まだギャグのエンジンが掛かりきってない感じです。
いつになったら掛かるのかは分かりませんが……
「はぁ~……平和ですね~……」
「ですね~」
ソヨゴちゃん、ハツユキソウちゃんとこたつでまったりと過ごす。任務が無い日は部屋の中で過ごすことが多い。お外は寒いですからね。
「……あっ、団長さん、さりげなく脚を触らないで下さい」
ソヨゴちゃんの細い脚とハツユキソウちゃんのモチモチした脚。うーむ、これは甲乙付けがたい。
「しかし、こんなにのんびりしていいんですかね~?」
「騎士団は暇なくらいが丁度いいんです。それだけ世が平和ってことですからね」
と、そんなことを話していた時だった。
「団長! 団長~!」
執務室のドアがドンドンと叩かれた。
「何奴っ!?」
「ヤドリギッス。緊急伝令が届いてるッス」
ソヨゴちゃん、ハツユキソウちゃんと目を合わせる。噂をすれば何とやらか……。
ドアを開けてヤドリギちゃんが入ってきた。相変わらず綺麗なおでこだ。
「これを」
ヤドリギちゃんから手渡された封筒には、やたらと達筆で「アクア団長殿」と書かれている。この字は忘れもしない。直属の上司、オリビア大佐の字だ。
「うわぁ~、嫌だなぁ~……よし、見なかったことにして破っちまえ!」
「ちなみに、『これを破った場合、貴様も八つ裂きにする』っていう伝言を貰ってるッス」
「は、はは……冗談ですよ~、ヤだなぁ~……」
『アクア団長殿
貴殿におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、誠に不躾なお願いとは存じますが、先日ナイドホグル雪原にて「長い。ソヨゴちゃん、読んで~」
「まだ三行しか読んでませんよ!?」
あの人の文は無駄に長いのです。私がずぼらなの知ってるんだし、もう少し簡潔に書いてくれてもいいのに……。
「……それじゃあ読みますね。先日ナイドホグル雪原にて調査を行っていた花騎士達が」
あぁ~、やっぱりソヨゴちゃんの声可愛いな。マジ天使。きっとお歌とか歌っても可愛いんだろうなぁ~。ヴァシュティ・バニヤンもビックリの天使の歌声を披露してくれそう。
「何卒宜しくお願い致します。敬具」
ケーグって何だろう。拘束具のお友達かな?
「読み終わりましたよ、団長さん」
「ありがとうございました。取り敢えず、ソヨゴちゃんの声が可愛いってことは分かりました」
「そ、そんなことは……」
顔を真っ赤にするソヨゴちゃん。そのリンゴみたいに染まったほっぺたをペロペロしたい。犬のように舐め回したい。
「で、結局何が書いてあったんですか?」
「団長さん!」
「要は極限級害虫が出現したので討伐と調査隊の保護をお願いしますってことですね」
ハツユキソウちゃんが要約してくれた。極限級か、それは確かに由々しき事態。
「早速支度をしましょう。ヤドリギちゃんは花騎士達への周知をお願いします」
「了解ッス」
「ソヨゴちゃん、寒さ対策は念入りにしましょう。何たって極寒の地ですからね」
「は、はい!」
(団長さん、テキパキ指示を出してる……こういう時は普通に大人っぽくて格好いいかも)
「あっ、お着換えの時は言って下さい。私が手伝いますから。デュフフ……」
「……」
「死ぬ……死んじゃいます……さよなら、花騎士達……」
「団長さん、眠らないで下さい! 本当に死んじゃいますよ!」
ハツユキソウちゃんのちっちゃなお手手がペチペチと頬に当たる。いつもはヒンヤリしてる彼女の手も、この寒さの中では温かく感じる。
ナイドホグル雪原も今日はいつも以上に天気が荒れている。この中での討伐任務は危険だし、一旦引き返した方がいいかも知れない。しかし、調査隊が行方不明になっているらしいし、早く救助しなければ手遅れになりかねない。
自分の騎士団の花騎士と、他の花騎士、一般人。騎士団長という職業は、時に命を天秤にかけなければならないこともある。
「むにゃ……」
「ツキトジさんも!」
「んっ、あれは他の騎士団の花騎士だし?」
「えっ! あっ、本当です! しかもロリじゃねえか! うっひょー!!」
(突然元気になったな……)
「大丈夫ですか、お嬢ちゃん達!? 少し引き返せば私達の拠点がありますから、そこまで歩けますか? なぁに、少し休憩するだけですよ。何もしませんから。ぐへへ……」
「わ、私達はまだ軽症です。それより、逃げ遅れた花騎士が奥にいるはずです。彼女を助けてあげて……」
「……ヤドリギちゃん、彼女達を拠点まで案内してあげて下さい」
「は、はいッス!」
「団長さん?」
「ソヨゴちゃん、私にはどうしても許せないことがあるんです。それは、花騎士の命が失われること」
命は平等ではない。花騎士は人々を守るために命を懸けて戦っている。戦いの中で、全ての命は天秤にかけられる。それならば、その中で一番軽いのは私の命だ。
