インフィニット・ストラトス クレイジージーニアス 作:グ・ラン
今後は前書きにあらすじを書いていく展開で考えてますのでよろしくお願いします
2022年 4月7日 IS学園内教室 1年1組にて…
うぅっ、正直マジで居づらい…皆さんこんにちは、って誰に挨拶してんだって野暮なツッコミはよしてくれよ。俺の名前は織斑一夏。俺の記念すべき高校生活はクラスメイトが全員女子だらけの状況から始まりました…
事の発端は俺が本来受験する高校藍越学園の入試試験へ向かっていた時だった。試験会場に向かっていた筈の俺は道に迷い、近くに居た受験官と思う女性に声を掛けて場所を聞いたら顔を見ずに案内したのか、俺の顔も見ずに雑に場所を教えられて進むと甲冑のように飾られたISが大広間に鎮座されていた。何度かニュースで見た事あったが実際に間近で見た事が無かった俺は興味本位にISに触った瞬間…
なんと鎮座していたISが突如、息をするように動き始めて俺の頭に膨大な知識の波が流れ出した。ISの稼働する音に駆けつけた試験官が俺を驚く様子で見た後、大勢の試験官やお偉いさん達が次々と現れて、俺は一日中別室に軟禁される事になり藍越学園への試験は結局間に合わず第二志望にしていた高校を受験しようとしていたら俺の姉にあたる千冬姉がこの学園【IS学園】の推薦状を持って入学しろと有無を言わさず入学する事になり現在に至るが…
何て話しかけりゃ良いんだよ!?女子30人以上いる中、男は俺1人だけって何の罰ゲームですか?俺は唯一の顔見知りである幼馴染の箒に救いの目線を向けるも当の箒はプイッと俺の視線を避けると来た。畜生っ!この薄情者め!!俺は今後の学園生活をどうしようかと頭を悩ませていたその時…
「織斑君、織斑一夏君。へ、返事をして下さい。今織斑君の順番ですのでクラスの皆に自己紹介をお願いします」
教壇の上に立つ女性が俺に声を掛けるのだった。彼女の名前は山田真耶。このクラスの副担任を務める先生だが、低身長に童顔と言った見た目で一見、成人した女性には見えないが胸元にあるπは大人サイズだと言っておく。俺は山田先生の低姿勢すぎる様子に気を取り直してクラスメイト達に挨拶することにする。なぁーに、性別が違うだけで同じ人間同士きっと心は通じ合える筈だ。
「お、織斑一夏です…あっ、えーっと〜…」
じーーーーー
何その続きを期待してる羨望の眼差しは!無いからな、何も無いからな!?特に真後ろに居るダボっとした学生服を着た女子!目をキラキラして俺を見るんじゃありません!!俺は何かやれよ的な空気に包まれる中、この空気をいち早く抜け出す為に息を吸い目に力を込めて一言言い放った。
「以上です!!」
ガタタンっ!!
