インフィニット・ストラトス クレイジージーニアス   作:グ・ラン

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第4話【零落白夜】前篇

一夏とセシリアが第3アリーナで試合を行っている最中、隣の第4アリーナ内の格納ピットにてある2人の人物が話をしていた。

 

「これがマザーよりお前の為に託されたISだ。第二世代機とはいえ軍用にチューンナップされた上にコアにかけられたリミッターも解除してある、いかに相手が第3世代といえども所詮は試験機。お前に負ける要素は微塵も無いが…」

 

「御安心くださいセイレーン様、このクリスティーナ・ガルニシラ必ずやマザーのご期待に応えて見せます。私がセシリア・オルコットと織斑一夏の2人を始末した暁には…」

 

「ああ、お前を我が組織の幹部候補として迎える事をマザーに口添えしよう。だが、しくじったらどうなるかは理解しているな?」

 

ピット内で話す2人の内1人は、セシリアを自分が属する組織に勧誘しようとしていた上級生ことクリスティーナ・ガルニシラである。クリスティーナは女尊男卑主義者であり前々から一夏やアランの事を毛嫌いしていたが表面上には出さずにいた。そしてもう1人の人物は顔を見られたく無いのか全身をフード付きコートで身を覆い隠し、顔には蛇を彷彿させるマスカレードマスクを被り素顔を隠す徹底ぶりの人物ことセイレーンはクリスティーナに圧みを含んだ言葉で言い放つ。

 

「はい!必ずや遂行致します!!」

 

クリスティーナはセイレーンから発せられた殺気に身震いしたがすぐさま気を持ち直して血相を変えた様子で答える。その様子にセイレーンは一言『私の期待に応えて見せろよ』と耳元で呟きピット内を後にすると蛇に睨まれた蛙のようにビクビクしていたクリスティーナはその場に崩れ落ちる。

 

「ハァ、ハァ…今に見てなさいセイレーン。アンタの椅子は私が奪ってやるわ。それまで精々胡座を掻きなさい」

 

クリスティーナは誰もいなくなったピット内で本音を露わにすると組織から与えられた第二世代機【ラファール・リヴァイヴAS(アーミースタイル)】に搭乗し隣の第3アリーナ内でクラス代表決定戦を行っている標的の元へ向かうのだった…

 

試合開始から10分が経った中、オルコットの狙撃を回避しながら俺は反撃の機会を狙い、白式の拡張領域内にある近接ブレード【雪片弐式】を取り出して間合いを詰めるが俺の狙いを把握していたオルコットは俺が距離を詰めると同時に距離を取る。

 

「近接戦のみの武装でわたくしに挑もうだなんて無謀にも程がありますわ。それに…貴方はじめてその機体を扱うのでしょう?貴方の動き、機体に振り回されて活かしきれてないのは目に見えますわ」

 

「それがなんだってんだ。それだけで俺にもう勝ったつもりでいるのか?勝負は最後までやってみないとわからないだろ?」

 

「その往生際の悪さがいつまで続くかしら?遊びは終わりにしましょう!わたくしセシリア・オルコットが操るブルー・ティアーズの真髄をお見せ致しますわ!!」

 

オルコットがそう言い放つと背中に浮いていたフィン状のボード4枚が意思を持ったように動き始めてライフルと同じ青いレーザーを放つ。

 

「ぐっ!?」

 

【白式シールドエネルギー残量495/600】

 

レーザーの軌道を読めなかった俺は4発をまともに受けてしまい、絶対防御が作動してエネルギーが減ったのを空中ディスプレイに映るエネルギー残量を確認した。それにしてもなんだ今の攻撃は…さっきまでの直線の射撃じゃなく俺の死角を的確に狙って来た攻撃だった。俺がさっきの攻撃に困惑している内にオルコットが勝利を確信した笑みを浮かべてハイパーセンサーのオープン・チャンネルで回線を繋げる。

 

「フフフ、これで分かったでしょう?貴方の勝ち目は微塵も無いことが、ISを碌に動かしたことのない貴方に敬意を込めて全力で潰して差し上げますわ」

 

「そりゃどーも、俺相手に本気になってくれたって事は俺がもう油断出来ない相手だと判断したんだろ?」

 

俺の言葉にオルコットは一瞬眉を顰めたがすぐさま余裕の笑みを浮かべて背後のビットに指令を出す。俺の死角を狙った攻撃だが…一度喰らった技をそう何度も喰らうか!俺はビットから放たれるレーザーを見切ってギリギリの距離で交わすとオルコットは驚きの表情を浮かべていた。

 

「なっ!わたくしのビットを見切ったと言うのですか!いいえ、マグレに決まっていますわ」

 

