仮面ライダータオ Reboot・Road・Rider   作:地水

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 9月間書かなかったために、リハビリとして書いたのはリメイク作品。


序:唸れ、鋼鉄の拳!

 2055年。

時代は地球温暖化の問題も解決の目処がたち、人類に恒久的平穏が訪れるかと思われていた。

 

 

だが、ようやく平和を手にいれようとした『人類を脅かす存在』が歴史の表舞台に現れた。

 

 

『モンスター』とも『怪人』とも呼ばれたその人ならざる脅威は人類に襲い掛かっていた。

人々がなすすべなくその脅威を晒される中、とある戦士が現れた。

 

 

 

「―――変身!」

 

 

 

何処からともなく現れ、人々を襲う怪人達と戦い、勝利をすると何処かへと去っていく。

常人ならざる人間離れした力を宿し、素顔を仮面で覆うその戦士の名は、『仮面ライダー』。

昭和、平成、そして令和の時代に出現した仮面の戦士達は悪の脅威から人々を守ってきた。

 

2055年となった現代、"水を制し司る戦士"をはじめとした仮面ライダーが人々の平和を守る世の中となった世界。

そんな中、『新たなる仮面ライダー』が今表舞台に姿を表そうとしていた。

 

 

~~~~~

 

 

 日本・関東地方の某所。

山の中を通る道路を通りながら首都へと向かう軽自動車。

法定速度を無視して走るその車は何かから追われるように逃げていた。

運転席にてハンドルを握る男性・雨谷壮一は焦った表情で浮かべアクセルを吹かしていた。

 

「くぅぅ……なんで、なんで狙われるんだよぉ!」

 

雨谷は『自分を追いかける者』から逃げるために、逃げる足を早める。

だが、雨谷が運転する軽自動車が走る前方が大爆発。

思わずブレーキパッドを踏み、急停車をする雨谷……何が起きたのかと驚いていると、巻き起こる爆炎の中からいくつもの人影が現れる。

 

「いたよ」

 

「いるよ」

 

「ここにいるよ」

 

雨谷の目の前に現れたのは、揃った見た目をした三体の怪人達。

ショルダーアーマーを付けたロングコートを羽織ったその格好の怪人―――『モールイマジン』達はゆっくりと雨谷に迫る。

未知の怪物を目にして、雨谷は恐怖の顔で叫ぶ。

 

「く、くるな!くるなよ化け物!」

 

「ハッ!!」

 

モールイマジンの一体が片腕のアックスを振るい、軽自動車のボンネット部分を含めた車体部分に深々と切断する。

車が使い物にならなくなったと判断した雨谷は助手席に放り投げていたジェラルミンケースを掴むと、慌てながら運転席のドアを開けて逃亡を図る。

だが、雨谷の逃げ道を断ち塞ぐように他のモールイマジンが立ちふさがる。

 

「逃げるなよ」

 

「逃げないでよ」

 

「ひっ!?」

 

異形の怪人が間近に現れて思わず悲鳴を上げる雨谷。

背後にも残っていたモールイマジンに回り込まれ、怯える雨谷……そんな彼にモールイマジンはにじり寄る。

このままでは万事休す……この場に目にしたものがそう思い込むとき、一つの声が響いた。

 

「そこまでにしとけよ、怪人共」

 

「「「あんっ?」」」

 

「おらっ!失礼しますよっと!!」

 

「がふ!?っ」

 

突如響いてきた若い男の声。

同時に雨谷の後方に回っていたモールイマジンが思いっきり蹴り飛ばされた。

何が起きたのか、と振り向くとそこにいたのは一人の男性。

黒髪に水色の瞳を持つ、ガタイのいい格好がよく目立つその男性――『不動尊(ふどうたける)』は、耳に取り付けたカメラ付きのインカムに手をかけ、通信越しの相手に訊ねた。

 

「おい有瀬、あいつらは?」

 

『カテゴリーナンバー08、イマジンです。別の時間からやってきた侵略者ですね』

 

「イマジンか。ま、面倒な相手じゃなければなんでもいいや。とりあえず、ぶっ倒すか!!」

 

"有瀬"と呼んだ女性の声に不敵な笑みを含めた返事で返した後、尊は雨谷の目の前に立った。

その腰には鈍色を基調とした武骨なデザインでまとめられた中央部にギアがついたベルト・アイアンドライバーが巻かれており、尊は空手をイメージをした独特のポーズで構える。

 

「変、身!」

 

【拳・魂・一・擲! アイアンフィスト!】

 

ベルトから流れる電子音声と共に中央部のギアが回転し、そこからいくつものホログラフでできた装甲パーツが出現。

生み出されたホログラフの装甲パーツは尊の両足、両腕、胸部と順に装着していき、最後に頭をフルフェイスマスクが装着されると、装甲パーツは本物のように立体化。

そこに現れたのは全身鈍色の

鈍色の武骨な装甲に覆われた仮面の戦士が、青い複眼を宿す双眸を輝かせながら姿を現した。

 

 

「ガーディアンライダーズが一人! アイアンライダー、ただいま現着……ってな!」

 

 

尊が変身した仮面の戦士――『アイアンライダー』は重厚感あふれる両腕をぶつけると、ゆっくりとその足の歩みを進める。

