リリカルなのは 変動記   作:扶桑畝傍

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10話

アースラ訓練室

「なのは、アリサ、すずか。」

「・・・クロノ、コイツ等と、

 模擬戦な?」

「はぁ?」

3人「え?」

「俺と、クロノで、タッグ、

 なのは、アリサ、すずかで、チーム、

 拠点防衛シュミレーションだ。」

「まてまてまてっ?!

 今、この時も、ジュエルシードは

 相手に取られているんだぞ!?」

「安心しろ、

 “全部そろわなきゃ発動しない”

 こっちの手持ちは8、

 向こうは6、直ぐに巻き返せる。」

「そう言う問題じゃ無いだろ!!」

「いいから、始めるぞ。」

「ほぇ~。」

「すごい、町が。」

「仮想空間って海とかの方が良いのでは?」

〈あぁ、僕らは基本市街地戦闘が訓練過程で

 デフォルトなんだ、そこは済まない〉

〈なのは、すずか、アリサ、

 お前らは、

 そこ見えてる“フラッグ”を

 拠点と仮定して守ってくれ、

 俺達がそのフラッグを

 “破壊するのが目標だ”

 リンディさん?

 カウントダウン、お願いします〉

〈はいは~い、

 カウントダウン、いきま~す〉

3人「えぇっ!?いきなりスタートっ!?」

〈10~・・・

 面倒くさいので、ぜろ~〉

3人「うそぉっ!?」

「ラビットショット!」

「えぇっ!?シンヤ、

 なんで使えるんだいっ!?」

「っ!?兎に角護るよ!

 レイジングハート!」

《シールド》

分厚い障壁は

シンヤが放ったラビットショットを

いとも簡単に霧散消失させる

「って、あれれ?」

「なのは、隠れられたわ。」

「なら、エクサグラマ?」

《はい、広範囲索敵始めます》

小さな“わんこ達”が、

“走って探しに行く”

「か。」

「か。」

二人「かわいぃい~っ!」

「えっへん!

 眷属探知よ?エクサグラマは

 索敵も得意なのよ!」

〈ふぅ〉

〈いきなり隠れるとか、

 シンヤ?何を考えている?〉

〈いや、いきなりディバインバスター

 撃たれると思ったからな〉

〈流石にそれは・・・〉

《シンヤっ!!》

「クロノ!!まずは逃げるぞ!!」

「うあわっ!?」

腕を捕まえ、強引に飛び上がる

直後

 

“ちゅど~ん”

 

「・・・は?」

「おっかねぇ、これでまだ

 “全力じゃねぇのかよ”」

「あれ?避けられちゃった。」

「そうよね、

 ハピネスの元になったデバイス、

 “しなの”がいるもんね。」

「アリサちゃん、どうするの?」

「兎に角近寄らないと

 私は戦えないし、長距離は苦手なの。」

「アリサちゃん、

 他は何が出来るの?」

「一応、

 魔力隠蔽、近接戦闘、

 短距離魔法、“中距離用弓術”は出来るけど。」

二人「きゅうじゅつ?」

「あぁ、これ、見せた方が早いわよね?

 ハピネス、バトルフォーム、

 続けて、アーチェリングモード。」

《はい、マスターアリサ》

姿が大きくなり、

ショートソードを連結、

アーチェリーに使われる弓に近い形へ変形した

「ほぇ~、これって、

 アーチェリーの弓だよね?」

「そ、私の戦闘スタイルと、武器を

 選ぶ時に、一番使いやすかったのよ、

 これでそれなりの距離なら

 “魔力矢”で攻撃出来るのよ。」

「凄い、

 エクサグラマ?」

《マスター?

 バトルフォーム、

 バックアップスタイル、

 “カノンフォーム”と、

 これ以上増やされても、

 咄嗟の切り替えに支障が出ます

 いい加減にして下さい》

「ぶ~ぶ~。」

《はぁ、レイジングハート、ハピネス、

 出来ないのは承知の上ですが、

 マスターを変わって貰えませんか?》

2基《無理》

《ですよね》

「ふぅ、クロノ、

 近接戦闘はどれだけ経験している?」

「・・・訓練目標だけだ。」

〈念話の方が良いな〉

〈急になんだ?〉

〈いや、恐らく

 すずかの方の探知魔法

 “匂いと音”で場所が割れる〉

〈はぁ?ついさっき

 デバイスを受け取った子が執れる

 戦い方じゃないぞ?

