フルカラー大激突!最初からクライマックスなヒーロー見参!   作:星野エグゼ

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 今回、いよいよ電王へ変身します! あのBGMと共にお楽しみください!

 それと樹里ちゃんでW.I.N.G初優勝できました!!! 樹里ちゃんありがとう!!!!



第2話 GO MY ACTION!!

 

 

「こんにちはーっ!」

 

 

 デンライナーの食堂車に、明るく元気な声が響く。

 公園に不時着してから数日。その間に自宅、学校、事務所に次ぐ居場所としてデンライナーの食堂車がすっかりおなじみになった小宮果穂のものだ。

 果穂はレモンイエローのランドセルを背負っておらず、一旦家に帰ってからここへやって来たのだと窺える。

 

 

「おお果穂ちゃんか! よう来たな!」

 

「キンタロスさん! えへへ・・・・・・こんにちは、です!」

 

「わんっ!」

 

 

 そう果穂が挨拶をすると、果穂が両腕で抱いている犬が少し遅れて吠えた。

 果穂が抱えている犬の名は『マメ丸』。愛らしくて元気で人懐っこい、果穂にとって大切な家族の一員だ。

 

 

「あ、いらっしゃい果穂! 今日はマメ丸も一緒なんだね」

 

「ちょこ先輩! そうです。マメ丸にも新しくできたお友達を知らせたくなったんです!」

 

「果穂さん・・・・・・相変わらず、殊勝な心掛けです・・・・・・」

 

「・・・・・・凛世さん、"シュショウ"ってなんですか?」

 

「殊勝とは、"相手が立派で、褒めたくなる"という意味で・・・・・・ございます」

 

「そうだな、立派だよ果穂は。ていうかチョコ、アタシらは別に招く立場じゃねーだろ。自宅でもねーんだしさ」

 

「まあまあ樹里ちゃん! そこは気にしない方向で!」

 

 

 本日のデンライナーの食堂車には、いつものメンバーと放クラの女子高生組が滞在している。樹里、智代子、凛世の高校生三名は自主レッスン終わりで、夏葉は番組収録のお仕事だ。

 

 

「みなさんに紹介するのは初めてですね。あたしの家族のマメ丸です! みなさんよろしくお願いします!」

 

 

 立ち上がった果穂はデンライナーの面々へ向き直ると、ぺこりと一礼。マメ丸も飼い主に倣って頭を下げた。

 イマジンズの中でいち早くマメ丸に反応を見せたのはリュウタロスだ。

 

 

「わぁ~! ワンちゃんだ~! 触ってもいいよね!?」

 

「はいっ! あっ、ほっぺをこう優しく『むにーっ』ってするとよろこぶんですよ!」

 

「本当!? じゃあ、むにーっ!」

 

「あたしも、むにーっ、です!」

 

 

 飼い主とリュウタロスにほっぺを『むにーっ』とされ、目を細めて喜ぶマメ丸。ふたりに遊んでもらい、しっぽが大きく振られている。

 しかし、この可愛らしい来訪者を快く思わない人物がいた。

 

 

「おい、お前っ! 何てモン持って来やがんだ!」

 

「マメ丸です! もしかして、モモタロスさんは触りたくないんですか? もちもちですよ?」

 

「やめろ! こっちに向けんな!!」

 

 

 果穂がマメ丸を抱いたままモモタロスへ向き直ると、モモタロスは脱兎のごとく後ずさり食堂車の壁を背負う。

 

 

「わんっ!」

 

「うひゃあああああああああ!!!」

 

 

 そしてトドメの咆哮が決まった。

 モモタロスは扉の向こうへ猛スピードで消え去っていった。扉を呆然と見つめる果穂に、真相を伝えるべくウラタロスが近づいた。

 

 

「果穂ちゃん。センパイは犬が苦手なんだよ」

 

「そうだったんですか・・・・・・知らなかったです」

 

「追い詰められても言い出さなかったセンパイに責任があると僕が言えば、それで果穂ちゃんは納得できるかい?」

 

 

 シュンとしてた果穂だったが、ウラタロスの言葉に後押しされ何かを決心したように頷くと、凛世へマメ丸を差し出した。

 

 

「凛世さん、マメ丸預かっててください! あたし、モモタロスさんに謝ってきます!」

 

 

 モモタロスの後を追い、果穂が走り出す。飛び込んだドアの先は、先頭車両の方向。

 

