ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより   作:ひいちゃ

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と言ってみますww


ゼダンの門編#06『クロス・ファイト(後編)』

 非情さ、冷徹さをまとい、百式とメタスの前に立ちはだかるシロッコのジ・O。

 

『くくく……、私のものにならない女性など、存在する価値はないのだよ!』

「き、貴様ーーーー!!」

 

 シロッコの非情な言葉に激昂したカツが、メタスを駆り、ジ・Oに襲い掛かった。

 だがシロッコは涼しい顔で、ジ・Oを駆り、鋭い機動でメタスの攻撃をかわし続けた。

 

「サラの命をなんだと思っているんだ!?」

『私の所有物、それだけでは不満か?』

「貴様!!」

 

 それでも食いついたメタスが、ビームサーベルでジ・Oに切りかかる! ジ・Oは左手でビームサーベルを抜いてそれを受け止めた。

 

『生の感情丸出しで戦う者に、私は倒せん!!』

「何を!」

 

 だが! シロッコの言葉を裏付けるように、ジ・Oの隠し腕がビームソードで、メタスの胴体を薙ぎ払い、上半身と下半身を分断した!

 

「うわぁ!」

『カツ! 無茶はするな!』

「!」

 

 クワトロが、百式のビームライフルで、カツに追い打ちをかけようとするジ・Oを射撃する。それをかわすジ・O。

 そして、上半身のみとなったメタスにビームライフルでとどめを刺そうとしたその時。

 

『!?』

―――カツをやらせはしません、例えパプテマス様でも!!

 

 彼の眼に、メタスをかばうサラの姿が見えた。

 

『くっ……!』

 

 シロッコのジ・Oは、それ以上の戦闘を断念し、ジュピトリスへと撤退していくのだった。

 

* * * * *

 

 Zガンダムが放ったビームライフルを、ルブラのヒュドラーは軽くかわす。

 

『カミーユ! なんで助けに来た?』

「なぶり殺しにされてる奴を、助けないわけにいくかよ!」

『くくく、ガンダムの坊やじゃねぇか。坊や同士、おっぱいを呑みに来たのかい? へへへ……」

「ほざくなよ、無抵抗の者を殺すしか能のないクズが!」

『言ってくれるじゃねぇか!』

 

 そうルブラが吠え、彼のヒュドラーが襲い掛かってくる。そのクローの一撃をZにかわされると、ルブラはヒュドラーの両腕両足を切り離した!

 

『気をつけろ、カミーユ! 奴はオールレンジもできる!』

「なんだって!? 奴め、強化されたのか!」

『ほらほら、しゃべっている暇はねぇぜー?』

 

 両腕の有線クロービーム砲と、両足の有線クローアームとで、変幻自在のオールレンジ攻撃をZガンダムに浴びせるルブラ。しかし、その動きの違和感を、カミーユは既に感じていた。

 

(Zを、本気で仕留めようとしている動きに見えない……。俺をいたぶっているつもりなのか。なら、それに付けいる隙があるかもしれない……!)

 

 カミーユはZをウェイブライダーに変形させて、ヒュドラーに突撃させた。時には変形し、横から放たれる有線クロービーム砲のビームをかわしながら、ただ直線的にルブラ機に迫る!

 

『ちぃ、戻ってこい! お前ら!』

「とらえた!」

『ひぃ!』

 

 そしてついに、カミーユのZは、ヒュドラーの目前までやってきた! そこでMSに変形し、ビームサーベルで切りかかる!

 死の恐怖におびえながらも、とっさにそれを回避できたのは、さすがというべきであろう。

 とはいえ、完全にかわし切ることはできず、ヒュドラーは左肩ごと左腕を切断されてしまった。

 

『ち、ちきしょう、覚えてやがれ!!』

 

 ルブラはヒュドラーをMA形態に変形して飛び去って行った。それを横目に見ながら、カミーユはZを、中破したバイアランへと向けたのであった。

 

* * * * *

 

「ば、バスク大佐! アクシズがゼダンの門に接近しています!」

「なに!?」

 

 アクシズがゼダンの門への直進コースをとっているとの報告は、この時やっとドゴス・ギアのバスクの元へと届いた。

 

「なぜ今まで気が付かなかったのだ!?」

「ミノフスキー粒子の濃度が濃く……それに、今まで前方のエゥーゴとアクシズに集中していたので……」

「言い訳はいい! とにかく回避運動用意! 同時に撤退の準備を進めろ!」

「り、了解!」

 

* * * * *

 

 一方、アーガマのほうでも。

 

「アクシズ、もうすぐ、ゼダンの門に衝突します!」

 

 トーレスの報告に、ブライトがすぐに指示を出す!

