ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより 作:ひいちゃ
モルガルテン。サイド2にあるコロニーの一つで、観光を主眼にしたコロニーである。
観光と言っても、映画館がいっぱいあったりとか、テーマパークがいっぱいとかそういうのではなく、自然公園がありーの、湖がありーの、というコロニー全体が自然公園とか観光明媚な保養地といった感じである。
作られた自然とはいっても、植えられてる木や花や本物だから、その中を歩いていると、とても癒される。マイナスイオンビンビンという感じだ。
―――うーん、本当に清々しいよなぁ。テーマパークとかもいいけど、時にはこういうのもいいものだよな。
―――そうですね。私もこういうところに来るのは久しぶりだから、ちょっと新鮮です。
―――そうなのか?
―――はい。覚醒する前は、ほとんど訓練三昧でしたから。
―――そうか。そうしたら、みんな新鮮に見えるんじゃないか?
―――はい、なんか楽しいです。
そう脳内会話をしながら歩いていく。
ちなみに今、カレル・ファーレハイトの身体の主導権は、俺のサブ人格である『カレル』に譲っている。たまには彼女にも羽を伸ばしてほしいからな。もちろん、何かあった時には、俺に主導権を返してもらうことになっているが。
あれ? でも、こうして女の子と二人で話しながら公園とかそういうところを歩いてるのって……。
これってもしかして……デート?
―――………。
あ、こら、『デート』って単語に反応して、赤面するな!
―――そ、そんなこと言われても……。
どういうことか説明しよう。
前にも言ったが、『カレル・ファーレハイト』の体には、元ガンオタ男子高校生の人格がベースの『俺』と、この体の元々の持ち主である『カレル』の人格が同居している。
そして基本的にこの二つの人格の間には隔たりはない。つまり、特に隠そうとしない限り、『俺』の考えていることや感じていることは『カレル』にも筒抜けになるし、その逆もしかり。
例えば……ほわわん。
―――……さん! 実験にかこつけて、あんなことやこんなことを想像するのはやめてください!!(赤面
と、こんな感じに、思っただけで相手に伝わってしまうのだ。
しかし『カレル』、本当にウブだよな。俺の想像したのなんて、ほんの一丁目だぞ。
……これは、エロ本とかは絶対に読めないな。
―――絶対にダメです!(赤面
速攻で否定された。まぁ、俺も女になったから読む気にはなれないが。
そう思いながら、その横で歩く少年……カツに意識を向ける。
「……」
カツは相変わらず、うつむきながらとぼとぼと歩いている。こんな美人さんと並んで歩いているのに罰当たりな奴め。
―――び、美人さんって……(赤面)でも、ちょっと心配ですね。
そう、おそらく、原作でサラと交流してきたカツは、この前の戦いでその彼女と出くわしたことでふさぎ込んでいるのだ。
失恋したようなものなのか、それとも……。
でもこのままではいけないから、なんとか元気づけてやりたいんだが。
* * * * *
とそんな感じで、『カレル』と脳内会話をしながら散策していると……。
ドンッ。
「きゃっ」
誰かとぶつかってしまった。衝撃や声の位置からして子供みたいだ。
「あ、大丈夫ですか?」
「う、うむ、大丈夫じゃ……」
あれ? この声、のじゃ口調……?
と思って下を向くと……。
「ええええ、ミネバ様!?」←『カレル』
―――ミネバ様ナンデ!?←『俺』
そう、かのドズル・ザビの忘れ形見、アクシズの(形式上の)支配者、ミネバ・ザビだったのだ。
そして向こうからやってくるのは……。
―――ええええ、ハマ
ーン様!? こら『カレル』、急に俺に身体の主導権渡すな!
さて、こちらに駆けてきたハマーン様は……。
「エゥーゴの者か! ミネバ様をさらおうとするとは、恥を知れ、俗物!!」
出た、俗物!! ありがとうございましたっ!!
っていやいや、そうではなく。
「ごごごごめんなさい、ただぶつかっただけなんですっ!」
そう言ってぺこぺこするのだった。
それで毒っ気を抜かれたのか。
「そうか……ならばいい。次からは気をつけよ」
と赦してくれました。ありがとうハマーン様。
と思ったら。
「ハマーン、この者たち、面白い。もう少し話していたいのだが」
とミネバ様がおっしゃった。って、えええええ!?
