黒しか愛せない   作:クロアブースト

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執行機関のメンバーがどれだけイカれた存在なのかというお話。

特記戦力ってのはリーグのルールを変えさせる程のキチガイばかりなんですよ!


黒衣の執行者と全力全壊ガール

あるコメンテーターにエリートトレーナーAは語る。執行機関のトレーナー達は災害だと……

 

『いや本当あいつら人間じゃねぇ!アイツらが出てくるような依頼って国際テロレベルだしよぉ……俺等もエリートトレーナー名乗ってるからプライドってのがあったんだぜ』

『あった……ですか?』

『そうだよ過去形だよ。……俺達がこれどうすれば良いんだよって位の無理難題にやって来て蹂躙していく。まさに災害みたいな連中さ』

『災害……でも同じポケモントレーナーですよね?』

『アイツらを俺達と同じポケモントレーナーの括りに入れるのは奴等に失礼だよ。ルネシティの怪獣決戦を知ってるか?』

『確かゲンシグラードンとゲンシカイオーガによるひでりと大雨の異常気象でルネシティに干害と洪水が起こった事件でしたね』

『そうだよ。マグマ団だかアクア団の団長の馬鹿が目覚めさせた挙げ句、ゲンシカイキまでさせやがったせいでエリートトレーナーである俺達は近付くことさえ困難だったんだ。

そんな時に現れたんだよ……

 

黒いメガレックウザに乗って積乱雲から出てきた【黒衣の執行者】が!』

『は?積乱雲ですよね!人間が入ったら感電死しますよ』

『だから災害って言ったんだよ。最短ルートだからって生身で積乱雲から出てきた挙げ句にゲンシグラードンとゲンシカイオーガを倒したらメガレックウザに乗ってわざわざ積乱雲に突っ込んで帰っていったんだ。

他の執行機関の連中だって【黒衣の執行者】と大差ねぇよ。

だから俺達エリートトレーナーは言うんだ。

 

お前ら人間じゃねぇ!ってな』

 

その言葉と共に【黒衣の執行者】であるコクトはポケモントレーナー達に畏怖されることになる。

そしてコクトはある勘違いをしていた。

サトゥーシ君やリーフなどのスーパーマサラ人、

ミヅキやメイなどの歴代女主人公達がスーパーマサラ人に匹敵するポテンシャルを持つが故にポケモン世界の人間は誰でもスーパーマサラ人の素質を持っているという勘違いをである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コピーポケモン千体を排除する為、ミュウツー陣営が現在拠点にしている街を眺めるコクトとメイ。

そして今回参加するエリートトレーナー100名である。

 

エリートトレーナーはプロのトレーナーである。

アマチュア達のチャンピオンであるポケモンリーグ優勝に満足せず、現役チャンピオンに挑む為に歴代リーグ優勝者達が鎬を削るチャンピオンリーグで競い合うトレーナー達だからだ。

だからこそポケモンリーグは有事の際は徴兵義務を負う以外は趣味のポケモンバトルをする為だけに給与を支払っている。

そして今回のコピーポケモン達1000体を見て腰が引ける者達がいても敵前逃亡するトレーナーは一人もいない。

 

因みにエリートトレーナー達には知らされてないが、徴兵依頼で交戦せずに敵前逃亡を行った場合、執行機関のメンバーが刺客と差し向けられ社会的に抹殺されることになっている。

エリートトレーナーにはタダ飯喰らいかつ戦うことすらしない軟弱者は存在しないとポケモンリーグのタマランゼ会長が宣言した。

そこ言葉を反故にしない為に所属した公的記録と存在をこの世界から抹消することで敵前逃亡率0%というマニフェストを実現しているのだ。

 

ポケモンリーグからの司令はコピーポケモンを率いて生物淘汰を行うミュウツーの排除だ。

因みにコピーポケモンに関しては殺処分と厳命されている。

何せ下手にコピーポケモンを見逃した場合、生態系が乱れるリスクが大きい。

最終進化系のカメックスやフシギバナ、リザードンなどが野生に放たれれば荒らされるのは目に見えている。

更に今回の騒動では最も脅威なポケモンのみでの統率が出来ているのも危険度が高い。

人間より強いポケモンが徒党を組む。

だからこそ数ある町が滅ぼされる事態に発展したのだ。

 

「凄い数ですね……」

 

メイは目の前の光景に感嘆する。

前方にはカントー地方に出現するポケモン達をコピーしたとされるコピーポケモンで埋め尽くされる程の陣が敷かれていた。

どうやらこちらが攻めてくるのをミュウツー陣営は察知したらしい。

 

