」
かつての問題児とそのトレーナーだった。
「書きたい」と思った時!!その時スデに行動は(ry