とりあえず。
「僕もその中に入れられるのは不本意だ」
とつぶやいたカツは、あとで〆ようと思う。
* * * * *
どうしてこうなったのだろうか? もう心臓がバクバクなんだが。
今俺……とカツは、ミネバと、そしてハマーン様の二人とボートに乗っているのだ。
うぅ、バナージごめんよ。
そしてとりあえず、話の話題がないので、前世での色々な話をしてあげたらミネバはすごい喜んでくれた。
アニメ中心(U.C.ガンダム系除く)の話だったので、ミネバがオタクにならないか心配だが。嫌だぞ、オタクになったオードリーなんて。
それにしても……。
「それにしても、ハマーン様、いいんですか? エゥーゴの俺たちと一緒にいて」
「心配はいらん。お前たちも、今はオフなのだろう? ならば私たちと同じ、一般人と思って問題はあるまい。もしお前たちがミネバ様を誘拐しようというなら話は別だがな」
そう言って、ハマーン様は、すごみのある笑みを浮かべてきた。あああ、やっぱりハマーン様だ。この笑み、皆さまにお見せできないのが残念です。
「それにしても、この笑みやなつきぶりを見てると、彼女がアクシズの姫君だなんて思えませんね」
「あぁ。やはりここに連れてきて正解だったかもしれん」
そこで俺はあることに気が付いた。
でも、俺はそれを口に出さなかった。それは、ハマーン様の心の中にまで踏み込みかねない話題だったから、俺のごとき部外者が口に出すのはどうかと思ったのだ。
そう、本当はハマーン様は、ミネバをあのように育ててしまったのは後悔しているのではないかと……。何しろ、その根は彼女の『姉を奪ったザビ家を見返したい』という想いからきているのだから。
だから俺はこれだけ言うことにした。
「そうですね。できればこれからは、ミネバ様には子供っぽいことにも触れてほしいです」
「……そうだな」
とハマーン様。
大丈夫ですよ、ハマーン様。ミネバにあのような教育をしなくても、将来は立派な女性に育ちますから。
『ガンダムUC』を見てきた俺は、心の中でハマーン様にそう言った。
と、そこで俺は気づいた。カツがハマーン様に対し、嫌悪感を秘めた視線を向けていたのを。
そういえばカツは……。
「ごめん、カツ。露店に行って、クレープでも買ってきてくれる?」
「あ、はい……」
そういってカツは、ボートを降り、露店に走っていった。
「すみません、ハマーン様。彼、一年戦争の時に色々あったようで……」
「それなら、不快に思うのも仕方あるまい。気にしなくてもいい」
それからしばし三人で談笑。
「カツ、遅いですね……。ちょっと見てきます」
「それなら、私たちはここでお別れしよう。そろそろ、グワダンに戻る時間だしな」
「えー、ハマーン。私はもっと、カレルとお話したい」
よっぽど俺のことを気に入ってくれたようだ。それは嬉しいのだが、時間なら仕方ないよな。
俺はミネバにひざまづいて頭をなでる。そして。
「この戦争が終えたら、また会えるようになりますよ。そうしたら、また会いに行きますから」
「本当か? 約束だぞ」
また果たさなければならない約束が増えてしまった。
そして別れ際。
「あ、ハマーン様。先日は、クワトロ大尉……いえ、シャアがハマーン様に失礼なことをしてすみませんでした。ですが、彼に悪意はありませんので……」
「……わかっている」
そして二人は去っていった。
……さて、それじゃカツを探しに行かないとな。
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* 次回予告 *
カツを探すカレルは、カツを見つけると同時に、彼を勧誘するサラ・ザビアロフと出会った。
「内緒話を聞いてごめんね」
「カレル・ファーレハイト……。カツを連れて行くのを邪魔するつもり?」
エゥーゴとサラとの間で迷うカツ。その行く先を示す光はあるのか?
「そもそも理想論だからと諦めたら、それ以上進むことはできないよ。そうじゃない?」
「……」
次回、『ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより』
第24話、『サラ・ザビアロフ』
刻の涙は、止められるか?
※次の更新は、12/26 12:00の予定です
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オル・トロス
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ノートゥング
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ヒュドラー
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その他