変態レズ団長と花騎士達   作:イッチー団長

23 / 29
今回もこれまた変なお話(笑)

今回二人のゲストキャラが出てきますが、今後は別に出番は無いでしょう


花騎士狩りの女

 さて、今回のレズ団長は、ウィンターローズの奥深き雪山から物語を始めよう。

 

「キシャァァァ」

 吹雪の中に一匹の害虫の姿が。しかしその頭上から、

「キシャ? ギャァァァ!」

「ふふん、これで一丁上がりだ!」

 

 電磁ネットに捕らえられ苦しむ害虫。その目の前に二人の女が現れた。

「お見事です、ツナマヨ卿」

「あぁ。だがこうも簡単だと張り合いが無いな」

 

 長い赤髪で気の強そうな女性はツナマヨ卿。その隣の眼鏡を掛けた巻き毛の女性はその執事、ササミだ。

 彼女らはあらゆる生物を生け捕りにし、自分の屋敷に飾ることを生き甲斐としていた。

 

 

 

 所変わり、ここはウィンターローズにあるツナマヨ卿の屋敷。赤絨毯の敷かれた荘厳な廊下には、ライオンや熊のような獰猛な動物、そして害虫の頭が剥製されて飾られている。

「これでまた一つコレクションが増えましたな」

「うむ。しかし我輩は更なる獲物が欲しい」

「というと?」

「ふふ……害虫と渡り合える力を持った者……花騎士をコレクションに加えるのだ!」

 

 

 

「やぁツナマヨ卿。相も変わらず素敵な趣の屋敷だな」

「これはこれは、カマボコ博士」

 二人は握手し客間へ向かう。

 

「戦闘用ロボット10体に光線銃2丁、更に様々なトラップ……占めて200億ゴールドだ」

「あぁ。いつも世話になる」

 ササミ執事からゴールドの入ったトランクが受け渡される。カマボコはその中身を確認し、不敵な笑みを見せた。

 

「確かに。しかしここまでの装備……まさか戦争でも起こすつもりか?」

「戦争? そんな下らんことはせんよ。我輩がやろうとしているのはもっと美しく芸術的なことだ」

「そうか……」

「ふふ……ふははは!」

 狂気的な笑顔を見せるツナマヨにドン引きしながら、カマボコはその場を後にした。

 

 

 

「ご主人、お疲れ様~」

「アーティ、出迎えご苦労」

 屋敷の前でカマボコを待っていたアーティが、フリフリのドレスを揺らして駆け寄ってきた。

 

「それにしても、あたいあのツナマヨって奴苦手~。何考えてるのか分かんないもん」

「同感だ。だが金払いは良いからな。無下には出来んのだ」

(あの狂人、次は何をしようとしているのだ……)

 

 

 


 ツナマヨの野望は動き始めようとしていた。

 ここは最新の技術で作られたカラクリの展示会場。花騎士であり発明家のガンライコウは、この展示会にゲストとして呼ばれていた。

 

「ふむ……どれも良いわね……」

 大好きなカラクリをじっとりと見つめるガンライコウ。彼女があるカラクリに近付くと、赤髪のサングラスの女性が近寄ってきた。

 

「これはこれはガンライコウ様。私のカラクリはどうザマスか?」

(何この変な人……)

「これは何のカラクリなの?」

「これはですね……」

 

 女性がスイッチを押すとカラクリからアームが現れ、ガンライコウの身体をガッチリと拘束してしまった。

「なっ!? こ、これはどう言うことなの!」

「ふふっ、これはお前を捕まえるためのカラクリだよ、ガンライコウ!」

 女性がサングラスを外すと鋭い目付きが光る。先程の女、ツナマヨ卿だ。

 

「これで一丁上がりだ~!」

「た、助けて~!」

 

 

 


「ふぅ~、今日は良い天気ですね~」

 昼間の公園を散歩している少女、花騎士のバニラだ。そこに、

「そこのお嬢さん」

 アイスクリーム屋の店員が声を掛けてきた。

 

「現在新商品の試食が可能ですが、如何ですか?」

「アイスですか!? 食べます食べます!」

 甘党のバニラは直ぐに食い付いた。だがそれはツナマヨ達の罠だった。

 

「あれ……何だか眠く……」

 その場に座り込んでしまうバニラ。店員は彼女を抱き抱え、やって来た車の後部座席に乗せてしまった。

 

「面白い程簡単に引っ掛かりましたな、ツナマヨ卿」

「いやぁ簡単簡単。バナナオーシャンのライオンの方がまだ張り合いがあるわい」

 

 

 