オルコットはビットに視線を配ると4枚の機械羽は主人の命令に忠実に従う猟犬のように俊敏に動き俺の死角を狙うが、俺はレーザーが当たるギリギリの距離で避けたり、レーザーを近接ブレードで叩き切って攻撃を防いだ。すると今度はライフルによる狙撃が襲い掛かる…が雪片をバットのように持ち手を構えてレーザーを跳ね返した。

 

跳ね返したレーザーはライフルの銃口に命中しライフルは爆散した。オルコットは予想外の事態に驚くもライフルが爆発した瞬間、怯んで隙が出来た。俺はその隙を逃さず一気に距離を詰めて無防備になったオルコットの中腹部に胴切りを打ち込む。

 

【ブルー・ティアーズ シールドエネルギー残量 500/600】

 

ハイパーセンサーに映るディスプレイからオルコットのシールド残量の情報が開示される。ようやく一撃が決まったと俺は余韻に浸り、掌をグッと握ったその直後4枚のビットから放たれるレーザーをまともに命中した。

 

「があっ!?」

 

【白式 シールドエネルギー残量 307/600】

 

「戦闘中に油断なんていい御身分ですわね。わたくしのブルー・ティアーズに傷を付けただけでなく、あんな野蛮なやり方でライフルを壊すなんて無茶苦茶ですわ!」

 

「これは俺に訓練を施した有り難い教官達から教わったものだよ。それにその言葉そのままそっくり返してやるぜ!」

 

俺はオルコットの周囲に浮遊していたビットを全て破壊しようとしたが、俺の行動を察知したのかビットを拡散させるが4枚あるビットの内、2枚を斬り落としたが残り2枚のビットから放たれたレーザーを喰らいシールドエネルギーを消耗する。

 

【白式 シールドエネルギー残量 178/600】

 

【ブルー・ティアーズ シールドエネルギー残量 458/600】

 

ハイパーセンサーから表示されるシールドエネルギーはオルコットが有利に見えるが主武装のライフルは大破、虎の子のビットも残り2枚で武装面はやや心もたない状況だ。対して俺はシールドエネルギーが半分以下を切っているが主武装である近接ブレードはまだ残っている。この試合、まだ行ける!俺はまだオルコットに勝てる要素が残っている!俺は距離を取ろうとするオルコットに追撃を行うのだった。

 

 

第3アリーナ Aピット内

 

空中ディスプレイに映る戦闘試合をアランと箒は観戦していると小刻みに脚を震わしていた箒が我慢出来なくなったのか荒げた声で苦戦を強いられている一夏に檄を飛ばしていた。

 

「何をしている一夏!えぇい、私が教えた動きを活かせていないではないか!」

 

「まぁ、落ち着きぃやモッピー。織斑ちゃんの状況は追い込まれてるように見えとるがオルコットの虎の子でもあるビット兵器は半分しかない上に主武装のライフルは木っ端微塵になっとる。あとは織斑ちゃんの腕次第や」

 

「何を悠長にしているんだアラン…って誰がモッピーだ!私は篠ノ之箒だとあれほど…」

 

隣で織斑ちゃんの幼馴染である篠ノ之箒ことモッピーが目の前の光景に熱狂して試合を観ていた。初見の凛とした様子をかなぐり捨てて素の様子で喋っていると俺のスマホに着信が入り、画面に映るを画像を観て俺は黒い笑みを浮かべるとモッピーは俺の形相に動きが止まる。

 

「すまんなぁ、モッピー。ちょいと野暮用が出来たから試合の様子を見届けといてや」

 

「なっ!?こんな時に野暮用とはどういう…」

 

モッピーは言葉を続けようとしたが、蛇に睨まれた蛙のように身体を硬直させていた。何故なら…

 

「あぁ…ちょいとお片付けせなあかん事が起きたからなあ」

 

掌のスマホを握り潰してだだ漏れな殺気を抑え込んでる俺の姿に驚愕と威圧された表情を浮かべていたからや。と、いかんいかん愛と平和とエロスのパイオニアにして漢の中の漢である俺のイメージが台無しになってまう。俺はここで場の空気を和らげるアホの仮面を被り直す。

 

「それ終わったら織斑ちゃんの祝賀会やろうや!そんでもってモッピーの処女開通式と洒落込もうやないか」

 

「さっさと行ってこい!この変態が!!」

 

「ごっふぅ!?」

 

モッピーの右ストレートをわざと喰らって俺はピット内を後にする。

そしてこの試合に水を刺そうとするアホンダラにはドギついお仕置きをしたらんとな…

 

後篇へ続く…

 

 

 

 

 

 

 

 




約2年ぶりに投稿しました…いやぁ、かなーりブランクあってペースとアイデア等がボロボロになってます(泣)今回は前篇と後篇に分けてお送りしますが後篇は果たしていつ投稿されるのか、次回もお楽しみに!
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