ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより 作:ひいちゃ
と言ってみますww
非情さ、冷徹さをまとい、百式とメタスの前に立ちはだかるシロッコのジ・O。
『くくく……、私のものにならない女性など、存在する価値はないのだよ!』
「き、貴様ーーーー!!」
シロッコの非情な言葉に激昂したカツが、メタスを駆り、ジ・Oに襲い掛かった。
だがシロッコは涼しい顔で、ジ・Oを駆り、鋭い機動でメタスの攻撃をかわし続けた。
「サラの命をなんだと思っているんだ!?」
『私の所有物、それだけでは不満か?』
「貴様!!」
それでも食いついたメタスが、ビームサーベルでジ・Oに切りかかる! ジ・Oは左手でビームサーベルを抜いてそれを受け止めた。
『生の感情丸出しで戦う者に、私は倒せん!!』
「何を!」
だが! シロッコの言葉を裏付けるように、ジ・Oの隠し腕がビームソードで、メタスの胴体を薙ぎ払い、上半身と下半身を分断した!
「うわぁ!」
『カツ! 無茶はするな!』
「!」
クワトロが、百式のビームライフルで、カツに追い打ちをかけようとするジ・Oを射撃する。それをかわすジ・O。
そして、上半身のみとなったメタスにビームライフルでとどめを刺そうとしたその時。
『!?』
―――カツをやらせはしません、例えパプテマス様でも!!
彼の眼に、メタスをかばうサラの姿が見えた。
『くっ……!』
シロッコのジ・Oは、それ以上の戦闘を断念し、ジュピトリスへと撤退していくのだった。
* * * * *
Zガンダムが放ったビームライフルを、ルブラのヒュドラーは軽くかわす。
『カミーユ! なんで助けに来た?』
「なぶり殺しにされてる奴を、助けないわけにいくかよ!」
『くくく、ガンダムの坊やじゃねぇか。坊や同士、おっぱいを呑みに来たのかい? へへへ……」
「ほざくなよ、無抵抗の者を殺すしか能のないクズが!」
『言ってくれるじゃねぇか!』
そうルブラが吠え、彼のヒュドラーが襲い掛かってくる。そのクローの一撃をZにかわされると、ルブラはヒュドラーの両腕両足を切り離した!
『気をつけろ、カミーユ! 奴はオールレンジもできる!』
「なんだって!? 奴め、強化されたのか!」
『ほらほら、しゃべっている暇はねぇぜー?』
両腕の有線クロービーム砲と、両足の有線クローアームとで、変幻自在のオールレンジ攻撃をZガンダムに浴びせるルブラ。しかし、その動きの違和感を、カミーユは既に感じていた。
(Zを、本気で仕留めようとしている動きに見えない……。俺をいたぶっているつもりなのか。なら、それに付けいる隙があるかもしれない……!)
カミーユはZをウェイブライダーに変形させて、ヒュドラーに突撃させた。時には変形し、横から放たれる有線クロービーム砲のビームをかわしながら、ただ直線的にルブラ機に迫る!
『ちぃ、戻ってこい! お前ら!』
「とらえた!」
『ひぃ!』
そしてついに、カミーユのZは、ヒュドラーの目前までやってきた! そこでMSに変形し、ビームサーベルで切りかかる!
死の恐怖におびえながらも、とっさにそれを回避できたのは、さすがというべきであろう。
とはいえ、完全にかわし切ることはできず、ヒュドラーは左肩ごと左腕を切断されてしまった。
『ち、ちきしょう、覚えてやがれ!!』
ルブラはヒュドラーをMA形態に変形して飛び去って行った。それを横目に見ながら、カミーユはZを、中破したバイアランへと向けたのであった。
* * * * *
「ば、バスク大佐! アクシズがゼダンの門に接近しています!」
「なに!?」
アクシズがゼダンの門への直進コースをとっているとの報告は、この時やっとドゴス・ギアのバスクの元へと届いた。
「なぜ今まで気が付かなかったのだ!?」
「ミノフスキー粒子の濃度が濃く……それに、今まで前方のエゥーゴとアクシズに集中していたので……」
「言い訳はいい! とにかく回避運動用意! 同時に撤退の準備を進めろ!」
「り、了解!」
* * * * *
一方、アーガマのほうでも。
「アクシズ、もうすぐ、ゼダンの門に衝突します!」
トーレスの報告に、ブライトがすぐに指示を出す!
