ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより 作:ひいちゃ
ティターンズの巡洋艦『アレキサンドリア』のブリッジ。
艦長のガディ少佐の元にある報告が届いていた。
「艦長、『アスワン』から連絡。これ以上の戦闘は困難。撤退すると」
それを聞き、ガディ少佐は苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべて指示を出す。
「もう少し持ちこたえてくれればいいものを……。やはり、技術者どもはあてにならん。MS隊発進準備! ヤザン隊にも出撃命令を出せ!」
とそこに。
『こちらヤザン隊! いつでも準備はできてるぞ!』
「そうか。シロッコから送ってもらったハンブラビを任せているんだ。前艦長見殺しの汚名を返上するほどの戦果を見せてもらおう」
『わかってる! ハンブラビ、出るぞ!』
そしてアレキサンドリアから、三機のMA『ハンブラビ』をはじめとするMS隊が発進していった。
* * * * *
サイド2に近づき、アレキサンドリアが見えてくると、そこから何機かのMSが発進するのが見えた。
そのうちの一つは……ハンブラビ!? ヤザン!?
俺……カレル・ファーレハイトは隊の各機に注意を促す。
「マクマナス大尉、各機、気を付けてください。あのイカのようなMAは、かなりの手練れです。電撃を放つワイヤーによる攻撃も使ってきます!」
『こちらマクマナス、了解。注意喚起感謝する。各機も気をつけろ!』
『了解!』
そう言っているところに、ヤザンのものと思われるハンブラビからビームが放たれ、それを各機があわてて回避する。
そしてMS戦が始まった。
『うわああああ!!』
あ、さっそくネモの1機がハンブラビのクモの巣に引っかかってやられた。電撃を受けて動けなくなったネモからパイロットが脱出した直後、ハンブラビがそのネモを撃ち抜いて爆散させる。
俺のガルバルディディフェンサーがロングライフルを撃つが、ハンブラビたちはクモの巣を解除して回避した。
その後も、激しいMS戦が続く。
マクマナス大尉もジョッシュも、ハンブラビの変幻自在の動きに苦戦しているようだ。
と、そこにヤザン機らしい一体が、こちらにビームを撃ちながら突進してきた。
それと同時に、俺の脳裏に彼の声が届く。
『女ごときが戦場に出てくるとは、生意気なんだよっ!!』
思わずそれに言い返してしまう。
「女で悪いかっ! 女子供と思ってると痛い目見るよっ!!」
『何!?』
そう言い返されるとは思わなかったのか、ハンブラビが一瞬ひるんだ。その隙を逃さずロングライフルを発射。
だがさすがはヤザンというべきか。すぐに立ち直り、ビームを回避した。が、その後ろのバーザムが巻き添えを喰らって撃破される。
『よくも!』
激昂したヤザンが海ヘビを発射!
これはかわせない!! 俺は、とっさにディフェンサーとの合体を解除した。
ガルバルディディフェンサーは、Mk2ディフェンサーと同じく、ディフェンサーと分離しても、ガルバルディγ単体でも戦いを続けることが可能だ。
俺のガルバルディが分離した直後、海ヘビはGディフェンサーに巻き付く。ディフェンサーは哀れ、俺の身代わりに海ヘビの電撃を受けた。とはいえ、分離時にディフェンサー部の電子機器を切っておいたので、被害はあまりないはずだ。
分離した俺は、お返しにとハンブラビにビームライフルを発射した! ハンブラビを撃ち抜くことはできなかったが、海ヘビを持っていた右腕を破壊することができた。
『ちぃ、やるな!』
俺の前を通り過ぎるハンブラビ。その間に俺は、再びガルバルディをGディフェンサーに合体する。迅速にディフェンサーの電子機器をオンにしたのは言うまでもない。
別なエリアでは、ネモの1機が別なハンブラビに翻弄されていた。
そのネモにハンブラビが海ヘビを発射しようとしたところで。
『やるせるか!』
ジョッシュのネモがビームサーベルで切りかかり、それを阻止!
助けられたネモがビームライフルでハンブラビに反撃するも、それは回避される。
一方のマクマナス大尉はさすがというべきか。マラサイ2機を相手に、有利に立ち回っている。
そしてカツはというと……。
戦闘エリアの隅をコロニーに向かって飛んでいた。
俺たちが敵のMS隊と戦っているうちに、G3ガスのボンベを破壊するつもりなんだろう。
さすがにそれに、ヤザンも気づいたようだ。
『ボンベをやるつもりか。やらせるかよっ!』
追撃しようとするヤザンに、俺はロングライフルを発射! その出鼻をくじく。
そしてマクマナス大尉のほうを見ると、さすがというべきか(本日二度目)、対峙している2機のマラサイを両方とも撃破していた。
『少尉、カツを援護に向かう。支援をよろしく頼む』
「わかりました!」
俺は大尉の後を追いながら、ハンブラビたちをけん制する。
しかしさすがは野獣と呼ばれる男たち。あの時はとっさの判断で難を逃れたものの、彼らには翻弄されっぱなしである。
1機にロングライフルを撃つが、それはあっさりと回避される。その隙にもう1機のハンブラビがビームを発射する。それをなんとか回避。そこに、ヤザンのハンブラビが切りかかってきた!
