インフィニット・ストラトス クレイジージーニアス   作:グ・ラン

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仮面ライダーゼッツ最終話を迎えましたね。私は序盤まで観ていましたが、デジモンを観始めてそこから未視聴になりました。改めてゼッツ1年間お疲れ様でした、そして来週のマイス楽しみにしてます!今回7話が書きたい事が纏めきれず前回の零落白夜同様、前篇と後篇に分けて投稿いたします。後篇は早めに投稿しますのでもうしばらくお待ちください。それでは前篇をお楽しみ下さい!


第7話【激突する狼と龍】前篇

クラス対抗戦 前日のある教室にて…

人気の無い事を確認した2年生と思われる生徒が鞄を取り出すと何枚ものチケットを取り出し、ニヤリと笑みを浮かべて話し込んでいた。

 

「手に入れたの?アレを」

 

「勿論。じゃーん!明日のクラス対抗戦で行われる織斑君対凰鈴音のアリーナ席のチケットよ」

 

「こ、こんなに!?どうやって手に入れたの?」

 

「色々とツテを使ったり後輩とクラスメイトからカツ…ううん、交渉して手に入れたの」

 

とチケットを手に入れた女生徒は話を戻すと友達と思われる生徒に話す。

 

「今年のクラス対抗戦の注目株はなんといっても織斑君の試合、彼の試合見たさに客席は既に満員状態だからねぇ」

 

「そこで考えたのが、何人かの生徒から指定席のチケットを買い上げてそれを予約できなかった生徒に高く売りつけるってことよねぇ」

 

「あとは当日に非合法の賭博を開けば…」

 

「私達の懐は温まるって事ね」

 

「越後屋ぬしも悪よのう」

 

「いやいや、お代官様ほどでは…」

 

「「ハハハハハハ」」

 

なんとこの2人は交渉もといカツアゲによって手にしたチケットで自分たちの懐を潤そうと企んでいたのだ。更にはチケットが取れなかった下級生相手に値段を釣り上げての転売行為と賭博を企てていたのだが…そうが問屋は卸させないのがここIS学園である。何故なら…

 

「ほう今の話、詳しく聞かせてもらおうか?」


 

「「!?」」


 

2人は背後から聞こえてきた声に驚き、ブリキのオモチャのような鈍い動きで後ろを振り向くとそこには…

 

「「お、織斑先生!?」」 


 

サンバも踊れる暴れん坊な将軍すら霞む大将軍千冬が居たのであった。


 

「織斑先生、その…」


 

「これにはですね、深ーい事情が…」

 

2人は何とかして今の絶望的な状況を打破しようと考えるが不正や悪事を見逃さない鬼将軍と化した千冬はというと…

 

「最期に言い残すことはあるか?」


腕をポキポキと鳴らしながら目が全く笑っていない笑みを浮かべて死刑宣告を2人に出すのであった。

 


「「ギ…ギャアァァァァ~~~~!!」」


 

その後2人は謹慎処分を喰らったが当分の間、部屋から出ることが出来ないほどの恐怖に襲われることになるのはまた別の話である。

 

翌日、クラス対抗戦第2アリーナピット内

 

「うわぁ、満員御礼だなぁ。」


 

「そりゃなぁ、一夏ちゃんの活躍を観ようとアリーナのチケットは完売済みで中には転売してまで売り捌こうとしとったアホもおったくらいや」

 

俺は既に白式を展開した状態でピット内のモニターで観客席の様子を見ているとがアランが声を掛けてきたけど、俺の試合っていつの間にチケット出てたんだよ。しかも転売までして売ろうとしたのかよ!転売は良くないぞ、弾の奴も確か小遣いと店の手伝いをしてようやく貯めて推しのアイドルが出演してるライブチケットを買おうとしたら完売済みでネットオークションで高値で売られてるの知って怒り狂ってたな…と耽っていたが改めて観客席の様子を確認すると大勢の生徒が俺と鈴の試合を観に来たと考えると…

 

「うぅ、なんか緊張してきた…」

 