 デンライナーの先頭車両。そこには最高時速360kmのスーパーバイク、【マシンデンバード】が格納されている。

 そんな先頭車両の片隅で、モモタロスは体育座りのまま両手を合わせて拝むようにしていた。

 

 

「あの、モモタロスさん・・・・・・ここにいるんですか?」

 

 

 やって来た果穂に、モモタロスの体が思わず跳ね上がってしまう。しかし、モモタロスにこれ以上の逃げ場は無い。観念したモモタロスは果穂に背を向けて立ち上がる。

 

 

「・・・・・・おう」

 

 

 その声色は低い。

 びくりと反応した果穂だが、ぎゅっ、と拳を握ってモモタロスに向き合う。

 

 

「その、ごめんなさい!」

 

 

 腰から上を直角に折り曲げて謝罪する果穂の姿に、モモタロスは目を丸くした。

 

 

「あたし、モモタロスさんのこと全然知らなくて、あたしの気持ちばっかり押し付けてました・・・・・・! モモタロスさんは嫌がっているのに、あたしの『友達を教えたい』って気持ちだけを押し付けて・・・・・・だから、ごめんなさい・・・・・・!」

 

 

 自分の非を認め謝罪する果穂に背を向けつつ、己が反省した時を思い返すモモタロス。果たしてこうも素直に、謝罪の言葉を言えただろうか。

 

 

「・・・・・・わかりゃいいんだよ」

 

 

 眩いほどの純真な言葉に怒りや不満がすっかり抜かれたモモタロスは、先頭車両の床にどっかりと腰を下ろす。その隣に果穂がしゃがんだ。

 

 

「あたし、モモタロスさんについて、もっと知りたいです。あの、教えてくれますか?」

 

「ああ。答えられるならな」

 

「! じゃあ、好きな食べ物ってなんですか!?」

 

デンライナー(ここ)のコーヒーと、あとはプリンだな」

 

「そうなんですか?! あたしも、プリンが大好きです! クリームやチョコレートのお菓子をトッピングすると、もっとおいしくなるんですよね!」

 

「お、お前・・・・・・なかなか分かってるじゃねーか!」

 

「特にクリームの上にさくらんぼのトッピングだと、最強なんです!」

 

「へへっ、そうだろそうだろ! お前、思ったより良い奴じゃねーか!」

 

「えへへ、仕事で会う大人の人からも、果穂はいい子だねってよく言われます。それにモモタロスさんも、コーヒーが飲めるなんてスゴイです!」

 

「ありゃ大人の味ってやつだからな。中でもナオミのコーヒーは絶品だぜ?」

 

「そうなんですか?! あたしも飲んでみたいです!」

 

「うし! じゃあ今から飲みに行くか!」

 

「わかりました!」

 

 

 対面時の険悪な雰囲気はどこへやら。すっかり意気投合したのか、話が弾む二人。(おもむろ)に立ち上がり食堂車を目指そうとすると、車両後部に一つしかないドアが開く。そこから樹里と智代子がモモタロスを押しのけ、先頭車両へ入ってきた。

 

 

「良かった! 果穂、ここにいたんだね!」

 

「樹里ちゃん、ちょこ先輩! 何かあったんですか!?」

 

「プロデューサーからチェインで怪人の画像が送られてきたんだよ!」

 

 

 いつになく動揺している二人に、只事ではないと予感した果穂の顔が強張る。

 やがて樹里からスマホの画面を見せられた果穂は、そこにある非現実に息を呑んだ。慌てていたのかぶれた画像だったが、それがより現実味を醸し出している。

 

 

「こりゃ臭うな。イマジンだ」

 

 

 いつの間にか復活したモモタロスが、果穂の後ろからスマホの画面を覗き込む。

 

 

「イマジン、って・・・・・・モモタロスさん達のような?」

 

「ああ。だが、俺達とは違う。時間を壊そうとしやがる悪いイマジンの臭いだ」

 

「そんな! 夏葉さんが危ないです! 助けに行かなきゃ・・・・・・!」

 

「おいチビッ子。お前、助けに行きたいのか? お前じゃイマジンに勝てないのにか?」

 

「はい・・・・・・! あたしが何も出来ないからって、それは助けに行かない理由にはなりません! それに、夏葉さん・・・・・・放クラのみなさんと過ごした時間は、あたしの大切な宝物ですから・・・・・・!」

