インフィニット・ストラトス クレイジージーニアス   作:グ・ラン

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夏期休暇中に筆が乗り、予想より早く書けました。今回は原作要素にオリジナル要素を加えたストーリーとなっています。私なりにキャラの心境などを考えて書いてみましたのでお楽しみ下さい。


第5話 【戦う理由とクラス代表と気になる異性】

第3アリーナに戻った俺は織斑ちゃんの様子を見に行くとセシリアに負けてこれからどうすんだと心配しているモッピーを何とかなるからそんなに心配するなと宥めていたが、収集がついてないわ。こりゃ、アカンなぁ…俺も織斑ちゃんのフォローに入ろうとしたその時、千冬先生が入ってきた。

 

「落ち着け篠ノ之、織斑が退学になるような事ではないんだ。まずは何故織斑が負けたのかその敗因を説明してやろう」

 

千冬先生の言葉にモッピーは「はい」と答えると千冬先生から負けた要因の説明が入る。敗因は織斑ちゃんが使用した単一仕様能力【零落白夜】にあるとの事やった……ってちょっと待て!零落白夜ゆうたら千冬先生の専用機【暮桜】と同じ単一仕様能力やないか!?どないなっとんねん…と俺が内心驚いとる間に千冬先生は話を続ける。

 

「お前達も知っての通り、零落白夜は私が現役時代にモンド・グロッソ杯で使用した能力で対象のシールドを直接斬りつける事で相手のシールドエネルギーを大幅に削るISキラーとも呼ぶべき力だが、自身のシールドエネルギーも消耗する諸刃の剣でもある。一歩間違えれば自身の首を絞めかねん欠陥能力だ」

 

「成程、織斑ちゃんが負けた理由は自分のシールドエネルギーが少ない状態で零落白夜を使うたからガス欠になって負けたちゅうことやな」

 

「そういう事だ」

 

千冬先生は俺の言葉にその通りやと言わんばかりの様子で返答すると織斑ちゃんは納得した様子やったが悔しい表情を浮かべとった。俺はそんな織斑ちゃんに肩をポンと叩く。

 

「まっ、今回が初めての戦闘といきなり乗った機体のスペックを全部把握するんはプロでも難しいわ。そない落ち込むことはないで一夏ちゃん」

 

「一夏ちゃんって…今俺の事をそう呼んだのか?」

 

「ああ、俺は自分が認めた相手に対しては名前で呼ぶんやけど馴れ馴れしかったか?」

 

「いや、正直嬉しかったよ。お前から認められたって言うのが…ありがとなアラン」

 

「なぁーに、ええって事よ。こんな時は美味いもんでも食うて気を紛らせようやないか!今日の夕飯代はこのアランお兄さんが奢ったんで」

 

「良いのか?ありがとなアラン!」

 

「なっ!?わ、私も混ざって良いだろうか一夏?その…なんだ、さっきは言い過ぎたすまない。だから…」

 

モッピーめ素直に謝って褒めたらええのに照れちゃって…しゃあないなぁ、助け舟出したろか。

 

「当たり前やないかモッピー!お前も一夏ちゃんを支えた立役者やで。俺が仲間外れにするはずないやろが」

 

「アラン…ってちょっと待て!一夏の事は名前で呼んだのに私をモッピー呼ばわりするのを止めないのはどういう事だ?」

 

「えぇ〜、だって俺、まだモッピーの事認めてへんもん。それに認められたかったら意中の相手に素直になる事やな」

 

「な!お、おおおお前は一体何を言い出すんだ!?」

 

「そうだぞ箒。好きな相手は誰だか知らないけど素直になって答えるのが一番だぞ」

 

モッピーは俺の言葉に顔を赤くして狼狽していると一夏ちゃんはうんうんと頷いて答えとったが……この鈍チン、お前の事じゃい!!ほら見ろ!モッピーだけやなくて千冬先生も呆れて溜め息出てるやんけ。この様子やとモッピーが一夏ちゃんを落とすのは当分先やな…それはそれとして、いくら姉弟いうても単一仕様能力まで同じなんて事は今まで聞いたこともないわ。現に姉妹で2次移行に移行しても能力は違うもんやった…これは何かしらの理由があるのかも知れへんな。織斑一夏…もしかしたらこの先とんでもない大物に化けるかもしれんな……

 

「何してんだよアラン。早く食堂に行こうぜ」

 

「おう、すまんな。今行くわ。あっ、ちゃんとシャワー浴びてから来るんやで。汗だくのまんまで来たら自腹で食えよー」

 

「分かってるって、また後でな」

 

こうして俺らのクラス代表決定戦は敗北で幕を閉じる事になったけど…まあ、何とかなるやろ。それに万一何かあったとしても俺が何とかするしな!