 どうなってるんだ?なのはの友達は?〉

〈さぁな、ハピネスも、

 エクサグラマも、レイジングハート同様の

 索敵能力、情報判断力、

 何より、“相性がヤバイ”〉

〈相性?〉

〈あぁ、アイツ等、

 教えるまでも無く

 “念話で6人同時に会話してたんだ”〉

〈・・・つまり〉

〈実質、6対3、頭数も負けている〉

《シンヤ》

〈しなの、

 解禁するしかフラッグを取れない、

 “一応、非殺傷設定”出来るよな?〉

《あくまでシュミレーションの仮定です、

 この“訓練空間でどこまで再現されるか”

 撃つ以外に、確認する事は出来ません》

〈おい、物騒な事を言わなかったか?〉

〈仕方ないだろ?

 “人に向けて撃てる物じゃ無いからな”

 コイツの本来の機能は

 “対質量兵器殲滅”だからな〉

〈なっ!?そんな危険なデバイスだったのかっ?!〉

《えぇ、シンヤに合わせて

 “スペックダウン”は

 難しかったですが、

 改めて自己の能力把握には貢献してくれたので、

 そのままマスター登録をしたのです、

 “情報こそが私が欲する物”なので》

「ちっ!?クロノは、

 すずかの相手を頼む!!」

《波動防壁作動!!》

「はぁっ!?」

発動した防壁は、

“間違いなくディバインバスター”を防いだ

「・・・へぇ、

 レイジングハート、

 ディバインバスター、防がれたね?」

《えぇ、これなら》

二人「なのはが、

   女の子がしちゃいけない顔してる。」

「すずかちゃん、

 クロノ君、抑えられる?」

「え?」

「アリサちゃん、

 シンヤ君を止められる?」

「へ?」

「私、これからちょっと

 “チャージが必要な魔砲”を準備するから、

 離れるね?」

二人「ア、ハイ。」

《なのは、レイジングハート、離れます》

「セオリー通りか?」

《いえ、しかし》

「来るよな!アリサ!」

「せいっ!!」

カウンターを合わせるが

「もういっちょ!」

「ぬおっ!?」

カウンター返しされる

「ますます返しが早くなってくな、アリサ!」

「そりゃぁ、

 “毎日、相手して貰ってるからね!!”」

 

 

「どうしたの?」

「アリサ。」

「なに?」

「自分でなに言ったか、

 もう一度言ってみ?」

「え?だから、

 まい・・・あい・・・。」

「はぁ~、しなの。」

《ぁ~、小学生だと言う事を、

 失念していました、

 周辺に魔力収縮を検知、

 “全員が貴方を狙っています、シンヤ”》

「ネェ?レイジングハート、

 今、アリサちゃん、

 ナンテ言ッタノ?」

《・・・乙女の敵です、

 撃ちましょう、マスター》

「エクサグラマ?」

《はい、魔力収集率上昇中、

 発射可能まであと10パーセント》

「S2U、限界まで魔力収集。」

《はい》

《間違いなく、ヤバイです、シンヤ》

「アイツら、アリサがいる事

 忘れてないか?」

「ん~、シンヤ?

 やっぱりわかんない、

 なにがダメだったの?

 “教えてよ?シンヤ?”」

「ぁ~・・・

 リンディさんか、学校の

 保健室の先生に聞いてくれ。」

「やだ。」

「おい。」

「ねぇ?なんかまぶしいんだけど・・・へ?」

「あ、気がついた?

 俺ら、結構ヤバイ状況なの。」

「スタ~ライト。」

「ブラッティ。」

「アイシング。」

3人「ブレイカーっ!!」

「アリサ!」

「ひゃっ!?」

後ろに庇い

「“制限解除!!

