酒呑みで何が悪い⁉︎   作:サンダル履いたアロハの猫

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03ホームを買って何が悪い⁉︎

 冒険者に取って、必ず必要なものであり自分の命を預けるものそれが《武器》戦いの中でコイツが壊れる事は、絶望的な状況だと言えるだろう。

 そんな武器を作る事をメインにしている大手ファミリアそれが【ヘファイストス・ファミリア】である。他に鍛治メインだと【ゴブニュ・ファミリア】などもあるが一見さんお断りであるため俺には関係ない。

 その、ヘファイストス・ファミリアの(ホーム)に俺とトールは来ている。

 ん?昨日はどうしたかって、特に言う事ないぜ。せいぜい【ミアハ・ファミリア】でポーションを買ったことと、ノームの爺さんがやってる道具屋で研ぎ石と【ソーマ・ファミリア】の酒を買ったくらいだ。マジで高かったー

「なぁトール、ヘファイストス様ってどんな神なんだ?」

「ヘファイストスはいい奴だよ。天界でも神格者って有名だったし、何より天界からの神友ってだけでヘスティアを居候させてるくらいだ。」

「それ、神格者と言うよりダメ人間製造機なんじゃねーの?」

「ブハッ‼︎」

 俺の指摘にトールは吹き出した自分でも少し思っていたのだろう。

「あのヘファイストスが...ダメ人間製造機って‼︎フフフ‼︎あの天界の神匠ヘファイストスが!ダメ人間製造機‼︎ヒッ‼︎フハハハハ!」

 どうやら、完全にツボに入ったようだ腹を抱えて笑っている。おいおいこれから頼み事をする人を笑うんじゃねーよ。

 そこに、俺たちが待機していた部屋に一人の女性が入ってきた。正確に言うと女神であるが、ヘファイストス様って女神だったのかよ。まぁ、トールも女神だし今更なんだけど

 見た目は赤毛に顔を半分くらい覆う眼帯を付けてスーツを着ている。うちの主神と違って仕事ができそうだ。

「さて、貴方がトールの眷属になった子ね。私はヘファイストス。この【ヘファイストス・ファミリア】の主神をしているわ。ところでなんでトールは笑い転げているの?」

「はじめまして、俺は燕・サカミチといいます。トールが笑い転げているのは気にしないでください。そんな事より(ホーム)の話なんですけど、何処かいい場所は無いですかね。予算はこんなものでおねがいします。」

 金が入った袋を机に出して、ヘファイストス様に聞いてみる。

「そうね、この予算だと都市街から少し離れるんだけど、ここはどう?元々は、宿屋兼酒場だったから、現状二人だけなら広過ぎず狭過ぎないし、ファミリアの規模と予算的には合ってると思うけど?まぁ対して管理をしてきていないから部屋は埃だらけだと思うけど。」

 笑い疲れて、ソファに倒れていたトールがガバって起きてヘファイストス様が進める物件の用紙を見た。

「いいなここ‼︎よし燕ここにしよう‼︎」

「おい、いいのか?まだ一個目だけど他の物件の話聞かなくて」

「いいんだ!私の軍神としての勘が言ってる。ここにしろ‼︎っと」

 いや軍神の勘と物件選びは、全くの別ものだろ。

「まぁ、そっちがこれでいいなら私としても早く話が纏まるから別に構わないわ。それで何か、他に用事はあるのかしら?」

「そうだヘファイストス、今ヘスティアっている?」

「ええ、今は自分の部屋にいるんじゃ無いかしら。それがどうしたのよ?」

「いや、大したことじゃ無いぜ。ただ眷属が出来たので自慢してくるだけで。」

 おい、やめてやれよ。つーか俺が恥ずかしいから止めろって、もう行っちゃったし...。

「トール行っちゃったわね...。貴方はもう用事は無いのかしら?」

 あとは特には無いよな?あぁ、忘れてた。

「ヘファイストス様、ノラ・ゾーナという鍛治師について教えてもらえます?」

 俺がそう言うと、ヘファイストス様は驚いた顔をした。

「ノラについて知りたいなんて、珍しいわねどうしてか聞いてもいいかしら。」

 急に、どうしたのノラ・ゾーナは変人だと聞いているしその関係か?