 

場面は変わって1年生用のある学生寮にて…

セシリアは自室内にある浴室でシャワーを浴びており、クラス代表戦に勝ったものの心底嬉しいと言った表情を浮かべていなかった。

 

(織斑一夏…何故彼はあそこまで動く事ができたのでしょうか……)

 

わたくしは本来あの試合で負けていた筈…運も実力の内と喜ぶべきでしょうが、とても喜べません。それに彼のあの目は今まで接して来た男達には無い信念の通った目をしていた…わたくしはシャワーレバーを停止位置に戻すと彼に質問された戦う理由を振り返る事にした。わたくしの戦う理由、それは……お母様が残したオルコット家を守る事、そしてあの忌まわしい事故の真相を調べるためですわ。

 

わたくしの母、ナタリア・オルコットは教育には人一倍厳しく経営学や帝王学を幼少期から徹底的に叩き込まれましたが優しさと慈愛に満ちた自慢の母でした。対して父のジェイクはそんな母の姿に頭が上がらないのか、母から強く言われただけで自分の意見をハッキリ言わず卑屈な姿ばかり見せる情けない存在でした。

 

でも3年前のある日、両親は列車事故で帰らぬ人になりました。そこからすぐに母が築き上げて来た地位・名誉・財産・利権等を我が物にせんと自称親族縁者、友人などといった金の亡者達が虫のように湧いて来ましたわ。わたくしはそんな連中から母が築き上げて来た物を守る為に必死に守って来ましたがたかだか10代の小娘では限界があったその時…イギリス政府から代表候補生の推薦状が届き、国家代表になれば正式にオルコット家の当主として任命するとの事でした。

 

わたくしは家を守ると同時にこのチャンスを掴んで見せる事を決意して血が滲む努力を経てとうとう第3代世代機である【ブルー・ティアーズ】のテストパイロットとして任命されました。わたくしはIS学園在籍中に成果を出して国家代表に任命されることばかりを考えて周りが見えてなかった中で彼は…織斑一夏は違った。彼は自分の保身や欲望の為に戦うのではなく、自分を信じてくれた仲間や家族の為に恥や外聞も無く動き回っていた。わたくしは彼のそんな姿に正直惹かれてしまった、誰かの為に必死になって足掻く姿は今まで見て来た男達とは違う…わたくしは彼の事をもっと知りたい…そして彼のように誰かの為に必死になりたい!そう考えているとわたくしは心臓の鼓動が早くなり、顔もいつの間にか赤く火照っていました。

そんなわたくしの様子に脱衣所からルームメイトの如月キサラさんが心配の声を掛けて来た事で我に返って浴室を出るとある決意が頭を過ぎりました。

 

翌朝 ホームルーム開始前の職員室にて

セシリアは教室に向かう前に職員室に向かい、千冬の姿を見つけると声を掛ける。

 

「どうしたオルコット、ホームルーム開始前に私に用とはなんだ?」

 

「実は織斑先生にお伝えしたい事がありますの」

 

セシリアは決意に溢れた表情を浮かべて千冬に一言告げるであった…

 

「えー、皆さんにお伝えします…1組のクラス代表は織斑一夏君に決まりました。……一夏と1が揃って縁起が良いですね…なーんて、アハハ」

 

そう告げた山田先生の言葉に俺は「はあ!?」と思わず口にしてしまった。えっ、ちょっと待て俺確か昨日オルコットに負けた筈だよな?負けた奴が何でクラス代表に選ばれるんだよと疑問を抱いていたその時…

 

「それはわたくしが辞退したからですわ!」

 

とお嬢様口調と気品漂うポーズらしきものをとって堂々と答えるオルコットがいた。

 

「本来なら専用機持ちと実力のあるわたくしが選ばれる事は必然でしたが、昨日の一夏さんの勇姿と最後まで諦めない姿に感銘を受けて辞退しましたわ」

 

ふーん、俺の戦闘スタイルと往生際の悪さを買われてクラス代表に選ばれたわけかぁ…ってあれ今俺の事名前で呼んでたな?