「ガンライコウさんとバニラさんが行方不明!?」

 連絡を受けたハツユキソウは街中を捜索していた。そこに、

「タスケテー! タスケテー!」

「あれは!?」

 火の燃え広がる家と、助けを求める少女の声。ハツユキソウはすぐさま救助に向かう。

 

「大丈夫ですかお嬢さん! かがんで、煙を吸わないようにして下さい!」

「タスケテー! タスケテー!」

「聞こえないんですか!」

 不審に思ったハツユキソウは少女に駆け寄る。そして少女を抱き抱えると、

「はっ! あなたは……!」

 

 少女の身体は脆く崩れ、内部から電線がはみ出している。明らかに人間ではなかった。

「ロボットだったんですか……ということはこれは!」

「今更気付いても遅いわ!」

 

 ハツユキソウの足元から触手が伸び、彼女をきつく拘束してしまった。

「これで三人目だ!」

「た、助けて下さぁい! 団長さぁぁぁん!」

 

 

 


 そしてアクア騎士団。アクア団長と花騎士達が緊急会議を行っていた。

 

「ガンライコウちゃん、バニラちゃん、ハツユキソウちゃんが立て続けに行方不明に……一体何が起こってるんです……」

「どうせまたカマボコ博士じゃないッスか?」

「いや……これは私の勘ですが、今回はカマボコ博士は関係ないと思います」

 その時、

 

『やぁアクア団長。ご機嫌いかがかな?』

 会議室の壁に映像が映し出された。そこに映るのは二人の女、ツナマヨ卿とササミだ。

 

「あなた達は何者です!?」

『我輩はツナマヨ卿。ハンティングが生き甲斐』

「ハンティングですって! まさかハツユキソウちゃん達はあなたが……」

『察しがいいな。まぁこの映像を見てくれ』

 

 画面が切り替わる。そこには花騎士達が拷問を受けている様子が映されていた。

『はぁ……はぁ……』

 回転するコンベア、その後ろには針山。走り続けなければ串刺しになってしまうのだ。

 

『ぜぇ……ぜぇ……!』

「ハツユキソウちゃんとバニラちゃんはまだ余裕がありそうですが、ガンライコウちゃんは限界が近いですね」

「酷いッス……」

 

「ツナマヨ卿! 一体何が目的ですか!」

『我輩の目的はただ一つ、強い生物を捕まえてコレクションすること。害虫さえ凌ぐ強さを誇る貴様らが欲しいのだ』

「そんな身勝手な理由で……皆を解放しなさい!」

『いいだろう。ならばアクア団長、貴様一人で我が屋敷に来い。そこで花騎士を見つけることが出来れば、仲間は解放してやろう』

 

「団長さん、これは罠です!」

「ですが今はこれしか方法が無い……いいでしょうツナマヨ卿。その挑戦、受けて立ちます!」

『いやぁお見事! 流石勇敢な戦士、アクア団長だ。狩りの楽しみが増えたわい』

 そこで通信はぷっつりと切れた。

 

「団長、こうなったら騎士団全員で乗り込むッスよ!」

「いや、約束通り私一人で行きます。このままでは騎士団も花騎士も舐められっぱなし……我々の恐ろしさを思い知らせてやります!」

 

 

 


「ツナマヨ卿! 約束通り一人で来ましたよ! 花騎士はどこです!?」

『ふふ、この屋敷のどこかにおるわ。精々頑張って捜すんだな』

「しかしその前にあなたを見つけたら……ただでは済ましませんからね……」

 

 ツナマヨの屋敷は騎士団の王城と遜色ない……いや、それ以上の大きさを誇る。更に地下室等もあるため、その中から花騎士三人を見つけ出すのは至難の業だ。それに、

「ガルルル……」

「……はっ!」

 何かの気配に気付いたアクアは回し蹴りをお見舞いする。

「ギャッ! ギャウゥゥゥ!」

 アクアの蹴りに驚き、『それ』は逃げ去って行った。

 

「い、今のは……虎ですか……」

『おっと、言い忘れたがこの敷地内には獰猛な獣達がうようよしているからな。気を付けてくれたまえ』

「ご忠告どうも。しかし……」

 アクアは背後から襲い掛かってきたライオンの牙を掴み、

「ふんっ!」

 へし折ってしまった。

 

「キャン! キャン!」

「この程度で騎士団長が倒せると思ったら大間違いですよ」

 

 

 

 その頃、ツナマヨ卿のモニタールーム。

「素晴らしい! あんな強い生物は見たことがない!」

『どうしました、ツナマヨ卿? これで終わりですか? だとしたら、あなたの命もそう長くはありませんね』

 

「アクアめ、言ってくれるわ。なら次は『アレ』を出せ!」

 

