フルカラー大激突!最初からクライマックスなヒーロー見参!   作:星野エグゼ

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 投稿機能になれておらず、至らぬ点もあると思いますが、どうか見守っててください。あと、今回に限りスマホでの閲覧を推奨します。
 それでは、始まります。



第1話 デンライナー異空(そら)を征く

 

 逃走するイマジンの集団を追い、時の砂漠をデンライナーゴウカが汽笛を鳴らしながら進む。

 

 彼ら、イマジンの目的は、過去を変えて今を滅茶苦茶にする事。時間というものは非常に重い性質であり、過去に人がひとりいなくなれば、今生きているその人の子孫も消えてしまう。

 カイという男がその性質に目をつけ、大規模な破壊活動を企てた。だが仮面ライダー電王、野上良太郎らの活躍により、その野望は潰えた。

 それで平和がもたらされた、という訳ではない。消滅を免れ、なおも悪さを企てる"はぐれイマジン"も未だに存在している。デンライナーが追っている集団は、そう呼ばれる個体群だ。

 

 イマジンらは捕まるまいと方々に散り、不規則な動きでデンライナーを攪乱する。電車はまっすぐ走った方が速い。が、そうしてしまっては急な方向転換が利かなくなる。なのでデンライナーは速度を落とさざるを得ない。そしてひと度距離を離せば、デンライナーは先程まで以上に速度を上げ追走してくる。それが何度も繰り返された。このままではいつまで経っても追いつけない。

 

 やがてイマジンらは目的の場所へ近づいていた。

 ここまで追ってきたデンライナーのエンジンが熱を帯び始める。例を見ない程の酷使に冷却が追い付いていないのだ。

 様子がおかしいデンライナーに勝利を確信したイマジンらは、近くにあった時空の穴へ我先にと飛び込んで行く。それを確認したデンライナーは、線路を螺旋状にぐるりと一回転させて実体化し、速度をなるべく落とさずに方向転換を成功させ、イマジンらに続いて穴の中へ入っていった。

 果たして、穴の先には何が待っているのだろうか。

 

 

 

 

THEiDOLM@STER

SHINYCOLORS

 ×

仮面ライダー電王

-fan fiction-

 

 

 

 

▽△▽△▽△▽△

 

 

 

 

20XX1017

 

 

 都内某所。

 二階の窓には養生テープで『283』の文字が描かれている三階建ての雑居ビルが近くに見える公園で、四人の少女と一人の女性、そして一人の男性が遊んでいた。

 

 

「ジャスティスレッド、参上!」

 

 

 元気ハツラツに名乗り上げる少女は小宮(こみや)果穂(かほ)。12歳の小学六年生に似合わぬ身長を持つが、何にでも興味津々で純粋な所は年相応。

 そして日曜日の朝に放送されている特撮番組が大好きで、何より『ヒーロー』という存在に憧れている。

 

 

「ジャスティスブルー・・・・・・でございます・・・・・・」

 

 

 淑やかに名乗るは杜野(もりの)凛世(りんぜ)。16歳の高校一年生。

 落ち着いた佇まいで、大和撫子を体現したような性格だが、少女漫画を好む意外な一面も持ち合わせている。

 

 

「ジャスティスイエロー!」

 

 

 クールに名乗るは西城(さいじょう)樹里(じゅり)。短い金色の髪を持つ、不良っぽい17歳の高校二年生。

 言葉遣いが乱暴で、その見た目も相まって人に怖がられがちだが、実はいい人。

 

 

「ジャスティスグリーン!」

 

 

 胸を張ってそう名乗るのは有栖川(ありすがわ)夏葉(なつは)。裕福な家に生まれた社長令嬢であり、家名に恥じぬよう日々鍛錬を積むストイックな人物。

 また、20歳の大学二年生であり、この場に居る女性の中では最年長だ。

 

 

「ジャスティスピンクっ!」

 

 

 愛嬌いっぱいに名乗りを上げるは園田(そのだ)智代子(ちよこ)。明るい性格で親しみやすい、17歳の高校二年生。いっぱい食べる。

 

 

「五人そろって・・・・・・」

 

「「「「「ジャスティス(ファイブ)!!」」」」」

 

 

 ジャスティスⅤとは、現在日曜朝に絶賛放映中の特撮番組である。

 彼女らが行っているのは、所謂"なりきり遊び"であり決して本人達ではないが、その決めポーズの完成度は高く、今にも背後でナパーム爆発が起こりそうなくらいだ。

 

 

「ジャスティスⅤ・・・・・・!」

 

「ヒーローが来たからにはもう安心ですっ! 安全な所で待っててください!」

 

 

 促されて後ろに下がるのは、一人の男性。彼こそ公園近くに建つ雑居ビルの二階から三階、アイドルを有する283(ツバサ)プロダクション唯一のプロデューサーである。

 公園にいる彼女らも全員、283プロダクション所属のアイドルであり、"放課後クライマックスガールズ"というユニットで活動している。

 

 

「さあ怪人め! 覚悟の時です!」

 

 

 ズビシィ! 

