ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより 作:ひいちゃ
Zガンダムのネームバリュー、おそるべし……。
さぁ、ここから新章、スードリー編に入ります!
いきなりあの人のキャラが崩壊しかかってますが、お許しください(土下座
※なお、ロザミアがいきなり、カレルをお姉ちゃんと刷り込まれたのは、研究所でそう刷り込まれたわけではなく、強化されたばかりのところに会ったので、ひよこが初めて見たものを親と認識するやつのように、刷り込まれたということです。
ちょっとご都合っぽいですがご容赦を(平伏
※連邦のSFSについて調べたところ、ドダイ(改)ではなくベースジャバーということがわかったので、そこのところを修正しておきました!
「それではブラン少佐、うちの秘蔵っ娘をよろしく頼みます」
「任せてもらおう。必ず、少尉を宇宙にお返しすることを約束する」
そう言葉を交わす、ボスニアMS隊隊長、ヴァン・マクマナス大尉と、臨時に俺の新しい上司となるブラン・ブルターク少佐。
「ファーレハイト少尉、スードリでもしっかりやれよ」
「はい。マクマナス大尉こそお気をつけて。それと、ジョッシュをよろしくお願いします」
「わかってる。お前が上がってくるまでに、みっちり鍛えておいてやろう」
そしてマクマナス大尉はシャトルに入っていった。俺……カレル・ファーレハイト連邦軍少尉は、それを見送る側だ。
どうして俺が見送る側になったかというと、ここまでの戦果によってだ。
エゥーゴの巡洋艦を捕縛し、クワトロ・バジーナ、カミーユ・ビダンというエゥーゴのエースとやりあって生き残ってきた。その戦果にほれ込んだ目の前の男……ブラン・ブルターク少佐が、マクマナス大尉とチャン艦長に頼み込んで、出向という形で、俺を自分の隊に迎え入れた、というわけである。
「ファーレハイト少尉、これから俺が君の新しい上官になる。よろしく頼む。『褐色の姫』の力、頼りにさせてもらう」
「こちらこそよろしくお願いします、ブラン少佐。でも『褐色の姫』はやめてください。私は、そんな異名をつけてもらえるような、大した人じゃないんですから。それに私、今まで宇宙にいたので、地上戦は不得手なんですよ?」
「心配することはない。君の才能なら、地上戦にもあっという間に適応できるだろう。うちの姫だって、強化人間とはいえ、速いうちにギャプランを乗りこなせるようになったんだからな」
「はぁ……」
と、そこで。
「少佐」
「あぁ、バダム少尉か。彼女が、新しくお前の同僚になるカレル・ファーレハイト少尉だ。仲良くやってくれ」
「よろしくお願いします……お姉ちゃん」
「お姉ちゃん!?」
俺に握手を求めた紫色の髪の女性……ロザミア・バダムは、いきなり俺に対してそう言った。
いきなり刷り込まれてるぅぅぅぅぅぅ!?
ロザミア・バダム。連邦軍のオーガスタニュータイプ研究所で強化された強化人間である。最初はギャプランに乗ってカミーユたちを苦しめた。
その次には、カミーユの妹という洗脳を受けてエゥーゴに潜入。最期には暴走の果てに、カミーユに討たれる、という悲壮な最期を遂げた。そんな悲劇の女性だ。
できれば彼女を助けてやりたいものだが……でも、まさか俺が「姉」として刷り込まれちゃうとは。そしたらブランはパパか? パパなのか? なんか種運命のムゥさんとステラみたいだな。
何はともあれ、こちらも笑顔を作って握手に応じる。
「こちらこそよろしくね、ロザミィ」
「ロザミィ?」
「うん、そう。ロザミアだからロザミィ。どうかな?」
「いえ、うれしく思います。こちらこそよろしくお願いします、カレルお姉ちゃん」
凛とした姿でお姉ちゃん呼びされると、なんか違和感があるな。でも悪くはない。
……マリーダさん、どうしてバナージにお兄ちゃん呼びしてあげなかったんですか……(謎
* * * * *
顔合わせを済ませたブラン隊のパイロットやスタッフたちは、そのままスードリに乗り込んでいく。その中に一人の女性が混じっていた。
レコア・ロンド。エゥーゴの工作員である。
スードリのスタッフにうまく潜入したレコアは、上官であるクワトロ・バジーナからの指示を思い返していた。
「カレル・ファーレハイトを?」