クラスメイトの殆どが椅子から転げ落ちる結果になった。真後ろのクラスメイトはパチパチと小さな拍手をしていたが、やめて!変に気を使うのは!?俺のメンタルライフはズタボロよ!?すると俺の頭部に痛みが走る。
「あ痛っ!?」
「もう少しマシな自己紹介が出来んのか馬鹿者」
「げっ、千冬姉!?」
「実の姉に向かって、げっとは何だ馬鹿者」
俺の頭を叩いた人物の声が聞こえたので振り向くと俺の実の姉である千冬姉が黒いスーツを着て、教室に立っていたのだった。その驚きに声を上げた瞬間二度も頭を叩かれました。俺はもぐら叩きじゃないんだが…
「織斑先生、おはよう御座います」
「おはよう御座います山田先生。私が不在の間、ホームルームをお任せして申し訳ない」
「いえ、これも副担任である私の役目ですからお気になさらず」
千冬姉は慣れた様子で答えると山田先生は顔を赤く染めていたが、その様子は憧れのスターに声を掛けられて嬉しくしているファンみたいだった。千冬姉は
教壇に上がると自己紹介を始める。
「私がこのクラスの担任になる織斑千冬だ。私の仕事は君達ひよっこ共を一人前の生徒に鍛える事だ。異論、反論は一切認めん。文句があるならいつでも来い相手になってやるが、私は決して見捨てはしない。1年間よろしく頼む」
何この鬼教官、永和のご時世にこの自己紹介は色々不味いだろ、ネットやSNSで書き込まれんじゃ無いかと思っていたその時…
「「「キャーーーーー!!!」」」
クラスメイトの黄色い声が教室内に響き渡るのだった。
「キャー、本物の千冬様よ!」
「あの千冬様に鍛えて頂けるなんて光栄です」
「私、千冬様にお会いする為に大分から来ました!」
等と俺の不安とは正反対の結果だった。それにしても千冬様ってどこの塚系スターだよ。一部のクラスメイトはいつ用意したのか自前の法被に団扇まで用意していた。そんな黄色い声に包まれた当の千冬姉は
「まったく、毎度毎度呆れるばかりだ。私が担任だとこんな大騒ぎする連中が集められるのか?」
と見慣れた光景なのか呆れた様子だった。それにしても千冬姉、教師をしてるって前々聞いてたけどまさかこの学園で教師をやってたなんて全然知らなかったな…俺はその場に立ち続けていると千冬姉から席に座るよう注意を受けた。
「あともう1人、この学園に入学する事になった生徒を紹介しておく。その生徒も織斑と同じく男だが…まあ私が紹介するより本人の口から聞く方が良いな。入れ」
えっ、俺以外にもこの学園に入学する男が居る…だと…よっしゃぁ!これでボッチ飯は回避出来るぞ!俺はどんな奴が入って来るか期待に胸を膨らませていると教室の照明が突如、消え出した。突然の事にクラスメイトは騒めき出すが千冬姉の「静かにしろ」の一喝により鎮まると教室のドアが開き、その男は入り出す。但しムーンウォークをしながら…
ムーンウォークをしながら入ってきた男は軽快なステップで教壇に立つと音楽が流れ出し、いつ間にか用意していたスポットライトがその男を照らし出す。その男は190センチを越える長身に三つ編みに束ねた艶のある青い髪、ロングコートのような改造制服をステージ衣装のように着こなして伝説のポップスターを彷彿とさせるダンスで踊っていた。俺も何言ってるのか分からないが、本当に踊っていた。まるで自分がステージを彩るスターだと言わんばかりに…そして『Pow!」と決め台詞を言って伝説のポップスターを丸々完コピしたダンスを終えると暗くなった教室の照明が照らし出すと踊り切った男が決めポーズで立っていた。
「教壇は貴様のステージじゃないぞこの大馬鹿者」
「ぐふぇい!?」
その直後、千冬姉が手にしていた出席簿で頭を叩かれていた。にしても何なんだ一体…と俺が困惑いるとその男は自己紹介を始め出した。
「グッモーニン1年1組のクラスメイト諸君!俺の名前はアラン・スミス。歳は18のアメリカからやって来た愛と平和とエロスの使者にして、ISの整備に右に出るものは1人もおらんスーパーメカニックマンや!そして、世界初男でも動かせるISを開発した漢になる漢や!皆よろしゅうな!」
