ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより   作:ひいちゃ

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さぁ、いよいよ第一部の最終話です!

……誰かコミカライズしてくれないかな、というおバカなことを考えてみるww
※アッシマーのコクピットは頭部という指摘を受けて、一部修正しました。


スードリー編#06(第一部最終話)『さよならフォウ』

『スードリがロストしただと!? 馬鹿者、それだけの報告だけですます奴があるか!!』

 

 ティターンズ・バンコク基地。その司令官、チェン・ウェンロン少佐は、スクリーン越しにバスク・オムから叱責というにはひどすぎる叱責を受けていた。

 

『スードリに配備されていた強化人間は我々にとって貴重な戦力なのだ! いいかチェン少佐。草の根分けてでも、サイコガンダムに乗っていたというムラサメ研の強化人間を探し出せ! 邪魔する者は何者だろうと排除してかまわん!! もし失敗したら銃殺刑だと思え!!』

「は……ははっ」

 

 そして通信は切れた。チェン少佐は真っ青な顔を副官に向けた。

 

「ということだ。ただちに捜索のMS部隊を出撃させろ。激戦の後であれば、例えMSに乗って脱出したとしても、墜落現場から遠くへは行ってないだろう。スードリの墜落現場を中心として、島を重点的に調べるのだ」

「了解であります」

 

 バスクから叱責を罵声を受けて萎縮するような小心な男ではあるが、曲がりなりにもティターンズの士官。才覚はあるのだった。

 

* * * * *

 

「はい、パエリアもどきできたよ」

「うん、ありがとう……」

 

 俺……連邦軍パイロットから脱走兵にクラスチェンジしかかっている、カレル・ファーレハイトは、親友である強化人間の少女、フォウ・ムラサメに作った手料理を差し出した。

 そして一緒に食べる。……うん、おいしい。よくできた。前世で自炊していたのがこんなところで役にたつとは。

 

「カミーユ……」

「大丈夫。無事に宇宙に戻れただろうし、きっとまた会えるよ」

「うん……」

「本当、まるで恋の病にかかった乙女みたいなんだから」

「べ、別にそういうわけじゃっ」

「はいはい」

 

 とはいうものの、実は俺のほうも、ロザミィのことが心配だ。一応、レコアさんにサイド6に避難させてくれるようお願いはしたが……。まぁ、ここはレコアさんを信じよう。

 

「さて……と」

 

 でも、ここでずっとサバイバルしているわけにもいかない。

 俺はアッシマー・アーグラに行くと、コンソールを操作した。

 

「よし、できた」

「カレル?」

「今、全周波、全方位に救助信号を発信したよ。これをカラバが受信したら、きっと助かると思う。そうすれば、カミーユと再会することもできるでしょう」

「そう……。でも、もし先にティターンズがやってきたら?」

「そんなことは決まってるよ」

 

 アッシマー・アーグラごと炎に包まれようと、この身が砕けようと、カラバが駆け付けるまで、絶対にフォウを守り通す。

 

* * * * *

 

 一方、フォウを探す、バンコク基地のMS隊。その隊長であり、チェン少佐の副官でもあるコノ・テヒョン大尉は、運良くこの救助信号を探知することができた。

 

「む、この救助信号はもしや……。よし、ただちに発信源に向かうぞ!」

 

 そのポイントへ向けて、コノ大尉のマラサイをはじめとしたMS部隊は飛んで行った。

 

* * * * *

 

 残念ながら、俺の今日の運勢はよくないらしい。

 MSの群れが来たのを見て、最初は安堵したが、それがティターンズのマラサイとわかり、一気に緊張が走る。

 

「脱出するわよ! フォウ、早くアッシマー・アーグラに乗って!」

「は、はい!」

 

 そして二人で乗り込むと、機体を上昇させる。スードリ特攻の時の戦いと、脱出で無理をしすぎたのか、どうも反応が悪い。

 それでも離陸したところで、向こうから通信が入った。

 

『私は、ティターンズ、バンコク基地所属、コノ・テヒョン大尉である。我々は、その機体に同乗していると思われる強化人間の引き渡しを要求する』

 

 もちろん、俺の返事は決まっている。

 

「返事させてもらうわ。お断りよ!」

 

 そう言って、隊長機にビームライフルを発射する。あっさりかわされたが。

 

『そう来るか。仕方あるまい。ならば実力を以ってでも引き渡させてもらう』

「受けてたつわ。そう簡単に彼女を奪えると思えないことね」

「カレル……!」

 

 そう言うフォウに、俺はちらっと見てうなずく。

 もしティターンズに彼女を引き渡せば、きっと奴らは研究所に連れ帰って、もう一度強化するはず。そうなれば、彼女は今回もキリマンジャロの悲劇に遭い、命を落とすことになる。そんなことにはさせない!