「そんなことを気にしている場合じゃないぞ一夏。もっと胸を張らんか」

 


「一夏さんなら心配有りませんわ。一夏さんはわたくしをあと一歩まで追い詰めた方ですから自信をお持ちください」

 

「あとはお前の腕次第や一夏ちゃん!勝ったら祝杯のシャンパンあげようやないか!!」

 

箒とセシリアが俺を鼓舞すると俺はハッと振り返り、この日まで俺との訓練に付き合ってくれた事を思い出した。アランとセシリアからはISの基本動作と中・遠距離戦闘の対処法、箒からは刀の間合いと特性を徹底的に叩き込まれて来た。クラス代表決定戦以降、俺は負けた悔しさをバネにして自主練やISについての知識を学んできた。そして3人とも忙しいのにも関わらず俺の為にわざわざ時間を空けて特訓に付き合ってくれたんだ、今まで積んできたこれまでの時間を無駄にはしない!

 

「箒、セシリア、アラン…行ってくる!」


 

「ああ。必ず勝て!」

 


「一夏さん、頑張ってください」

 


「行ってこい!お前はやれる!!」


 

俺は3人に向かって伝えると各々の返事が返ってきた。俺は嬉しさのあまり自然と笑みが浮かび上がってくる…俺は白式を展開してピット内にあるハッチへ進むとPICを活かしたカタパルトへ身を任せてアリーナへと発射されのだった。

 

第2アリーナ内


「待ってたわよ一夏!」

 


そこには既に自分の専用機に身を包んだ鈴が待ち構えていた。


「第3世代型IS【甲龍(シェンロン)】それがお前の機体か」

 

 

「そっ、この【甲龍】はアンタの【白式】と同じ近距離戦を得意としたパワータイプの機体よ」


 

俺はハイパーセンサーを通して空中ディスプレイに入ってくる情報で鈴の機体を確認すると鈴は自慢げに答え出す。

 


「機体の特徴を説明して良いのか?」

 

「無問題よ。それにアンタと真剣に試合するんだから、先にネタばらししても問題ないでしょ?」

 


「それもそうだな」

 

鈴の隠す気も更々無い言葉に納得する。昔からフェアな勝負をしたがるもんな…それもあってか俺と弾と3人でやった某多人数格闘ゲーム(ス◯ブラ)じゃ直ぐやられてギャン泣きしてたなぁと振り返っていると鈴は俺に忠告を告げる。

 

「一応知ってると思うけど、ISの絶対防御も完璧じゃないの。シールドエネルギーを突破できる攻撃力があれば、操縦者に直接ダメージを与えることも出来るの」

 


「ああ重々承知だ。全力で来い、鈴!!」

 


「アンタがそんなんでビビる奴じゃないって知ってるからね。本気で行くわよ、一夏!」

 


【1年1組織斑一夏対1年2組凰鈴音 試合開始までカウント5秒前…4、3、2、1…試合開始】


 

空中ディスプレイに映るカウントが0になった瞬間、試合開始のブザーが鳴り響き真剣勝負が幕を開ける。


 

 

ガキィン!!

 

 


俺は瞬時に【雪片弐型】を展開して初撃を与えようとするが鈴も同じく瞬時に近距離戦闘用の青竜刀型ブレード【双天牙月】を展開して初撃を防ぐ。

 


「ふぅーん、やるじゃん一夏」

 


「お前もな鈴、やっぱ代表候補生は伊達じゃないって所か」

 


「当たり前よ。あたしを舐めて掛かるとすぐに負けるわよ!!」

 


鈴は雪片を弾き返すと、左手に持つもう一刀の牙月と右手の牙月で猛攻撃を繰り出す。
手数の多さと隙を見せないラッシュで手も足も出ずにいた…まずい、ここは一旦距離を取って体制を立て直さないとすぐに負ける。俺は鈴から距離を取ろうと後ろに下がろうとしたその時…

 

「甘いわよ、一夏!!」

 


鈴が一言発すると【甲龍】の非固定浮遊部位にある真ん中の発射口がぱかっと開いた瞬間、突如目に見えない謎の衝撃を喰らい軽く吹き飛ぶ。

 

