黒しか愛せない   作:クロアブースト

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ちょっと本編とは別で思い浮かんだので投稿。
時系列的にはミュウツーの逆襲編後のお話になります。


閑話〜ソニアさんはパパ活経験者〜

ミュウツーの国際テロ事件から数日後、執行機関の部屋に一人の来客がやって来る。

執行機関の部屋にはコクト、メイ、ミヅキ、リーフの四人がいた。依頼さえ無ければ部屋の中で自由行動していて構わないので彼等は寛いでいた。

そんな中現れた来客はポケモン博士となったガラル地方のソニア博士であった。

知り合いの来訪にコクトは笑顔で語りかける。

 

「あ、パパ活経験者のソニアさん。こんにちは」

「コココ、コクトくぅん!?ちょっとこっち来ようか!」

 

顔を真っ赤にしたソニアに手を引かれて執行機関の扉の外に連れて行かれるコクト。

 

因みに彼女、百戦錬磨を自称しているが紛う事なき処女である。

どれくらいヘタレなのかと言えば、当時ジムチャレンジ中に連戦連敗と女性特有の散財で資金の尽きた彼女はパパ活に手を出してしまったのである。

だがチャラい見た目とは異なり、純情な一面のある彼女は初体験がオッサンなのは嫌だったからか金持ちの子供を探したらしい。

金持ちの道楽なのか、悪意ある子供なのかは知らないがポケモントレーナー社会の闇が深いとも言える。

そこで待ち合わせの黒髪の少年とホテルへ向かうことになるのだが、テンパっていた彼女は当時黒いポケモン集めをしていて少年だったコクトと出会い系で知り合った金持ちの子供を間違えてホテルへ連れて行ってしまったのだ。

 

ホテルの部屋へ連れ込まれたことで危ない奴だと思ったコクトは通報しようかと思ったが、土壇場でのヘタレっぷりを発揮し空回りするソニアが面白かったのでガラルの黒いポケモン捕獲を手伝う代わりに資金援助をする取引をしたのだ。

つまり彼女は清い身体のままパパ活経験者という面白い実績を積んだのである。

 

「あのねぇ、コクト君!女の子にパパ活経験者って言うのは失礼なんだからね!」

「え、でもソニアさんSNSでパパ活しましたって投稿して」

「ぎゃあああ!忘れてぇぇ!」

 

ノリと勢いとは恐ろしいものである。

ソニアはコクトに手を出されることなく資金援助を受けたからか使ったこともない未使用ゴムを咥えながら目元を隠してパパ活しましたとかいう自爆SNSを投稿してしまったのである。

正気に戻ったソニアは慌てて削除したのだが、コクトが笑ったのは言うまでもない。

幸いなのは当時パパ活SNSをする女性トレーナーが多かったのでソニアの投稿画像が紛れてたのかダンデなどの知り合いに見られることなく削除した為、気付かれずに済んだことだろう。

落ち着いたソニアを執行機関の部屋に招き入れ話を聞くコクト達。

 

「で、わざわざ執行機関まで来てどうしたんですか?」

「コクト君にお願いしたいことがあって……」

「依頼ですか?」

「うん、内密にお願いしたいの……」

 

顔を真っ赤にしながら小声で話すソニア。そしてそれを見た他の女性トレーナー達は黙っていない。

 

バン!

 

「ソニアさん!執行機関まで来てコクト君へパパ活依頼はちょっと駄目だよねぇ」

「ちょ!?ミヅキちゃん違うから!」

 

ミヅキの勘違いにソニアは慌てて否定する。

 

「えぇ…だってぇ、男性と手も繋げないソニアさんの百戦錬磨って相手はコクト君しかミヅキちゃん思いつかないしぃ」

「違うから!そういう失敗は一度だけだからね!」

「でもソニアさん、ダンデさんの告白断ったんですよね?」

 

メイが言った通り、先日ソニアは幼馴染であるガラル地方チャンピオンのダンデから告白を受けている。

え、何それと初耳なコクト以外は全員知っていた辺り、女性トレーナーの情報網は優秀らしい。

 

「だってダンデ君は方向音痴に振り回されたせいで異性として見れないし……」

 

ダンデはガラル地方チャンピオンかつ、格好良いのだが致命的な欠点として方向音痴というデメリットがある。

幼馴染でダンデの方向音痴に振り回された彼女としては世話のかかる大きい男の子という印象が強かったらしい。

 

