IS〈インフィニット・ストラトス〉-IaI   作:SDデバイス

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 ▽▽▽

 

「――――、」

 

 送り込んだ手駒を破壊された。つまりは企みを潰された事になる。たとえ既にほとんど終わっていたのだとしても、予定が完遂されなかった事に変わりはない。

 

「――き、」

 

 既に駒に何を命じても応えない。仮に残骸を一つ残らず回収できたとしても、再びあの機体が動く事は無いだろう。なにせ肝心のコアが修復不可能なまでに破壊されてしまっている。

 

「き、ききっ」

 

 彼女は仰け反って、髪の毛をわしゃわしゃとかき分ける。突然激しい動きをした両腕によって、傍らに積み上げられていた色々な物が激しい音を立てて崩れた。

 それを全く意に介さず。

 彼女は心の中一杯に沸き上がる感情を言葉とともに吐き出した。

 

()()あああぁぁぁぁぁ――――――――――!!!」

 

 画面に向けられたその表情に浮かんでいるのは、歓喜だった。

 満面の笑みがそこにあった。極まりすぎて、喜びという枠からはみ出して、奇妙で異質にさしかかった程に高まった感情だった。

 

「判らない、解らない、分からない――()()()()()()()()もの!!」

 

 指先を躍らせる。元から備わっている五感、機械的に拡張可能な他の総てを総動員してデータを片っ端から収集する。それら総てを飲み干しても、脳髄に出来るのは認識までだった。把握には至らない。理解まで到達できない。あれは――完全に別系統の存在だ。

 

「これなら、これなら()()()()かもしれない…………!!」

 

 喜びで震えていいのは声だけだ。指先も思考も一切乱れない、乱さない。それどころか作業はより正確により速く。準備していた物を、厳重に仕舞い込んでいたそれらを。一気に広げ直していく。

 想定通りだったこれまでとは状況が変わった。

 想定外の事態とは、当然悪い方向にも起こりうる。

 しくじってしまったら、もし■なせてしまったら、何もかもが無駄になる。気が遠くなるほどの長い長い、これまでの、

 

「――――ッ!!」

 

 ぶんぶんと頭を振って、弱気を内から追い出して。

 彼女は”未知”へと向き直っ、

 

「ファフェァッ!?」

 

 た瞬間に愕然とした。

 素っ頓狂を極め尽くし、奇っ怪としか呼べない声の成り損ないが声帯を飛び出した。先程までの喜びの釣り合いを取り戻すかのように、表情は完全なる真顔。更に凄まじい勢いで青ざめていく。ブワァ――と溢れるのは冷や汗。小刻みに震える身体が周囲を揺らしてカタカタと音を鳴らす。

 

「…………え、何で? 何で白式のP(パートナー)-AI落ちてるの? 今一番大事なトコだよ何でぇァ゛――――――!?」

 

 

 ▽▽▽

 

 

「アブソリュートのP(パーソナル)-AIがエラーを吐いた……?」

 

 本来の命令は新たに出現した無人機の撃墜だけであった。ならばアリーナの内部に突入したのも、無人機を必要以上に破壊したのも、白式へと攻撃したのも――総て鋼の獣の『自己判断』という事になる。

 

「おかしいぞ、おかしい。ありえない。()()()()はともかく、アブソリュートにはまだ()()()()()()()()()()は無い筈なんだ」

 

 広げていた機材を吹き飛ばすように押し退けながら、上着だけ引っ掴み与えられた部屋を出る。仮付した遠隔操作機能は完全に死んでいる。再び制御下に戻すには本来の機能で繋げ直さねばならないだろう。必要な機材は()()()()()()()。必要な式は()()()()()()組めばいい――今、組んでいる。

 出来上がるまで数分程だろう。

 本来はその何十倍も時間が必要だ。最適解と反則を束にして殴りつけた結果が『数分』だ。それ以上は縮めようがない。

 

「…………それまで保つかな」

 