【白式シールドエネルギー残量 530/600】

 


「今のはジャブだからね」

 


鈴が一言を発した次の瞬間、また中心の発射口が開き、今度はさっき喰らった衝撃よりも強大な衝撃を俺に向けて放つ。

 


「そしてこれが…本命のストレートよ!!」

 


「ぐああああぁぁっ!!」

 

【白式シールドエネルギー残量 398/600】

 

まともに受けた俺は吹き飛ばされて地面に叩きつけられた。今の攻撃は一体なんだったんだ…発射口が開いた瞬間、身体に大砲の直撃を受けた感覚に俺は鈴の攻撃に対処できずにいたが鈴は俺に考える時間を与える暇もなく接近戦を仕掛けてくる。くっ、このままじゃまずいぞ…

 


「なんだあれは!?」

 

「あれは衝撃砲ですわ」

 


ピット内にあるモニタールームで試合の様子を見ていた箒は驚愕の声を挙げて鈴の技を確認しているとセシリアが箒の疑問に答える。

 


「【衝撃砲】は空間自体に圧力をかけて砲身を生成して、余剰で生じる衝撃を砲弾として発射する第3世代型の試作兵器や。しかも衝撃砲は砲身も砲弾も全く見えない兵器で目視はほぼ不可能。しかも凰の奴、無駄無く衝撃砲を打つだけやなく近接戦と組み合わせてコンビネーションも的確や」

 

(一夏…どうか無事でいてくれ……)

 


アランの的確な状況判断に息を呑む箒であったが、箒はセシリアの時よりも激しい戦闘を繰り広げる一夏の光景に勝利云々よりもただ一夏の無事を祈るばかりでいた。

 

第2アリーナの一夏と鈴の戦闘で盛り上がる中、訓練機を保管してある格納庫内では1人の生徒がスマホに映る一夏と鈴の試合を観ていたが生徒の表情は怒りに満ち溢れていた。

 

「クソっ!?何が中国代表候補生よ!何が専用機持ちよ!!人口の多さがインドの次に多いくらいしか取り柄の無い原始人共にこの私が負けた挙句、クラス代表を降ろされるなんて…」

 

生徒の名前はグエン・アム・フオン。1年2組に在籍するベトナム国籍の生徒であり、鈴がクラス代表になる前の前任者である。フオンは鈴への怨みが詰まった声を挙げてスマホを地面に叩きつけて鬱憤を晴らすが、気は晴れず画面が割れたスマホへ怒りをぶつける悪循環を繰り返していた。

フオンは収まらない苛立ちを訓練機であるラファールにぶつけていたその時…

 

「なら私がチャンスを与えよう」

 

「!?」

 

フオンは背後から聞こえてきた声の主が何者か確認する為、振り返ると蛇を彷彿させるマスカレードマスクに全身を覆い隠すローブを身に纏った人物こと女聖教幹部セイレーンが立っていた。

 

「だ、誰よあんた?それに私にチャンスを与えるですって?やれるもんならやってみなさいよ!」

 

「そう囀るな。お前にこれを授けてやろう」

 

セイレーンは教団から支給された異形のマスクをフオンに渡そうとしたが、フオンはマスクのデザインに嫌悪感を感じたのかマスクを弾き飛ばそうとしたが…

 

「このままで良いのか?お前が自力で掴み取ったクラス代表の椅子を偶々、運良く専用機持ちになれた小娘に奪われたままで」

 

「………この仮面は何なの?気味が悪いけど」

 

「この仮面はお前本来の力を最大限引き出すアイテムだ。これされあればお前は簡単に無敵になれる」

 

セイレーンはフオンへ再度マスクを渡すと無敵なれるという言葉の魅力に負けたフオンはマスクを手に取り被ろうとした次の瞬間…マスクの内側からチューブが伸び、フオンの顔に縫いつくように貼り付くと痛みに悶絶してもがき苦しむ様を見てセイレーンは不敵な笑みを浮かべるのだった………