  波動防壁最大出力!!”」

《了解》

街のフィールドは、

全て吹き飛び、焦土と化した

「・・・はっ!?ボクまで、

 何を撃ったんだっ?!

 大丈夫かっ!?アリサ!シンヤ!」

二人「あ。」

〈おぅ、

 流石に魔力余波で、

 アリサが気を失っちまった、

 救護室空けといてくれ〉

「クロノ?なのはちゃん?すずかちゃん?

 3人とも、私の部屋に来なさい、

 今すぐ。」

3人「はい。」

救護室

「・・・ん、ここは?」

《マスターアリサ、

 大丈夫ですか?》

「ハピネス、大丈夫、

 ちょっとまだ気持ち悪いけど。」

《魔力余波で気絶したんです、

 そもそもの、アリサさんに、

 “魔力素質がありませんので”》

「ぁ~・・・なるほど。」

《所で、しなの?

 シンヤは、なぜ眠っているのですか?》

「あ、ほんとだ。」

《・・・代償ですよ?“制限解除の”》

「え?」

《私は本来、

 “対質量兵器殲滅”が主目標、

 その能力を使うには、

 “シンヤの身体は幼すぎます”

 まず、1%も本来の性能を発揮できません》

《1%っ!?

 冗談も程々にして下さい、しなの》

《冗談なんか言いませんよ、

 “シンヤも魔力素養はありませんので”》

「ちょ、ちょっとまってっ!?

 シンヤも使えないのっ!?」

《ええ、言ってませんでしたか?》

「言って無い!!」

《しなの、まさか》

《いえ、貴女の主幹構成は、

 間違いなく“マスターと共に成長する”です、

 私の“本来の主幹構成は入っておりません”

 “こんな兵器は私一つで十分です”》

「ば~か、こんなお喋りな

 兵器がどこにいるんだよ。」

「シンヤ!!」

「・・・え?アリサ、

 いま、“喋ったんだよな?”」

「え?」

《おや、聴覚が代償でしたか、

 流石に不便ですね、

 サポート範囲を広げますね》

〈てめぇ〉

《言ったでしょう?念押ししたでしょう?

 “無理に行使すれば代償を伴うと”》

「っ、アリサ、もう一度

 “声を聞かせてくれないか?”」

「しんやぁ。」

「泣くなよ、堪えるって言ったろ?」

ボロボロ泣き出すアリサ

「アリサ、だから言ったろ?

 俺を選ぶなって。」

「・・・ばかぁ。」

アリサを引き寄せ抱きしめ

 

ぽんぽん

頭をなでる

「アリサ、ごめんな、ごめんな?」

「ゆるさないもん、

 ぜったい、ゆるさないからぁ。」

《っ!?誰ですか!!》

《チェーンバインド発動します》

あ、この声は

開く扉から倒れて来るのは

「ぐぇっ。」

「わきゃっ?!」

「きゃん?!」

クロノが下敷きになった

「・・・3人共、正座。」

3人「え?」

「正座が嫌なら・・・。」

《バトルフォーム、セットアップ、

 スタングルナックル準備》

バチバチと放電しながら、

拳を構える

「雷拳連撃、サンダー。」

《ラビット、ファイヤ》

アースラが揺れた

「当ててないから、

 でも、次にこう言う事したら、

 ア・テ・ル・カ・ラ・ネ。」

「ちょっと、何事?

 アースラが揺れるなんて早々ないんだけ、ど。」

間の悪いエイミィさん

「ぁ~、アースラを壊さないでね?」

「アリサ、

 ほれ、こっち来い。」

もう一度、抱えて込んであげる

《モードオフ》

「ちょっ!?」

「しなの、ステルス。」

《はい》

〈エイミィさん、

 アースラの修復資材取って来ます〉

「え?あぁ、いいの?」

〈まぁ、ある意味

 俺のせいでもあるので〉

「わかった、

 でも危ないと思ったら直ぐ帰って来てよ?」

〈わかってます〉

 

「さてと、

 3人とも、事情、説明して貰えるかな?

 艦長にも報告しなきゃいけないからさ。」

 


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