 それは敵にぐるりと囲まれている自身の作品に対しての言葉か。

 それとも――()()()()()()()()()()()()()()()()に対しての言葉か。

 

 

 ▽▽▽

 

 ――織斑一夏が戦っている場所に、

 

 アリーナとピットを隔てる隔壁は固く閉ざされている。制御を完全に乗っ取られてしまったからだ。通常の操作はもちろん、緊急用の命令も一切受け付けないだろう。

 だが。

 それはあくまで隔壁が開く動作を取らないというだけである。本来は稼働して開閉する装置が、閉じた位置でロックにより固定されているだけである。溶接されて壁そのものと化しているのでもなければ、空間が断絶したとかでもない。

 故に閉じる力よりも強い力があるのなら。

 そろそろ定評が付いてきた馬鹿力を叩き付けられたのならば。

 

「どっせええぇぇぇぇぇいいぃぃ!!!!」

 

 メゴッシャァ!! と鳴り響くは断末魔。『開く』というより、横方向に『潰れ』ている。隔壁の一部からひしゃげた金属の塊に強制的にランクダウン。

 

 ――凰鈴音(こいつ)が居ない、訳がない。

 

 実際にはレーザー的なアシストやら電子的なアシストがあったのだが、誰の目にも怪力で無理やりこじ開けたようにしか映らない程の破壊っぷり。

 潰れた隔壁だったものを、鋼を纏った腕が押しのける。カラーリングは朱と黒。次いでその両腕は地面へと付いた。取った姿勢の名称はクラウチング・スタート。

 静止は一瞬だけ。

 爆発するかの如き勢いで翔け出す機体は――甲龍。

 万全ではない。修復が完全に終わっていない事が、両肩の非固定浮遊武装(アンロック・ユニット)が不在な事から見て取れる。ただし万全でないのは機体の方だけ。操縦者はとっくに全快済み。最高速度に瞬く間に上り詰める機動の反動にも、眉1つ動かさないのがその証。早く、鋭く――凰鈴音は乱入者へ飛びかかるべく距離を詰める。

 

 飛び出した甲龍から1拍遅れて、ブルー・ティアーズがアリーナの中へと飛び込んだ。

 

 ライフルを片手で保持して乱入者へと向き直――らない。突進する甲龍とは全く見当違いの方向へと飛ぶ。狙撃位置に移動しているのでもない。セシリアの目的は戦闘ではなかった。

 セシリアは試合に備えてピット内に居たため、物理的距離が近かった事もある。暇なので遊びに来ていたという鈴もまた同様。それでも二人が時間を惜しんで、手段を選ばず。強行突入に踏み切ったのは戦うためではない――『助け』に来たのだ。

 攻防の途中だった打鉄とラファールにはまだ余力はあるだろう。それでも消耗はしている。無理に戦力として参加するよりも、退避できるならそれに越したことはない。

 完全に決着が着いた後に割って入られた残りの二機は論外。二人揃ってボッコボコのベッコベコだったので戦力どころか救助対象である。

 まず鈴が所属不明機を引き付ける。セシリアはその間に負傷者を拾って離脱する。機体の万全なセシリアが前衛を務めたかったところであるが、純粋な近接戦闘能力ならば機体の不調を加味しても鈴が勝る。

 先に目的へと辿り着いたのはセシリアだった。吹き飛ばされて来たのか、白い方の機体はピットの入り口付近まで移動していたから。

 

「こ、れは」

 

 絶句してしまった。一刻を争うというのに、数瞬でも無駄にしてしまった。

 激戦を経た機体は酷い有様だった。

 それ以上に、酷い者。

 蒼い瞳に映るのは真っ赤な血の海。ばっくりと開く傷は何より真っ先に血液を辺りにぶちまけている。傷口そのものも大きく深い――では収まらない。だってもう少しで()()()てしまいそうなのだ。

 

(止血、ここまでならもう意味が、いえそれでも何かしら処置を、けれども下手に動かせない、わたくしが判断を下していい状態では……!)