「花騎士の命を守るために、私は戦っていますから」
「団長さん……」
「だからソヨゴちゃん、この戦いが終わったら結婚して下さい」
「えっ……? お断りします……」
「何で!? 今了承する流れだったでしょ!? 『団長さん格好いいなぁ』って思ったでしょ!?」
「ちょっと思いましたけど……いきなり結婚は……」
「そ、それなら結婚を前提としたお付き合いならどうです!?」
ソヨゴちゃんがもじもじし始める。これはもしや……。
「……そ、そうですね……それなら……私で良ければ、お願いします」
「ひゃっほぉぉぉ! ソヨゴちゃんと恋人同士だぁぁぁ!」
「団長さん、声おっきいですよ」
「しっ、何かが近付いて来てるし」
吹雪のせいで視認が出来ない。しかしあのシルエット、体長5m以上は優に超える。目標の極限級害虫に違いない。
「ツキトジちゃん、害虫の種類は分かりますか?」
「羽音がするし。飛翔性だと思う」
「うん、それだけ分かれば充分です。って、うぉぉっ!?」
速い! 100m以上は距離があっただろうけど、一瞬で詰めてきた。
(この速さの相手にこの悪天候。これはまずいかも知れません)
「ツキトジちゃん! 今の攻撃、感知できた?」
「一瞬、羽音が大きくなった気がするし」
「それじゃあ、次の攻撃が来そうだったら方角を教えて下さい」
「了解だし」
「ハツユキソウちゃんはツキトジちゃんの合図した方向に氷の壁を作って」
「一瞬だと薄いのしか作れないと思いますが」
「大丈夫です。それとソヨゴちゃん」
「はい!」
「応援をお願いします」
「えっ……? 団長さん、頑張れ!」
「うっひょぉぉぉ!!」
説明しよう。アクアは美少女の応援によって、体内にレズパワーを作り出すことが出来る。レズパワーとは彼女の力の源、これがあれば彼女の力は倍増するのだ。つまり変態である。
「……来たし! 10時の方向!」
「はっ!」
ハツユキソウちゃんの魔力で、人間大の氷の壁が作られる。
害虫は超音波のようなもので敵の位置を測っているんだと思う。それなら、あの氷を囮にすれば多少は隙が出来るんじゃないか。
(……来た!)
アブ型の害虫だ。思った通り氷の壁を突き破ってきた。
狙うは羽根。いくら強固な骨格を持っていても、ここだけは脆い。私の攻撃でも充分に壊せる。
「とりゃあぁぁ!」
最短距離で槍を振るう。手応えがあった。害虫が落ちる……!
「ソヨゴちゃん!」
「一気に決めますっ!」
ソヨゴちゃんの鬼火十文字斬りが決まり、害虫の身体はバラバラに刻まれていった。
「ふぅ……」
ほっと一息付く。凄まじい緊張感だった。一つ間違えれば死んでいた。
しかし、まだ終わりじゃない。
「大丈夫ですか?」
洞穴に花騎士の姿を見つけた。必死でここまで逃げ延びたのだろう。
「あ、ありがとうございます……」
「お礼なら身体で「早く連れて帰りましょう!」
「し、失礼します……」
重厚なドアをギギっと開く。
今日は事後報告に来ていた。そう、上司のオリビア大佐に。
「うむ、全員生存か。やはり君に頼んで良かった」
キリッと吊り上がった黒い瞳が私を見つめる。怖いなぁ……早く解放してくれないかな……。
「やはり君は『水』だな」
「水?」
「花にとって水が必要なように、花騎士にとってはアクアという『水』が必要なんだ。名前の通りじゃないか」
「いや、作者さんそこまで深く考えてないと思いますよ」
「では私はこれで……」
そそくさと部屋を出ようとした私に、オリビア大佐の鋭い声が背中から突き刺さった。
「アクア、ここ最近女性職員からセクハラの相談を受けるんだが、何か知らないか?」
「いえ、全く存じませぬ……さよなら!」
「待ていっ!」
一瞬で回り込まれてしまった! まずい!
「今日という今日は逃がさんぞ。洗いざらい吐いてもらおうか?」
「わ、私は功労者ですよ~!」
「それとこれとは別だ! 貴様には教育が足らんかったようだ、いい機会だから再教育させて貰う!」
「嫌ぁぁぁ~! ソヨゴちゃん助けて~!」
≪次回予告≫
「ふぅ~……何かやる気出ないです~……」
「え? 病院に? 確かにお腹が痛いような……」
「私病気なんですか……死ぬの……?」
「何か……出来ることはあるはずです。例え余命幾ばくも無くても……」
次回、「ゴンドラの唄」お楽しみに
「ちょっと待って! 私死ぬの!? まだ3話なのに!? 全然楽しみじゃないんですけど!」
ギャグって難しいですね
何書いていいのか分からないです……
こういうのを定期連載出来る人もいるんですから、凄いですよねぇ……
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。