「エスパータイプの伝説ポケモンだ。未来予知をしても不思議ではない」

「行動が筒抜けって不味いんじゃないですか」

「普通なら不味いさ。何せ人間よりも強いポケモンの軍隊だからな」

 

人間がポケモンと共存していると言われているが、実際は人間がポケモンを支配しているのが実情である。

ポケモンバトルという競技が出ている時点で現代における食物連鎖の頂点が人間なのは疑うまでもないだろう。

 

だがポケモンが人間同様に知恵を身に着け徒党を組めば勢力図は簡単にひっくり返る。

だからこそポケモンリーグは恐れており、執行機関メンバーを派遣したのだ。

そしてエリートトレーナー達からも不安の声が聞こえてくる。

 

「おいおい、ここまで数が多いなんて聞いてないぜ」

「エリートトレーナーは勝ち組だって聞いて就職したのに、こんな紛争に巻き込まれるなんて災難だわ」

「だがトレーナーのいない野生ポケモン達だ。俺達が力を合わせれば負けはしないさ」

「そうだな何せ今回は【黒衣の執行者】が付いているからな」

「【ウルトラビーストの女王】や【リビングレジェンド】も災害みたいな強さだったけど実績と実力において【黒衣の執行者】はそれ以上だからな!」

 

不安の声が上がる中でも彼等が安堵する理由の一つとして【黒衣の執行者】であるコクトの存在は大きい。

黒コートで使うポケモンも全て黒いという特徴は目立つ上に伝説ポケモンや国際テロリストを殲滅してきた実績はポケモンリーグから畏怖されている。

そして一人のエリートトレーナーがコクトへ向けて意見を述べる。

 

「まずは我々が先陣を切ります。【黒衣の執行者】殿は消耗したコピーポケモン達をお願いします」

「いや君達は貴重な戦力だ。真正面からぶつかって犠牲者を出すわけにはいけない。まずは俺とメイで相手の戦力を削るさ」

 

コクトはエリートトレーナーの肩を軽く叩いて笑顔で言う。

コクトの言うとおりエリートトレーナーは貴重な戦力である。

真正面からコピーポケモン達の軍勢にぶつかって削っていい存在ではないのだ。

そうしてコクトはエリートトレーナーより前に立ちモンスターボールを取り出す。

 

「蹂躙しろリザードン、キョダイマックスだ」

 

コクトの右腕からボールへ七色に輝くエネルギーが注ぎ込まれる。そしてボールを巨大化させたものを投げるコクト。

そして現れたのはキョダイマックス状態のリザードンである。

 

キョダイマックスはダイマックスの一種であり、ダイマックス出来るポケモンの中でも更に希少である。

だがダイマックスとは本来ガラル粒子の満ちた場所でしか使えない切り札だ。

例外はポケモンリーグでたった二人である。

一人目はガラル粒子自体を放出していたとされるムゲンダイナを持つ執行機関所属トレーナーのユウリ。

現在は趣味である365日カレーという狂気に満ちた布教活動をしており、飯テロを行なっているので不在だ。

彼女はムゲンダイマックスさせたムゲンダイナをガラル地方以外で実現させている。

そしてもう一人がコクト、ガラル粒子やダイマックスバンドなどの専用器具無しでダイマックスを実現させた神童である。

 

「リザードン、キョダイゴクエン」

「リザァァァ!」

 

コクトの指示でコピーポケモン達の軍勢に火の鳥のような巨大な獄炎が放たれコピーポケモン達を焼き尽くす。

それだけでなく周囲にいたポケモン達まで炎症によるダメージを与えていた。

 

「ふわぁ……これがキョダイマックス……凄く大きいですね!コクトさん!」

 

メイは感動したのか嬉しそうに言う。

 

「これは時間制限があるからメイも手伝ってくれ」

「はい!じゃあ私もメイっぱい頑張ります!」

 

そうしてメイが繰り出したのはジャローダだ。イッシュ地方で全力全壊を実現した畏怖されるポケモンの一体だ。

 

「ジャローダ、リーフストーム二十連射!」

「ジャロォォォ!」

 

ドドドドドド!

