インフィニット・ストラトス クレイジージーニアス 作:グ・ラン
再度書こうときっかけになったのはブレイブさんのIS作品でした。
第一部完結おめでとう御座います。
では続きをどうぞ!
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場所は変わって第4アリーナ内
軍用機をセイレーンから受け取ったクリスティーナは拡張領域内から超長距離狙撃ライフル【トール】を取り出し、隣の第3アリーナで戦闘を繰り広げているセシリアに標準を定めて今まさに撃とうとしていたが照準が定まらずにいた。
「クソっ!家柄しか取り柄のない小娘が、ちょこまかと動き回って…こうなったら、あの害虫も纏めて駆除してやろうかしら…そうすれば幹部候補どころかいきなり幹部になることも夢じゃないわ」
と自身の実力不足を他人のせいにした挙句、一夏ごとセシリアを撃ち抜いた方が自分にとってメリットが大きいと自己解釈していたその時…
「ちょっと待てや」
「誰よアンタ?このクリスティー…「クリスティーナ・ガルシコフ。3年2組にいとる上級生で隠れ女尊男卑主義者としての顔を持っとる先輩やろ?」!?」
クリスティーナは後ろから声を掛けてきた1年生ことアランに不快な様子で名前を告げようとしたが、アランは自分の名前を言い当てただけではなくクラスと周囲には隠していた自分の本性までも言い当てた。
(な、なんでこんなケダモノが私の本性まで知っているの?いや待て、私が組織に所属している事までは知らない筈…今ここで殺しておくか)
とクリスティーナは目の前のケダモノことアランを口封じで始末しようと即座に弾を装填したライフルをアラン目掛けて撃ち抜こうとしたが……
グシャァァァァァァっ!!!
目の前に拳が映り込むとクリスティーナの顔面にめり込み盛大に吹き飛ぶ事になった。
「あっ、ごめーん!殺気を感じたからつい殴り飛ばしてもうたわぁ」
殴り飛ばした張本人アランは何の悪びれる様子もなく言葉だけの謝罪をクリスティーナに向けるがその直後にアラン目掛けて弾丸が飛んでくるがアランは無造作にヒラヒラと避ける。
「こんの…犬畜生にも劣るケダモノ風情がぁぁぁ、よくも私の顔を殴り飛ばしてくれたなぁ!!お母様に一度も殴られた事もないのに」
「お前は何処の連邦軍のエースパイロットやねん。たかが顔殴られただけでギャンギャン吠えんなや」
アランはクリスティーナの金切り声に両耳を押さえると地面に手榴弾が転がり、アランがいた周囲一帯が爆発する。
「アハハハハ、ざまあみろケダモノ風情が!私を甘く見るから吹き飛ぶんだ!!」
手榴弾を転がしたクリスティーナは勝利を確信した様子で大声を挙げるが爆煙が晴れると急拵えの土壁で爆発と爆風を防ぎ、アランは無傷のままであった。内側から土壁を砕いて身を覆っていたアランは何事もなかったかのように制服に付いた砂煙を払っていた。
「ぺっ!口ん中に土が入ってもうたわ!さてと、これで正当防衛の口実はちゃーんとできたわけやし……今から俺が開発してる専用機のテスト戦闘に嫌でも付き合ってもらうで」
アランはポケットから白金色の懐中時計を取り出し、先端のボタンを押して中身を開けると同時に緑色の粒子が全身を覆い尽くしてISを身に纏うと獰猛な笑みを浮かべてクリスティーナに向かって一歩ずつ歩を進めていくのだった。
「光栄に思えよパイセン。学園内でやる記念すべき実戦テストサンドバッグ第1号に選ばれたんやからな…」
そこからはクリスティーナにとって最初で最後の戦闘になるとは思いもしなかった。
◆
場面は戻って第3アリーナ内に戻る。
状況は現在、セシリアがやや有利な状態であるが想定以上に一夏が粘った事もあり残された武装はビット2機と虎の子として未だに隠しているミサイル弾を搭載した両腰の砲門と使い慣れていない近接ショートブレード【インターセプター】のみであった。セシリアは破壊されたライフルに変わってインターセプターを手に携えて雪片を防ぎ、ビットで迎撃を仕掛けていたが一夏はビットの弾道を段々と見切れるようになっていて残りのビットを全て落とされた。
「このわたくしが素人相手にここまで追い込まれるなんて…いえ、もう素人となんて侮りませんわ。わたくしをここまで追い詰めたのは褒めて差し上げますわ織斑さん!ですが最後に勝つのはこのセシリア・オルコットよ!これで終わりにして差し上げますわ!!」
「そいつはどうも、俺も信じてくれたダチの為に負けられないんでな。お前の言う通りこれで最後だ!!」