「全艦隊後退! MS部隊に撤退信号を出せ! ゼダンの門の破片が来るぞ!!」
「了解です!」
ブライトの指示を受けたフォウがこたえる。
* * * * *
俺……カレル・ファーレハイトはハンブラビの攻撃でGディフェンサーを失った。
もっとも、Gディフェンサーと合体していなければ、ガルバルディを撃ち抜かれていただろうが……。
「くっ……!」
幸いながらも、ロングライフルは残っている。俺は振り向きざまにロングライフルを発射する。それは、海ヘビを投射しようとしていたハンブラビの左腕を吹き飛ばした。
『やるな!』
ハンブラビは再びMA形態に変形。変幻自在の機動で迫る。こちらのロングライフルをかわしつつ迫り、クロウでこちらの右肩を大きくえぐる! 爆発し、ガルバルディγの右腕が吹き飛んだ。
「あうっ……!」
爆発の衝撃で、激しくコクピットが揺さぶられる。ついでに、ちょっと身体を打ち付けてしまった。
痛みで、かすかに涙でにじんだ眼に、こちらに向かってくるハンブラビの姿が見えた。
『これで終わりだ、女!!』
「!!」
その時だ。
ゼダンの門の方向から、多数の岩塊で流れてきたのだ。
それは、俺とハンブラビの間を遮るように、たくさん飛んでくる。
* * * * *
その少し前、いよいよアクシズとゼダンの門が衝突しようとしていた。
バスクは声を振り上げて命令を下す。
「敵の接近になどかまうな! 対空砲火しながら、この宙域から撤退しろ、急げ!」
一方のブライトも。
「ここまで来たら、ティターンズの艦隊にはかまうな! 岩塊にだけ気をつけろ! フォウ、アクシズ艦隊は?」
「はい。既に大半の艦がこの宙域を離脱したそうです。グワダンも無事に離脱したとのこと!」
そして、ついにアクシズがゼダンの門に衝突した!
傘の部分とその下部とのつなぎ口に衝突したアクシズは、嫌な音と、ゼダンの門の岩塊をまき散らしながら慣性により、さらに前進。
ティターンズの艦隊も多くの艦は無事に離脱したが、それでも少なくない艦が飛んでくる岩塊の餌食になった。
ある艦はブリッジに岩塊の直撃をもらい、またある艦は艦より大きな岩塊に衝突され、またある艦は、回避しようとして別の艦と衝突した。
* * * * *
これでとりあえず助かったが、まだ終わりではない。ヤザンは俺を仕留めるのをあきらめず、攻撃のチャンスを狙っているはずだ。
―――カレル、精神を澄ませて、ヤザンがどこから来るか感知してくれ。
―――は、はい!
俺は、岩塊を回避しながら、ヤザンがどこから来るか、それの発見を『カレル』に任せた。これに全てがかかっている。
そして。
―――来ます、下!
「!!」
『カレル』の言う通り、ガルバルディγの下のほうからハンブラビが突っ込んできた!
ハンブラビがビームを撃つ! それを回避し、左腕の煙幕弾を発射し、少し遅れて左腰のワイヤーアンカーを射出する!
煙幕があたりを包み込む。その煙幕からハンブラビが現れるが、そこにワイヤーアンカーが襲い掛かった!
ハンブラビは間一髪、ワイヤーアンカーをかわすが、かわしきることができず、右のビームガンを吹き飛ばされる! だが、ハンブラビはまだ闘志を納めることなく、左のビームガンを発射! そのビームで、頭部を吹き飛ばされた!
メインカメラを失い、乱れる画面の中、ハンブラビがさらに突っ込んでくる! そしてビームサーベルを振りかざす!
「!!」
俺は右腰のワイヤーアンカーを射出! 至近距離からのアンカーの直撃を喰らい、ハンブラビは大きくのけぞる。続いて、左腕でビームサーベルを抜き、ハンブラビの機体に押し付け、ビームを発振させた。サーベルを形成するビームは、ハンブラビの装甲を一瞬で溶解し、その頭部を貫いた!
そして、ハンブラビの左腕をつかみ、こちらの左腕のリミッターを解除してへし折る。当然、こちらの左腕もパワーに耐え切れず自壊してしまったが。とどめに機体を蹴り飛ばしてやった。
吹き飛んだハンブラビに岩塊が迫る!