 

 

 アクアが建物に入ると、数10mサイズの巨大な鉄格子が開かれる。そこから出てきたものは……

「ギャオォォォ!」

「な、何じゃこりゃあ!?」

 

 そこにいたのは、アクアが今まで目にしたこともない巨大生物だった。

『見たか! これがベルガモットバレーの密林で捕まえた伝説の生物、恐竜だぁ!』

 

「うぉっ!」

 辛うじて恐竜の踏みつけを避けるアクア。彼女が元いた場所には、人間よりも遥かに大きなクレーターが作られていた。

 

(あんなの喰らったらひとたまりもありませんよ……)

『どうしたアクア! 避けることしか出来んのか!』

(それなら!)

 

 恐竜の攻撃を素早く避け、アクアは恐竜の背後に回り込んだ。

「おらぁっ!」

 そしてその尻尾を掴み、全身の力を込め始める。

 

『馬鹿め! その体重差で持ち上げられるわけが……何!?』

「ぬぉぉぉぉ!!」

 少しずつ恐竜の巨体が浮き始める。そして、

「おるぁぁぁぁ!」

 アクアのジャイアントスイングが決まり、恐竜は建物の壁を突き破って彼方まで吹き飛ばされていった。

 

 

 

「まさかあの恐竜を倒すとは! 信じられん!」

「折角3日もかけて捕まえたのに、残念ですなぁご主人様?」

「そんなことはどうでもいいわい! それより我輩は余計アクアが欲しくなったぞ! 次のトラップを発動させろ!」

 

 

 

「はぁ……はぁ……これが切り札だと言うなら面白いジョークです。騎士団に喧嘩を売ったこと、必ず後悔させてやりますから、首を長くして待うぉぉぉ!?」

 アクアの頭上からネットが降り掛かる。しかもただのネットではない。電気を帯びたトラップ用のネットなのだ。

 

「ぐぁ……くそ、こんな罠に……がぁぁ!」

『ふふ、流石のアクアも電磁ネットには手も足も出せんか』

 

「くっ、この……」

 アクアはネットに手を掛け、

「うらぁぁぁ!」

 素手で引きちぎってしまった。

 

『何だと!? 化け物か貴様!』

「こんな所でモタモタしてる暇はないんですよ!」

 

 

 


 その頃、拷問を掛けられている花騎士達は。

 

「この騒音……きっと団長さんが助けに来たんですよ!」

「ぜぇ……ぜぇ……も、もう、限界……」

「ガンライコウさん! もうちょっとの辛抱ですよ!」

 何とかガンライコウを励ますバニラとハツユキソウ。しかし直接助けることは出来ない。最早気休め程度の励まししか出来ないのだ。

 

「……いや、風向きが変わりました。この香水を使えば団長さんが気付いてくれるかも」

「それは?」

「ソヨゴさんの匂いを凝縮した香水です」

「……」

 

 

 


「はぁ……はぁ……三人とも、一体どこに……むっ!?」

 アクアが嗅ぎつけた匂い、それは、

「ソヨゴちゃんの匂い! ……って、ソヨゴちゃんがこんな場所にいるはずがない。ということはバニラちゃんの香水かも知れませんね」

 匂いを辿るアクア。彼女が花騎士達へ近付いて行くことに、ツナマヨは焦りを見せていた。

 

「まずい……ならば最後のトラップを作動させるのだ!」

 そのトラップとは、

 

「うぇ~ん……うぇ~ん……」

「うん? あなたは……」

 アクアの前に現れたもの、それは鎖に繋がれ号泣している幼い少女の姿だった。

 

「どうしたんですか、お嬢さん? まさかツナマヨにあんなことやこんなことを……?」

「うぇ~~~ん!」

「困りましたね……」

 

 少女をじっとりと舐めるように見回すアクア。特に短いスカートから覗く太ももには視線を奪われていた。

(ふふふ、アクアは子供好きだと聞く。ならばその少女は放っておけんだろう。しかしその少女型ロボットに触れた瞬間、毒の霧が発生し貴様はお陀仏となるのだ)

「むふふ……ん?」

 

 その時、アクアは何かに気付いた。

(何か肌の質感が若干おかしいような……しかしこの質感、どこかで……あっ、アーティちゃんだ。ということは、この子はロボット……?)