 

試合が始まって10分経った頃、俺は次第に鈴に追い詰められていた。


 

「へぇ~、やるじゃない。この【龍咆】は目に見えない砲身と砲弾が特徴なのに」

 


鈴は余裕な表情を見せつつも冷静に俺を追い詰めていく。白式も鈴の衝撃砲とブレードの斬撃で傷や凹みが目立っているのに対して甲龍は一太刀受けた傷だけでまだまだ余力を残していた。

 

【白式エネルギー残量 286/600】

 

【甲龍エネルギー残量 536/600】

 

ハイパーセンサーで大気の歪み等を調べてるけど、反応が遅すぎる…これじゃあ攻撃が来てからわかってるようなもんだ。何処かで手を撃たないと…俺は一発逆転の好機を考えていたその時、対抗戦が始まる3日前に千冬姉から直接教わった技を思い出した。瞬時加速だ!この状況を打破するとしたら…これしかない。

瞬時加速(イグニッション・ブースト)】千冬姉が現役時代、モンド・グロッソ杯で使っていた加速技能技術でスラスターから放出したエネルギーで直線加速する技だが、向かってくる方向とタイミングを読まれるとかわされて迎撃されるリスクもあるが使いどころを間違えなければ代表候補生クラスとも渡り合える力を持つとっておきの切り札だ。
だがこの技が通じるのは1度のみで2度目は無い…俺は龍咆の砲撃を掻い潜って体勢を立て直すと雪片を構える。

 


「鈴!!」

 


「なによ?」

 


「本気で行くからな」



 

「そんなの当たり前じゃない!格の違いを見せてあげるわ!!」

 

俺は迷いを捨てた真剣な表情で鈴を見据える。それに対して鈴は新体操のバトンのように2刀のブレードを軽々と振り回して構え直す。
空気が張り詰める中、俺は鈴が衝撃砲を放つ前に距離を詰めて瞬時加速を使って一気に距離を詰める。衝撃砲を撃った後の僅かな硬直時間を狙って逆転の手を撃とうと隙ができた鈴に一太刀浴びせようとしたその時……

 

ズドォォォォォォン!!

 

「「!?」」


 

突如、アリーナ全体に地震に近い震動が走ると
俺と鈴は突然の事に驚愕な表情を浮かべていたがすぐに地震の原因と思われる存在にハイパーセンサーが捉えると土煙が上がってその姿を現す。その姿は不気味な仮面を被って、全身をどす黒いチューブで覆い尽くして訓練機のラファールに搭乗した存在だった。

 

『ヒヒ、ヒャハハハハ…見つけたぞぉ、凰鈴音!!お前は私の手でこ、こ、こ、殺してやるゥゥゥゥゥ!!』

 

「誰を殺すですって?軽々しく物騒な事言ってんじゃないわよ!」

 

鈴は相手の狂気に満ちた発言に対して衝撃砲を放つと直撃を受けて吹き飛ばされる。がしかし…

 

『キ、きき、効かないなぁ〜〜!今の私は無敵ィィィィィィ!!』

 

異形の訓練機と化した存在は何事も無かったように起き上がり、地面に向けてチューブを突きつけると地面から無数のチューブが生えて鈴に襲い掛かる。

 

「危ねぇ鈴!」

 

俺は雪片でチューブを叩き斬ると切断されたチューブの破片が観客席へと落ちようとしたが、鈴の衝撃砲でチューブは粉砕された。

 

「爪が甘いわよ一夏!でも、助けてくれてありがとう…」

 

「礼を言うのは後だぞ鈴。今はあいつを何とかしないと…」

 

「わ、分かってるわよ馬鹿!それにしても何なのアイツは、あたしに殺意を向けてるみたいだけど」

 

確かにそうだ。アイツは鈴を目の敵にして攻撃を仕掛けて来た。鈴は身に覚えが無く、相手の正体が分からないみたいだが…そうこうしている内に存在改めて敵機は自分自身にチューブを突き刺すと身体を肥大化させて行き、ISに搭乗した俺たちより一回り大きくなって襲い掛かってきた。しかも今度は観客席もお構い無しに巻き添えにするつもりだ。そんな事させるか!俺は観客席へ襲い掛かる敵機の右腕を雪片で防いで生徒達が避難できる時間を稼ぐ。

