リリカルなのは 変動記   作:扶桑畝傍

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2話

三日後

《シンヤ、例の漂着物の起動を確認》

「んで?」

《サンプル回収をしたいですね、

 魔力変換をどこまで突き詰めているのか

 興味深いです》

「へいへい。」

十字架形態の『しなの』を放り投げる

《モードチェンジ、

 コンバットフォーム》

悲しきかな、武器形態は

『三八式歩兵銃』

《これが最も負荷が少ない形態です、

 これ以上は使用した直後から

 倦怠感と、全身筋肉痛にさいなまれます》

「う~い。」

海鳴市へ向かうには

電車で三駅も掛かるので

飛んで行く方が早い

《ステルス機構問題ありません、

 耐熱、対電波、対魔力検知に

 全てカモフラージュしています》

「音は?」

《・・・ヘリに擬音しています》

「おぃ、音は駄目なのかよ?」

《流石に実機でのテストは

 出来ませんでしたので、次回から可能になります》

「ま、いいか、零式、五二型、発艦。」

暗闇の空を駆ける零式は

深緑の夜間迷彩塗装だ

「いい振動だな。」

《再現は完璧です、

 しかし、振動が良いモノとは

 どうにも理解できません》

「まぁ、男が憧れる一つだ、

 『自分で操縦する』ロマンだ。」

《概念的な思考・・・

 余り興味は湧きませんね》

「うっせ、

 サブデバイスでも作って

 『肉体の感覚』でも疑似体験したら、

 解るかもな?」

《それには、材料が膨大な量必要になります》

「はいはい。」

《シンヤ、下方を》

「お。」

丁度、初変身した所らしい

てか、変身中を律儀に相手も待つとか、

やっぱ変だよな

「しなの、流石に零式はしまってくれ、

 これじゃぁ撃ち墜とされる。」

《重力調整、対空高度、1500》

乗っていた零式は空間へ飛んで消えていく

「うし、介入する?」

《待ってください、

 生体反応を二つ検知、

 一つは少女、一つは・・・動物?》

「ぁ~・・・恐らく、

 変身の原因だろうな、

 ほっとけ、彼女が使っている

 デバイスの方がおっかない、

 下手すりゃ、こっちに気づく。」

《ほぅ、興味深いですね》

「しなの、

 魔力隠蔽、様子見だ。」

《了解、ですが大丈夫ですか?

 戦闘経験も無い少女が

 戦えるとは思えません》

「いや、大丈夫だろう、

 ただ、万が一がある、

 せめてシールドの準備だけしといてくれ。」

《了解》

ん?原作とは違う、かなり押されている?

「仕方ない、般若面で顔を隠す、

 介入しよう。」

《同意します、このままでは、

 致命傷を負うのが目に見えます》

〈なのは!!しっかり!!〉

《マスター》

「ぃっつ~・・・ま、まだ、大丈夫。」

でも、痛い、こんな痛いのやだよ

こわいよ

お兄ちゃん、助けて

撓る鞭がなのはに迫る

「ひぅ!?」

 

あれ?いたくない?

「先ずは、一発。」

乾いた発砲音が俺の耳には心地よかった

「え?花火の音?」

《いえ、発砲音です、

 魔力反応を検知》

「え?」

「キミの名前は?」

「ぇ、えっと。」

《マスター、不用意に名前は教えてはいけません》

「流石ロストロギアのデバイス、

 『しなの』挨拶しとけ。」

《少女のデバイスよ、

 私は『しなの』彼のデバイスです、

 現状打開の為、参戦する事を希望します》

《・・・わかりました、

 ですが、名前を名乗れないマスターに、

 私の名前も、教えられません》

「・・・ほんと、おっかねぇデバイス、

 シンヤだ、下の名前だけだ。」

《・・・マスター、マスターの判断に委ねます》

「えぇっ!?

 いっ!?いきなり下のなまえぇえっ?!」

「おい!!」

なのはを抱えて鞭を避ける

「ひゃぁあっ!?」

《マスター、大丈夫ですか?》

《全く、マスターの安全第一

 デバイスとして、しっかりして下さい》

《・・・万全であれば

 貴方の様なデバイスに

 遅れは取らないのですがね》

「えぇ?

 レイジングハート、

 全力を出せない状態だったの!?

 どうして言ってくれないの!?」

「ぁ~。」《はぁ》

《・・・マスター、申し訳ありません、

 次元震に巻き込まれた際、

 幾つかのプログラムにエラーが出ています、

 完全修復までに、まだ時間が掛かる事を

 お詫び申し上げます》

《シンヤ》

「あいよ!」

手早くリロードし、鞭を撃ち墜とす

暴れる例のアレ

「レイハさんよ、

 防御に全振りすると、

 出来る事は何がある?」

《・・・封印処置は可能ですが、

 攻撃手段に振り分けられません》

「うし、俺らがアタッカーを務める、

 後詰めでレイハさんが彼女をサポート、

 封印を頼めるか?」

「ふぇえっ!?