 

(ったく、アイツみてぇな事言いやがって・・・・・・)

 

 

 果穂は真っ直ぐな瞳でモモタロスを見つめ、声を張る。その後ろには幻影だろうか。どこか薄幸そうながらも芯の強い青年が立っているように見えた。

 

 

「言うじゃねぇかチビッ子。だったら俺に乗れ。そうすれば、夏葉ってキンニク女も助けてやる」

 

 

 果穂に己の相棒の姿を感じ取ったモモタロスが提案を持ち掛ける。そしてモモタロスの問いかけに、果穂は力強く頷く。

 

 

「そうこなくっちゃな! 今からもっとスゲェやつを見せてやるぜ!」

 

 

 モモタロスが言うや否や透明になったかと思うと果穂へ重なり、果穂本人は何かに包まれるような感覚に見舞われた。

 

 

 

▽△▽△▽△▽△

 

 

 

 夏葉が出演する番組の収録は、目立つトラブルやアクシデント等に見舞われず、恙無(つつがな)く終わる筈だった。

 

 そこに、異形の怪人が現れるまでは。

 

 

「うぃ~、ひっく、何て事を・・・・・・。こんなキラキラした場所をこれから壊さないといけないだなんてなぁ・・・・・・。えっぷ、可愛そうだよぅ!」

 

 

 見た目は、白いウサギ。左の耳が根元から折れ曲がっているのが特徴のシャイニーラビットイマジンだ。

 スタジオの扉を破壊し侵入してきた(シャイニー)ラビットイマジンは酔っぱらったような口調で、手始めと言わんばかりにステージ上のセットに蹴りを入れる。セットは粉々に砕け、現場に混乱を(もたら)した。

 

 

「何だアイツ! 言ってる事とやってる事が滅茶苦茶だ!」

 

「出演者の皆さんはこちらに避難を! 速く!」

 

「何ぼさっとしてやがる! ぐずぐずしないでさっさと逃げろ!」

 

「皆さん落ち着いて! 冷静に行動しましょう!」

 

 

 騒然とする現場で、事前にイマジンの知識があった夏葉とプロデューサーは落ち着いた動きを見せる。夏葉は率先して避難誘導を手伝い、プロデューサーはスマホを取り出して撮影し、チェインで放クラのグループに画像をアップした。

 

 

「あれは、確かアイドルの有栖川夏葉・・・・・・!」

 

 

 しかし、その所為でSラビットイマジンに目をつけられる事になってしまう。

 

 

「ういぃ~、丁度いい所に・・・・・・こんな破壊活動をするよりも、貴方を大怪我に遭わせればすぐに契約完了できるねぇ・・・・・・!」

 

 

 Sラビットイマジンは夏葉へにじり寄り、夏葉もそれに気づいた。防御の構えを見せる夏葉だが、その首筋に嫌な汗が伝う。

 

 

「夏葉ーーーっ!」

 

 

 手を伸ばし駆け寄るプロデューサーよりも早く、Sラビットイマジンが夏葉に飛び掛かった。絶体絶命化と思われたその瞬間、どこからかバイクの排気音が聞こえてくる。

 

 何かと思えば白ベースに青いラインが入り、後部に電車のパンタグラフのような物をつけたバイクが乱入し、襲い掛かるSラビットイマジンを撥ね飛ばしたのだ。そのバイクに跨るライダーはバイクから軽々と降り、Sラビットイマジン相手にラフファイトを仕掛ける。

 

 フルフェイスのヘルメットを被っているので首から上は見えないが、身長は160㎝程で黒い革ジャケットに裾が余っている赤いズボンを履き、いかにもアウトローといった感じの出で立ちだ。

 乱入者はSラビットイマジンをヤクザキックで蹴飛ばすと、ヘルメットを脱ぎ捨てて全貌を露にした。

 

 揺れる赤い外ハネの髪の毛は更に逆立っており、輝く赤い瞳もより鮮やかになっている。

 所々様変わりしているが、彼女は夏葉らにとって親しい人物だった為驚きを隠せない。

 

 

「か、果穂・・・・・・?」

 

「『よう。助けに来たぜキンニク女にプロコンジョー!』」

 

『プロデューサーですよ、モモタロスさんっ!』

 

「その声・・・・・・まさかモモタロスと果穂なの!?」

 

「こんな所に来るなんて、危ないじゃないか!」

 