「一昨日、槍を買いましてその製作者名がノラ・ゾーナと書いてあったので、槍のセオリーをガン無視してあの槍を作った奴がどんな人かと思いまして。」

 ヘファイストス様は、信じられない物を見た様な顔をしている。なんだよ何か問題でもあったのかよ。

「え、ちょっとまって!あの槍を買ったのホントに?」

「はい。」

「色物武器コレクターとかじゃなくて?」

「いいえ、実戦用に。」

「本当は、ステータスの詮索はご法度なのだけど、聞いてもいいかしら?」

「何ですか?」

 この世界ってステータスの詮索って、ご法度なのかしらなかった。

「あの槍って60キロはあるのだけど、貴方って新人よね?」

「えぇ、一昨日恩恵(ファルナ)を貰ったばかりですね。」

「嘘ではないみたいね...。」

 こんなこと、嘘ついてどうするんだ?とゆうか随分あの槍について知っているな、主神だからか?そう考えているとトールが帰ってきた。

「ただいま!見た感じ、話はまとまったみたいだな!それなら、ヘファイストスこのまま私たちの(ホーム)に行くから、鍵をくれ。あと掃除用具もくれ!」

「わかったわ、これが鍵ね。それとノラに貴方のこと話していいかしら?」

「ありがとうヘファイストス!ノラって確か、一昨日燕が買ってきた槍を作った変人だよな。......いいぞ!」

「おい、トール!今明らかにヘファイストス様は俺に聞いたよな。何でお前が答えているんだよ!まぁ、別に構わないけどよ。」

 そんなやり取りをしつつ、俺とトールはヘファイストス・ファミリアを後にした。

 

 残された、ヘファイストスは考えていた。何故、新人の彼があの槍を持てたのかを。なぜならあの槍は《力》のアビリティが最低でもBは無ければ使用できない制限があるからだ。

 なのに新人の筈の彼は、あの槍を実戦で使うと言ったのだ。かなり変わっている少なくてもノラくらいには変人なのだろう。

 なぜ、ヘファイストスが新人の鍛治師の作った槍を詳しく知っているかと言うと、あの槍は制限が付いている代わりにアビリティ《力》の成長を上昇させると言う物なのだ。

 《制限》これが、【ノラ・ゾーナ】が使えない物ばかり作ると言われる由縁である。用は【ノラ・ゾーナ】の武器は使用者を選ぶのだ。

 しかし、新人の鍛治師の武器を使うのは新人の冒険者だけである。そのため、ノラの武器を使う事ができない新人冒険者と同業者が広めたのが【使えない武器を作る能面ちび】と言う蔑称である。

「燕・サカミチか、この事を話したらノラはどんな反応するのかしら...。」

 

 

☆☆☆

 

 

「うへぇ〜、ここが新しいとゆうか中古の(ホーム)か?管理してないとは聞いてたが、ここまで埃まみれかよ。天井に穴とかは無いみたいだから多少補強すれば問題なさそうだな。」

「すごいぞ、燕!水場が苔むしてる!」

「ヤベーな、こりゃ今日1日では絶対終わらないぞ。」

 部屋の掃除はトールに任せて、俺は補強でもするかと思い工具を持って天井の補強に行くと、屋根に燕の巣ができていた。いくら俺の名前が燕だからってマジかよ。

 そういや、燕の巣って衛生的は良く無いし、その上ダニの発生原因になるんだよな。どうすっかな...。

 そして、俺は燕の巣を刺激刺さないように屋根の整備をしたが案の定今日一日では、サッパリ終わらなかったのでまだホテル暮らしは継続になりそうだ。

「トール、掃除の方は終わりそうか?」

「この状況を見てそれを言ってるならお前の頭はどうかしてるぜ。」

「そりゃそうだ。それとな屋根に燕の巣ができててなどうしたものかと。」

「燕の巣だって、私たちの(ホーム)にはぴったりじゃないか!とりあえず雛が巣立つまでは見守ってあげようぜ。」

 とりあえずは放置の様だ。まぁ、どっちでもいいがな。

「あいよ、それじゃそうするか。よし今日はここで切り上げて呑みに行こうぜ。」

「賛成‼︎っで今日はどこ行くよ?」

「そうだな、火蜂亭でも行ってみるか。」

 俺とトールは火蜂亭に酒を呑みに行く。

 

 

☆☆☆

 

 

 今、俺は星熊盃に酒注ぎ呑んでいる。

 火蜂亭の床には、冒険者が5人転がっている。呑み過ぎたのかな?酒が弱いならあんま呑んじゃいけないよ。HAHAHA

 嘘です...俺がやりました...どうすっかな〜この状況、とりあえず何故か(・・・)懐が潤ったから、弁償は問題なくできるけど周りからの目線が痛いぜ。

 唐突だが、ここで何があったか話そう、といっても大したことは無いのだが簡単に説明すると火蜂亭に着いた俺とトールは酒と飯を食ってたんだけど俺たちの見た目のせいか、この転がっている奴らに絡まれたのである。

