翌日
「え?」
「あ、言うの忘れてた。」
〈あんた、結構抜けてるんだね〉
子犬アルフと遭遇したアリサはまだ固まってる
「アリサ、アルフだ、
色々あってな、匿ってる。」
〈アリサ、って、言うのかい?〉
「くぁわぁいいいいっ!!」
《アルフさん、頑張ってください》
〈ちょ~っ!?〉
▽
リンディさんには伝えたけど、
アルフは保護、管理は
なぜかアリサになっていた
〈なんで、俺じゃないんですか?〉
〈だって、シンヤ君、男の子でしょう?〉
〈はぁ、まぁ、そうですけど〉
〈なら、女の子同士の方が
何かと便利だし、話せない内容もあるでしょ?〉
〈そぅ言う物ですか?〉
〈そう言う物よ?シンヤ君
日程調整は完璧だから、明日から
〈はぁ、部屋は余っているので
アリサに伝えときます〉
〈それじゃ、明日ね~〉
「ふぅ。」
《シンヤ?》
「なんだ~?」
《話、ちゃんと聞いてましたか?》
「ん?なんの話?」
《いえ、アリサには私から
伝えておきます》
「ん~。」
はて?なにを忘れてんだ?
ま、いいか、アルフの散歩でも行くか
「アルフ~、散歩行くか~?」
〈いや、下手に外で歩ける立場じゃないんだけど?〉
「そうだっけ?」
〈なぁ、しなの、コイツ、大丈夫か?〉
《駄目かもしれません》
〈昨日の内容も内容だけど、
急激に“精神年齢が引っ張られてないか?”〉
《例え中身が30後半の精神でも、
親を亡くす辛さは、
精神に極めて影響を与えているのかと》
〈親を、リンディさんに重ねているのか?〉
《わかりません、
私で言う親は“作成者”に当たりますが、
特になにか思う事はありませんね、
“データベース”に記録もありますし、
“その世界は既に滅んで無くなっていますから”》
〈私は・・・〉
《その点、アルフさんは羨ましいです》
〈え?〉
《フェイトさんと言う、
側に居たい方がいらっしゃるので》
〈あんたは?〉
《所詮、“興味の対象”としか、
シンヤを見ていませんし観測してません、
シンヤが死ぬまでに残すデータ、
感情、行動を“情報収集の興味の対象”
これ以上には感情と言う表現はありません》
〈その割には大分執着してるように見えるけど?〉
《そうですね、
“転生者”と言うコンテンツも
情報として興味があります、
シンヤの“転生前の世界も気になりますが”》
〈むり、じゃないかな?
私が知る範囲でも、
“過去に戻れた事実は無い”〉
《そうですね、
一番はその理由、原因、状況を調べたいのですが、
作成者によって、
それらは封印、厳重にロックされております》
〈やめときなよ、
“自分が産まれて来なくなる世界”とかに
なっちまうぞ?〉
《それは困りますね》
〈んで?シンヤは?〉
《寝ていますね、
体力も、所詮は小学生なので》
時刻は既に深夜だった
〈シンヤ、大丈夫なのか?〉
《肉体的問題は、ありません》
〈フェイトなら、どうするのかな?〉
▽
ぼ~っとする頭は
状況を理解出来ないでいた
「風邪ね、まったく。」
「シンヤ、風邪ひいちゃったの?」
「そうね、アリサちゃん、
先生に伝えてくれる?
今日からここに住むから面倒みれるし。」
「
「そうね、ここからでも
アースラに指示は出せるし、
それに、風邪を引いた子供の世話は、
大人に任せなさい?」
「むぅ。」
「アリサちゃん。」
「リンディさん。」
「アリサちゃん、ご両親は元気なのよね?」
「うん、忙しくて中々
帰って来れないけど。」
「・・・シンヤ君のご両親の件は?」
「聞いてる。」
「
通信を切る時、
言ったのよ、恐らくその時点で
風邪をひいてぼ~っとしてたのでしょうね。」
「ぁ。」
「いくら大人びた振る舞いをしてても、
“ご両親が居ない寂しさは消えないわ”
ここ最近の出来事もあるだろうけど、
疲れていたのね、
アリサちゃんが“お母さんになるには”
まだまだ掛かるわ、
それまでの間は、私が面倒を見るわ、
それに、“クロノと同じ年なんだから”
アリサちゃんから取らないわよ?」
「に゛ゃっ!?」
「支えましょう?一緒にシンヤ君を。」
「うん、わかった、
行ってきます、
「はい、いってらっしゃい、アリサちゃん!」