「『安心しろプロコンジョー。コイツが望んだ事だし、何しろこの体には傷一つ付けさせねぇ!』」

 

 

 自信満々に言い放つ(モモタロス)果穂の手には、いつの間にか【デンオウベルト】が握られていた。M果穂はデンオウベルトを翻し腰元に装着すると、【フォームスイッチ】の一番上、赤いボタンを押す。すると、電車の到着メロディのような音が鳴りだした。

 

 

「『変身!』」

 

 

 言葉と共にM果穂はデンオウベルトの中央、【ターミナルバックル】にオーナーから受け取った長方形の物体──【ライダーパス】をセット&タッチ──セタッチする。

 

 

《Sword form》

 

 

 その音声が鳴るとM果穂には自動的に特殊スーツ【オーラスキン】が装着され、周囲には果穂に憑依したモモタロスのオーラから生成された特殊装甲【オーラアーマー】が浮かび上がり、やがてM果穂に装着される。

 そして頭部を走るレールに沿って、桃のような【電仮面】が顔面へ移動し、展開して仮面になった。

 

 仮面ライダー電王・ソードフォームのお出ましだ!

 

 

「『俺、参上!』」

 

 

 右の親指で己を指した後に、腰を低く落とし右腕を後方にして左腕を突き出し、歌舞伎の見得のようなポーズをとる電王。

 

 

『わぁ~! 変身しちゃいました! スッッッゴイです!!!!!』

 

「『言ったろ? もっとスゲェやつを見せてやるってなぁ!』」

 

「一人で何を言ってるんですか・・・・・・」

 

「『悪ィ悪ィ。だが覚えとけ、俺に前フリは無ェ──』」

 

 

 向かってきたSラビットイマジンと渡り合いながら、電王はデンオウベルトの両脇にある武器【デンガッシャー】を組み立て始めた。ベルトの左側、二番と三番のパーツを連結させ、宙へ投げる。これを好機と見たSラビットイマジンは接近するも、電王のソバットで呆気なく床を転がってしまう。その隙に電王はデンガッシャーパーツの一番と四番で先程投げた二番と三番を挟む。するとパーツ一番から赤い刀身【オーラソード】が伸び、完全な剣の形になる。電王は変形が完了したデンガッシャー・ソードモードを肩で担いだ。

 

 

「『最初っから最後までクライマックスだぜ!』」

 

 

 その立ち姿、脱力しているというのに隙が無い。強者のオーラを感知したSラビットイマジンはたじろぎ、動きが鈍くなってしまう。

 

 

「『行くぜ行くぜ行くぜェ!』」

 

 

 電王は鉄砲玉のようにデンガッシャーを振り上げながら走り、接近してSラビットイマジンを滅多切りにする。型も流派もあったもんじゃない我流の剣術だが、その太刀筋には一種の洗練された動きを感じられた。

 Sラビットイマジンも抵抗する気力を取り戻し果敢に電王へ立ち向かうも、拳を振るう前にデンガッシャーの刃が切り裂く。それも一度だけではなく、立ち向かおうとする度に。

 

 

「こうなったら、自転車で・・・・・・!」

 

「『させるかよ! デンバード!』」

 

 

 嫌気がさしたSラビットイマジンは青いフレームの自転車に乗り逃走を試みるも、マシンデンバードに跨った電王に行く手を阻まれてしまう。観念したSラビットイマジンは自転車に乗ったまま電王に応戦した。

 エンジンを唸らせ向かってくる電王に、Sラビットイマジンは前輪を軸にターンし後輪をぶつけてくる。電王は後輪をデンガッシャーで受け止め、お返しとばかりにウィリー走行し前輪をぶつけた。

 

 Sラビットイマジンによって倒壊したセットが丁度パークの障害物のように配置されたスタジオで、二台のマシンが鎬を削る。二台が走る方向には、倒れたセットが丁度ジャンプ台のようになっていた。ジャンプした二台のマシンに跨る騎手の、キックとソードが交差する。しかしSラビットイマジンのキックは僅かに届かず、デンガッシャーの刃を脚に受け自転車から落ち、地面を転がった。

 

 

『今がチャンスですっ! モモタロスさんっ、一気に決めましょう!』

 

「『へっへ~! 派手に決めてやるぜ!!』」

 

 

 着地した電王は悠々とバイクから降り、見せつけるかのようにライダーパスを取り出してターミナルバックルに翳す。

 