その姿に俺は、いやクラスメイトの殆どが唖然とした様子だった。男でも動かせるISを開発した漢になる漢、待ってくれ頭の整理が追いつかない。クラスの全員が目の前の男、いやアラン・スミスの発言に目が点になっていたが…
「自己紹介が長すぎるわ大馬鹿者」
「あぎゃん!って千冬先生、さっきから俺の頭叩き過ぎやんか。俺は叩いて治る白黒テレビとちゃうんやで!!」
「だったらもう少しマシな自己紹介をしろ、大体、愛と平和とエロスとはなんだ。学生らしい事は何一つ言えんのかお前は」
「だから最後に言うたやんか。男でも動かせるISを開発するって、それに某少年漫画やと自分の夢言うたら実現するやんか。火影とか海賊王とか、妹を人間に戻すとか」
と千冬姉と顔見知りのような様子で答えていた。しかしこの様子を見ていたクラスメイト達(主に千冬姉のファンらしき連中)はと言うと
「何、あの男。千冬様に馴れ馴れしく話し掛けて」
「男の分際で生意気よ」
「男でも動かせるISを作るって馬鹿じゃないの?」
等と陰口をヒソヒソと話し始めるが陰口を叩かれた当の本人は…
「初めまして山田先生。こんな素敵な女性が副担任だなんて光栄です。もし良ければ今晩、僕と2人っきりで今後の性教育について一晩中語り合いませんか?勿論、実技も込みで」
とさっきのベタすぎる関西弁から打って変わってのイケボで山田先生を口説いていた。しかも下ネタ込みで、山田先生はそんなスミスの様子に顔を真っ赤にして注意するが男性慣れしていないのかアタフタした様子だったが…
「教師を口説き落とそうとするな大馬鹿者」
「ごっふぅ!?」
千冬姉に再度頭を叩かれていた。
「ホームルームの時間をお前1人に懸ける程私も暇じゃないんだ。さっさと先に着け、お前の席は織斑の後ろだ」
「イテテ…はいはいわかりました千冬先生。空いとる席に着かせてもらいますわ」
ってオイオイちょっと待て!俺の後ろが空いてたのは気になってたが、まさかスミスの席だったのかよ!?俺の後ろにトラブルメーカーとも言うべき存在アラン・スミスが席に着くと千冬姉は出席簿を教壇の上に置き、途中だった出席確認を取り始めるのだった。
そしてホームルームの時間が終わり休憩時間に入った頃、教室の外からは早速IS学園に入学した男2人である俺とスミスを見ようと押し寄せていた。そんな中俺は背中を軽く叩かれて後ろを振り向くとホームルームで盛大に悪目立ちしたアラン・スミスがニコニコした笑みを浮かべていた。
「ほぉーう、自分が織斑一夏か。はじめまして俺の名前は…ってさっき言うたな。アラン・スミスや。数少ない男同士仲良うしようや。
「シ、シンデレラ・ボーイ?…って俺の事か!?」
「何や自分、ネットやSNSでどう呼ばれとるのか知らんかったんか?ISを動かした奇跡の少年【Cinderella BOY】って世界中が注目しとるんやで。知らん方が可笑しいわ」
スミスは自分のスマホを取り出してSNSのサイトを開くとそこには俺の顔を一面にした記事が載っていた。しかも内容は【Cinderella BOY】織斑一夏 IS学園に入学するとご丁寧に書かれていた。
「マジかよ。はぁ、どうしてこうなったんだか…」
「オイオイ、華のティーンエイジャーが溜め息吐いてどないすんねん。こういう時こそどっしり構えて前向きに捉えるのが1番や。そうしとる内に自分の道が見えて来るもんや」
「あ、ああ。俺の事は普通に名前で呼んでくれて良いですよ。スミスさん」
「スミスさん?何やその他人行儀は?歳は確かに自分より上やが立場は一緒や、アランでええ。こっちこそよろしゅうな織斑ちゃん」
「ちゃん付けはよしてくれ。でもよろしくなアラン」
スミスことアランは気さくな様子で俺の背中を叩くと俺もそんなアランに習って応えるとさっきまで悩んでたのが少し和らいだような気がした。すると、そんな様子を見ていた1人のクラスメイトが俺の席に近付くのだった。
「ちょっといいか?」
