蝕まれたガールズバンド、立ち向かう霊能少年   作:夜車大佐

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お待たせしました。
ここから少しずつ長くなると思います
……多分


第5話 そのために来た

つぐみ「!?……ハァ……ハァ……」

 

蘭「つぐみ、大丈夫!?」

 

ひまり「つぐ!!」

 

慌てて起きたつぐみを心配する蘭とひまり、その場には2人だけでなく巴もモカも一弥さえもいた。

 

つぐみ「みんな………ここは?」

 

巴「病院だ、屋上で倒れたってモカから聞いて慌てて飛んできたんだ。つぐ、またあの時のように無理してたのか?」

 

一弥「あの時?」

 

ひまり「うん、私たちが1年生の時にも似たようなことがあったの。その時は過労で倒れたんだけど……今度は寝不足なんて」

 

つぐみ「それは……」

 

モカ「つぐ、倒れてから目が覚めるまでずっと魘されてたけど、本当に大丈夫?」

 

つぐみ「」

 

つぐみは迷っていた。今までの事を言うべきか、このまま黙っているべきか。それはみんなに心配をかけないためにという訳では無い。当然その気持ちがない訳では無い。だがそれ以上にただの悪夢で寝不足なんて言って信じてもらえるのだろうか。しかし次に眠ってしまえば二度とここには戻って来れない。そう直感が教えてくるのだ。

悩みに悩んだ末、つぐみは……

 

つぐみ「みんな………」

 

そう言ってみんなを見た、

 

5人「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

つぐみ「………助けて」

 

………泣きながら、全てを打ち明けることを選んだ。

 

─────────────────────────

 

それからつぐみは自分の身に起こったことや悪夢の内容を全て話した。

 

蘭「冗談……なんてことは無いよね、つぐみがこんなになってるんだし」

 

 

巴「つぐ、なにかストレスとか抱えてたりしないか?それが原因だったり」

 

モカ「同じような悪夢が続く、なんで不気味なことがあるもんなんだね……」

 

つぐみ「うん、ずっと怖くて……さっきの夢だって覚める直前に『次はありませんよ』なんて言われて………次寝たら……本当に…」

 

つぐみの声が段々と小さくなっていく。ずっと我慢してきた恐怖が今になって再び表に出てしまったのだ。

 

すると先程まで黙っていたひまりが口を開く。

 

ひまり「……今の話、都市伝説にあったような気がする。確か……えーっと、なんて言ったっけ?…… 一弥「猿夢」 そう!猿夢!……え?」

 

ひまりの言葉に割り込むように一弥が言う。

 

蘭「一弥、猿夢についてなにか知ってるの?」

 

一弥「あぁ、と言っても概ね羽沢が言ってた通りのことだ。電車に乗り、アナウンス通りに次々と乗客がやられていって、そしてついに"挽き肉"という形で自分の番が来るんだ」

 

ひまり「でも確かそのあとの話はなかったはず」

 

一弥「だろうな。『その後本当に何も無かった』か、或いは『その後を語る者が誰もいなくなったか』の2択だ。十中八九後者だと思ってるが。」

 

その言葉を聞き5人は戦慄した。

 

巴「おいおい……冗談きついぞ、大体そんな都市伝説なんてもの存在するわけ」

 

一弥「都市伝説は実在する……『怪異』という名前でな」

 

ひまり「じゃあ……このままだとつぐが死んじゃうって言うの?」

 

蘭「そんなわけないでしょ!一弥、幼馴染だからって限度があるよ!」

 

蘭が一弥に掴みかかる。それでも一弥は表情1つ変えずに

 

一弥「俺だって言っていい冗談と悪い冗談の区別くらいつく。なんならこれが悪い冗談で済むならどれだけ気が楽になるか」

 

そういう一弥の表情は……怖いほど真剣だった。

 

つぐみ「もういいよ蘭ちゃん……」

 

悲しそうな声で蘭を止めるつぐみ、そこでようやく蘭は掴んでいた手を離した。

 

つぐみ「一弥くん、私……死んじゃうの?」

 

一弥「あぁ……このままだと確実にな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モカ「……ねぇかずくん」

 

ここまで無言だったモカが口を開く。

 

モカ「『このままだと』……ってことはなにかつぐを救える方法があるって事?」

 

モカの発言で全員が一弥の方を見る。

一弥は少し考えた後に、何かを諦めたように言う。

 

 

一弥「あぁ………そのために僕は戻ってきたんだ」

 

巴「それ、どういうことだ?」

 

一弥「そうだな、順を追って話をするか…話は僕が引っ越したあの日から始まる」

 

─────────────────────────

一弥side

 

そもそもなぜ僕が引っ越すことになったのか。

大体は家族の都合によるものが多いだろう、そして僕の場合もそれに当てはまる。しかし異質なのはその「都合」だ。

 

幽現「はい……はい、わかった。近いうちにそっちに行く!」

 

僕の父親……吠舞羅幽現(ほむらゆうげん)がなにか焦りながら電話に出ていたことを今でも鮮明に覚えている。

その時に引越しをすることを聞かされた。

何故かそのとき引越しする理由については一言も話してくれなかったが、後にそれは僕のことを想って黙っていてくれたのだと知ることになる。

 

 

~~~

 

 

蘭「それで…引越しの理由はなんだったの?」

 

一弥「『怪異の対処』のためだった」

 

ひまり「怪異の対処?」

 

一弥「あぁ、引っ越してから知ったんだが、引越し先が父方の祖父母の家に近い場所だったんだ。そこで怪異が絡んだ事件を解決するために僕らは引っ越したんだ。」

 

~~~

 

 

当然引っ越してからしばらくはそれが理由だとは知らなかった。

その理由を知ったのは僕が8歳のとき。

 

僕は友人と喧嘩をしてしまった。理由はもう思い出せないが、きっと今思えばくだらないものだったのだろう。

それから数日、その友人は学校に来なくなった。

僕自身もこのままじゃだめだと思い、プリントを届けるという名目で友人の家に行くことにした。

友人の家に着き、勇気をだしてインターホンを押す

 

 

 

………が、しばらく待っても人の気配がしない。

不審に思った僕は悪いと思いつつも、扉に手をかけた。

 

幼一弥(開いてる?)

 

扉は鍵がかかっておらず、簡単に開くことが出来た。

しかし扉を開いた時、少しだが異臭がすることに気づいた。今ではそれを「鉄臭い」と表現できるが、あの時の僕はただ「臭い」としか思えなかった。

 

その匂いが気になり、僕は家の中に入った。

臭いを辿って行くと、友人の部屋の前に来た。

 

そこで僕は見てしまった。

 

開いていた友人の部屋の奥では

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……動かなくなった友人に容赦なく刃物を突き立てるぬいぐるみの姿があった

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