 最初は俺も無視していたんだが、頭から酒を掛けられたのである。ただ、普段の俺なら笑って許しただろう。

 しかし、今の俺は酒を呑んでいる。つまり、そういうことだ【大酒呑み】の酒乱が発動したもっと言えばぷっつんした。そのまま、俺と冒険者5人組との喧嘩が始まったのである。

 ぱっと見た感じだと、ガキを5人がかりで痛ぶっている様に見えるだろう。

 だか実際は違う。Lv.1と言えども《力》のアビリティがカンストしている上、スキルで身体能力が向上されているのだ。

 結果から言ってしまうと、一人に付き一発殴った。

 一人目は、胸を殴られ肋骨が砕け。

 二人目は、顔を殴られ顎が外れ。

 三人目は、腹を殴られ吹っ飛び。

 四人目は、股間を蹴られ絶叫し。

 五人目は、腕を掴んで床に叩き付けられた。

 さて、この状況をどうしたものかとトールを見ると地面で伸びてるやつを見ながら笑っていた。流石は、軍神である喧嘩一つで特に何も思わないんだろう笑いながら酒を呑んでやがる。

 俺も面倒くさくなってきて、トールのいる自分の席に戻って新しい酒を開けた。転がっている奴と俺を見てどうしたものかと放心している他の客をほっといて。

 そんな中静寂を破るかの様に、二人の女冒険者が入ってきた。一人はヒューマンもう一人はエルフかコイツら強いな。

 近くのおっさんが「アストレア・ファミリアだ。」って言っとるけどコイツら有名なのか?

「すごい状況ね。一体何があったの?」

 店に入ってきて、いきなり事情聴取を始めた。酒場に来たんだから酒を頼めよ...マナーがなってないな。喧嘩した俺が言う事じゃ無いけどな。

 あ、おっさんが俺を指差してる。エルフが「あの子供が?」と驚いている様だ。

 褒めるなよ照れるだろ。ありゃこっち来たな、どうしたものか。

「貴方がをやったと聞きました。は本当ですか?」

 うわぁ、話しかけてきたよ。めんどくさいなぁ、トールは何も言わないし俺のやり方でやるか。

 俺は無言でエールの栓を抜き、新しいコップにそれを注いでいく。

「おい、聞いているのか!私はこれを貴様がやったのかと聞いている。」

 エルフに少し怒気が混じっているが俺は無視してエルフの前に注いだエールを出す。

「なんのつもりだ。」

 俺の行動にエルフは少し戸惑っている。だから、俺はエルフに黄色の旗の店主が殺人メイドに言った言葉を使おう。

「酒場に来たんだから酒を頼め、バカタレが。」

 俺の言葉にトールは笑い周りの客は青ざめた。それが気に食わなかったのか明らかにエルフが切れた。

「貴様!ふざけてい「ふははは‼︎」!何故笑っているのですか!アリーゼ!」

「フフフ、いやだってさ、その少年の言う通りなんだもん。」

 そう言って、俺が出した酒を一気に呑み干した。

「ぷはー‼︎うまい‼︎ありがとう少年。」

 こっちのアリーゼというヒューマンは、エルフより話がわかるみたいだ。

「私は、【アストレア・ファミリア】の団長アリーゼ、少年名前を聞いていいかな?それと何があったか聞いていい?」

 エルフは明らかにイライラしながら俺を睨んでる。こうゆう奴は、無視無視。

「俺は燕・サカミチでこっちがうちの主神トールだよ。」

「やぁ!はじめましてだな。アストレアの子供たち私は紹介に預かった通り、【トール・ファミリア】の主神トールだ。まぁ、ファミリアと言っても四日前にできたばかりだけどな。」

 俺は星熊盃の酒を飲みながらトールの話を聞いていた。エルフよ、いつまで睨んでやがる。

「話を聞きたいから、相席しても構わないかな?」

「あぁ、酒の付き合いならいくらでも構わないぞ。ほれもう一杯呑め。」

「ありがとう燕。ほら、リューも座りなよ。」

「いえ、私は遠慮します。」

 「フン」と鼻をならす、どうやらエルフは完全にヘソを曲げたらしい。まぁ、俺が悪いんだけどな!だってしょうがないじゃん、面倒になっちゃたんだから何が一番悪いかと言うとタイミングかな。