 

 今俺ははじめて、組織のためでも世界のためでもなく、自分の願い、俺の大切な親友のために力を振るう!!

 

 MS部隊は左右に散った。そのうちの一機にMA形態で接近し、MSに変形。ビームサーベルで一刀両断する!

 済まないが、今回は不殺していられるだけの余裕がない。しとめる気でいかせてもらう!

 

 こちらに向かってきたもう一機にビームライフルを発射し、これを撃墜する。

 だが、背後に来ていた別のマラサイがこちらにビームを発射してきた! ギリギリで回避するが、かわしきることはできず、左足を破壊されてしまう。

 

 その後も半ば袋叩きである。フォウは「もうやめて、私が彼らに投降するから」と懇願したが、俺はそれでも戦い続けた。彼女の悲劇が起こるのを許せば、俺はずっと後悔する。それに、大切な親友に不幸になってほしくない、という気持ちもあった。彼女が幸せになるなら、このぐらいどうってことない。

 

 そして十数分の戦闘の結果、それからも何機かのMSを墜としたが、向こうはまだかなりの数を残しているうえに、こちらは左腕を失い、頭部は半壊状態……コクピットがかろうじて無事なのが奇跡だ……さらに、あちこちの装甲も破壊され、フレームがのぞいている、まさに満身創痍といった状態である。

 

 もはやここまでか……俺がそう思っていると……。

 

「!?」

 

 悠然とこちらと対峙していたマラサイの一機が、背後からビームに貫かれて爆散した。

 

 そして、向こうのほうから、アムロのリック・ディアスをはじめとするカラバのMS隊がやってくるのが見えた。その後ろにはアウドムラの姿もある。

 どうやら、少なくとも、フォウを守るという目的は達成できそうだ。よかった……。

 

 思わぬ増援の到着に、ティターンズの部隊はうろたえ、その隙をつかれ、次々と墜とされていく。やがて、コノ大尉とかいうやつの乗ったマラサイは、部下のマラサイとともに飛び去って行った。

 

 それと同時に、俺のアッシマー・アーグラに通信が入る。

 

『君か? 救助信号を発していたのは』

「はい。私は元連邦軍所属、カレル・ファーレハイト元少尉です。同行者とともにカラバに投降させていただきます」

『了解した。ではそのまま、アウドムラに着艦してくれ』

「了解……!?」

 

 とたん、愛機の背部が爆発を起こした! 今の戦いでの損傷の影響か、ついに限界がきたのか!

 

 俺は急いでハッチを開け、フォウを強く説得して右手に乗せる。

 

「アムロ大尉! 彼女を受け取ってください!」

「カレル!?」

 

 かろうじて、接近してきたアムロのリック・ディアスにフォウを引き渡すことに成功する。

 それと同時に、機体の各部が再び爆発した!

 

「フォウ、幸せになるんだよ……」

「カレル!!」

 

 そして俺のアッシマー・アーグラはそのままジャングルに墜落し……。

 大爆発を起こした。

 

 俺の名を呼ぶ、フォウの叫び声をBGMに……。

 




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* 次回予告 *

アウドムラは、キリマンジャロ攻略のため、洋上を進んでいた。
そこに、ティターンズの襲撃があった。

その敵に、フォウは不思議ななつかしさを感じ、そして衝撃を受けるのだった。

次回、『ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより』

第16話『謎のサイコガンダム』

いよいよ第二部開始。刻の涙は、止められるか?

※次の更新は、12/2 12:00の予定です。お楽しみに!

味方になったジェリド君。新しい愛機は何がいいですか?

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