ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより 作:ひいちゃ
アウドムラを追い、さらにヒッコリーに進撃するスードリ。その中で、俺はあることに頭を悩ませていた。
それは、俺……カレル・ファーレハイトの妹のような存在、ロザミア・バダムのことだ。
このままでは彼女は、さらなる洗脳と強化を受け、原作のように兄(のように思っていた存在)に討たれる非業の死を遂げることになってしまう。それだけは避けたい。
できれば彼女をティターンズから足抜けさせてあげたいのだが、その方法をどうするかが思いつかない。
エゥーゴに彼女と一緒に駆け込めば解決なのかもしれないが、これからスードリに配属されるフォウのこともある。彼女も助けたい俺としてはスードリを離れるわけにもいかないし、何より自分の今いる組織の中で進むと決めているんだ。トラブルか何かで向こうに拾われるというようなことがあれば話は別だが、自分からスードリやボスニアのみんなを裏切ってエゥーゴにつくようなことはしたくない。
うーん、いったいどうしたものか……。
そして一晩ゆっくり考えたが……結論は出なかった。
* * * * *
そうこうしてるうちに、出撃の時がやってきた。
まず、ブラン少佐のアッシマー、続いて、ロザミィのギャプランの順番に発進し、そして俺の番となった。ガルバルディβをベースジャバーに乗せ、そして発進させる。そしてその後を、ブランの部下たちのMSが随時発進していった。
そして、ヒッコリー宇宙港に近づくと、カラバのMS部隊も飛来してきた。その中には、カミーユのガンダムMk2と、赤いリック・ディアスの姿もある。シャアはもう百式に乗り換えているから、おそらくアムロが乗っているんだろう。
さすがに前回の戦いから学んだのか、Mk2はハイパーバズーカを持っている。さっそくそのバズーカを発射してきた。それを旋回して回避する。
そしたら、横からGM2が飛び出してきた。そいつが撃ってきたビームライフルをかわしながら、そいつに向きなおり、乗っているドダイに照準をつけて、ビームライフルを発射。……見事に命中! GM2はドダイから飛び降り、こちらについてビームライフルを撃ちながら地面に落下していった。バーニアをふかしていたから地面に衝突死ということはないだろう。
他方、ブラン少佐もアッシマーで奮闘していた。MS形態とMA形態を駆使しながら、敵をほんろうしていく。
そこにMk2が向かっていった。最悪の事態の予感がした俺は、ガルバルディをブラン少佐のほうに向かわせた。
アッシマーがビームライフルを発射する。Mk2はそれを回避しつつ、バズーカを発射! 弾は運悪く、変形しようとしていたアッシマーの胸部装甲にヒットした!
さらに、食いつこうとするブラン少佐のアッシマーの背後から、アムロのリック・ディアスが!!
「やらせません!!」
俺は意を決して、ベースジャバーから飛び降り、ベースジャバーをアムロのリック・ディアスに特攻させた! アムロはそれをかわすことはできたものの、大きく体勢を崩してしまう。
それでも、リック・ディアスは落下しながらクレイバズーカを発射! その一発が、アッシマーの右肩に被弾した!
「少佐!」
『ちぃっ、しくじった……! スードリに引き上げるぞ!!』
「了解しました。でも、私のベースジャバーは……」
『お姉ちゃん、私に乗ってください!』
やってきたのは、ロザミィのギャプラン。激戦の中を戦ってきたのか、左腕のバインダーが破壊されている。私のガルバルディの近くまでやってきたギャプランがMA形態に変形する。これに乗れ、ということだろう。ありがたくご厚意に甘えることにする。
「ありがとう。喜んで乗らせてもらうわ」
『はい』
ガルバルディβをギャプランの上に着陸させる。私を乗せたギャプランと、損傷したアッシマーは、そのままヒッコリーを後にした。他のスードリ隊もその後に続く。
シャトル発射の阻止はできなかったが、ブラン少佐にもしものことがなかったのは、本当によかった。
……と思ったのは、まだ甘かった!
* * * * *
ヒッコリーの郊外まで来たときだ。
途端にアッシマーの各部で小爆発が起こったではないか! もしかして、あのクレイバズーカの被弾の影響か!?
「少佐!」
『くそっ、さっきやられたのがたたったか! 制御ができん!!』
そしてアッシマーは高度を下げて急降下し始めた! やばい、このままでは墜落してしまう!
『どうやらここまでのようだ。俺はお前たちの上官で』
「そこから先は言わせませんよ! ロザミィ、ギャプランでアッシマーを追って!」
『は、はい!!』
もう、ライラさんの時のような思いをするのはたくさんなんだよ!!
