フルカラー大激突!最初からクライマックスなヒーロー見参! 作:星野エグゼ
投稿機能になれておらず、至らぬ点もあると思いますが、どうか見守っててください。あと、今回に限りスマホでの閲覧を推奨します。
それでは、始まります。
逃走するイマジンの集団を追い、時の砂漠をデンライナーゴウカが汽笛を鳴らしながら進む。
彼ら、イマジンの目的は、過去を変えて今を滅茶苦茶にする事。時間というものは非常に重い性質であり、過去に人がひとりいなくなれば、今生きているその人の子孫も消えてしまう。
カイという男がその性質に目をつけ、大規模な破壊活動を企てた。だが仮面ライダー電王、野上良太郎らの活躍により、その野望は潰えた。
それで平和がもたらされた、という訳ではない。消滅を免れ、なおも悪さを企てる"はぐれイマジン"も未だに存在している。デンライナーが追っている集団は、そう呼ばれる個体群だ。
イマジンらは捕まるまいと方々に散り、不規則な動きでデンライナーを攪乱する。電車はまっすぐ走った方が速い。が、そうしてしまっては急な方向転換が利かなくなる。なのでデンライナーは速度を落とさざるを得ない。そしてひと度距離を離せば、デンライナーは先程まで以上に速度を上げ追走してくる。それが何度も繰り返された。このままではいつまで経っても追いつけない。
やがてイマジンらは目的の場所へ近づいていた。
ここまで追ってきたデンライナーのエンジンが熱を帯び始める。例を見ない程の酷使に冷却が追い付いていないのだ。
様子がおかしいデンライナーに勝利を確信したイマジンらは、近くにあった時空の穴へ我先にと飛び込んで行く。それを確認したデンライナーは、線路を螺旋状にぐるりと一回転させて実体化し、速度をなるべく落とさずに方向転換を成功させ、イマジンらに続いて穴の中へ入っていった。
果たして、穴の先には何が待っているのだろうか。
SHINYCOLORS
×
仮面ライダー電王
-fan fiction-
▽△▽△▽△▽△
都内某所。
二階の窓には養生テープで『283』の文字が描かれている三階建ての雑居ビルが近くに見える公園で、四人の少女と一人の女性、そして一人の男性が遊んでいた。
「ジャスティスレッド、参上!」
元気ハツラツに名乗り上げる少女は
そして日曜日の朝に放送されている特撮番組が大好きで、何より『ヒーロー』という存在に憧れている。
「ジャスティスブルー・・・・・・でございます・・・・・・」
淑やかに名乗るは
落ち着いた佇まいで、大和撫子を体現したような性格だが、少女漫画を好む意外な一面も持ち合わせている。
「ジャスティスイエロー!」
クールに名乗るは
言葉遣いが乱暴で、その見た目も相まって人に怖がられがちだが、実はいい人。
「ジャスティスグリーン!」
胸を張ってそう名乗るのは
また、20歳の大学二年生であり、この場に居る女性の中では最年長だ。
「ジャスティスピンクっ!」
愛嬌いっぱいに名乗りを上げるは
「五人そろって・・・・・・」
「「「「「ジャスティス
ジャスティスⅤとは、現在日曜朝に絶賛放映中の特撮番組である。
彼女らが行っているのは、所謂"なりきり遊び"であり決して本人達ではないが、その決めポーズの完成度は高く、今にも背後でナパーム爆発が起こりそうなくらいだ。
「ジャスティスⅤ・・・・・・!」
「ヒーローが来たからにはもう安心ですっ! 安全な所で待っててください!」
促されて後ろに下がるのは、一人の男性。彼こそ公園近くに建つ雑居ビルの二階から三階、アイドルを有する
公園にいる彼女らも全員、283プロダクション所属のアイドルであり、"放課後クライマックスガールズ"というユニットで活動している。
「さあ怪人め! 覚悟の時です!」
ズビシィ!