 そんな擬音と共に突きつけられた果穂の人差し指と中指の先には、ただ滑り台があるだけだった。気の抜けた雰囲気を表すかのように、空っ風に乗って一枚の落ち葉が吹き抜ける。

 

 このごっこ遊びには、肝心の敵役がいなかった。

 

 

「なあ果穂。やっぱり、誰かが敵役をやった方が良かったんじゃないか・・・・・・」

 

「ダメですよ~樹里ちゃん。ジャスティスⅤは五人でひとつ! それに、ヒーローは誰かを助ける姿が一番カッコいいんですから!」

 

「それに事務所の方々は皆、仕事やレッスンが入っておりました故・・・・・・社長さまに頼む訳にもいかず・・・・・・」

 

「はづきさんも忙しそうだったしねぇ・・・・・・」

 

「なんだか不完全燃焼ね・・・・・・」

 

「みんな、すまない・・・・・・。俺のスケジュール管理が甘かった所為だ」

 

 

 残念そうな雰囲気が漂う中、果穂がある事に気づく。

 

 

「──でしたら、あたしたちでこの舞台にピッタリな怪人を作りましょう!」

 

 

 敵役の居ないヒーローショーは成り立たない。ならば、自分達の手で作り出せばいいだけの事。

 

 

「ナイスアイデアだよ果穂! 私たちにふさわしい相手は、私たちが決めるんだね!」

 

「つっても、怪人のモチーフっていろいろあるよな。何にするんだ?」

 

「デザインもそうね! カッコイイ系とオモシロイ系、どちらがいいのかしら!」

 

「では、凛世は・・・・・・・怪人さまの生い立ちを考えましょう・・・・・・・」

 

 

 方向が決まったからには、どんどん進んでゆく。

 やるからには全身全霊全力全開な彼女達。地面に棒きれでどんな怪人かという案を書き連ねてゆく。やがて数が出そろった時、プロデューサーが果穂に尋ねた。

 

 

「果穂はどういうのが好きなんだ?」

 

 

 自分の中では何がこの場に相応しいのか、考えた際にふと空を見上げた果穂が異変に気づく。

 

 

「あっ! 電車が空を飛んでます! スゴいです!!」

 

 

 目を輝かせる果穂に釣られて、一同も空を見上げる。そこには確かに新幹線のような乗り物が、空中にレールを引きながら走っていた。

 

 

「なんで電車が空を飛んでるんだよ!」

 

「ねえねえ、それよりもあれ、こっちに向かってきてない・・・・・・?」

 

「本当だわ・・・・・・! みんな、公園から出るのよ! 非常時こそ、慌てず落ち着いてね!」

 

「皆さま、逃げ道でしたら・・・・・・こちらへ・・・・・・」

 

 

 六人が公園から無事に脱出した直後、轟音を響かせ謎の電車が公園に不時着した。

 間一髪で危機を逃れた六人は、公園の茂みから謎の電車らしき飛来物を観察し始める。

 

 墜落の衝撃で少なくない量の土埃が舞う中、新幹線のような乗り物から降りてくる、四つの人影。恐らく乗客だろうか。

 やがて土埃は晴れ、彼らの全貌が明らかになる。

 

 

「まったく、ヒドい目に遭ったぜ・・・・・・・!」

 

 

 赤い、鬼のような怪人。

 

 

「センパイがスピード出し過ぎたからでしょ」

 

 

 続いて、青くてウミガメのような怪人。

 

 

「せやせや。おかげで碌に眠れへんかったで」

 

 

 お次は、黄色で熊を彷彿とさせる姿の怪人。

 

 

「それよりここどこ?」

 

 

 そして、紫色の龍のような怪人。

 

 明らかに普通の人間とは言い難い出で立ちに、茂みに潜んでいた六人は目を見張った。

 

 

(かっ、怪人です!)

 

(まさかアタシらが怪人について話してたから、やって来たんじゃないだろうな・・・・・・?)

 

(おおお落ち着くのよ私。私には今まで鍛えてきた筋肉があるじゃない・・・・・・筋肉は全てを解決するわ・・・・・・)

 

「ああ? そこに誰か居んのか?」

 

 

 赤鬼の怪人は、彼女らが潜む茂みへ向けガンを飛ばす。その形相もあり、例え不良でも裸足で逃げだすであろう"凄み"を感じる。

 無論、それを直に受けている彼女らが感じる恐怖は一入(ひとしお)だ。

 

 

(気づかれちゃったかな?! どうしよう樹里ちゃん!)

