ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより   作:ひいちゃ

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活動報告にも書きましたが、ジェリドの行く末アンケートの結果……

原作通り戦死でよろし 13票 / 12%
敵だけど生存 30票 / 28%
なんと味方化! 63票 / 59%

ということで、ジェリド君の味方化が決定しました!
引き続き、味方になったジェリドの愛機アンケートを行わせていただきます。投票してくださるとうれしいです^^

※不倫してたのは、カミーユ父では?という指摘があったので、事実確認の上、本文を修正いたしました


グリーンノア2編#03『カレルの言葉』

「はぁ……はぁ……」

「大丈夫か、カレル? 結構苦しそうだが」

 

 アレキサンドリアの格納庫で苦しそうにしている俺……カレル・ファーレハイトに、ジェリド・メサがそう声をかけてくれる。

 

「うん、大丈夫……結構きつかったけど……」

「ならいいが……無理するなよ?」

 

 心配そうに様子を見てくれるジェリドに、弱々しい微笑みを向ける。

 

 うん、本当にきつかった。目の前で人が死ぬ様を見たんだから。しかも、ドラマとかアニメとかそういうものではなくリアルで。肉体が砕け散らず、一瞬で宇宙の塵になったのはせめてもの幸いか。俺にとっても、ヒルダ女史にとっても……そしてカミーユにとっても。いや、カミーユにとっては慰めにもならないか。

 

 ……さてと。

 

「ちょっとカミーユ君のところに行ってくるね」

「ずいぶんあいつにご執心じゃないか。年下趣味でもあるのか?」

「残念。私、しばらく恋はいいと思ってるんだよね」

 

 中身はガンオタ高校生(男子)だしな。たとえ体は女でも男との恋愛はご遠慮したい。しかし、女との恋愛は、体が女なので百合になってしまうのが困りものだ。

 

「ってそうじゃなくて、目の前で母親を殺されて傷心中の少年のことよ。少しでも助けになりたいと思うじゃない?」

「本当にお人よしだな。まぁ、あのガキに殴られないように気をつけろよ」

「うん、ありがと。それじゃね」

 

* * * * *

 

 そして、食堂でカミーユの食事を受け取った俺は、彼が閉じ込められた独房へと向かった。

 

「カミーユ君? ごはん持ってきたよ」

「はい……」

 

 そしてカミーユが扉の近くまでやってくる気配。でも、声がどこか重々しい。まぁ、当然ではある。

 母が目の前で殺されるという事実は、17才の少年にはきつすぎるだろう。

 

「まずは……ごめんね。君のお母さんを助けることができなくて」

「いいんですよ……。仕事にかまけてて、父に愛想をつかれて、不倫されるような母親でしたから。そんなのでも……俺の母親……」

 

 すすり泣く声。俺は、ドアに背を向け、寄りかかって言った。

 

「いいよ、つらい時には泣いちゃいなさい。聞かなかったことにしてあげるから」

「……っ」

 

 しばらく少年の泣く声が続く。それが彼の心の痛みを物語っていた。

 本当にバスクは許せん、上司だけど。もし袂をわかつことがあったら、絶対にしばき倒してやる。

 

 そう思っているうちに、泣き声はやんだ。

 

「泣き止んだかな?」

「はい……」

 

 そうだ。独善的なおせっかいかもしれないけど、彼のためにこれだけは言ってやりたい。

 

「ねぇ、カミーユ君。君、この戦いに参加して成し遂げたい願いはあるの?」

「え?」

 

 俺は、ドアに寄りかかったまま続ける。

 

「戦いに参加していれば、こんなつらい目に出くわすことはいっぱいあるわ。それが戦争というものだから」

「戦争だから、あの母殺しは当たり前で悪いものではないと?」

「そこまでは言ってないし、あれがよいものだとは少しも思ってない。でもね。許せなくても、認められなくても、戦いの中にいれば、そんな非道なことや理不尽なことにはたくさんであうことがあるわ。戦争というものはそういうものなの」

 

 俺の前世の世界でのことを思い返しながら続ける。

 