そのハンブラビから脱出ポッドが射出された次の瞬間、機体は岩塊に衝突して爆散したのだった。
* * * * *
「ふぅ……」
ため息をつく。なんとかヤザンに勝ったか……。奴自身は生きてるので、また別のMSに乗り換えて出てくるだろうが、とりあえずここでの戦いは俺の勝ちになってよかった。まさにギリギリの勝利だったが。
コンソールを操作し、ガルバルディγの損傷状況を呼び出す。
その結果、まさに満身創痍という感じだったが、爆散につながるような損傷は出ていないようだ。不幸中の幸い。こんな岩塊がたくさん飛んでいる中、外に出るのは危険だしな。今は誰かが駆け付けるまで、この中にいるのが安全だろう。
そして、シートに深く腰掛ける。かなりギリギリの戦いだったせいか、かなり疲れた。
もう一度深くため息をついて眼を閉じる。
―――ありがとな、カレル。またお前に助けられたな。
―――いえ、私のしたことなんてささいなことです。礼を言われることはありません。……さんこそ、お疲れさまでした。
―――あぁ、ありがとう。
再び目を開く。
その俺の目に、こちらに接近してくるZガンダムと百式の姿が見えた。
* * * * *
かくして、ティターンズの宇宙での重要拠点の一つ、ゼダンの門は陥落した。
だが、戦況はまだ予断を許さない。バスクたちに反抗する勢力が離脱し、ゼダンの門を失ったとはいえ、その戦力はまだ、エゥーゴとアクシズ両軍よりも多い。
対策を打たないと、態勢を立て直したティターンズに敗北してしまうだろう。
まぁ、それを考えるのは、俺ではなく、上層部の仕事だが。
そう思いながら外を見ている俺の目に、会話を交わすカミーユとカツの姿が映った。
その会話も聞こえてくる。
「カミーユ……悔しいですけど、今の僕ではシロッコには勝てそうにありません。カミーユに託すしかないんです。お願いします、サラの仇を……シロッコとの決着をつけてください」
「カツ……わかった。シロッコは俺が必ず倒すよ」
その会話を聞きながら、俺は独房に向かった。その中にいるのは……。
「気分はどう? ジェリド」
「カレルか……。お前とこんなところで再会することになるとはな」
そう、俺の元同僚ジェリド・メサだった。俺が連邦軍に移籍してから色々あって以来、音信不通になっていたけど、こうしてまた、生きて再会できて何よりだ。彼を助けてくれたカミーユ君に感謝だな。
「それでお願いがあるの」
「俺にエゥーゴに入ってくれってか? しかしだな……」
「君もわかってるでしょ? 今のティターンズは、私がいた頃とは違う組織になり果てたって。なら、それに引導を渡すのが、元ティターンズだった私たちのやるべきことじゃない?」
「う……確かにそうだが、気持ちは割り切れるものじゃない。俺はカミーユに、カクリコンとマウアーを殺されたんだぞ」
「それを言うなら私だって、カミーユ君に、恩師で姉代わりだったライラさんを殺されてる。でもこれは戦いなんだもの。割り切らなくちゃしょうがないじゃない。『復讐して殺された人が喜ぶものか』って言う気はないけどね」
「……」
「私たちにできることは、彼らの死を無駄にしないために、悲劇の種をばらまくティターンズを倒し、この戦いを終わらせることだと思うんだけど?」
そこで俺はジェリドに対して頭を下げた。
「お、おい?」
「お願い。私たちに力を貸してください」
「や、やめろって。ったく、お前だったら土下座までしかねん……」
「私が土下座をすることで、君が力を貸してくれるなら、いくらでも土下座をするよ。必要だったら命もあげる。この戦いが終わってからだけど」
「お前にそこまでさせるわけにはいかんだろ……。わかった、協力するよ。だが言っておく。カミーユへの恨みを捨てたわけじゃないからな。この戦いが終わったら、何等かの決着をつけさせてもらう」
「それでいいよ。できれば殺し合い以外の形で決着がついてほしいけどね。それと」
「なんだよ?」
「君のその言い方、ツンデレっていうんだよ」
「う、うるさいなっ」
そんな人間模様を乗せたまま、アーガマを始めとしたエゥーゴ艦隊は粛々とゼダンの門空域を後にするのだった。
ただいま、ファンアート募集中です!
* 次回予告 *
エゥーゴはコロニー・レーザーを使った作戦で、いまだ優位に立つティターンズに逆転しようとした。
その作戦のため、離脱したティターンズ部隊の力を借りる交渉のため、姿を現した男とは……。
「私を覚えててくれたのかね。今はただの少将だよ」
次回、『ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより』
第31話『 』
刻の涙は、止められるか?
[次回登場予定新MS・外伝登場MS]
MS-14JP
サ・リゲル
MSN-100/Z
千式(百式決戦仕様)
PMS-001
ノーネーム
※今回はサブタイトルがネタバレになっちゃいますので、サブタイトルは隠させていただきます。
※次の更新は、1/14 12:00の予定です。