 

(・・・・・・しょーがねぇ! 果穂だけは何としてでも守るぞ!)

 

(ええ! ・・・・・・ところで、その果穂はどこかしら?)

 

(果穂さんでしたら、あちらに・・・・・・)

 

 

「あの! 怪人さんたちはどこから来たんですか!? 触ってもいいですか!?」

 

 

 ──果穂ーーーッ!?!?!? 

 

 五人の心が一つになった瞬間である。

 

 

「怪人じゃねぇ、俺には"モモタロス"って名前があんだよ」

 

 

 果穂の言葉が気に障ったのか、赤い鬼の怪人、モモタロスがドスの効いた声で言い聞かせる。

 

 

(やっぱり怖い人だよ!)

 

(おい凛世! 止めなかったのかよ!?)

 

(果穂さんがあまりにも楽しそうだったので、つい・・・・・・申し訳、ございません・・・・・・)

 

(ははっ、果穂らしいな。こうなったらアイドルを預かる身として、俺が出ない訳にはいかないな)

 

 

 続いてプロデューサーも茂みを出る事となり、なし崩し的に四人も怪人達の前に出る事になった。

 

 

「ん? お前達だぁれ?」

 

「俺はこの子のプロデューサーだ。そして」

 

「果穂とユニットを組んでいる有栖川夏葉よ」

 

「同じく西城樹里だ」

 

「同じく・・・・・・杜野凛世で、ございます・・・・・・」

 

「同じく園田智代子です! お近づきの印にチョコどうぞ!」

 

「わぁ~チョコだぁ~!」

 

「なんや立て込んどる様やなぁ」

 

「そうだねキンちゃん。立ち話もナンだし、後はデンライナーで話そうか」

 

 

 こうして放課後クライマックスガールズとそのプロデューサーは、謎の電車デンライナーの食堂車へ迎えられる。

 

 横スライド式のドアを潜れば、そこは食堂車だ。すぐ横にカウンターが設けられている。

 

 

「わぁ・・・・・・! スゴいです!」

 

「中はこうなっているのね」

 

 

 果穂と夏葉が先陣を切って奥へ進む。夏葉もそうだが、果穂の目は光り輝いており、未知への強い好奇心が感じられる。

 

 入口の方にも目を向ける。プロデューサーらが入ってきたドアから近い座席で、壮年の男性がナプキンを着用し、旗を立てたチャーハンの山を銀の匙で崩してる。大胆に攻めて行ったのか大きくチャーハンを掬うと、やがて旗は倒れてしまった。男性は口を開けてショックを受けている様子。

 

 

「ふむ・・・・・・本日も良い香りだ。私に相応しい」

 

 

 そして少し奥を見れば、白鳥のような怪人が我が物顔で寛いでいる。性格からして、基本自ら前へ出ていくタイプではないのだろう。

 新しい怪人を見て、プロデューサーが踏み込むのを躊躇っていると、横から客室乗務員に声をかけられた。

 

 

「いらっしゃいませ♪ コーヒーいかがですか?」

 

「ああ、じゃあひとつ貰おうかな」

 

「かしこまりましたっ♪」

 

 

 やがてお盆に乗って運ばれてきた、マグカップに淹れられたコーヒー。カラフルなホイップクリームが浮かんでいる点を除けば、至って普通のコーヒーのようだ。

 

 

「・・・・・・ははっ」

 

 

 その奇抜な見た目に、思わず乾いた笑いが出る。しかし彼は社会人。咳払いで誤魔化し、カップをぐいと傾ける。見た目通り、奇抜な味わいだ。思わず顔に出てしまったが、一瞬で平静を装うよう努める。

 すると、横から声をかけられた。

 

 

「そこの方、少しよろしいでしょうか? お連れのお嬢さん方にも是非、聞いていただきたい事があります」

 

「・・・・・・俺、ですかね。わかりました。みんな、集合だ! この人から話があるらしい!」

 

 

 プロデューサー達に話しかけてきたのは、先程チャーハンの山を崩していた壮年男性だ。実は彼は、デンライナーのオーナーである。彼の一声があれば、乗車を拒否できるほどの権限を持つ人物なのだ。

 プロデューサーはオーナーに向き合うように座り、傍らに放課後クライマックスガールズが集まる形になった。

 

 そしてオーナーから告げられた、今回の騒動。デンライナーの故障。そして、この時間に崩壊の危機が迫っているという事。非現実的だと切り捨てる事も出来たが、現に空を飛ぶ電車という非現実を目撃している為、オーナーの言葉が真に迫っているように感じた。