 

「鈴!オープンチャンネルで直ぐに山田先生に試合中止と教員部隊の増援を要請するよう連絡してくれ!今は観客席にいる生徒が避難できる時間を稼ぐんだ」

 

「分かったわ。山田先生!直ぐに避難指示と教員部隊の増援を…はあ!?教員部隊の連絡がつかない、しかもセキュリティの防衛プログラムがハッキングされて誤作動を起こしてるってどうなってんのよ!!」

 

鈴は山田先生に連絡をしたが、教員部隊と連絡がつかない上にセキュリティが誤作動を起こして避難口が閉鎖されているだと…一体何がどうなっているんだ……

 

 

その頃、IS学園内の格納庫では教員部隊が各自訓練機に搭乗できる準備を整えていたが…

 

「うぅっ、お前は一体…」

 

待機していた教員達は訓練機に搭乗する前に全員が全身を痙攣させており、身動きが取れずにいた。そんな様子を女聖教幹部セイレーンが見下ろして眺めていたが自身の足元にいた教員への質問に対して顔面を蹴り上げて気絶させる行動で返答した。

 

「これでしばらくは増援は来ない上に観客席にいる生徒共も避難が困難な状況に陥った。さてどうする織斑千冬…貴様の判断で大事な教え子と弟を失うハメになるぞ」

 

なんとセイレーンは手にしたノートパソコンを用いて学園の防衛プログラムをハッキングしていたのだった。そんな状況を生み出した元凶は素顔を晒した口元でニヤリと笑みを浮かべて高みの見物をとっていた。

 

 

時は存在こと敵機が乱入して来た直後に遡る…

第2アリーナ ピット内

モニタールームから映った光景にアラン達は驚く中、千冬は直ぐ様クラス対抗戦の中止と真耶に向けて訓練機に搭乗した教員部隊への突入を指示していたが既に防衛プログラムがセイレーンにハッキングされており、教員部隊もセイレーンの手によって全員が身動きが取れずにいる事と学園外部への通信も遮断された状況であった。

 

「凰さん、申し訳ありません。教員部隊への連絡がつかない上に学園内の防衛プログラムが何者かにハッキングされていてセキュリティが誤作動を起こしています」

 

『はあ!?教員部隊の連絡がつかない、しかもセキュリティの防衛プログラムがハッキングされて誤作動を起こしてるってどうなってんのよ!!』

 

「すみません。今、3年生の精鋭班がクラッキング元のウイルスを消去してセキュリティの誤作動を解除している最中でして…」

 

真耶は鈴へ謝るとハッキングの元凶であるウイルスへ消去プログラムを作成してセキュリティの誤作動を解除する事を伝えるが敵機の猛攻は止まらず激しさを増すばかりであった。

耐えかねたセシリアが千冬に対して直ぐ様自分を増援として回すように提案するが……

 

「仮に教員部隊と連絡が繋がってもお前は突入隊に入れないから安心しろ」

 

「な、なんですって!?」

 

「お前の専用機【ブルー・ティアーズ】は1対多向きだ。多対1ではむしろ邪魔になる」

 

「そ、そんなことはありませんわ!!このわたくしが邪魔だなんて……」

 

「では、お前は連携訓練をしたのか?その時のお前の役割は?ビットはどのように使う?味方の構成は?まだまだあるぞ」

 

「わ、わかりました!もう結構ですわ!!」

 

千冬の冷酷な宣告に対してセシリアは激しく異議を唱えたが、それに対して千冬は少し苛付きのある声で返答するのだった。

 

千冬の質問攻めにセシリアは反論の余地は無いと悟りすぐに両手を揺らし降参のポーズを取ると「ふん。わかればいい」と千冬がセシリアに質問攻めを終えてひと段落したがある人物に声を掛けられる。