「そうだ。彼女はなぜか、ほとんどのティターンズ兵が知らなかったジャブローの核について知っていた。彼女はただ者ではない可能性が高い」
「……」
「それに、ヒルダ・ビダンの殺害を阻止しようとしたり、30バンチ事件のことを知っていたり、事件のことを快く思わなかったりと、彼女はエゥーゴ、ティターンズの垣根なく、何かのために動いている感じがするのだ」
「謎が多い人物ですね……」
「あぁ。もしかして彼女は、この戦いどころか、この宇宙世紀の鍵となる存在なのかもしれん。そこでレコア君には、連邦軍に潜入し、彼女のそばで、彼女の秘密について探ってほしい」
「わかりました、承ります」
そして、レコアはスードリに乗り込んだ。カレルを見極めるために。
* * * * *
「カレルお姉ちゃん、シミュレータに行くのですか?」
俺がシミュレータ室に向かっていると、私室から出てきたロザミィに出会った。
「えぇ。少しでも地上戦に慣れたくて。特にドダイに乗っての空中戦は初めてだし」
「そうですか。私もお姉ちゃんにお付き合いしていいでありますか?」
「もちろん」
そしてロザミィと一緒にシミュレータ室に歩いていく俺の目に、一人の女性が映った。あれは……エゥーゴのレコア・ロンドじゃないか? スードリに潜入していたのか。ただ彼女は、スードリの情報について色々探ってるわけではなく、ただ俺のほうを気にしてるようだ。俺か? 俺が目的なのか?
……後で聞いてみる必要があるようだ。
* * * * *
さて、シミュレータによる訓練を終えた俺は、さっそく出撃することになった。
「ケネディですか?」
「そうだ。カラバが、こちらのシャトル第二便の打ち上げを邪魔しに来る可能性がある。そこで奴らが打ち上げようとしているケネディ・スペースポートに陽動をかけるのが今回の目的だ」
ちょっと、この変化には驚いた。原作では、ブラン少佐は本気でケネディのシャトルを阻止しようとしたはず。その目論見は、ロベルトさんの犠牲とカミーユたちの奮闘で阻止されたわけだが。こちらはただの陽動に変わっていた。
そういえば、スードリは一度エゥーゴに奪われたのを奪還した、という流れだったはずだし、そもそもロザミィは、オーガスタから直接アウドムラに襲いに来たわけで、スードリ隊に配属されていなかったはずだ。やっぱり、俺が転生したことで、原作から変わってきてしまってるんだろうか?
……まぁいい。俺が世界を原作から逸脱させている特異点だろうがなんだろうが、今はできることをするだけだ。
と、俺のガルバルディのスクリーンに、秘密通信の着信を告げるサインが鳴った。ロザミィからのようだ。
「どうしたの、ロザミィ?」
「何かで聞いたのだけど、エゥーゴが空を落とすというのは本当なのでありますか、お姉ちゃん?」
まさかそれをブラン少佐ではなく、俺に聞くのか。まぁ、俺を姉と刷り込まれているところからして、ブラン少佐より俺のほうが好感度が高いような気はするが。
俺は少し考えて答える。
「人の言うことを鵜呑みにするのは危険だし、大人じゃないよ、ロザミィ」
「……」
「話を聞いて、自分の目で見て、そして自分で考える。それが大人というものだし、それでこそ真実が見出せると思う」
「……わからない……」
苦悩するような声が、通信機から聞こえる。
まぁ仕方ない。彼女は強化人間だからな。
「今は無理してわかろうとしなくていいよ。これから色々なものを見て、色々なものを聞いて、ゆっくり考えていけばいいと思う。昔、お世話になった人の受け売りだけどね」
「うん……」
「よし。ケネディが見えてきたよ。お互い頑張ろう」
「はい!」
そして俺たちは、ケネディに突入していった。
* * * * *
ケネディに到着すると、さっそくカラバのGM2隊が迎撃に出てきた。シャトルからは、カミーユのMk2と、シャアの百式も出てきている。
そして俺のガルバルディβには、カミーユのMk2が向かってきた。俺はベースジャバーを降ろし、地上に降り立った。ビームライフルを撃ってくるMk2。
だが、原作を知っているガンオタの俺には、Mk2の弱点がわかっている! 俺はビームライフルをかわしながら、Mk2に接近した。そして、その右腕に向かってビームサーベルを振り下ろす!