そんな擬音と共に突きつけられた果穂の人差し指と中指の先には、ただ滑り台があるだけだった。気の抜けた雰囲気を表すかのように、空っ風に乗って一枚の落ち葉が吹き抜ける。
このごっこ遊びには、肝心の敵役がいなかった。
「なあ果穂。やっぱり、誰かが敵役をやった方が良かったんじゃないか・・・・・・」
「ダメですよ~樹里ちゃん。ジャスティスⅤは五人でひとつ! それに、ヒーローは誰かを助ける姿が一番カッコいいんですから!」
「それに事務所の方々は皆、仕事やレッスンが入っておりました故・・・・・・社長さまに頼む訳にもいかず・・・・・・」
「はづきさんも忙しそうだったしねぇ・・・・・・」
「なんだか不完全燃焼ね・・・・・・」
「みんな、すまない・・・・・・。俺のスケジュール管理が甘かった所為だ」
残念そうな雰囲気が漂う中、果穂がある事に気づく。
「──でしたら、あたしたちでこの舞台にピッタリな怪人を作りましょう!」
敵役の居ないヒーローショーは成り立たない。ならば、自分達の手で作り出せばいいだけの事。
「ナイスアイデアだよ果穂! 私たちにふさわしい相手は、私たちが決めるんだね!」
「つっても、怪人のモチーフっていろいろあるよな。何にするんだ?」
「デザインもそうね! カッコイイ系とオモシロイ系、どちらがいいのかしら!」
「では、凛世は・・・・・・・怪人さまの生い立ちを考えましょう・・・・・・・」
方向が決まったからには、どんどん進んでゆく。
やるからには全身全霊全力全開な彼女達。地面に棒きれでどんな怪人かという案を書き連ねてゆく。やがて数が出そろった時、プロデューサーが果穂に尋ねた。
「果穂はどういうのが好きなんだ?」
自分の中では何がこの場に相応しいのか、考えた際にふと空を見上げた果穂が異変に気づく。
「あっ! 電車が空を飛んでます! スゴいです!!」
目を輝かせる果穂に釣られて、一同も空を見上げる。そこには確かに新幹線のような乗り物が、空中にレールを引きながら走っていた。
「なんで電車が空を飛んでるんだよ!」
「ねえねえ、それよりもあれ、こっちに向かってきてない・・・・・・?」
「本当だわ・・・・・・! みんな、公園から出るのよ! 非常時こそ、慌てず落ち着いてね!」
「皆さま、逃げ道でしたら・・・・・・こちらへ・・・・・・」
六人が公園から無事に脱出した直後、轟音を響かせ謎の電車が公園に不時着した。
間一髪で危機を逃れた六人は、公園の茂みから謎の電車らしき飛来物を観察し始める。
墜落の衝撃で少なくない量の土埃が舞う中、新幹線のような乗り物から降りてくる、四つの人影。恐らく乗客だろうか。
やがて土埃は晴れ、彼らの全貌が明らかになる。
「まったく、ヒドい目に遭ったぜ・・・・・・・!」
赤い、鬼のような怪人。
「センパイがスピード出し過ぎたからでしょ」
続いて、青くてウミガメのような怪人。
「せやせや。おかげで碌に眠れへんかったで」
お次は、黄色で熊を彷彿とさせる姿の怪人。
「それよりここどこ?」
そして、紫色の龍のような怪人。
明らかに普通の人間とは言い難い出で立ちに、茂みに潜んでいた六人は目を見張った。
(かっ、怪人です!)
(まさかアタシらが怪人について話してたから、やって来たんじゃないだろうな・・・・・・?)
(おおお落ち着くのよ私。私には今まで鍛えてきた筋肉があるじゃない・・・・・・筋肉は全てを解決するわ・・・・・・)
「ああ? そこに誰か居んのか?」
赤鬼の怪人は、彼女らが潜む茂みへ向けガンを飛ばす。その形相もあり、例え不良でも裸足で逃げだすであろう"凄み"を感じる。
無論、それを直に受けている彼女らが感じる恐怖は
(気づかれちゃったかな?! どうしよう樹里ちゃん!)
(・・・・・・しょーがねぇ! 果穂だけは何としてでも守るぞ!)
(ええ! ・・・・・・ところで、その果穂はどこかしら?)
