ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより 作:ひいちゃ
俺……カレル・ファーレハイトが、α隊が大気圏突入しようとしているエリアに到着すると、いるわいるわ。
たくさんのMSが、撃ち合ったり、バリュートを開いて大気圏に突入したりしている。大気圏に突入しようとしているMSの中には、マクマナス大尉と彼の部下と思われる四機のガルバルディβもいる。
そのうちの一機に、エゥーゴのネモがビームライフルを構えているじゃないか! それはやばい!
俺は急いでガルバルディをそのネモに突進させる。
「無抵抗の相手を撃つなんてナンセンスだよ!」
そしてビームサーベルで、そのネモの右腕を切り落とす。さらにガルバルディβの機動性をフル活用して、ネモが撃ってきたバルカン砲を回避しまくる。
「くっ……!」
かなりのGが襲い掛かるが気にしない。そして振り向きざまにビームライフルを発射して左腕と両足を撃ち抜き、達磨の出来上がり。
「味方に拾われるのを願っててね」
そう言い残し、そのネモを地球とは反対方向に蹴り飛ばす。あとは、エゥーゴの部隊がそのネモを回収してくれるだろう。バーニアは生きてるから自力で友軍に合流することもできるはずだ。
また別のネモが背後から接近してきたので、振り向きざまにそのネモの頭部を撃ち抜く。さらに左腕を撃ち抜く。だがそれでもそのネモは止まらず、ビームサーベルを抜いて突っ込んできた! この距離ではビームライフルで迎撃することもできない。覚悟を決めて、こちらもビームサーベルを抜き放つ。
そして衝突。幸いにも、敵のビームサーベルは、俺のガルバルディの頭部側面をかすめただけ。一方、こちらのビームサーベルは、見事にネモの胴体を貫いていた。
ビームサーベルを引き抜き、ネモを蹴り飛ばす。少しして、そのネモは爆発した。
あまり敵兵とはいえ殺したくないのだが、やむを得ない。これは不可抗力だ。そう割り切るしかないから仕方ない。
だがうかつだった。その爆発の衝撃で、体勢を崩し、地球のほうへと流されてしまったのだ。このままでは大気圏に突入してしまうっ……!
「お、落ち着け落ち着くんだカレル・ファーレハイト、お前ならできる。ライラさんとマクマナス大尉の教えを思い出して……」
そして急ぎつつも落ち着いて姿勢制御を試み、なんとか安定するが、その時にはもう地球の引力圏に入ってしまっていた。もうこうなったら地球に降下するしかない。
「しくじったわ、地球に降りる。ジョッシュ、β隊とボスニアのことは任せたわよ。あとはよろしくーーーー!!」
『お、おい、カレルーーーーーー!!』
そして俺はバリュートを開き、そのまま大気圏に突入した。
* * * * *
そして灼熱の大気圏を抜けて、ジャブロー上空にやってきた。ある程度の高度まで降下したところで、バリュートを切り離す。
眼下には、地上に向けて降下しているネモや、対空砲火に撃ち落されるGM2の姿などが見えた。
あと、ジャブローの森の緑も。いやー、緑がきれいだなぁ。やっぱり自然はいやされるー……なんて言ってる場合じゃない。
マクマナス大尉の教えを思い出しながら、着陸態勢をとる。彼によって体に叩き込まれたからか、なんとかうまく着陸することができた。そこに通信。
『なんだファーレハイト少尉、君も降下してきたのか』
「はい、ちょっとしくじってしまいまして」
『そうか、でも落ちてきてしまったものは仕方ないな。無理せず、ジャブロー防衛に参加してくれ』
「了解です」
そして、ある時は上空から降下してくるエゥーゴのMSを撃ち落としたり、ある時は接近してくるMSと白兵戦を演じたりしながらジャブローの防衛を続ける。
あ、そうそう。高機動ユニットはもうパージしていて、この機体はただのガルバルディβに戻っている。高機動ユニットは重力下ではあまり意味がないからね、仕方ないね。
しかし……困ったなぁ。早く核のことを違和感なく連絡できる状況になってほしいんだが。原作ではジャブローにとらわれていたレコアさんが脱獄してきて、それで通報してくれるんだけど、それだと時間ギリギリで、一部のティターンズ兵が逃げきれずに核で焼かれる結果になったんだ。それを考えると、それより早く核のことを知らせなければいけないのだが……。
そう考えながら戦っていると、上空から別のエゥーゴMSが降ってきた。しかもそれは……ガンダムMk2ではないか!
こんなところでカミーユと出会うなんて! ちょっと待て待て!!