謎の介入者の登場にモールイマジン達は戸惑うも、邪魔立てするなら容赦はしないとアイアンライダーへと襲い掛かる。

モールイマジンたちは両腕の鉤爪やアックス、ドリルで攻撃を仕掛ける。だが……。

 

「効くかよ、おらぁ!!」

 

「ぐはっ!?」

 

一撃。

 

「そらよ!」

 

「ぎぎゃっ!?」

 

二撃。

 

「もういっちょ!」

 

「なばらっ!?」

 

三撃。

 

モールイマジンの連携もひるまず、拳による一撃一撃を叩き込むアイアンライダー。

重装甲の拳から放たれた鋼鉄の拳がモールイマジンの体をいとも容易く拉げさせ、地面を二転三転しながら殴り飛ばされていく。

 

「どうした? 張り合いがないな?」

 

「き、聞いてないよ……仮面ライダーがいるなんて!?」

 

「さーてね、俺は頭脳労働担当じゃないからな。作戦立てヤツに言ってくれ」

 

「ちょ、調子に乗りやがってぇ!!」

 

余裕綽々な態度を見せるアイアンライダーに、一体のモールイマジンが激昂。

片腕のドリルを突き出し、高速錐揉み回転しながら突っこんでいく。

竜巻と化して突撃してくるモールイマジンを目の前に、アイアンドライバーのギア部分に触れる。

 

「いいぜ……、乾坤一擲! 大勝負だ!」

 

【鉄・魂・創・作! ドリルフィスト!】

 

ギア部分をある程度回し、ホログラフに映し出されたいくものアイコンの中から"ドリル"と表記されたアイコンを軽くタッチ。

それと同時に機械を組み立てられるような音と共にアイアンライダーの右腕が変化、大型のドリル・アイアンドリルが装着される。

装着完了と同時にアイアンライダーは思いっ切り前方へとアイアンドリルを突き出し、モールイマジンを迎え撃った。

 

「どりゃあああああああ!!」

 

「ぐおおおおおお!!?」

 

アイアンライダーが繰り出したアイアンドリルがモールイマジンとぶつかり合い、暫しの間拮抗。

だが、モールイマジンの両腕のクローとドリルに『バキリ』と嫌な音が走り、その直後ド派手に砕け散った。

自慢の武器が文字通り粉砕され、モールイマジンは目を見開く。

 

「んなぁ!?」

 

「―――アイアンドリルトラストォ!!」

 

驚くモールイマジン目掛けて、アイアンライダーは地面を蹴り上げて、踏み出した勢いを載せてアイアンドリルで貫いた。

アイアンドリルでの必殺技『アイアンドリルトラスト』を受け、胴体に風穴が空いたままモールイマジンは断絶魔を上げることもなく大爆発。

苦戦することもなく怪人の一体を葬ったアイアンライダーは残った他のモールイマジンを睨みつける。

 

「よぉ、次はお前達の番だぜ」

 

「「ッ……」」

 

「かかってこいよ。相手、してやるぜ」

 

アイアンライダーは右腕のアイアンドリルの矛先を向けながらモールイマジンに訊ねる。

この仮面ライダーが只者ではないと嫌でも分かったモールイマジン達二体は互いに顔を見合わせると、意を決して口を開く。

 

「ちっ、いい気になりやがってよ!」

 

「これでもくらいやがれってんだよ!」

 

二体のモールイマジンは突如鼻のドリルを回転。

そのドリルから竜巻が発生、大破した自動車ごと何もかも吹き飛ばさんとする風量がアイアンライダーや雨谷に襲い掛かる。

 

「だぁ!?あぶねぇ!!」

 

「―――うわああああああああ!?」

 

「げっ、しまった!?」

 

聞こえてきた悲鳴にアイアンライダーが振り向くと、モールイマジン達の竜巻によって耐えきれなかった雨谷が中へと投げ出されていた。

瞬く間に空高く舞い上げられた雨谷は重力の作用によって地面へと落ちようとしていた。

このままでは落下死なんてありえる……アイアンライダーが最悪の結果が目に浮かぶ中、頭上を通り過ぎる一つの人影があった。

フライングスライダー――2055年の未来にてメジャーとなっている空中サーフィン及びサーフボード――を駆りながら、落下中の雨谷を受け止める。

ゆっくりと旋回しながら降りてきたその人物にアイアンライダーは訝しむが怪人達がいなくなった今、安全と判断する。

変身したその姿を解いて近づくと、少年の姿が明らかになる。

銀髪に金色の瞳を持った元気はつらつとした表情と雰囲気が特徴的な見知らぬ少年は、元の姿となった尊に声をかけてきた。

 

「押忍、不動先輩! 要救助者はこの通りッス!!」

 

「おう、助かった……じゃねえよ!いやいやお前何者なんだ?」

 

突如現れた見知らぬ若い少年に尊は思わずツッコミを入れた。

少なくとも見た目は十代半ば、今年で24歳を迎えた自分より一回り幼く見える。

訝しむ尊の姿に人懐っこい笑顔を向けながら、少年は自己紹介をした。

 

 

「俺は桜木龍李! これからガーディアンライダーズさんにお世話になる仮面ライダーです! よろしくお願いします!」

 

 

尊にそう名乗った少年――『桜木龍李(さくら・りゅうり)』。

これが、彼が進む『ライダー道』への最初の一歩であった。

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