(果穂さんでしたら、あちらに・・・・・・)
「あの! 怪人さんたちはどこから来たんですか!? 触ってもいいですか!?」
──果穂ーーーッ!?!?!?
五人の心が一つになった瞬間である。
「怪人じゃねぇ、俺には"モモタロス"って名前があんだよ」
果穂の言葉が気に障ったのか、赤い鬼の怪人、モモタロスがドスの効いた声で言い聞かせる。
(やっぱり怖い人だよ!)
(おい凛世! 止めなかったのかよ!?)
(果穂さんがあまりにも楽しそうだったので、つい・・・・・・申し訳、ございません・・・・・・)
(ははっ、果穂らしいな。こうなったらアイドルを預かる身として、俺が出ない訳にはいかないな)
続いてプロデューサーも茂みを出る事となり、なし崩し的に四人も怪人達の前に出る事になった。
「ん? お前達だぁれ?」
「俺はこの子のプロデューサーだ。そして」
「果穂とユニットを組んでいる有栖川夏葉よ」
「同じく西城樹里だ」
「同じく・・・・・・杜野凛世で、ございます・・・・・・」
「同じく園田智代子です! お近づきの印にチョコどうぞ!」
「わぁ~チョコだぁ~!」
「なんや立て込んどる様やなぁ」
「そうだねキンちゃん。立ち話もナンだし、後はデンライナーで話そうか」
こうして放課後クライマックスガールズとそのプロデューサーは、謎の電車デンライナーの食堂車へ迎えられる。
横スライド式のドアを潜れば、そこは食堂車だ。すぐ横にカウンターが設けられている。
「わぁ・・・・・・! スゴいです!」
「中はこうなっているのね」
果穂と夏葉が先陣を切って奥へ進む。夏葉もそうだが、果穂の目は光り輝いており、未知への強い好奇心が感じられる。
入口の方にも目を向ける。プロデューサーらが入ってきたドアから近い座席で、壮年の男性がナプキンを着用し、旗を立てたチャーハンの山を銀の匙で崩してる。大胆に攻めて行ったのか大きくチャーハンを掬うと、やがて旗は倒れてしまった。男性は口を開けてショックを受けている様子。
「ふむ・・・・・・本日も良い香りだ。私に相応しい」
そして少し奥を見れば、白鳥のような怪人が我が物顔で寛いでいる。性格からして、基本自ら前へ出ていくタイプではないのだろう。
新しい怪人を見て、プロデューサーが踏み込むのを躊躇っていると、横から客室乗務員に声をかけられた。
「いらっしゃいませ♪ コーヒーいかがですか?」
「ああ、じゃあひとつ貰おうかな」
「かしこまりましたっ♪」
やがてお盆に乗って運ばれてきた、マグカップに淹れられたコーヒー。カラフルなホイップクリームが浮かんでいる点を除けば、至って普通のコーヒーのようだ。
「・・・・・・ははっ」
その奇抜な見た目に、思わず乾いた笑いが出る。しかし彼は社会人。咳払いで誤魔化し、カップをぐいと傾ける。見た目通り、奇抜な味わいだ。思わず顔に出てしまったが、一瞬で平静を装うよう努める。
すると、横から声をかけられた。
「そこの方、少しよろしいでしょうか? お連れのお嬢さん方にも是非、聞いていただきたい事があります」
「・・・・・・俺、ですかね。わかりました。みんな、集合だ! この人から話があるらしい!」
プロデューサー達に話しかけてきたのは、先程チャーハンの山を崩していた壮年男性だ。実は彼は、デンライナーのオーナーである。彼の一声があれば、乗車を拒否できるほどの権限を持つ人物なのだ。
プロデューサーはオーナーに向き合うように座り、傍らに放課後クライマックスガールズが集まる形になった。
そしてオーナーから告げられた、今回の騒動。デンライナーの故障。そして、この時間に崩壊の危機が迫っているという事。非現実的だと切り捨てる事も出来たが、現に空を飛ぶ電車という非現実を目撃している為、オーナーの言葉が真に迫っているように感じた。
「このままだと、時間、消えちゃうんですか・・・・・・?」