 

 驚愕はある。恐れもある。混乱もしている。それでも茫然自失は有り得ない。目の前の惨状から目を背けるという選択肢は存在しない。逆に直視して冷静に見極める必要があった。

 医療技術のある人間をここに直接連れてくるのが一番だ。問題は乱入者がそれを許してくれるかどうか。いや何よりもまず先に応援を呼び指示を仰ぐ必要がある。通信を管制室へ、

 

「――――、」

 

 動転していたのか。ここまで気付かなかった。

 目の前に白式の装甲が()()。装甲の損傷が酷いのは大半が試合によるものだろう。だから肉体の傷はあの乱入者によるもの――違う、重要なのはそこではない。

 肝心なのは、おかしいのは。

 損傷が酷いがまだ装甲がある事――つまりI()S()()()()()()()()()

 なのに何故。

 

 ――操縦者の肉体がこうも著しく損傷している?

 

 セシリアの思考が止まったその瞬間と。

 鈴が乱入者へと到達するのは、ほぼ同時。

 

 既に手中に連結した双天牙月。高速で回転を加えられた双刃は空を裂き唸りを上げ、内に蓄えた破壊力を解き放つ時を待っている。

 

(射撃兵装は見る限りは無し! もーあからさまに超近接型! とにかく一発ぶち当てて、押すか引くかはその後で!!)

 

 相手の形の異質さには惑わされない。最短で必要な分だけざっくり判断。残りの総ては初撃に注ぐ。鈴の役目はこの無人機をこの場に縫い付けること。セシリアが二人を連れて引っ込むまで、鈴以外に意識を向けさせないこと。そのためにはおもいっきりぶん殴るのが最短で最適。速攻。余計な心配や恐れを置き去りにして、揺らぎのない最速かつ最大を繰り出す。

 

『止めろッ! ()()()()ッ!!』

 

 びりびりと響き渡る怒声は、通信によるものか、それと設置されたスピーカーから流れたものだったか。どちらにせよ全員に伝わったのだから、どちらでもよいだろう。

 声の主は織斑千冬であった。

 誰もが聞き慣れた声であって、誰もが初めて聞く程に切迫していた声だった。

 事態に対する詳しい説明も無い。簡潔過ぎて、忠告というより感情的な怒鳴り声。だからこそ、事態の重大さをより確かな物にする。

 

 ――本当の意味で、知っているのは二人だけ。

 

 誰もがその名前を知っている。その能力を知っている。見たこともある人間も多い。このアリーナ内においては、実際に相対した経験のある人間が殆どだ。

 それでも織斑千冬の方がより多くを知っている。

 実際に使った事のある、二人の内の一人だから知っている。

 

 ――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を、知っている。

 

 視界に白光の線が奔る。繰り出した双天牙月に合わせて、振り抜かれた白光の爪。その軌跡。そこに爪があるのではない。既に通り過ぎたからこそ、線に視えている。

 だというのに激突の衝撃は無かった。確かに接触したはずなのに、柄を握る甲龍の指先は一切の手応えを感じていない。

 するり。

 と、()()()()()双天牙月の刃――だった塊が宙を舞う。鈴の視界を、ばらばらと解けていくように分かたれた刃金が流れていった。最初からそこで分割されていたのではと見紛う程の滑らかな断面が、映る。

 

(あ、やばい)

 

 連結を解除。柄だけになってしまった方の双天牙月の片割れを廃棄。急制動、距離を取らねばならない。意識を一瞬たりとも逸らしていないのに。もう振るわれた『爪』が既に目前。腕の中にはまだ双天牙月が残っている。だが、これを翳しても何にもならない。()()()()()()()。唯一()()のみに意味がある。

 回避しか、意味が無い。

 

(うっわ、やば、やばいやばいやばいやばいまさか、そんな、これ――――――ッ!!)