 

「それと、わたくしの事はセシリアとお呼び下さいな一夏さん。何せわたくし達同じ専用機持ちではありませんか」

 

それと何となくだが最初に会った頃に比べて口調も柔らかくなった気がする。まあ昨日の敵は今日の友って言うし、いつまでもギスギスしてる訳にはいかないよな

 

「ああ、分かった。同じ専用機持ち同士これからよろしくなセシリア」

 

「はい!一夏さん!!」

 

何だろうセシリアの嬉しそうな姿が尻尾をブンブン振り回してる犬みたいに見えたのは俺の幻覚だろうか…とそんなやり取りをしていると箒がセシリアに向かって指を指していた。

 

「待て貴様、今までと打って変わってどう言う風の吹き回しだ?何を企んでいるんだ?」

 

「あ〜ら、貴女はIS適正ランクCの篠ノ之箒さんではありませんか。企むなんて失礼なわたくしは同じ専用機持ちのクラスメイトとしてお互い頑張りましょうと言っただけでしてよ」

 

「嘘だ!その代わり用は明らかに突然過ぎだろう、さてはお前も…」

 

箒はセシリアに何かあると感じ取ったのか言いかけようとしたその時、2人の頭に出席簿アタックが炸裂すると頭を思い切り叩き込まれた箒とセシリアは両手で叩かれた頭を押さえて蹲っていた。

 

「まったく学園内の定めた適正ごときで優劣をつけるな馬鹿どもが、そんなもの私からすれば目くそ鼻くそと変わりはない」

 

いや目くそ鼻くそって千冬姉、仮にも教師だろうが。物の例えの雑さに冷や汗を流していると後ろの席に座っていたアランが声を掛ける。

 

「千冬先生の言う通りや、今のお前等はコロモンからアグモンに進化したばかりや。グレイモン、メタルグレイモンと順当に進化していかんとな」

 

って何でデジモンで例えたんだ?俺はどっちかと言うとガブモンが好きだけど…と考えていると千冬姉が手を叩く。

 

「さて、我が1組のクラス代表は織斑一夏に決まりで良いか?異論がある者は前に出ろ……フン、どうやら居ないな。これでクラス代表は織斑一夏に決定だ。それと織斑、早速だが今月末にISの模擬戦闘を兼ねてクラスの成績を判定するクラス代表戦が行われることになっている。それまでに自分の機体スペックと戦闘スタイルを身につけておくようにな、ではホームルームは以上だ」

 

と千冬姉の爆弾発言によって俺の学園生活はどんどん平穏から遠ざかっていくであった。

 

一夏がクラス代表になった同日、北京首都国際空港ではある少女がピンクのボストンバッグを肩にぶら下げて誰かを待っていた。少女の容姿は茶色の長髪を黄色の細リボンでツインテールに纏めており、身長は150cmくらいの小柄といった容姿であった。少女は自分の元に近付いてくる脂ぎった太めの体型を軍服と胸元につけた勲章でギチギチに詰め込んだ中年男性と白髪が混じった黒髪に頭の天辺が後退している苦労人とも言える中年男性を見つけるとここにいるぞと手を振るのだった。

 

「あっ、おっそーいオジさん!早くしないと日本行きの便が出ちゃうじゃない!!」

 

「ま、待ちたまえ凰代表候補生。君の無茶振りに応える我々の身にもなってくれ…良いかね、IS学園に向かうには我々との条約を優先してだな」

 

「条約?そんなものあったっけ?兎に角、あたしは一刻も早くIS学園に向かってアイツに会いに行くの!詳しい事は学園についてから教えてちょうだい…って、もう時間だわ。それじゃあ行って来まーす!!」

 

太めの中年男性に凰と呼ばれた少女はハキハキした声で颯爽と日本行きの飛行機へ向かうとそんな少女の様子に中年男性は抑えていた苛立ちを床にぶつけるが補佐官らしき中年男性に宥められるであった。

 

日本行きの飛行機に乗り込んだ少女はビジネスクラスの指定席へ案内されて席に着くと懐に入れていた1枚の写真を取り出す。その写真は中学生くらいに撮った写真だろうか少女を真ん中にして左右に2人の少年が写っていた。1人は頭にバンダナを巻き、赤い髪を肩まで伸ばした少年だったがもう1人は中学生くらいの一夏であった。少女は写真を見てクスリと笑みを浮かべて大事に写真を懐に仕舞うのであった。

 

「待ってなさいよ一夏、あたしが帰ってきたらあの時の約束果たしてもらうんだから……」

 

一夏の事を知るこの少女は一体何者なのか…IS学園に新たな風が巻き起ころうとしていた。

 




【次回予告】
山田真耶です。織斑君のクラス代表を祝おうとスミス君が就任パーティーを企画しているようです。たこ焼きに焼きそばを用意すると言ってましたが、果たしてどうなることやら…それとお隣の2組に編入生が入ってきますが織斑君とは顔見知りみたいですね。一体何者なんでしょうか?
次回、第6話
【炭水化物×炭水化物=究極の美味って言ったの誰?驚天動地!中国からの編入生襲来】の2本でお送りします。
えっ、最後これ言うんですか!?……マ、マヤマヤチャンネル〜〜〜♪
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