果穂の脳裏に浮かぶ、合宿を始めとする放クラ──家庭とも学校とも違う居場所で経験したイベントの数々。どれも煌びやかに輝く、大切な思い出だ。
「デンライナーが壊れてしまった以上、過去へ飛んだイマジンを追いかける事は出来ませんからね」
オーナーが言うには、イマジンが契約を完了させ過去へ飛び、大規模な破壊活動が行われたらその思い出は消え、存在しないことになってしまうかもしれない。
もし、そうなってしまったら。
「そ、そんなの絶対にダメですっ!」
考えられる最悪の結末に反抗するかのように、果穂が声を張り上げた。その眼はうっすら涙ぐんでおり、本心からそう思っている事がひしひしと伝わってくる。
「そうね。過去が消えるなんて聞き捨てならないわ」
「そんなの、絶対止めねぇと!」
「そうだよ! おいしいって評判のお店が無くなっちゃうかもしれないし!」
「凛世の思い出も・・・・・・消えてしまうのでしょうか・・・・・・」
「みなさん・・・・・・」
放課後クライマックスガールズの他メンバーも、果穂と同じ気持であった。そして、可能ならイマジンの企みを阻止したいという意思も。
だが彼女らはアイドル。イマジンに立ち向かう術は持たない。
「つまり契約を完了させる前にどうにかすれば、問題は無いのね?」
「夏葉ちゃん?! まさか戦う気!?」
だからこそ、自信ありげな夏葉にオーナーが僅かな驚きを見せた。
「ただ黙って見ているなんて性に合わないわ。私達にもできることがあったら手伝わせてほしいの!」
他の放課後クライマックスガールズの面々も、言葉には発していないものの夏葉に賛同する意思を示している。それを見抜いたオーナーは、プロデューサーへ視線をやり一言。
「・・・・・・よろしいのですか?」
「ああ。ただし、危険だと感じたらすぐに逃げるんだぞ」
プロデューサーの言葉に、放課後クライマックスガールズみんなの顔が明るくなる。これから己がやるべき事を見出した顔だ。
「だったら私、友達に怪物見てないか聞いてくるよ!」
「大丈夫かそれ。変な奴だと思われるだろ」
「そこはほら! ここで証拠写真撮って行けば何とかなりそうだし?」
「でしたらその前に、彼らの紹介をしないといけませんねぇ」
オーナーは沸き立つ彼女らを制し、食堂車で
「・・・・・・モモタロスだ」
「僕はウラタロス。よろしくね、可愛いお嬢ちゃん達」
「俺はキンタロスっちゅうんや。よろしくな」
「僕リュウタロス! ねえねえ、自己紹介終わったし遊んでもいい? 答えは聞かないけど!」
「私がまだであろう、家臣共。我が名はジーク。見ての通り高貴な存在だ。頭が高い」
赤鬼がモモタロス、青い亀がウラタロス、黄色の熊がキンタロス、紫の龍がリュウタロス、そして白鳥がジークだ。
「そして、皆様にはこれをお渡ししましょう」
客室乗務員のナオミが、果穂、智代子、樹里、凛世、夏葉に長方形の物体を手渡す。それは折り畳み式であり、中には何かカードのようなものが入りそうな形状だった。
「そちらを持っていると、悪いイマジンと出会っても何とかなるかもしれませんよぉ?」
「本当かよ・・・・・・」
「きっと、何か特別なパワーを秘めてるに違いありません!」
「にわかには信じがたいのだけど・・・・・・」
「結構非常識な事態が続いちゃってるしねぇ」
「きっと、御守の類であらせられましょう・・・・・・」
それに五者五用の反応を示し、物体を懐に納める。そしてデンライナーに乗っていた面々に向き直ると、智代子の「それじゃあ改めまして」という音頭で一斉に頭を下げる。
「「「「「放課後クライマックスガールズ、よろしくお願いします!」」」」」
今ここに、放課後クライマックスガールズとチームデンライナーの共同戦線が張られる事になった。
次回、シャニマス世界にやって来たイマジンが動き出します!