芸術家提督ー英雄列伝 作:後世の歴史家(自称)
実は、構想中の外伝の方が好きだったり…
暖かく見守りください。
第一話 沖ノ鳥島海戦
定期的に侵入を試みる深海棲艦に対し、大洗、宿毛艦隊による殲滅作戦が発令された。しかし、「横須賀は防衛線を突破された際の迎撃を担うべし」作戦命令書の記載が最大戦力の参加を否定していた。
そのような中、決して弱くはない、いわゆる中堅と呼ばれる2司令官が取った作戦は、「大規模挟撃作戦」だった。
三十年来の作戦を採用し、必勝の態勢にあると豪語する2司令官に意見具申したのは、しかし現在研修中の若手士官だった。
「司令官、先程先行した駆逐隊より入電しました。未だ敵艦隊の姿が見えないようです。敵情分析が為されない今、戦力を二分したままでは危険です。一度合流した上で作戦の再検討が必要ではないでしょうか。」
宿毛艦隊旗艦 日向艦橋にてだるそうな見た目の彼が報告書を片手に珍しく意見具申する。
だか、幸か不幸か司令官はいわゆる服従を求めるタイプだった。さらに、かの大戦に多く居た楽観視が得意なタイプだった。
「日向」の援護もあり、なんとか無電封鎖を解除し、友軍艦隊に連絡を取る許可を取り付けた彼は呼びかける。
「こちら宿毛艦隊司令部。大洗艦隊、応答願う。」
ノイズのみが聞こえる。接敵を警戒する彼とは裏腹に司令官は楽観していた。
「向こうは接敵していないから封鎖を続けているのだろう。迂回運動中の我々には嬉しいことだ。何かあれば通信が入るだろう。そう、つまり我々はまだ敵に気づかれていないだけなのだ。」
「余計な心配などせず艦内を巡見してはどうかね。研修の足しになるのではないか?」
「……」
現在通過中の小笠原諸島を左に見て彼は退出した。
彼の不安要素は、各個撃破である。近年の深海棲艦には、明らかに意図されたと思われる戦術的行動を取るものがある。
司令官の楽観性が悲劇を生まないことを願うばかりだった。
実はこのとき、司令官は己の感情に従って彼を追い出したのだが、後に、海軍の未来を守ったという一点で「完全な愚将」との呼び名を回避したのだった。
後部艦橋を目指していた彼の耳に、突然敵弾接近警報が響いた。2瞬置いて衝撃と爆発音が響き、大変不名誉な「開戦早々の旗艦被弾」という異常な事態に見舞われるのであった。
断続的な攻撃の中、後部艦橋にて被害状況を確認する。そこで目にしたのは空襲警戒で密集輪形陣を取っていた大破炎上する艦艇群と、島陰から覗いた水雷戦隊、着弾観測機。そして被弾部位が艦橋であることを示す蒼白な妖精だった。
提督研修中の渡邉大佐は、楽観視していた司令官に艦橋から追い出されたことで、負傷を免れた。
短く拙い文章ですみません。
物書きって大変ですね…
結局好きな小説の構成から離れられない自分がもどかしいです。