 

「ほんなら千冬先生、今がそのチャンスとちゃいますか?セシリアの多対1への戦闘対処は実戦で身につけるのが一番でしょうに」

 

その人物はアランであった。アランの突拍子もない声に千冬はアランへ視線を向ける。

 

「何?貴様、正気で言っているのか?」

 

「正気も何も他に手はないお手上げ状態、そないな状況を打破するにはゴリ押しで行くしかありませんやろ?それに…例のブツがようやく完成したんでねぇ、直ぐに一夏ちゃん達の応援に行けますわ」

 

アランは自身の懐に入れていた懐中時計を取り出すと内側から緑色の光がかすかに漏れて自信満々な様子で答えていた。

 

「………いいだろう。スミス!お前に織斑・凰の増援を任せる。オルコットと篠ノ之はスミスのフォローに回れ!篠ノ之は直ちにISスーツに着替えて格納庫にある訓練機の打鉄へ搭乗しろ」

 

「「はい(承知しましたわ)!」」

 

「織斑先生!?正気ですか!この状況下でスミス君達を向かわせるなんて…」

 

「責任なら私が取る。すまないが私の独断に付き合ってくれ真耶」

 

「そう言われたら協力するじゃないですか先輩…分かりました織斑先生!織斑君・凰さん聞こえますか?この後、スミス君達が増援に向かいます!それまで敵機への対応をお願いします」

 

『分かりました!俺たちで何とか食い止めます。って事だ行けるよな鈴?』

 

『誰に物言ってんのよ?やれるに決まってんでしょ!足引っ張るんじゃないわよ一夏!!』

 

一夏と鈴は再度自分達の武器を構え直して敵機へ攻撃を仕掛けて時間稼ぎを始める。その様子を見たアランは自身の両腕を部分展開すると…

 

ドゴォォォォォンン!!!

 

ロックが掛かったピット内のシェルターを強引に殴り飛ばして無理矢理こじ開けると、その光景を目の当たりにした千冬以外は信じられない様子であった。

 

「まっ、待ってください!確か学園内のシェルターは深海の水圧にも耐えれるよう並みの兵器では傷がつかない筈ですよ、それを突き破るなんて…」

 

「さっ、行くでモッピー、セシリア!一夏ちゃんが俺らの助けを待っとるで」

 

「常識はずれの行動を目の当たりにしましたが、今は放っておきますわ!行きますわよ箒さん」

 

「言われずとも分かっているセシリア…ってアラン!いい加減にモッピー呼びをやめんか貴様は!」

 

3人はピット内を後にして直ぐ様、一夏達の増援に向かう。その様子を見送った千冬は備え付きの給湯器のお湯をカップに入れてインスタントコーヒーを飲むと直ぐに吐き出す。入れたコーヒーに砂糖を入れた筈が間違って塩を入れていたのであった。その光景を目の当たりにした真耶は千冬へ内心、動揺している事となんだかんだで一夏を心配している事をつい口を滑らせて喋ると八つ当たりで塩入りコーヒーを無理矢理飲まされたそうな……

 

 

俺とセシリアとモッピーは一夏ちゃん達の増援に向かおうと訓練機が保管された格納庫へ着いたが、増援として出撃する筈やった教員部隊が全員麻痺状態で倒れていた。かろうじて意識を取り戻した教員から話を聞くと、待機中にローブと仮面で全身を隠した不審者が突然姿を現して捕まえようとした途端、目眩と吐き気がする程の倦怠感に襲われて身体の自由を奪われて何もできなかったとの事やった。

 

その不審者っちゅうのも気になるな…せやけど今は一夏ちゃん達が心配や、俺は気を取り直してISスーツに着替えたモッピーに訓練機の打鉄に乗り込むように伝えてアリーナへのシャッターをこじ開けようとしたその時…専用機の待機状態である懐中時計が内側から赤い光を放つ。これは間違いない、また別の不審者が出た合図や

 

「セシリア、モッピー悪いけど先に行っといてくれ。俺は外せへん急用ができてもうたわ」

 