どうやら奴らは、俺を強敵と認識して、俺を三機で叩く気になったらしい。袋叩き反対!
そうしているうちに、ハンブラビの1機が放った海ヘビが左腕に巻き付いた。しまった!
俺は慌てて、左腕の回路を本体から切断する。
そして電撃! 左腕はやられたものの、なんとか反撃は可能だ。Gディフェンサーに装備されているミサイルランチャーからミサイルを発射する。発射した4発のうち3発は、あっさり回避され、残り1発も撃ち落とされてしまった。
* * * * *
一方、マクマナスのネモと、カツのメタスは、コロニーに向かっていた。
そこでは、3機のハイザックがボンベの接続作業をしているところであった。ギリギリのところだったのである。
マクマナスのネモが、ハイザックの1機を撃ち落とす。残ったハイザックはこちらに向かってきた。
カツのメタスがビームガンを撃つのをかいくぐり、ハイザックがビームサーベルを振り下ろしてくる。
「う、うわぁ!!」
メタスはそのビームサーベルを、同じくビームサーベルで受け止める。
『やらせはしない!』
聞き覚えのあるその涼やかな声は、カツに驚愕をもたらす。
「さ、サラ!?」
『カツ!?』
斬り結びながらも、カツは問いかける。
「なぜまだ戦い続けるんだ!? いつまで、シロッコにいいように使われているんだ!」
『私はパプテマス様がすべてなの! 彼のために尽くせれば、それでいい!』
「君はそれでいいのか! こんな汚れ仕事までして!」
カツとサラが口論しながら戦っている間、マクマナスはもう1機のハイザックを仕留めていた。
「これで終わりにさせてもらう!」
そして、ビームライフルを発射し、ボンベを破壊した。
『しまった、ボンベが……! くっ……!!』
それを目撃したサラのハイザックは、カツのメタスをはねのけると、そのままアレキサンドリアへ帰投していったのだった。
それを見て、カツがつぶやく。
「サラ……なぜ……」
* * * * *
一方、グリプス2宙域。
陽動のためにグリプス2の前面に出ている友軍とは別行動をとっていたアーガマが、3時宙域からコロニー・レーザーに攻撃をかけていた。
『カミーユ! 今度こそお前の首を、マウアーとカクリコンの墓前に届けてやる!』
「怨恨で戦うか、ジェリド!」
ジェリドのバイアランと、カミーユのZガンダムが激しい戦いを繰り広げている。
そこに。
『そいつは俺の獲物だぁ!! エリートさんは引っ込んでいてもらおうかぁ!!』
『なんだと!?』
「ルブラ!!」
ルブラ・フェーゴの乗ったバーザムが二人の戦いに割り込んできた! バーザムは、味方撃ち上等だとばかりに、斬り結んでいるZとバイアランにビームライフルを撃ってくる。
カミーユはそれを無事にかわしたが、ジェリドはかわしきれず、バイアランの左腕を吹き飛ばされてしまう。
「貴様、何のつもりだ!」
『そこに突っ立ってるほうが悪いんだろ、のろまさんよぉ!』
「なんだと!?」
ルブラはジェリドに罵声を浴びせながら、バーザムを駆ってZとの戦闘を続行する。
『貴様、それでもティターンズか!』
「俺は星さえ稼げればそれでいいんだよぉ! なんなら、ここでお前を事故に見せかけてやったっていいんだぜ?」
『くっ……』
ここで内輪もめを起こすわけにもいかず、バイアランも中破してしまったので、ジェリドは憮然としながら、バイアランを後退させた。
「カミーユ……お前を倒すのはこの俺だ。こんなところでやられたら承知しないぞ!」
という言葉を残して。
さて、引き続き、ルブラはZに襲い掛かる。だが、ルブラは一つ大事なことを見逃していた。
一つは、カミーユがニュータイプであり、その才能が満開寸前だということ。もう一つは、自分の乗っている機体が量産機のバーザムだったことである。
戦いが長引くにつれ、カミーユのZの動きがどんどんシャープになっていき、バーザムのビームライフルが当たらなくなっていく。それどころか……。
『な、なに!? こ、この俺が、ルブラ様が動きを追えないだと!?』
「ルブラ・フェーゴ!!」
『ちぃ!』
Zガンダムがビームサーベルで切りかかる! それを紙一重でかわせたルブラはやはりただ者ではないと言えるだろう。だが完全にかわし切ることはできず、右腕を斬り落とされてしまう。
所詮彼は、お山の大将に過ぎなかったのである。
『ちきしょう! 覚えてやがれ、次は、次こそはぶっ飛ばしてやるぜえぇぇぇ!!』
そう言って後退していくバーザム。カミーユはそれを追撃しようとするが、敵機が接近してきたので、それに対処しなければならなかった。
この戦いはここで水入りとなったのである。
* * * * *
その一方……。
「エマ中尉、ここは任せてもらう。コロニー・レーザーの電力受信モジュールの破壊に向かってくれ」
『了解しました』
百式がハイザックやマラサイと戦う中、エマのMk2ディフェンサーがコロニー・レーザーへと向かう。
それを別のハイザックが追おうとするが、そのハイザックはクワトロの百式に撃ち抜かれてしまった。
百式や、アポリーのリック・ディアスの援護を受けたMk2ディフェンサーは一気にコロニー・レーザーへの至近へと向かい……。
「これで終わり!」
エマがロングライフルを撃つ! その一撃は、見事にコロニー・レーザーの電力受信モジュールを撃ち抜いた!