「え?…箒?」
「おっ、織斑ちゃんの知り合いか?それやったらお邪魔虫はちゃっちゃっと退散させて貰うわ。ほな織斑ちゃんと思う存分話すんやで」
アランは皮肉めいた事を言うと気を遣って席を立ち、廊下へと出て行く。その直後、アランを追い掛けようと廊下で様子を見ていた生徒達が一斉にアランを追い始めた。
「とりあえずここじゃ話しにくいだろ?廊下で話すか?」
「それなら、屋上が空いている。今ならまだ空いている筈だ」
「分かった。じゃ、屋上で話そうか」
俺は箒の提案を呑んで屋上へと移動する。その前に今、俺に話し掛けて来た女子、箒について話しておこう。篠ノ之箒、俺が昔通っていた剣術道場の師範の娘さんで俺の幼馴染でもある。初めての出会いはお互い良い印象は無かったが同じ道場で稽古をする内に話すようになっていった。それにしてもこうして箒に会うのも6年ぶりだな…箒はある事情で俺が小学4年の時に引っ越したんだが、久々に再会した時と変わらず凛とした佇まいにキリッとした目付き、そしてリボンで纏めたポニーテール。さっきのホームルームでは助け船を出してスルーされたが、なんだ自分から話せるじゃないかと思っていたが屋上へと移動した途端、会話が起こらず立ったままでいた。このままでは空気が不味いと思った俺はふと思い出した事を箒に言うのだった。
「そういえばさ」
「な、何だ?」
「去年の剣道大会、全国優勝おめでとう」
「知っていたのか?」
箒は俺の発言に頬を赤くして俺を見ていた。あれ?俺、なんか気まずい事言ったか?
「知ってるも何もニュースで載ってたし」
「だが、ほんの数分だけ流れただけだ」
「数分だけとはいえ、俺の知ってる人がニュースに載るのは嬉しいぞ」
「そ、そうか…フフッ、そうかそうか」
その言葉に箒は更に頬を赤くしているが何処となく不機嫌そうではない様子だった。不機嫌そうでなくて何よりだ。俺は6年振りに再会した幼馴染の気難しさを確認していたその時、2時間目が始まりを告げるチャイムが学園中に鳴り渡る。
「おっと、そろそろ2時間目が始まるな。遅れたら千冬姉にどやされる。急いで戻ろうぜ」
「わ、分かっている」
こうして俺と箒は久々の再会を数分で終えて、一目散に屋上から教室へと戻って行くのだった…
一夏と箒が屋上から教室へ戻って行く最中…そんな2人の様子を一部始終見ていた人物がいた。その人物は屋上の屋根上から姿を現して屋上のタイルへと降り立つ。
「織斑ちゃんもすみに置けんなぁ、あんな可愛いガールフレンドがおったなんて…あの娘が篠ノ之束博士の妹、篠ノ之箒ちゃんか。えーと…IS適正はランクC、適正数値は平均やけど、15歳で篠ノ之流剣術免許皆伝か。大したもんや」
その人物はアランことジャック・アルフレッドであった。ジャックは手にしたタブレット端末を取り出して箒の個人情報が記載された資料を読むと読み終えたのか端末をタップして資料を閉じるのだった。
「俺のクラスにISの超有名人2人の身内がこうも揃うとはな…何の因果か、それとも唯の偶然か、面白くなってきおったわ。この学園生活が…近いうちになんか起こりそうや」
ジャックは猛禽類のような鋭い目付きで笑みを浮かべるとロングコート状に改造した上着を羽織り、屋上を後にするのだった。その後教室に戻るのが遅くなった理由を千冬から問われた際、「トイレでダイ・ベーンと言う名の大悪魔を討伐してました」と言い訳した結果、4度目になる出席簿アタックが頭部に炸裂するのだった。
【次回予告】
ジャック…オホン、アラン•スミスや。記念すべき第1話が始まって華の学園生活が始まるでぇ〜と喜ぶのも束の間、何やら高飛車なお嬢様キャラが織斑ちゃんに因縁吹っかけてきおったわ。それに対して織斑ちゃんはどう対処するんや?
次回、第2話【誇り高き代表候補生】
次回もまた見てや〜ジャンケン・POW!!
※ストーリー内に登場した永和は、クレイジージーニアス内における日本の元号になっております。名前の由来は令和から取り、永遠に続く平和を略して永和と付けました。