ギャプランが、シールドバインダーを失い、俺のガルバルディを乗せている状態ながらも、アッシマーに接近していく。
そしてなんとか追いついた!
「ロザミィ、ハッチを開いて!」
『え? はい!』
ギャプランの上部ハッチが開いた。俺はガルバルディを前かがみにしてギャプランに覆いかぶさるような形にすると、そのままガルバルディから飛び降り、ギャプランのコクピットに飛び込んだ。
「ぐふっ、お、お姉ちゃん、重いです……」
「ごめんね、ロザミィ。でももう少し我慢して!」
俺がコクピットに飛び込んだと同時に、ガルバルディは後ろにバーニアを吹かせて、ギャプランから落下していく。アッシマーを救助するためには、ガルバルディは申し訳ないけど邪魔だからだ。
(ごめんな、そして今までありがとう、ガルバルディ……)
俺は、ボスニア着任から今まで共に戦ってきた戦友に心の中で謝罪とお礼を言うと、前に向きなおった。
「よし、うまくアッシマーの下に回り込んで。ギャプランで下から支えるようにするの!」
「わ、わかりました!」
そしてギャプランはうまくアッシマーの下に回り込んだ。ズシンッと、何かが上に乗ったような振動がくる。
そして……。
* * * * *
「ありがとう。君には世話になったな、ファーレハイト少尉。ここまで力を借りたばかりか、命まで助けてもらった」
タンカに横になったブラン少佐が俺にそう声をかけてくる。
「いいんですよ。私はブラン少佐に死んでほしくなかっただけですから。私の目の黒いうちは、『俺はお前たちの隊長で幸せだった』なんて言わせませんからね」
「ははは……意外と口の減らない奴だ」
そう言って苦笑するブラン少佐。
結局、ギャプランごと不時着したものの、なんとかブラン少佐を助けることには成功した。だが、ブラン少佐は不時着の際に体を打ったり、あばらや足の骨を折ったりしたため、治療のため、長期入院することになったのだった。
なお、ギャプランは脱出した直後、アッシマーの爆発に巻き込まれて一緒に爆散、失われてしまった。その爆発の破片に巻き込まれたのも、ブラン少佐の負傷の原因の一つではあるのだが。
愛機を失ったロザミィだが、「ブラン少佐を助けるために犠牲になったのだから、あの子も本望だと思います。大丈夫であります」と言ってくれた。本当にいい子じゃないか、うるうる。
「俺の後は、ベン・ウッダーが隊長代理をすることになる。彼の副官的存在として、仲良くやって、支えてやってくれ。彼にも、お前の意見はなるべく聞くように言っておいた」
「ありがとうございます。どれくらいできるかわかりませんが、微力を尽くさせてもらいます」
「うむ。それと、サイコガンダムとそのパイロットと一緒に届く予定の、アッシマー・アグラだが、俺はもう、しばらく乗ることはできん。お前が代わりに使ってやってくれ。お前ならうまく乗りこなせると信じているぞ」
「はぁ……ありがとうございます」
やっぱり、サイコガンダムとフォウがこっちに来るのは確定事項なのね。俺としては、ブラン少佐の新しい乗機として届けられる予定だった試作改良型のアッシマー・アグラよりも、そっちのほうが重要だった。
そして、ブラン少佐はタンカに乗せられたまま、輸送機に乗せられ、空の彼方へ飛んで行った。
しかし、これからはロザミィとフォウの二人とやっていくことになるのか……。ベン氏の補佐もしなくてはならないし、とても大変そうだ。
まぁ、やるだけやってみるさ。
俺はそう思いながら、飛び去って行く輸送機をずっと見つめ続けていた。
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* 次回予告 *
日本からやってきたMAは、新たな援軍であった。そのパイロットはフォウ・ムラサメ。
「それと、新隊員を紹介しよう。先ほど、サイコガンダムとともにやってきた……」
「フォウ・ムラサメ少尉です。よろしくお願いします」
カレルはフォウの未来を想うが、カミーユと彼女が、敵味方に別れる宿命に、表情を曇らせるのだった。
「フォウ、大丈夫……?」
「私は……私は……」
次回、『ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより』
第13話『シンデレラ』
刻の涙は、止められるか?
※次の更新は、11/23 12:00の予定です。
* 次回登場・外伝登場or本作オリジナルMS *
NRX-044B
アッシマーアーグラ
(本作オリジナルMSです)
味方になったジェリド君。新しい愛機は何がいいですか?
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