 

「全艦隊後退! MS部隊に撤退信号を出せ! ゼダンの門の破片が来るぞ!!」

「了解です!」

 

 ブライトの指示を受けたフォウがこたえる。

 

* * * * *

 

 俺……カレル・ファーレハイトはハンブラビの攻撃でGディフェンサーを失った。

 もっとも、Gディフェンサーと合体していなければ、ガルバルディを撃ち抜かれていただろうが……。

 

「くっ……!」

 

 幸いながらも、ロングライフルは残っている。俺は振り向きざまにロングライフルを発射する。それは、海ヘビを投射しようとしていたハンブラビの左腕を吹き飛ばした。

 

『やるな!』

 

 ハンブラビは再びMA形態に変形。変幻自在の機動で迫る。こちらのロングライフルをかわしつつ迫り、クロウでこちらの右肩を大きくえぐる! 爆発し、ガルバルディγの右腕が吹き飛んだ。

 

「あうっ……!」

 

 爆発の衝撃で、激しくコクピットが揺さぶられる。ついでに、ちょっと身体を打ち付けてしまった。

 痛みで、かすかに涙でにじんだ眼に、こちらに向かってくるハンブラビの姿が見えた。

 

『これで終わりだ、女!!』

「!!」

 

 その時だ。

 ゼダンの門の方向から、多数の岩塊で流れてきたのだ。

 

 それは、俺とハンブラビの間を遮るように、たくさん飛んでくる。

 

* * * * *

 

 その少し前、いよいよアクシズとゼダンの門が衝突しようとしていた。

 

 バスクは声を振り上げて命令を下す。

 

「敵の接近になどかまうな! 対空砲火しながら、この宙域から撤退しろ、急げ!」

 

 一方のブライトも。

 

「ここまで来たら、ティターンズの艦隊にはかまうな! 岩塊にだけ気をつけろ! フォウ、アクシズ艦隊は?」

「はい。既に大半の艦がこの宙域を離脱したそうです。グワダンも無事に離脱したとのこと!」

 

 そして、ついにアクシズがゼダンの門に衝突した!

 

 傘の部分とその下部とのつなぎ口に衝突したアクシズは、嫌な音と、ゼダンの門の岩塊をまき散らしながら慣性により、さらに前進。

 

 ティターンズの艦隊も多くの艦は無事に離脱したが、それでも少なくない艦が飛んでくる岩塊の餌食になった。

 

 ある艦はブリッジに岩塊の直撃をもらい、またある艦は艦より大きな岩塊に衝突され、またある艦は、回避しようとして別の艦と衝突した。

 

* * * * *

 

 これでとりあえず助かったが、まだ終わりではない。ヤザンは俺を仕留めるのをあきらめず、攻撃のチャンスを狙っているはずだ。

 

―――カレル、精神を澄ませて、ヤザンがどこから来るか感知してくれ。

―――は、はい!

 

 俺は、岩塊を回避しながら、ヤザンがどこから来るか、それの発見を『カレル』に任せた。これに全てがかかっている。

 そして。

 

―――来ます、下!

 

「!!」

 

 『カレル』の言う通り、ガルバルディγの下のほうからハンブラビが突っ込んできた!

 

 ハンブラビがビームを撃つ! それを回避し、左腕の煙幕弾を発射し、少し遅れて左腰のワイヤーアンカーを射出する!

 煙幕があたりを包み込む。その煙幕からハンブラビが現れるが、そこにワイヤーアンカーが襲い掛かった!

 ハンブラビは間一髪、ワイヤーアンカーをかわすが、かわしきることができず、右のビームガンを吹き飛ばされる! だが、ハンブラビはまだ闘志を納めることなく、左のビームガンを発射! そのビームで、頭部を吹き飛ばされた!

 

 メインカメラを失い、乱れる画面の中、ハンブラビがさらに突っ込んでくる! そしてビームサーベルを振りかざす!

 

「!!」

 

 俺は右腰のワイヤーアンカーを射出! 至近距離からのアンカーの直撃を喰らい、ハンブラビは大きくのけぞる。続いて、左腕でビームサーベルを抜き、ハンブラビの機体に押し付け、ビームを発振させた。サーベルを形成するビームは、ハンブラビの装甲を一瞬で溶解し、その頭部を貫いた!

 そして、ハンブラビの左腕をつかみ、こちらの左腕のリミッターを解除してへし折る。当然、こちらの左腕もパワーに耐え切れず自壊してしまったが。とどめに機体を蹴り飛ばしてやった。

 

 吹き飛んだハンブラビに岩塊が迫る!