 

《Full charge》

 

 

 電王が翳したパスを投げ捨てる間、極限までチャージされたエネルギーがデンガッシャーに渡る。

 

 

「『必殺・・・・・・俺の必殺技、パート2!』」

 

 

 電王がデンガッシャーから赤い刃を発射した。刃は電王の意のままに振るわれ、Sラビットイマジンの右肩から左脇下を通り、返す刀で左から胴を横一文字に切り裂き、そして脳天から股下まで一直線に振り下ろされた。

 

 

「おぇぇ、あんな奴の誘いになんて乗るんじゃなかった・・・・・・!」

 

 

 今際に嘆いたイマジンは爆発。宙を飛んだ刃は、振り下ろされたデンガッシャーの先端に収まる。

 

 

「『・・・・・・決まったぜ!』」

 

『~ッ! スッゴくスッゴくカッコよかったです!!!!!!!』

 

 

 終わってみれば宣言通りノーダメージ。電王はSラビットイマジンの企みを見事に砕いたのだった。

 

 

 

▽△▽△▽△▽△

 

 

 

 プロデューサーから連絡を受けた樹里、智代子、凛世はデンライナーの食堂車で待機していた。そこに扉が開き、M果穂、夏葉、プロデューサーが入ってくる。

 

 

「『俺、再び参上!』」

 

『このポーズ、ヒーローみたいでカッコいいです!』

 

「『バ~カ! "みたい"じゃなくて本当にヒーローなんだよ!』」

 

『そうでしたね!』

 

 

 先程もとったポーズを再度とるM果穂。どうやら果穂も気に入ったようだ。

 

 

「『さてさて、ひと暴れした後はアレに限るぜ。ナオミちゃ~ん! コーヒーちょうだ~い!!』」

 

「は~い♡ そう言うと思って、もう淹れてありますよ~」

 

「『サンキュー! ぐび・・・・・・かぁーっ! この一杯の為に生きてる~!』」

 

 

 はしゃぐM果穂がナオミのコーヒーをぐいと(あお)ると、口の周りに赤いクリームのヒゲができた。

 そこから少し離れた所では、夏葉とプロデューサーが樹里、智代子、凛世と合流し会話を始めていた。

 

 

「夏葉ちゃん! プロデューサーさんも! 無事で何よりだよ~!」

 

「あぁ。あの果穂が助けに来てくれたんだ」

 

「そうなのよ。ところで、果穂ってば知らない間にどうしたのかしら?」

 

「凛世も、あらましを知らぬ故、伺いたく存じます」

 

「あー、モモタロスがいただろ? それが果穂に憑りついてんだよ。アタシらも最初はびっくりしたぜ」

 

「だよね! "果穂が急にぐれちゃった"って、ふたりして心配してたもん!」

 

「ちょっと待てよ。"協力"って、まさか()()()()()なのか!?」

 

 

 プロデューサーがM果穂を、そしてオーナーを見てからそう結論付ける。そんなプロデューサーの肩にウラタロスが手を置き、喋りだす。

 

 

「落ち着いてよプロデューサーさん。今回はあくまで、センパイが果穂ちゃんの願いに乗った形なんだから」

 

 

 ウラタロスが言うには、どちらもWin-Winの関係だから問題ないとの事。プロデューサーもウラタロスの言葉に納得しかけた、その時だった。マメ丸の目がM果穂を捉えたのは。

 

 

「あっ・・・・・・マメ丸さま」

 

「ああっ! ワンちゃんどこ行くの!?」

 

 

 凛世の腕の中でリュウタロスと遊んでいたマメ丸が、そこから飛び出した。目指す先は勿論、帰ってきたご主人様がいる場所。

 

 

「『ギャー犬!!!』・・・・・・あれ、マメ丸?」

 

 

 マメ丸が近づき、たまらず憑依を解除するモモタロス。その手にちゃっかりコーヒーカップを握りながら。

 マメ丸を抱きながら座る果穂に、ナオミがワゴンを押して近づく。

 

 

「はい♡ 果穂ちゃんもお疲れ様♪」

 

「わぁ! プリンです!!」

 

 

 果穂が座るテーブルにナオミが運んだのは、チョコレート菓子とホイップクリームがトッピングされたプリン。その頂点には、絞られたクリームの上に砂糖漬けのさくらんぼが乗っけられている。