一夏がセシリアに向けて言い放った直後、セシリアは刺突の構えでインターセプターを握り締めて一夏目掛けて突進を仕掛ける。それに対して一夏は雪片を構えて突進した際に生じる隙を狙って迎撃しようとするが…
シュルルル…
背後から自身に迫って来る何かに気付いて振り返ると2つのミサイルが一夏目掛けて迫っていた。
「引っ掛かりましたわね!残念ながらブルー・ティアーズはあと2機残ってましてよ!!」
セシリアの突進は一夏の目を欺く為のフェイクで本命はミサイルによる攻撃が真の狙いであった。セシリアの狙いに気付いた一夏はミサイルからの追跡に逃げるがミサイルの速度が速く、逃げきれずにいたがとうとうミサイルが一夏に迫り直撃を受けて爆発に包まれた。
「一夏ぁぁぁぁ!!」
そんな様子をピット内で観ていた箒は思わず悲痛の声を挙げていると爆煙が上がり、シールドエネルギーが尽きて筈の一夏が無傷のままその場に立ち止まっていたのだ。しかも搭乗していた白式も最初の時に比べて姿形が変わっていた。そんな様子に千冬はフッと笑みを浮かべて呟く。
「フッ、機体に救われたな馬鹿者め」
◆
あの時俺は確かにミサイルの直撃を受けてシールドエネルギーが尽きて負けていた筈だった…だが、俺はまだ負けていなかった。それどころか空中ディスプレイに映る菱形のパネルにタッチすると目の前の言葉がこう告げていた。
【第一移行が完了しました、移行承認を行ってください。】
俺はパネルにタッチするとさっきまで灰色よりだった白式はその名前通りに白い装甲へと代わり、機体の形状も変化していた。そして何より俺が握っていた近接ブレードも形状が変わり、無名だった筈が名称も付いていた。【雪片弐型】千冬姉が振るっていたあの雪片と同じ名前を背負っていた。
「ハハっ、俺は最高の姉さんを持ったよ」
「い、いきなり笑い出してどうしましたの?それに貴方今まで一次移行する前の状態で戦ってましたの!?」
オルコットは何やら驚いた様子で俺に話しかけていたが、今の俺には理解できないだろう。だが今すべきことは分かっている。
「俺は…俺の家族と俺を信じてくれる仲間の為にこいつを振るう」
「は?貴方さっきから何を言ってますの?」
「俺にも戦う理由が出来たってことさ。お前は何の為に戦うんだ?」
「そんなもの決まってますわ!わたくしはオルコット家を…ってそんなこと貴方に答える権利はなくってよ!!」
オルコットは我に返って残されたミサイル弾を再度俺に向けて発射するが…
「もう同じ手は引っ掛からねえ!!」
俺はミサイルが発射する手前に素早く距離を取ってオルコットに胴切りを放つとミサイルは暴発してオルコットのシールドエネルギーが減って行く。
「ああっ!?」
【ブルー・ティアーズ シールドエネルギー残量
253/600】
オルコットの武装は手に持ったショートブレード以外全て破壊したが最後の決め手にはならなかった。俺は振り返り際に空中ディスプレイに映った文字に目が入るとそこには現役時代モンド・グロッソ杯で数多くの逆転劇を繰り広げた千冬姉の切り札が映っていた。
【単一使用能力:零落白夜が使用可能です。使用しますか? YES/NO】
俺は迷うことなくYESを選択すると雪片の刀身が割れて内側から青白い刀身が現れる。千冬姉が振るっていた単一使用【零落白夜】が何故俺も使えるかは今はどうだっていい。これで決着を着ける!俺はオルコット目掛けて胴切りを放とうとするが……
【白式 シールドエネルギー残量 0/600】
何故か白式のシールドエネルギーが底を尽きて最後の一手を決めることすらなく、勝敗が決したのだった。その直後に試合終了の合図を告げるブザーがアリーナ内に響き渡る。
『試合終了 勝者セシリア・オルコット』
◆
一夏とセシリアの試合に決着が着く前に時間は遡る。その裏でアランとクリスティーナがISを搭乗して戦闘を繰り広げていたが……クリスティーナが搭乗する軍用リヴァイヴは装甲がズタズタに引き裂かれた跡とボコボコに凹んだ跡が目立ち、ライフル等の武装は全て粉々に砕かれていた。それに対してアランはISを既に展開解除しており不満げの様子であった。
(う〜ん、機体の関節部と駆動感がまだ不安定やったわ。完成まで80%まで近づいたとはいえまだまだやったのう…)
と戦闘テストの結果に満足していない様子であったがそれに対して自身のプライドと自信を粉微塵に砕かれた下手人は絶対防御が働いていたとはいえ全身はボロボロになっており仰向けになっていた。そんなクリスティーナは頭の中で
自分は崇高な組織に選ばれた高貴な存在である筈‥そんな自分が今、目の前の異物に自分の栄光なる人生を踏み潰されてありえないと言った内心で目の前の現実を受け入れられず逃げ出そうとしていたが‥
ズボっ!!