「だからね。戦いに挑むには覚悟と、覚悟の理由になる願いが必要だと私は思う。覚悟がないまま、戦ってまでかなえたい切実な願いがないまま戦いに足を踏み入れたら不幸へ一直線よ」

「カレルさん……」

「もう一度胸に手を当てて思い返してみて。このエゥーゴとティターンズとの戦い。その戦いに参加してまで、戦ってまでかなえたい願いが自分にあるのかどうか。そのために戦う覚悟があるかどうか。それが見つからないなら、この戦いに入ってきたらダメ。君が不幸になるだけだよ」

「俺は……」

 

 カミーユのつぶやく声。俺の言葉を真剣に考えてくれてるようだ。それを確認すると、俺はそっとその場を離れた。

 

* * * * *

 

「ふぅ、ただいま」

 

 俺が食堂に戻ると、そこでは俺の同僚たち、ジェリド、カクリコン、エマが待っていた。そのエマは何か思いつめたような表情を浮かべている。

 

「どうしたの、エマさん? 何か思いつめてるみたいだけど」

「あぁ。どうやら、今回の件で自己嫌悪に陥ってるみたいでな」

 

 とはジェリドの言。でもそれだけじゃない気がする。彼女の中で、ティターンズを裏切るフラグでも立っているみたいだ。

 

「そう。まぁ、彼女ならちゃんと自分の道を見つけられるでしょ」

 

 このままティターンズに残る道でも、原作のようにエゥーゴに寝返る道でも。

 そう思いながら、俺はドリンクに口をつけた。

 

「あの坊やには結構世話を焼いてるみたいなのに、エマにはあっさりしてるじゃないか」

 

 そんな俺に、カクリコンが茶化してくる。うるさい、アメリアのことを二人にばらすぞ。

 別に、突き放してるわけじゃない。なぜなら……。

 

「あっさりしてるわけじゃないし、突き放してるわけじゃないよ。エマさんは私より、3才年上なんだよ? 大人なんだから、ちゃんと自分の面倒は見れるって評価してるし、信頼してるだけ。二人とも見習ったら?」

「うぐ」

「うぐ」

 

 と、そこで俺を呼ぶアナウンスが、食堂内に響いた。お呼び出し元はバスク大佐だ。やっぱりな。来ると思った。

 俺はため息をつくと立ち上がった。

 

「坊やのおもりの後は、大佐からの修正か。大変だな」

「まぁ、これもお給料のうちだからね。行ってきます」

 

 ジェリドに軽くウィンクすると、私はブリッジへと向かった。

 

* * * * *

 

 結論から先に言おう。修正だけでは済まなかった。

 いや、修正はもちろんされたのだが、今回のことで、邪魔をした責任を問われて、ティターンズを除隊し、連邦軍に移籍することになった。

 そして、巡洋艦ボスニアに転属することになったのだ。

 そう、あのライラ・ミラ・ライラのいる母艦である。

 




* 次回予告 *
カミーユにかけた言葉と、自分の現状、そのギャップにカレルは悩む。

「はぁ……。カミーユにあんな偉そうなこと言って、自分がこんなんじゃなぁ……」

自分の進む先は何か。
その道を暗中に模索する彼女に、その道を照らす者。

「おや、あの赤い彗星とやりあったという姫様が何ため息ついてるんだい?」

先達の言葉は、カレルに朧気ながらも道を指し示す。
だが、カレルには、その先に待つものも朧気に見えていたのだ。

次回、『ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより』

第4話、『ボスニアの中』

刻の涙は、止められるか?

* 次回登場・外伝登場or本作オリジナルMS *
RMS-117-HMU
高機動型ガルバルディβ(ADVANCED OF Zより)
※AoZとは違う経緯での登場となります。ご注意を。

※次の更新は、10/27 17:30の予定です。

味方になったジェリド君。新しい愛機は何がいいですか?

  • ガブスレイ
  • バイアランカスタム(もどき)
  • ガンダムMk2
  • ネモ
  • メタス
  • オリジナル機体
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