 私がやるのぉ!?」

「他にいねぇだろ、

 それに、このバケモノが

 良くわからないからな、

 レイハさんなら、核の場所ぐらい

 わかってんだろ?」

《・・・何者ですか、貴方たちは?》

「興味がある事には貪欲なデバイスと。」

《とんだ性癖を持つマスターですよ》

「え゛?」

「しなの、お前、後で説教な?」

《なぜですか!?》

〈あの~〉

「なんだ?スケベフェレット。」

〈んな゛っ!?〉

「すけべ?」

「・・・そうだ、お前さん、

 下の名前は?」

「ぁ~。」

〈シンヤって言ったよね?

 ボクはユーノ・スクライア、

 これはフルネームだ、

 この名前を教えた代償で、

 彼女を助けてくれないか?〉

「ユーノ、君?」

「・・・わり、

 相手さんは我慢の限界だそうだ!!

 着剣!!銃剣術!!」

三八式を振り回し、鞭をバンバン切り裂いて行く

《驚きました、

 ここまで現実に反映できるなんて》

「ずべこべ言ってねぇで、

 レイハのサポートしやがれ、

 プログラム修復を急がせろ、よ!!」

再び乾いた発砲音を繰り出す

「は、はやい。」

〈信じられない、

 あの動きに付いて行けるなんて〉

っても

「正直、本体は小学生の身体だから、

 眠気がヤバイんだけどな。」

《ですね、徐々にサポート割合が増えています、

 急いで下さい、

 レイジングハートさん、

 修復にはどれくらいかかりますか?》

《・・・間も無く完全修復が終わります》

「はやっ、レイジングハート、

 もう、大丈夫なの?」

《はい、完了しました、

 マスター、強く壁を意識して下さい》

「わ、わかった!」

おぉ、ピンク色の球体が彼女をを包んだ

「防御は完璧だな、

 正直、拘束系統の術は知らねえから、

 刻むけど問題ねぇよ、な!!」

レイジングハートに振り分けていた処理能力が

全部俺へ戻って来る

《シンヤ、テンポ上げます》

「あい、よっ!!」

三八式を振り回しつつ片手で本体を撃つ

騒ぐ例のバケモノ

「すごい。」

《マスター、いずれ貴女も出来ます、

 今は封印を》

「うん!!シンヤさん!!

 封印!!いきます!!」

「はいよ!」

身体を反らし、射線を空ける

《ジュエルシード》

「ふーいん!!」

って、この時点で砲撃は出来なかったよな?

《ほぅ、実に興味深い》

コイツ、中身スカさんじゃねぇだろうな?

「しなの、再起動の兆候は?」

《いえ、完璧に封印されています、

 暴走の兆候も見られません》

「うし、取り敢えず解決・・・してねぇな、

 ほれ、嬢ちゃん、逃げるぞ。」

「え?にげるんですか?」

「お前さん、この壊れた状況を

 説明して信じて貰えるのか?」

「あ。」

〈あ、不味いよなのは!

 人が気づき始めた!〉

「お前なぁ。」《このポンコツフェレット》

〈あ゛っ〉

「ユーノ君、言っちゃった。」

「はぁ、なのは、で良いんだな?」

「ぁ、ぁの、はぃ、そうです。」

「レイハさん、

 兎に角なのはを自宅へ、

 家族にバレないようにな。」

《言われなくても》

「え?ちょ、浮いてる!?」

〈わっ!?まって、ボクも乗せてって!!〉

 

「行ったか、

 しなの、レイハさんと連絡は何時でも取れるな?」

《問題ありません、が、

 こちらからの呼びかけには

 応じたくないそうです》

「おめぇ、なにしやがった?」

《プログラムの修復だけですが?》

「余計なデータ渡しただろ。」

《・・・なぜ?》

「あのなぁ、

 レイジングハート自体がロストロギア、

 下手に『完全復活』したら、

 例の連中が動くだろ?

 それをレイジングハートが望むと?」

《失念しておりました》

「けっ、ふぁ~・・・ねみ、

 早くかえろう、さすがに、ねむい。」

《そうでしたね、

 シンヤは、小学生でしたね》

「てめぇ、やっぱ気づいてたな。」

《貴方に興味がありましたので、

 黙っていたらどう言うリアクションや、

 行動をするのか楽しみにしていました》

「ぜってぇ、説教してやる~。」

 

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