「こんな時に急用だと!?何をふざけているんだ!」

 

「待ってくださいな箒さん、アランさんがこんな状況でふざけた事を言うなんてあり得ませんわ。何か事情があるのですねアランさん?」

 

「察しがええなお前は…何心配すんな、直ぐに追い付くから先に行っといてくれ」

 

俺の言葉にセシリアは短く頷いて直ぐにブルー・ティアーズを身に纏ってライフルとビットによる一斉射撃でシェルターを破壊して一夏ちゃんの元へ向かう。その直後、格納庫の扉を突き破って何かが姿を現す。その正体は全身を黒色で統一したボディに両腕が二回りも大きくなった剛腕に全身装甲で覆われた不気味なISやった。未確認機の目が光った途端、右腕から高出力のビーム砲が放たれたが俺は直ぐに自分の専用機を纏って攻撃を防ぐ。

 

「おいおい、こないな狭い場所でビーム撃ち込むなんてどういう神経しとんねん自分。おイタにしても笑えんぞボケ」

 

俺は身動きが取れない教員達を巻き添えになる事を防いで拡張領域からタワーシールドを呼び出して攻撃を防ぐと未確認機は躊躇いもなくビームを打ち込んで来よった…その様子に俺は頭に来て…

 

「ええ加減にせえや!このボケェ!!」

 

と鉤爪付きガントレットを両腕に装着して格納庫から離れるように殴り飛ばした。殴り飛ばされた未確認機はダメージを負っても直ぐに起き上がって剛腕で殴り掛かるが無機質な殴り方やったからカウンターを入れて殴り返すとまた直ぐに起き上がりおった。何やコイツ、まるで感情がないロボットみたいな動きしよるな……

 

「お前、誰の差し金や?女聖教の鉄砲玉か?それとも…」

 

『……………』

 

俺の質問に対しても未確認機に搭乗した不審者は沈黙を貫き通す。だがその沈黙は直ぐにビーム砲という返答で返して来よった。せやから狭い場所でビームを打ち込むなや!俺はビームが当たる寸前で回避して、掌に仕込まれたビーム砲の発射口に鉤爪を突き刺して誤爆させた。多少俺も絶対防御が発動するダメージを受けたがかすり傷にもならんわ!

 

『…………』

 

「これでもダンマリを決め込むか、せやけどもうビームは撃てへんで。観念せえや」

 

俺は破損した鉤爪を取り外して拡張領域から生身でも使い慣らした得物である棍を取り出す。

 

「さぁーて、じっくりコトコト話を聞くとして…俺の実戦テストサンドバッグ2号としてスパークリングに嫌でも付き合ってもらうで」

 

得物である棍を軽々と振り回すと未確認機は残った腕で襲い掛かるのだった……フルボッコにして吐かせたるわ

 

後篇へ続く

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?少しばかし無理くりな進め方ではございましたが、名前だけのオリキャラを投入しました。pixivで投稿していた作品では準レギュラーポジが元2組のクラス代表でした。果たしてアラン達はこの危機的状況をどう乗り切るのか後篇もお楽しみに!

最後に千冬の制裁を喰らって謹慎になった女生徒の名前と元ネタでシメとします。

越後屋ヨノ 2年1組の生徒。チケットを後輩と気が弱いクラスメイトからカツアゲして転売しようとしたが千冬の制裁によりしばらくは千冬の授業には出れなくなった。

名前の元ネタは『越後屋、ぬしも悪よのぉ』→【越後屋、よのぉ】→【越後屋ヨノ】

小田井カンナ 2年3組の生徒。越後屋の友達、1年生の時は同じクラスであったが2年になった時にクラスが変わったが休憩時間ではいつも越後屋と連んでいる。好きな食べ物は金箔入りのまんじゅう
越後屋同様、千冬の制裁を喰らって謹慎処分となったが後日チケットをカツアゲした生徒達に頭を下げて謝罪行脚をした。根はそんなに悪くない生徒である。

名前の元ネタはお代官→【小田井かんさま】→【小田井カンナ】
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