 

 文字通りの絶体絶命に対して、脳髄がかっと熱くなる。精神と肉体が段階をいくつも一気にすっ飛ばして、フルスロットルに駆け上がる。凰鈴音という人間のこれまでの生涯を持ちだして比較したとしても。間違いなく確実にこの瞬間が『最速』だった。

 それよりも、早い。

 圧倒的に確実に、ただただ単純に普通に、より、早い。

 甲龍の右腕が切り飛ばされる。鋼の指先が幾つもの部品に成り下がり、ばらばらと飛び散った。万全に機能して発動した筈の()()()()は、いとも容易く切り裂かれる。

 不幸中の幸いだったのは、ISの『腕』は人間のそれよりも長いという事。甲龍の腕は確かに切り裂かれたが、収められていた鈴の腕の先端は切断箇所よりやや上方。生身は無傷であった。

 ()()

 ()()()()()()()()()()()()()()爪の軌跡の延長線上には――鈴の胴体がある。

 

(白式と、同じ、能力(ワンオフ)――――ッ!?)

 

 人間の胴ほどはありそうな太さの脚が質量に釣り合わぬ速度を伴って、奔る。僅かながら慣れた目と、追いつき始めた意識が今度は一撃を少しだけ速く察知する。

 出来るのは、そこまで。

 ごう、と空を乱す音を引き連れた白い光刃を、受ける手段は無かった。躱す手段も思い付かなかった。確実に切断が訪れると、しっかりと認識してしまうだけ。

 悲鳴は無かった。

 恐怖が無かったのではなかった。

 事実を認識するよりも、その結果として恐怖を認識するよりも、声帯が震えて声を鳴らすよりも、一撃の方が速かったから。

 

 ▼▼▼

 

 

 いや、さすがに今回はもー疲れた。

 

 負ける訳にはいかなかったから、総てを賭けて挑んだ。何もかも出し尽くして叩き付けた。それでもギリギリだったから、ほんのちょっとでも出し惜しみしてたら届かなかった。

 いわば今の俺は出涸らしである。絞る力を込めすぎて水分を出し尽くした上に千切れるちょっと手前の雑巾が一番近いんじゃねーかな。

 これ以上は頑張るどころか普通にするだけでもキツイのだ。それにここには俺よかよっぽど優れてる奴が周りにごろごろしてるんだよ。野生動物じみた友達とか、クラスメートのプライド代表とか。俺より強いかどうかはともかく、もっと上手くやれる種類の人間だ。ザル偽装のあいつだって間違いなく俺よりは劣っていない。あんまり交流無いから知らないけど、上の学年にも専用機持ちやら代表候補生とか居るって話だし。あと先生とかも控えてる、はず。たぶん。

 そんな訳で待ってりゃ頭数は勝手に揃っていくだろう。そこで無理に俺一人が突出すると逆に他の足を引っ張る。このまま大人しく引っ込んでた方が上手くいく。

 

 ――立て、動け、いいから、早く、

 

 普通なら、そうだった。

 ただ強いだけの相手なら、ただ怖いだけの相手なら絶対にそうだった。

 でも違う。あれは違うんだ。他の誰でもいけない。俺でなければいけない。だからさっさと立つんだよ、刃を握れって言ってるんだ、動くんだよ走ってでも跳んででも飛んででも何でも良いから、一番前に出るんだよ――動けつってんだろうが!

 唯一の支えの精神も、緩やかに沈んでいく。末端からじわじわと熱と勢いを失って、このままではやがて消える。その前に、動かないといけないのに。

 身体は何も応えない。

 機体も何も応えない。

 

 何も、何でもいいから、何だっていいから、応、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【だいじょうぶ、わたしがいるよ】

 

 

【ふさわしい刃を、あなたにあげる】

 

【何でも振れる強い腕を、あなたにあげる】

 

【どこでだってくじけぬ脚を、あなたにあげる】

 

【秘める力に付いていけるだけの強い体を、あなたにあげる】

 

【あなたがあなたとして振る舞うためのすべてを、わたしがあなたにつくってあげる】

 

 

 

【わたしのこれまでもこれからも、全部――――あなたにあげる】

 

 