 

 

「このままだと、時間、消えちゃうんですか・・・・・・?」

 

 

 果穂の脳裏に浮かぶ、合宿を始めとする放クラ──家庭とも学校とも違う居場所で経験したイベントの数々。どれも煌びやかに輝く、大切な思い出だ。

 

 

「デンライナーが壊れてしまった以上、過去へ飛んだイマジンを追いかける事は出来ませんからね」

 

 

 オーナーが言うには、イマジンが契約を完了させ過去へ飛び、大規模な破壊活動が行われたらその思い出は消え、存在しないことになってしまうかもしれない。

 もし、そうなってしまったら。

 

 

「そ、そんなの絶対にダメですっ!」

 

 

 考えられる最悪の結末に反抗するかのように、果穂が声を張り上げた。その眼はうっすら涙ぐんでおり、本心からそう思っている事がひしひしと伝わってくる。

 

 

「そうね。過去が消えるなんて聞き捨てならないわ」

 

「そんなの、絶対止めねぇと!」

 

「そうだよ! おいしいって評判のお店が無くなっちゃうかもしれないし!」

 

「凛世の思い出も・・・・・・消えてしまうのでしょうか・・・・・・」

 

「みなさん・・・・・・」

 

 

 放課後クライマックスガールズの他メンバーも、果穂と同じ気持であった。そして、可能ならイマジンの企みを阻止したいという意思も。

 だが彼女らはアイドル。イマジンに立ち向かう術は持たない。

 

 

「つまり契約を完了させる前にどうにかすれば、問題は無いのね?」

 

「夏葉ちゃん?! まさか戦う気!?」

 

 

 だからこそ、自信ありげな夏葉にオーナーが僅かな驚きを見せた。

 

 

「ただ黙って見ているなんて性に合わないわ。私達にもできることがあったら手伝わせてほしいの!」

 

 

 他の放課後クライマックスガールズの面々も、言葉には発していないものの夏葉に賛同する意思を示している。それを見抜いたオーナーは、プロデューサーへ視線をやり一言。

 

 

「・・・・・・よろしいのですか?」

 

「ああ。ただし、危険だと感じたらすぐに逃げるんだぞ」

 

 

 プロデューサーの言葉に、放課後クライマックスガールズみんなの顔が明るくなる。これから己がやるべき事を見出した顔だ。

 

 

「だったら私、友達に怪物見てないか聞いてくるよ!」

 

「大丈夫かそれ。変な奴だと思われるだろ」

 

「そこはほら! ここで証拠写真撮って行けば何とかなりそうだし?」

 

「でしたらその前に、彼らの紹介をしないといけませんねぇ」

 

 

 オーナーは沸き立つ彼女らを制し、食堂車で(たむろ)している怪人達に視線で訴えかけた。

 

 

「・・・・・・モモタロスだ」

 

「僕はウラタロス。よろしくね、可愛いお嬢ちゃん達」

 

「俺はキンタロスっちゅうんや。よろしくな」

 

「僕リュウタロス! ねえねえ、自己紹介終わったし遊んでもいい? 答えは聞かないけど!」

 

「私がまだであろう、家臣共。我が名はジーク。見ての通り高貴な存在だ。頭が高い」

 

 

 赤鬼がモモタロス、青い亀がウラタロス、黄色の熊がキンタロス、紫の龍がリュウタロス、そして白鳥がジークだ。

 

 

「そして、皆様にはこれをお渡ししましょう」

 

 

 客室乗務員のナオミが、果穂、智代子、樹里、凛世、夏葉に長方形の物体を手渡す。それは折り畳み式であり、中には何かカードのようなものが入りそうな形状だった。

 

 

「そちらを持っていると、悪いイマジンと出会っても何とかなるかもしれませんよぉ?」

 

「本当かよ・・・・・・」

 

「きっと、何か特別なパワーを秘めてるに違いありません!」

 

「にわかには信じがたいのだけど・・・・・・」

 

「結構非常識な事態が続いちゃってるしねぇ」

 

「きっと、御守の類であらせられましょう・・・・・・」

 

 

 それに五者五用の反応を示し、物体を懐に納める。そしてデンライナーに乗っていた面々に向き直ると、智代子の「それじゃあ改めまして」という音頭で一斉に頭を下げる。

 

 

「「「「「放課後クライマックスガールズ、よろしくお願いします!」」」」」

 

 

 今ここに、放課後クライマックスガールズとチームデンライナーの共同戦線が張られる事になった。




 次回、シャニマス世界にやって来たイマジンが動き出します!
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