 

その言葉と共にジャローダは木の葉による竜巻をマシンガンの如く連射し続ける。

メイのジャローダは夢特性あまのじゃくを保有しており、本来なら特攻が2段階下がるデメリットが反転し、撃つ度に火力が増す。

だが何より恐ろしいのはメイのジャローダはリーフストームを本来ならばPPを増やしても8回が限度なのにも関わらず上限突破させたことだろう。

敵からすればミサイルを連射してくるような悪夢であり、どんなフィールドや建造物も大火力の連射で破壊してきた。

イッシュ地方では全力全壊というパワーワードが浸透しプラズマ団などの社会の敵である連中に地獄を見せて来た。

 

「ありがとうジャローダ、PPエイドよ」

 

メイはPP切れになったジャローダのリーフストームを回復させて次弾装填の準備をする。

メイは数十個近くのPP回復アイテムを持ち歩いているので弾切れよりも先に敵が滅ぶ方が先になる。

瞬間火力ではキョダイマックスリザードンに劣るのは言うまでもないが、継戦能力においては無類の強さを持つのは分かるだろう。

 

キョダイマックスリザードンとジャローダによる大火力蹂躙に巻き込まれたポケモン達は吹き飛んでいく。

死ねたコピーポケモン達は幸せだ。

何せ中途半端に重症を負って生き永らえたポケモン達は苦しみながら死んでいくことになるし、気絶したポケモン達はポケモンリーグから殺処分が降されているのでトドメを刺されるのは既定路線だからだ。

 

コピーポケモン達の阿鼻叫喚の悲鳴が上がる中でもコクトやメイは決して手を緩めない姿は職務に忠実である。

肉の焼ける匂いや木の葉でズタズタに切り裂かれたコピーポケモン達の残骸を見て嘔吐するエリートトレーナー達は執行機関メンバーを見習うべきだ。

 

コクトとメイの参戦で僅か数分でコピーポケモンの内、役六割が壊滅し、コピーポケモン達は統率が乱れていた。

圧倒的な殺戮兵器を見た時、人間が恐れを抱くようにポケモン達も一瞬で百単位のポケモンが殺される光景を見れば恐怖を抱くのは当然だ。

 

「お前達、敵陣は掻き乱した。コピーポケモンを皆殺しにしろ」

「「「「「「おおー!」」」」」」

 

エリートトレーナー達は手持ちポケモンを率いて壊走状態のコピーポケモン達へ攻撃を開始した。

 

「案外呆気なかったですね、コクトさん」

「まあな。コピーポケモンといっても努力値が欠けてる未熟なポケモンだからな」

 

コクトはコピーポケモン達を見ながら呟く。

努力値とは倒したポケモンに応じて得られるステータス補正のことだ。

例えばポッポを倒せば素早さに1pt加算されるように、ポケモンにはそれぞれどのステータスを補正するかのポイントが決まっている。

逆に言えば、倒さなければ努力値を得られない性質上コピーポケモン達は努力値を引き継いでいないのだ。

だからこそオリジナルに性能面で劣るのである。

コクトからすればオリジナルとコピーポケモン同士が戦えば努力値の関係でオリジナルが勝つと思っている。

もし敗北するならばトレーナー自身が足を引っ張るなどという外的要因が必要だ。

エリートトレーナー級以上ならあり得ない話だが……

 

「後はエリートトレーナー達に任せれば良い。面倒な死兵とやりあう必要はない」

「あ!だから私達が先陣を切ったんですね!」

 

メイは納得したように言う。

戦場で最も厄介なのは追い詰められて死を覚悟した死兵である。

生き残る為に彼等は決死の覚悟で激しく抵抗してくるから危険度は通常の戦闘の比ではない。

つまり最も危険な今こそエリートトレーナーを活用すべきタイミングなのだ。

コクト達は充分な仕事をした。

後は敗残兵の処理をエリートトレーナー達が行い、ミュウツーは臨時ボーナスに目当てで奮闘するアデクと四天王に任せれば良いのである。

 

そしてコピーポケモン達の敗残兵の処理が一段落した段階でポケモンリーグからの伝令が伝わる。

 

『報告します!ミュウツーとアデクさん&四天王の決戦ですが、アデクさん達が敗走しました!』

「は……?」

 

伝令から届いたのはまさかの敗北宣言だった。




メイのジャローダ
→全力全壊の異名の一匹。あまのじゃくリーフストーム二十連射というインターバル無しでの連射を放つせいでどんなフィールドだろうが大体更地になる。
このせいで公式試合に技の使用回数制度が設立された程である。

コクトのダイマックス及びメガシンカ
→黒いポケモンしかいうことを聞かない制約の代わりに専用アイテムや場所を問わずにダイマックス及びメガシンカを好きに発動出来る。しかも数制限などもないので手持ち全てダイマックスやメガシンカなども可能である。
ポケモンリーグの公式試合にメガシンカ及びダイマックスは一人一体までというルール制限を付けさせた存在である。

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