 

 ▽▽▽

 

 甲龍が、吹き飛ぶ。

 しかし機体にも身体にも、致命的な切断の跡は見受けられない。

 

【多目的自在装甲板――《黒檻》! 全ッ板ッ展ッ開ッ!!】

 

 何故か。答えは簡単だ。甲龍を吹き飛ばしたのは斬撃の着弾ではない。

 音速を超えた『割り込み』はソニックブームを伴い、たまたま横に居た鈴を遠慮ゼロで思いっきりぶっ叩いてふっ飛ばした。そのままギュイーンと聞こえてきそうな程勢い良く回転がかかった鈴@甲龍はアリーナの地面を跳ね転がって飛んで行く。

 鈴の横を通り過ぎたということは、鈴が目的では無かったという事でもある。標的は乱入者――鋼の獣。真っ白い装甲に”黒い何か”がぶち当たる。特異と呼べる程の外見的特徴は有していない。それなりの厚みがある、平べったい板。もしくは帯。

 不意打ちで勝ち取れたのは一撃かつ一瞬だけ。数瞬後には黒い先端が切り飛ばされる。そして獣は空中で体を捻り――()()()四本の脚を突き立てて急制動する。まるでそこに不可視の大地があるかのように、()()()()()()()その巨躯を沈み込ませる。

 鋼鉄製の狼は、そこで初めて臨戦態勢を取った。目の赤い光と爪牙の白い光が輝きを増す、威嚇として、警戒のために――敵意のままに。

 

 睨みつける先は真っ黒い帯を辿った先。

 帯が飛び出た元は、セシリアの視線の先でもあった。

 

 そこにはボロボロな機体と操縦者が在った。今も在る。違うのは、機体のあちこちから黒い帯が何本も突き出ている事。その内の一本は操縦者に巻き付き、その身体を無理矢理元の形に戻す。また何本かは地面や壁に突き刺さり、大本である本体を引っ張りあげた。

 おおよそ正常な人間の動作ではなかった。操り人形に近く、いやもっと不気味な何か。

 セシリアには、見覚えがあった。

 この黒い帯にも。それが規則性皆無で触手のように動き回る光景にも。見ているだけで感じる得体のしれないおぞましさにも。心の底から抑えようがなく湧き上がってくる生理的嫌悪感にも。

 忘れもしない、クラスメート代表決定戦の日。白式というISが一次移行(ファースト・シフト)した際に全く同じものを見て、全く同じことを感じているから。

 

「ひっ」

 

 ああ、だが、今度はここから更に――まだ続く。もっと酷くなる。黒は引き戻されること無く更に吐き出される。代わりに白が、破損していた装甲が、ばらばらと剥がれ落ちていく。機体を覆っていた総てが剥がれ落ちていく。剥がれながら、戻っていく。装甲が崩れていくのに、フレームは逆再生するかのように復元されていく。

 本来の形へと。

 本来の色へと。

 

 ――真っ黒な、機体へと。

 

【全機能セーフティリミッター全部ど――ん(解放)! 生体再生機能及び操縦者感覚増長に神経加速もMAXだ――っ!!】

 

 『零落白夜』。

 光量、密度、あらゆる要素が今までとは段違いな光の刃。余波で雪片弐型の実体の刃が半分以上吹き飛んだ。幾重にも重ねられた枷をまとめて吹き飛ばしての発動だ。シールドエネルギーも装甲も、絶対防御ですらも切り裂く光刃。

 これまでは使えば終わる、終わらせるためにしか使われない必殺の能力だった。

 だがしかし。それはどちらか片方だけが持っていればの話。

 今この場においては始めるために解き放たれる。

 

【さあさあさあ! 本当の本当に出し惜しみなしでれっつごーだよ!! 今こそ君の本当の本性を――生まれ持った真なる単一(さいのう)を解き放て!!】

 

 必殺(零落白夜)必殺(獣王爪牙)

 これより、決戦。

 

 

 

 

 

 







4-11『真・白式』

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