 そのハンブラビから脱出ポッドが射出された次の瞬間、機体は岩塊に衝突して爆散したのだった。

 

* * * * *

 

「ふぅ……」

 

 ため息をつく。なんとかヤザンに勝ったか……。奴自身は生きてるので、また別のMSに乗り換えて出てくるだろうが、とりあえずここでの戦いは俺の勝ちになってよかった。まさにギリギリの勝利だったが。

 

 コンソールを操作し、ガルバルディγの損傷状況を呼び出す。

 その結果、まさに満身創痍という感じだったが、爆散につながるような損傷は出ていないようだ。不幸中の幸い。こんな岩塊がたくさん飛んでいる中、外に出るのは危険だしな。今は誰かが駆け付けるまで、この中にいるのが安全だろう。

 

 そして、シートに深く腰掛ける。かなりギリギリの戦いだったせいか、かなり疲れた。

 もう一度深くため息をついて眼を閉じる。

 

―――ありがとな、カレル。またお前に助けられたな。

―――いえ、私のしたことなんてささいなことです。礼を言われることはありません。……さんこそ、お疲れさまでした。

―――あぁ、ありがとう。

 

 再び目を開く。

 その俺の目に、こちらに接近してくるZガンダムと百式の姿が見えた。

 

* * * * *

 

 かくして、ティターンズの宇宙での重要拠点の一つ、ゼダンの門は陥落した。

 だが、戦況はまだ予断を許さない。バスクたちに反抗する勢力が離脱し、ゼダンの門を失ったとはいえ、その戦力はまだ、エゥーゴとアクシズ両軍よりも多い。

 対策を打たないと、態勢を立て直したティターンズに敗北してしまうだろう。

 

 まぁ、それを考えるのは、俺ではなく、上層部の仕事だが。

 

 そう思いながら外を見ている俺の目に、会話を交わすカミーユとカツの姿が映った。

 その会話も聞こえてくる。

 

「カミーユ……悔しいですけど、今の僕ではシロッコには勝てそうにありません。カミーユに託すしかないんです。お願いします、サラの仇を……シロッコとの決着をつけてください」

「カツ……わかった。シロッコは俺が必ず倒すよ」

 

 その会話を聞きながら、俺は独房に向かった。その中にいるのは……。

 

「気分はどう? ジェリド」

「カレルか……。お前とこんなところで再会することになるとはな」

 

 そう、俺の元同僚ジェリド・メサだった。俺が連邦軍に移籍してから色々あって以来、音信不通になっていたけど、こうしてまた、生きて再会できて何よりだ。彼を助けてくれたカミーユ君に感謝だな。

 

「それでお願いがあるの」

「俺にエゥーゴに入ってくれってか? しかしだな……」

「君もわかってるでしょ? 今のティターンズは、私がいた頃とは違う組織になり果てたって。なら、それに引導を渡すのが、元ティターンズだった私たちのやるべきことじゃない?」

「う……確かにそうだが、気持ちは割り切れるものじゃない。俺はカミーユに、カクリコンとマウアーを殺されたんだぞ」

「それを言うなら私だって、カミーユ君に、恩師で姉代わりだったライラさんを殺されてる。でもこれは戦いなんだもの。割り切らなくちゃしょうがないじゃない。『復讐して殺された人が喜ぶものか』って言う気はないけどね」

「……」

「私たちにできることは、彼らの死を無駄にしないために、悲劇の種をばらまくティターンズを倒し、この戦いを終わらせることだと思うんだけど?」

 

 そこで俺はジェリドに対して頭を下げた。

 

「お、おい?」

「お願い。私たちに力を貸してください」

「や、やめろって。ったく、お前だったら土下座までしかねん……」

「私が土下座をすることで、君が力を貸してくれるなら、いくらでも土下座をするよ。必要だったら命もあげる。この戦いが終わってからだけど」

「お前にそこまでさせるわけにはいかんだろ……。わかった、協力するよ。だが言っておく。カミーユへの恨みを捨てたわけじゃないからな。この戦いが終わったら、何等かの決着をつけさせてもらう」

「それでいいよ。できれば殺し合い以外の形で決着がついてほしいけどね。それと」

「なんだよ?」

「君のその言い方、ツンデレっていうんだよ」

「う、うるさいなっ」

 

 そんな人間模様を乗せたまま、アーガマを始めとしたエゥーゴ艦隊は粛々とゼダンの門空域を後にするのだった。

 




ただいま、ファンアート募集中です!

* 次回予告 *

エゥーゴはコロニー・レーザーを使った作戦で、いまだ優位に立つティターンズに逆転しようとした。
その作戦のため、離脱したティターンズ部隊の力を借りる交渉のため、姿を現した男とは……。

「私を覚えててくれたのかね。今はただの少将だよ」

次回、『ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより』

第31話『 』

刻の涙は、止められるか?

[次回登場予定新MS・外伝登場MS]
MS-14JP
サ・リゲル

MSN-100/Z
千式(百式決戦仕様)

PMS-001
ノーネーム

※今回はサブタイトルがネタバレになっちゃいますので、サブタイトルは隠させていただきます。
※次の更新は、1/14 12:00の予定です。
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