「⁉︎」
その瞬間、クリスティーナの鼻穴に2本の指が突き刺さると痛みに悶絶していると自分の鼻穴を何の躊躇いもなく突き刺した人物が姿を現す。
「おーっと、オネンネかますにはまだ早いでぇ」
鼻穴に指を突き刺した張本人アランが悪魔のような笑みを浮かべてクリスティーナを持ち上げる。
「い、痛い痛い痛い痛い!!こ、こんなことしてただで済むと思ってんのか⁉︎わ、私には強力な…」
「あぁ?なんて?強力な何?呼べるんやったら直ぐに呼んでみろやボケ。そいつもお前と同じ末路を辿るようしたるわ、そう…この鼻フックデストロイヤーエターナル・レクイエムの刑になぁぁぁぁ!!」
アランは遠心力を活かして指でクリスティーナを掴んだまま回転すると、回転した勢いに任せてクリスティーナを壁際に叩きつけた。
ドガシャァァァァン!!!
壁際に身体を叩きつけられたクリスティーナは鼻の骨を骨折するだけでなく全身を強打して身動きが取れずにいた。そんな様子にアランはニッコリと笑みを浮かべてクリスティーナの手に体重を載せて足で踏みつける。
「ギャァァァァ!!痛い、痛い、痛い!お、覚えてなさいよケダモノ!!幹部候補として選ばれた私の身に起こればどうなるか…ギャァァァァ!!!」
「ペラペラペラとよう回る舌やのう。舌に潤滑油でも仕込んどんのか?その組織は後で聞くとしてお前にまず聞きたい事があるわ。お前が搭乗しとった軍用機の入手先はどこや?まさかパパ活してゲットしましたって舐めたこと言わへんよなぁ?」
アランの容赦の無さにクリスティーナは悪態をつく気力を無くしたのか白状しようとしたその時………
タァァァァーーーン!!
クリスティーナの額に穴が開くと頭から血が溢れて出すと身体は硬直し、そのまま永久の闇に堕ちて行くのであった。アランはクリスティーナがその場で命を落とした事に一切の動揺を見せずに狙撃先の方向を探していると次の銃弾が足元に放たれたが弾道を見切って制服の裏側に仕込んでいた鉄棒で弾を弾き返した直後、狙撃先へと全速力で向かうが既に逃げられていた。
(チッ、逃げ足の速い奴や。口封じ兼アイツの監視も務めとったようやな…)
アランはクリスティーナの口封じをした人物が何者なのか考えていたその時、隣で行われていた一夏対セシリアの試合終了のブザーに耳を傾けるとセシリアの勝利で終わったことを知ると……
ガクっ!?
その場で地面に跪き
「ウ…ウソダドンドコドーーーン!!」
某不死身の怪人と戦うライダーと同じ体制で崩れ落ちるのであった。
【次回予告】
セシリア・オルコットですわ。
クラス代表決定戦はわたくしの勝利で終わりましたが、わたくし自身モヤモヤしていて納得していません。そんな時、彼の言葉が気になりわたくし自身戦う理由を見つめ直す時が来ましたわ。それとこの思いは何でしょうか?
次回、第5話
【戦う理由とクラス代表と気になる異性】
って何ですの?この予告タイトルは?
何だか妙にしっくりしてますわね