うまくいった! ビームサーベルは見事、Mk2のビームライフルを切り裂いた!
「これでもう、射撃はできないね、カミーユ君!」
「くぅっ!!」
そう、Mk2は構造上の問題で、専用のビームライフルしか使うことはできないのだ。そのビームライフルを失わせることができれば、敵はもう射撃はできない!
Mk2のバルカンポッドをかわし、Mk2から距離を取り、ビームライフルを発射する。ビームライフルで反撃できないMk2は、バルカンポッドで応戦しながらかわすことしかできない。他の機体のビームライフルを借りることはできないからだ。
これも、俺がガンオタだからこそだろう。これでもう、俺がMk2に負けることはないだろう。彼を近づかせさえしなければ。
見ると、ブラン少佐のアッシマーも、ロザミィのギャプランも、その変形機能や機動力を使い、百式やカラバのGM2を相手に、互角以上に立ちまわっている。これなら陽動どころか、シャトルの発進阻止もできるかもしれない。
……そう思っていたことが、俺にもありました。
「カミーユ、これを使え!!」
しまった!
いつの間にかMk2の近くにいた百式が、Mk2にクレイバズーカを投げ渡す。
そうだ、Mk2はビームライフルは借りることはできないけど、エネルギー供給を必要としない実弾兵器は借りることができるんだった! うかつ!!
それを機に、Mk2は再び攻勢を開始。戦いは振出しに戻った。
そして、そうこうしているうちに、シャトルは発進してしまった。
『しまった、シャトルを取り逃がすとは……』
悔しそうなブラン少佐の声。
「ブラン少佐、そろそろころあいだと思います」
『撤退か?』
「はい。私たちの目的はシャトルの打ち上げ阻止ではなく、あくまで陽動です。ここまで派手に立ち回っていれば、カラバの目は確実にこっちに向いたでしょう。陽動としては十分だと思います。それに、もうこちらの第二便も発進したころ合いです。だとすればこちらの任務は完了で……」
『これ以上戦い続ける必要もメリットもない、か。確かにその通りだな。よし、引き上げるぞ!』
その声とともに、ブラン少佐のアッシマーと、ロザミィのギャプラン、他のブラン隊が引き上げていく。俺も、ベースジャバーに飛び乗ると、敵の対空射撃をかわしながら引き上げていったのだった。
* * * * *
スードリに帰還する途上。
『やるな、ファーレハイト少尉。あのガンダムMk2と互角に渡り合うとは。さすがは『褐色の姫』だ。戦況を見極める目も持っているようだし、出向ではなく、ずっと俺の副官として傍に置きたいぐらいだ』
「だからよしてくださいよ。あれはたまたま、Mk2の弱点を知っていたからなんですから。私はとても、そんな異名をもらえるようなエースじゃありません」
『いや、カレルお姉ちゃんは、十分にエースパイロットと呼ばれる人だと思います』
「ロザミィ!?」
そんなことを話しながら、スードリに向かっていった。
それにしても、ロザミィに懐かれたり、またMk2と戦ったり、ブラン少佐から高すぎる評価をもらったり、本当に濃い一日だったな。
そういえば、このあと、スードリにフォウとサイコガンダムが配備されるんだったか? サイコガンダムはおいといて、フォウまで俺を姉と慕ってしまったら、大変な気がするな。俺が姉で、フォウとロザミィが妹になるのか? というか二人とも俺と同い年みたいに見えるんだけどな。
そう思っているうちにスードリが見えてきたのだった。
ただいま、ファンアート募集中でございます。
書いてくださる方がいれば、とても嬉しいです。
* 次回予告 *
ヒッコリーに向かうアウドムラを襲うスードリー隊。
その戦いの中、アウドムラの危機に、かの男がついに立ち上がった。
「ブラン少佐、よけてください、後ろ!」
二人の英雄が再会したその光景は、戦いが新たなステージに進んだことの前触れか。
次回、『ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより』
第11話、『アムロの帰還』
刻の涙は、止められるか?
※次の更新は、11/17 17:30の予定です
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