……待てよ、でもこれはチャンスじゃね? うまくカミーユに核のことを伝えられれば、彼本人かクワトロ大尉ことシャアがなんとかしてくれるかもしれない。
そう思った俺は、ビームサーベルを抜き放ち、Mk2に切りかかる。
戦いを続ける俺とカミーユ。やはり、ライラさんの教えと、シミュレータ特訓のおかげか、やっぱりこちらが不利ながらも、なんとかカミーユ&ガンダムMk2と戦えている。
そして俺は機を見てMk2に組み付いた。そして接触回線で語り掛ける。
「カミーユ君、聞こえる?」
『え、か、カレルさん?』
「ちょっと手を止めて聞いてほしいの」
『な、なんです? ティターンズに寝返ってほしいとか、Mk2を返してほしい、とかはなしですよ』
「そんなに虫のいいことは言わないわよ。実はね、このジャブローの核自爆装置が稼働してるみたいなのよ」
『な、なんですって!?』
「もう少ししたら、ジャブローに囚われてるあなたたちの工作員から報告が来るかもしれないけど、それじゃ間に合わないかもしれない。だから、クワトロ大尉に連絡して、ここにいる全軍にジャブローからの撤退を勧告してほしいの」
『でもそれ、本当なんですか? というか、なぜそれを……』
「それは言えないし、本当かどうかはわからない。でも、もし本当だったら取り返しのつかないことになるわ。犠牲を出さないように……お願い」
少しの沈黙。でもカミーユは、こちらの真剣さを受け取ってくれたようだ。
『……わかりました』
「よろしく頼むね。あとそれと」
『なんです?』
「幼馴染と喧嘩しなかった?」
『どうしてそんなこと……』
やっぱりか。原作でも大気圏突入前に喧嘩していたからもしかして、と思ったんだが。
本当に、全国の幼馴染好きギャルゲーファンに叩かれるぞ、そんな罰当たりなことをしていたら。
「大人の勘って奴だよ。いい? 宇宙に戻ったらちゃんと仲直りすること。何かあった時、最後の支えになってくれるのは一番近くにいる人なんだから。その子の想いを無碍にすることをしたらダメだよ。いいね? それじゃ改めてよろしくね」
そして俺は、Mk2を突き飛ばし、距離をとる。
少しのにらみ合いの末、俺はガルバルディβを後退させた。
そして。
『こちらはエゥーゴのクワトロ大尉である! この場で戦っている全軍に告ぐ! このジャブローの地下の核自爆システムが作動を開始している! いつ爆発するかはわからないが、近いうちにこの周辺は核の炎に包まれるだろう! このエリアで戦っている部隊はただちに撤退されたし! 繰り返す! ただちに撤退されたし!』
シャアの声。どうやらカミーユがうまくやってくれたらしい。
戦っている両軍のMSたちは戦いをやめ、脱出を開始した。俺も急いで滑走路へ向かう。
そこでは連邦軍の輸送機が脱出作業を行っていた。えーと、どれに乗ればいいだろうか……と。
「ん?」
超大型の輸送機……えーとガルダだったっけ?……に乗っているガルバルディβがこちらに手招きしている。どうやらこちらに乗れと言ってるようだ。ボスニア隊のMSか?
どうやらその通りだったようだ。
『ファーレハイト少尉、こちらに乗れ! まだ空きがある!』
「あ、はい!」
俺はマクマナス大尉に招かれ、その輸送機にガルバルディβを乗り込ませた。それと同時に、輸送機が発進する。
彼によれば、ジャブローの防衛部隊、および降下したティターンズ及び連邦軍部隊はなんとか全員脱出に成功したそうだ。MSは先着19機まで乗せ、後は放棄して人間だけ乗せたという。
なお、エゥーゴはガルダ級の一機、アウドムラを奪い脱出したとのこと。
まぁ、どうやら核の炎に焼かれる人がいなくてよかったよかった。
そう安堵の息をついた俺を乗せたガルダ輸送機……スードリの後ろで、ジャブローは炎に包まれた。
* * * * *
一方、アウドムラ。
その通路で、クワトロ・バジーナことシャアと、カミーユ・ビダンが会話を交わしている。
「なんとか助かったな。カミーユのお手柄だ。よくやった」
「いえ、僕だけのお手柄というわけではないですよ。たまたまカレルさんと遭遇して、彼女から教わったんです」
「カレルくんから?」
「クワトロ大尉?」
カミーユに声をかけられ、シャアは思慮深い表情を彼に向けた。
「気になる。ジャブローを自爆させ、我々をせん滅させるのがティターンズの目的なら、核のことは我々にはもちろん、友軍である連邦軍にも伝えていないはずだ。そうしないと、連邦軍の動きから気づかれてしまうからな。なのにそれを知っている……カレル・ファーレハイト、一体何者なのだ……?」
「わかりません……でも彼女の声からは悪意は一切感じませんでした。それに、俺が大気圏突入前にファと喧嘩したことも、なぜか知っているようでした」
「そうか……すべて知っている、いや、まさかな……」
シャアは感じていた。カミーユにジャブローの核を教えたカレル・ファーレハイト。彼女の素性に何か謎が隠されていることを……。
* 次回予告 *
「ファーレハイト少尉、これから俺が君の新しい上官になる。よろしく頼む。『褐色の姫』の力、頼りにさせてもらう」
ジャブローを脱したカレルは、スードリーのブラン・ブルタークに預けられた。
「よろしくお願いします……お姉ちゃん」
「お姉ちゃん!?」
そこで彼女は、新たな出会いを果たす。
その出会いたちとともに、カレルは再びカミーユと対峙する。
「これでもう、射撃はできないね、カミーユ君!」
「くぅっ!!」
次回、『ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより』
第10話『ケネディ・ポート』
刻の涙は、止められるか?
※次の更新は、11/14 17:30の予定です。
※主人公、カレル・ファーレハイトのイメージ画像を作ってみました。
ランダム作成ツールを使ったので、自作ではありません(汗
【挿絵表示】
味方になったジェリド君。新しい愛機は何がいいですか?
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ガブスレイ
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バイアランカスタム(もどき)
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ガンダムMk2
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ネモ
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メタス
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オリジナル機体