 ロリコンのアクアは子供の肌には人一倍敏感なのだ。どんなに精巧に作られていても、彼女の目を欺くことは不可能だ。

 

「見え透いていますよ、ツナマヨ。見え透いている」

「くっ、素通りしおった!」

「まずいですよご主人様! このままでは花騎士達が!」

 

 

 


 そして遂に、

「ぜはぁ……ぜはぁ……た、助かったわ、団長さん……」

 

「花騎士を奪還したからにはもうこちらのものです! 奴に痛い目見せてやりましょう!」

「そうですよ! あんなふざけた奴には、アクア騎士団の恐ろしさを分からせてあげないと!」

「行きましょう、団長さん!」

(あ、あたしはいち早く休みたいんだけど……)

 

『花騎士を取り戻したようだな、アクア。約束通り彼女達は解放するが……生きて返すとは言っておらんぞ! ここが貴様らの墓場となるのだ!』

「生きて帰れないのはどちらでしょうね、ツナマヨ卿!」

 

 次々と現れるカマボコ製戦闘ロボット。だが、花騎士を救出し足枷の無くなったアクアには、その程度は物の数ではなかった。

「はぁぁ……とりゃぁぁぁ!」

 アクアの拳がツナマヨ卿の屋敷を崩壊させてゆく。その衝撃は彼女らのいるモニタールームにも。

 

「な、何だこの揺れは……ぬぉぉぉぉ!?」

 吹き飛ぶ鋼鉄の壁。その向こうから現れたのは……

「あ、アクア!」

「ツナマヨ卿! これが最後です!」

 

「に、逃げろぉぉぉ!」

「待てササミ! 我輩を置いていくな!」

 

 

 

 最早廃墟と化したツナマヨの屋敷。その瓦礫の中に、ツナマヨは辛うじて身を隠していた。なお、執事のササミは先にどこかへ逃げてしまった。

 

「出てこいツナマヨ! はらわたを引きずり出してやる!」

(ひぃぃぃ!)

 花騎士達を傷付けられ、普段穏やかなアクアも怒り狂っていた。その姿、まるで鬼神の如し。

 

(頼む! こっちに来ないでくれ!)

 形勢は逆転した。それまで狩る側だったツナマヨが、今度はアクア達から狩られる側となった。背筋を震え上がらせる程の恐怖の中で、ツナマヨは騎士団に手を出したことを心の底から後悔していた。

 

「どこへ逃げても無駄だ! 必ず貴様を見つけ出し、手足バラバラにしてショーウィンドウに飾ってやる!」

(頼む頼む頼む! 早くどこかへ行ってくれぇ!)

「……ここにはいないようですね。他の場所を探しますか」

 

 瓦礫に耳を当てアクアの様子を伺うツナマヨ。

(……い、行ったようだな)

 足音が遠くなったことを確認し、安堵の表情を浮かべた。

 

(は、早くこの場から逃げなければ! 捕まったら死ぬ!)

 そう思って瓦礫を取り除いた時だった。

「ごきげんよう、ツナマヨ卿」

「えっ……」

 そこに居たのは紛れもなくアクア団長だった。

 

「死ぬ覚悟は出来たようですね」

 にっこりと微笑むアクア。しかしその瞳は笑ってはいない。氷のように冷たい笑顔だ。

 

「あ、アクアよ……我輩が悪かった! 頼む、命だけは助けてくれぇ!」

「……」

 土下座するツナマヨを無視し、アクアは無言で槍を構え始める。

 

「ホントにすまなかった! もう花騎士には二度と手を出さない! だから許してくれぇ!」

「……」

「何なら我輩の地位も権力も財産も全てお前に譲る!」

「……」

「これからは世のため人のために生きますからぁ……だからぁ……」

 鼻水まで垂らして泣きじゃくるツナマヨ。それでもアクアの表情はピクリとも変わることは無かった。

 

「……言いたいことはそれだけですか?」

「う……あぁ……」

 

「あぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 


≪翌日≫

「聖女様、宅配です」

「あら?」

 某所にある巨大な城。ここには雪中の聖女、すなわちアクアの母がハーレムを築いていた。

 

「随分と大きな荷物ねぇ……あらあら」

 その中身を見て、聖女は微笑む。

 

「んむぅ! んんぅ!!」

 そこには両手足を縛られ、口をガムテープで塞がれたツナマヨが包装されていた。

 

「あら、メッセージカード付きみたいね」

 

『母様へ。少し早いけれどお中元です。ご自由にお使い下さい』

「あの子ったら……では遠慮なく使わせて貰いましょう」

「んむっ! んぅぅ!!」

 怯えるツナマヨに、聖女の魔の手が差し掛かる。そして、

「んんんぅぅぅぅ!!」

 

 その悲痛な叫びは三日三晩鳴り止むことは無かった。




アクア団長、ブチ切れモードw
何だかんだ花騎士思いの団長だから、彼女達が危険に晒されたら怒り狂いますよね

ここまで読んで頂き、ありがとうございました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。