 それだけではない。カットされたメロン、バナナ、ブルーベリー、ピンクグレープフルーツ、そして翼を模った白いアメ細工も一緒の器に盛りつけられている。豪華な一皿に、果穂の瞳に宿る光が一層強まった。

 

 

「私からのサービスです。果穂さんには、イマジン撃退に協力してくれましたからね」

 

「オーナーさん・・・・・・! ありがとうございます!」

 

「やったわね果穂! 最高の勲章よ!」

 

「まこと・・・・・・お見事でございました」

 

「まだ若いのにあんな決意しとるとは、ホンマ大した子やで!」

 

「良かったじゃねぇか、最強のプリンだぜ? ま、半分は俺のおかげでもあるけどな」

 

「えへへ! モモタロスさんこそ、あたしのために戦ってくれてありがとうございます!」

 

「そ、そんなんじゃねぇよ・・・・・・。俺はただ、暴れられればそれでいいっつーか・・・・・・」

 

 

 果穂の素直な言葉に、モモタロスはこそばゆいのか顔を逸らし後頭部を掻く。

 そして、そんな絶好のイジり所を見逃すイマジンはこの場に居ない。

 

 先陣を切ったのはリュウタロスだ。

 

 

「あー! モモタロスってば照れちゃってるー!!」

 

「う、うるせーよハナタレ小僧! つか、照れてない!」

 

「ははは! 照れんでもええで、モモの字!」

 

「だから照れてないって言ってんだろ熊!」

 

「センパイ、そろそろ素直になりなよ」

 

「お前まで亀公!」

 

「お供よ、苦しゅうない。素直に話すがよいぞ」

 

「誰がお供だこの手羽野郎!」

 

 

 偉そうなジークに対し、元から赤い顔をさらに赤くして掴みかかるモモタロスの様子を見て、夏葉は合点がいった。モモタロスの不器用な優しさも少々不良じみた点も、隣の親しい人によく似ているのだから。

 

 

「モモタロスの反応、いつも見ているから何だか安心するわ。あの時果穂が真っ先に飛び出したのも納得ね」

 

「そうだねぇ。色は違うけど、本当にそっくり!」

 

「夏葉もチョコも、そんな目でアタシを見るなよ・・・・・・こっちまで恥ずかしくなってくるじゃねーか!」

 

「ふふ・・・・・・それ程までに、樹里さんを理解しているという事です。もちろん、凛世も・・・・・・」

 

「あぁ~! 凛世まで!」

 

「はははっ! みんな、楽しく話せてるな」

 

 

 イマジンらが過ごすデンライナーの食堂車はいつも賑やかだが、人数が多い所為か、いつにも増して騒がしい。そんな風景とテーブルの上のプリンアラモードを見て、果穂は何かに閃いた。

 

 

「なんだかこのプリン・・・・・・みんなみたいだね、マメ丸!」

 

「わんっ!」

 

 

 フルーツの色が、放クラ各々のイメージカラーと共通している。その所為か、果穂はよりこのデコレーションのプリンが気に入った。

 

 だからだろうか。

 

 こんな素晴らしい逸品を独り占めするのは、何だかもったいない気がした。出来れば皆で、分かち合いたい。

 

 

「そうだ! オーナーさん、これと同じのをみんなにお願いできますか?!」

 

「ふふ、特別ですよぉ?」

 

 

 オーナーが手を叩くと、ナオミが押すワゴンに乗って同じプリンアラモードが運ばれてくる。その美味しさは、ここで語るまでも無いだろう。

 




 
 ただデンライナーでわちゃわちゃしてるイマジンズと放クラが書きたかったってのが投降の動機になります。



■シャイニーラビットイマジン

 デンライナーの故障にかこつけ、契約完了を果たし時の運航を乱そうとしたイマジン。どうやら一風変わった『ウサギとカメ』のイメージから生み出されたようだ。
 素早い身のこなしと格闘術、あと呼び出した自転車に乗ってアクロバティックな攻撃を得意とする。呼び出した自転車はスーパーマシンに引けを取らない性能。
 電王ソードフォームの"エクストリームスラッシュ"(俺の必殺技)を受け爆発した。

 見た目はピンクラビットイマジンの色変え。しかし左耳が根元から折れ曲がっている。召喚した自転車は水色のフレーム。

 身長:189.5㎝
 体重:109.5cm
 特色/力:自転車の召喚と操縦
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