そしてドゴス・ギアでは。
「バスク大佐! コロニー・レーザーから報告! 電力受信モジュールを破壊されたとのことです!」
「ええい、なんということだ! これではコロニー・レーザーを発射できんではないか! エゥーゴの奴らを周辺宙域から追い出せ! それとともに、修理を急がせるのだ!」
「はい!」
そしてバスクは正面に向きなおる。その顔面は真っ赤に染まっていたのだった。
「ええい、ガディめ、陽動一つできんのか! これではシロッコにいい顔をされてしまうではないか!」
* * * * *
サイド2のアレキサンドリア。
「艦長、ボンベが破壊されたと報告がありました。また、コロニー・レーザーもエゥーゴの攻撃により、一時機能を喪失したとのことです」
「そうか。無念だが仕方あるまい。ヤザン大尉たちがもう少し粘ってくれればな……。まぁ、毒ガス作戦などという、船乗りにあるまじき行為をしなくて済んだだけまだよかったか。帰還命令を出せ。MSを収容し次第、近くの基地に撤退する」
「はっ」
* * * * *
そして無事にサイド2を守り切った俺たちは、ボスニアへと帰還した。
そのMSデッキには、ボスニアの艦長、チャン少佐もやってきている。
「ここにやってくるとは、何かありましたか、艦長?」
そのマクマナス大尉の質問に、チャン艦長は、少し明るい表情でうなずいた。
「あぁ。アーガマからの報告で、なんとか発射を阻止できたそうだ。残念ながらティターンズの抵抗が激しくて、核パルスエンジンの破壊まではできなかったそうだがな」
「なるほど。でもサイド2がコロニー・レーザーの餌食にされなかったのは幸いですね」
俺がそう言うと、チャン艦長はうなずいた。
「アーガマをはじめとしたアーガマ主力とは、このサイド2のモルガルテンで合流することになる。合流するまでは交代の警戒担当以外は休息時間とするので、モルガルテンで羽を伸ばしてくるといい」
「了解しました」
チャン艦長の言葉を受け、うなずいて了解するマクマナス大尉。
一方のジョッシュは
「やったぁ、やっぱりチャン艦長は話がわかる!」
とはしゃいでいた。
しかし一方、カツは……。
「サラ……なぜ……」
と思い悩んでいるだけだった。
ただいま、ファンアート募集中です!
また、ルブラ君の専用機の名前のアンケートが開催中です!
協力してくれると嬉しいです。
その他の場合は、活動報告の募集スレのほうに書いてくださいませー
※ちなみにその専用機の原型はバウンド・ドッグの予定です
※『その他』枠の候補に投票したい場合は、『ルブラの専用機のネーミング』スレに、投票したい機体名を書いてレスしてくださいませ(平伏
* 次回予告 *
戦いの中のひと時。カレルはモルガンテンでミネバとハマーン・カーンに出会った。
「それにしても、ハマーン様、いいんですか? エゥーゴの俺たちと一緒にいて」
「心配はいらん。お前たちも、今はオフなのだろう? ならば私たちと同じ、一般人と思って問題はあるまい。もしお前たちがミネバ様を誘拐しようというなら話は別だがな」
カレルには、敵を引き寄せる何かがあるのだろうか?
次回、『ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより』
第23話『湖畔にて』
刻の涙は、止められるか?
次の更新は、12/23 12:00の予定です。お楽しみに!
今回出てきた新キャラの外道悪役、専用機の名前はどれがいいですか?
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オル・トロス
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ノートゥング
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ヒュドラー
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その他