「ありゃ、ごめんねうちのツンデレ頑固ちゃんが」

「いや、こっちも悪かったな少し気が立っててな。それで、何があったかだな。それは-----」

 俺はアリーゼ達が酒場にやって来るまでに、起きた事を話した。

「って感じだけど、何か質問は?」

「私からは無いかな。他の人が言ってた事と特に違いないし、経緯を聞いた感じ悪いのはこの【ソーマ・ファミリア】の人たちっぽいしね。リューからはある?」

「それでは、神トール私から2つ聞いてよろしいですか?」

「私にか?別に構わないぜ話してみな。」

「ではまず一つ目は、貴方達は本当に四日前に出来たファミリアなのですか?」

「ん?その言葉の真意は分からないけど、間違いなく四日前できたファミリアだぜ。」

「分かりました。では、燕・サカミチ彼はLv.1であっていますか?」

「それこそ、本人に聞けよ...。まぁ、いいけどな。そうだぜ、燕はLv.1だぜ。」

「そうですか、ありがとうございます。神トールこれはお勘定です。では、」

 そう言って、エルフは金を出して出て行った。いやお前何も食っても、呑んでも無いだろ流石に受け取れないな。

「アリーゼ、アイツは何も食っても呑んでも無いそんな奴の金は受け取れない。この金はさっきのエルフに返してくれ。」

「え、あぁうん。分かったわ、お酒美味しかったわごちそうさま。」

 そう言って、アリーゼはエルフを追って店を後にした。

「さて、私たちも引き上げようぜ、ちょっと疲れたぜ。」

「そうだな、帰るか。そういえば結局アイツらこの伸びてる奴ら、放置していったな...。」

「確かに...。」

 俺たちも金を払って、火蜂亭を後にした。

 

 

 リュー・リオンは酒場の少年【燕・サカミチ】に付いて考えていた。 

 正直、かなりムカつくタイプではあったが、それはともかくとして今回彼が行った事だ。五人対一人の不利な状況で新人冒険者でありながら、一発で相手を沈めている事も十分ではあるが、それより問題なのが喧嘩した相手なのだ【ソーマ・ファミリア】これはさして珍しく無い。ただし相手にLv.2が混じっていたのだ。

 本来、レベルが一つ違えば勝利は絶望的だ。それを四日前に冒険者になった少年が覆したのだ。

 彼は、本当にLv.1なのか?

「リューいつまで、ヘソを曲げてるの?」

「アリーゼ、私はヘソを曲げてなんていません。」

「本当に〜。随分と燕を睨んでたけど〜?」

「あれは、彼の言動のせいです。それよりアリーゼはあの少年の事どう思いますか?。」

「何!リュー恋でもしたの!ショタコンになったの!」

「そういう意味では無い!アリーゼ!貴女わかってて言ってますね!」

 アリーゼは「えー」とリューをからかってから、少し真面目な顔をしていった。

「そうだね。わからないというのが本当のとこかな。」

「わからないですか?」

「うん、わからない。わからないから何も言えない。」

「そうですか...。」

「後これ」

 お勘定として払ったお金をアリーゼがリューに渡した。

「これは、私が払ったお金ですね。何故アリーゼがこれを?」

「いやね、「何も食っても呑んでも無い奴の金はいらない」ってさ」

「そうですか。」

 酒呑みの少年にまたリューはイラっとした。

 

 

☆☆☆

 

 

 俺は宿に戻って呑み直す。

 いやー、いろいろあったぜ。今日はあのままトールは下宿先に帰っていったし、数日ぶりの一人で呑む月見酒これもまた風情があっていいぜ。

 俺は【ソーマ・ファミリア】の酒を星熊盃に注いでさっきのことを思い出した。

 そういや今日喧嘩になった奴を【ソーマ・ファミリア】ってアリーゼが言ってたな。しくじったなこのうまい酒を作るファミリアとは仲良くしときたかったんだけどな。

 まぁ、やっちまった物は仕方ないし、諦めるかまたノームの爺さんが入荷したら買いに行くとするかな。

 そして今日あった【アストレア・ファミリア】あの後少し聞いて回ったらどうやら【ガネーシャ・ファミリア】とともにオラリオの治安維持を率先してやってる変わり者の集団でなんと11人の団員全員がLv.4(第二級冒険者)であるという。

 何かと俺は変わり者と縁があるらしい。

 【アストレア・ファミリア】は、このオラリオでは《Bランク》ファミリアに当たるらしい。そして、言うまでもなく俺たち【トール・ファミリア】は最低ランクの零細ファミリアである。

 全く、先の道のりは長く果てしないようだ。

 さて明日は、初のダンジョンだし今日は早めに寝るか。.....いやもう少し呑もう!

 

 




★★★

 あとがきでーす。
 今回の、お話の中に黄色の旗の店主が殺人メイドに言った。「酒場に来たんだから酒を頼め、バカタレが。」と言う。セリフを使ったんですけど、わかった方いましたかね?
 俺は結構このセリフが使わらてるマンガ好きなんですけど、あと最近新刊の12巻が出ましたし、スピンオフもあるんですよね。
 これ以上書くと長くなるのでここまでにします。
 ここまで読んでいただきありがとうございます。
 次回もよろしくお願いします。

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