「……それだけじゃない……コクトと旅をすると男性の基準が上がるから……」

「あ〜ミヅキちゃん、それ分かるかも」

「そうですよね。コクトさん他の男性みたいに胸元ジロジロ見てきたりしませんし」

「そうだよねぇ。なのに紳士だからか女性への配慮が上手いし、ダンデ君やポップはデリカシーに欠けてるか子供にしか見えなくなっちゃったのよねぇ」

 

リーフの言葉にミヅキ、メイ、ソニアは共感する。

因みにコクトは女性へ全く興味がないわけではないが、アルセウス神への殺意という優先事項がある為、自分から女性に手を出すつもりがないだけである。

だから下心を抱かず紳士的な配慮が出来るのである。

 

「……添い寝しても無反応だった時は手を出して来なかったから初めは男色かと思った……」

「あ〜駄目駄目、コクト君はアルセウス神への殺意マシマシだから誘い受けとかやっても応じないよぉ…まぁミヅキちゃんも無理矢理夜這い仕掛けたら失敗してポケセンに吊るされたことあるけどぉ……」

「男色ではないですよ。サザナミタウンで海水浴で水着を披露した時は褒めてくれましたし、サンオイルを塗って貰った時には恥ずかしがってましたし」

「えぇ!?コクト君が恥ずかしがるのとか見てみたい!いつも私の方が恥ずかしがらせられること多いから仕返ししたいし」

 

当事者のコクトの目の前でガールズトークをする彼女達。

コクトは話が脱線しているが、他のメンバーの息抜きになるだろうから邪魔せず色違いのマホイップを出してお手入れをしていた。

彼は黒色ポケモンへのケアを欠かさない。

何故なら黒色ポケモン以外はコクトのいうことを聞かないからこそ繋がりを大事にしているのである。

そうして依頼が出るまで30分近くガールズトークが繰り広げられた。

 

個室へ移動したコクトとソニア。

 

「例のSNSで脅迫してきた人がいるの」

「またか……」

 

ソニアの黒歴史であるパパ活しましたという自爆SNSを見たトレーナーは存在する。中には削除される前に画像を保存し、博士となったソニアと肉体関係を持とうというクズがいるのである。

 

「相手の素性は分かりますかソニアさん」

「うん、私の方でも調べてきたよ」

 

だが誤算があるのはソニアが執行機関のコクトと繋がりがあることだろう。

ポケモンリーグから命じられて動く裏の部隊であるコクトとの繋がりがある為、脅迫などという非合法な手段を使えば排除に動くのは当然である。

 

「いつも通りワイルドエリアに沈めましょう。なぁにワイルドエリアは強いポケモンが多いですから行方不明者が出るのは良くあることです」

「そうね。ポケモン博士を相手に脅すような人だから危機管理が足りないもんね。間違ってワイルドエリアに立ち寄って行方不明になることだってあり得るよね☆」

 

サラっと脅した相手が行方不明になる前提で話をする二人。

あの純情だったソニアがコクトの合理主義に染められたとも言える証である。

 

「でも本当に依頼料は良いの、コクト君?」

「いや流石に正式な依頼でポケモンリーグで受理すると数百万の依頼料取られるから払えないですよ」

「うぅ……本当に執行機関って高給取だよねぇ。博士になったばかりの私じゃ出せない金額だよぉ」

「リーグを通さず依頼を受けるのは不味いのであくまでプライベートになります。俺がプライベートでワイルドエリアに行って社会のゴミ掃除をした帰りに偶然ソニアさんに食事を奢って貰うだけです」

「そうだよね。偶然出会った未来ある後輩にご飯を奢ってあげるだけだもの♪」

 

側から見たらポケモン博士が有望株のトレーナーにご飯を奢ってあげるだけである。

それは決して不自然なことでは無いのだ。

 

そうして数日後、ワイルドエリアで行方不明が一人追加されるのであった。




ソニア
…自称百戦錬磨の恋愛マスターなポケモン博士。
悪運が強かったので金持ちの子供と間違えてコクトをホテルまで連行した黒歴史がある。
新たに助手になった男の子のハートを奪ったらしいが紳士なコクトというフィルターがあるせいで恋愛対象にならないのは余談である。

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