リリカルなのは 変動記   作:扶桑畝傍

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26話

今日はすずかと動物園の予定だけど

(嫌な予感がするな、一式持ってくか)

愛用の霊木から削り出した数珠に

経典セットを隠しポケットに入れ込む

「うし、行くか。」

《シンヤ?》

「なんだよ?しなの?」

《ここの所毎週出かけていますよ?》

「あぁ?」

《心臓の負担を考えてください》

「わ~ってるよ。」

「ん?シンヤ?」

「なんだ?すずか?」

「お香の匂いがする。」

くんくんと俺を嗅ぎまわる

「・・・念の為だ。」

「念の為、ね。」

「悪いとは思ってるけど

 すずかには使わないし使えないよ。」

「そぅ、ね、気よつけてよ?」

「勿論。」

今日は家のやりたい事の一つ

()()()()()()に行くんや!

「はい、はやてちゃん、これで準備オッケーね?」

「せやな、

 全くシャマルのお料理がダメダメとは

 知らなかったんよ?」

「ちょ、は~や~て~ちゃん?」

「いふぁいいふぁい、ぷぁ、

 ザフィーラと言う尊い犠牲があるんや、

 自覚しぃや?」

「あぅ~。」

部屋の片隅でうんうんうなっている

夜天の書の完成?いらん

ウチが欲しかって手に入れられんかった

()()が出来たんや、

ウチが出来るな事なら何でもして家族を守ったる

絶対や!!

「対象を確認。」

〈仕掛けろ、既に覚醒しつつあるはずだ〉

「はい、マスター。」

(同じ動物としては謝るけど、

 これも“闇の書の為”)

「っても、なんだろう、

 この()()()()()()は?

 兎に角、コレを張り付ければよし。」

サイの角に張り付ける

楽しい筈だ

大丈夫、まさか二度も同じタイミングで・・・

「あぁ~っ!?」

「は?」

「え?」

「浮気現場現認や~っ!!」

このエセ関西弁狸女がぁあっ!!

なんでここに居るんだよぉっ!!

「失礼ね、アリサちゃんとアリシアちゃんの

 同意は貰ってるわよ?」

「な、なんやてっ!?」

「ぁ、あはは、こんにちは。」

(やめろシャマル、その苦笑いを)

「まさかスーパーの時の・・・確か、

 八神、だったか?」

「はやてや、シンヤ君?

 くわし~くお話を聞かせて貰おうか?」

「勘弁してくれ。」

〈シグナム!!〉

〈なんだ?〉

〈てめぇ、気づいてただろ!!〉

〈なんの事だ?〉

〈ちょっと!いくら念話が出来るからって、

 五月蠅いわよ!〉

〈やかましいわ!魔料理女!!

 ザフィーラが居ないって事は

 ザフィーラに喰わせやがったな!!〉

〈ま、魔料理・・・〉

〈なんだなんだ?念話が滅茶苦茶

 飛び交ってるけど?

 誰だ、お前?〉

「・・・蒼頡(ソウケツ)シンヤだ、

 〈鉄槌の騎士ヴィータ〉赤髪のキミ。」

「ぉ、おぅ、ヨロシク。」

〈てめぇ、なにもんだ?〉

向こうからお客が流れて来る

〔緊急放送!!緊急放送!!

 サイの厩舎からサイが脱走しました!!

 園内のお客様は

 速やかに園外へ避難して下さい!!〕

繰り返し放送が続いている

「なっ!?」

(っ?!この感じ、呪符の気配だとっ!?)

〈シグナム!!デバイスは!?〉

〈無論、手元にある〉

〈はやてを優先に、他の客を外に誘導頼めるか?〉

「シャマル、ヴィータと一緒に園外へ行くんだ。」

「でも。」

「急げ、この人の中じゃ車椅子だと動けない。」

どんどん人が流れて来る

「すずか!」

咄嗟に抱える

「だ、大丈夫、それよりも、

 この禍々しい気配って。」

「あぁ、呪符だ、しかも対象を狂気に墜とす奴だ。」

「まさか、ハンター?」

「いや、ハンターならこんな手は使わない。」

「じゃぁ。」

(狙いは、はやて、か)

「きゃっ!?」

流石のシャマルでも

人の流れに耐え切れずはやてとはぐれる

「しまった。」

「ヴィータちゃん!はやてちゃんをお願い!!」

「任せろ!!」

「エクサグラマ!!」

《隔離結界形成します!!》

「これは・・・。」

「な、なんや、空が変な色に。」

「え?なんでっ!?」

《わかりません!?

 はやてちゃんが、この隔離結界内に

 残る可能性があるとすれば!!》

「・・・はやて。」

「な、なんや、シンヤ?」

「俺も、すずかも、魔導士なんだ、

 こう言う事を解決する為に力を使っている。」

「シグナム、隠してる場合じゃない、来るぞ!」

レヴァンティンを素早く構え

ガギィン!!

「くっ、重いっ。」

「シグナムっ!?」

「サイの突進を重いで済ませられるって、

 やっぱすげぇよ。」

数珠を定位置に通し、経典を広げる

「シグナム!!押さえていられるか!?」

言い終わると同時にシグナムが跳ね飛ばされる

「ぐぅ!?」

「シグナム!!」

「はやて!!私達に

 ()()()()()()()()!!」

「ヴィータちゃん、はやてちゃんに

 ()()()()()()()()()!?」

「今の私達は、いわば待機状態、

 本当の力が発揮できないんだ、

 シグナムが苦戦するのもそれが理由なんだ。」

「そんな・・・うちが。」

「だから、はやて!!

 私達にはやてを護る為の力を!!」

「八神はやて。」

「シンヤ、くん。」

「はやてちゃん、大丈夫、

 きっとその本は貴女の願いを叶えてくれるわ。」

「なっ・・・なんで、本が。」

「頼ってやれ、本もソレを望んでいる。」

(だけど、コレが始まりだ)

「~っ、わかった、

 闇の書、主はやてが命ずる!

 騎士達に、新たな甲冑を!!

 みんなを、()()()()()()()()!!」

マスター認証・OK

目標・家族を護る為の力を・OK

全システム起動・一部エラー

守護騎士システム・一部エラー

それでも起動しますか?

「・・・闇の書、起動!!」

「鉄槌の騎士ヴィータ、

 これより主はやてを護り、

 家族を護る為にこの力を使う事をここに誓う!」

「鉄槌の騎士ヴィータ!

 シグナムを助けて!!」

「おう!!

 来い!!グラーフアイゼン!!」

〈ヤボール!!〉

暴走するサイがヴィータに迫る

「お~りゃぁ~っ!!」

角を目掛けグラーフアイゼンを叩きつける!!

地面が隆起しその勢いを

完全に受け止めた

動揺するサイ

そして

「烈火の将、剣の騎士シグナム、

 只今推参致しました、

 これより、主はやてを()()()()()()()

 この力を振るいましょう。」

「風の癒し手、湖の騎士シャマル、

 はやてちゃん!これからもよろしくね?」

グォオオ!!

「蒼き狼、盾の守護獣ザフィーラ、

 遅ればせながら参上致しました、

 我ら守護騎士は、

 主はやての為に、()()()()()()()

 その力を存分に発揮致しましょう。」

「す、すごい。」

(あぁ、凄いな、だけど・・・)

【彼女を救ってあげて】

(みえる)

【この子に闇の書の宿命を背負わせないで】

(わかってる)

【闇の書を、夜天の書へ】

(成仏しろとは言わない、

 いざって時、力を貸しやがれ()()()()()()

【頼みましたよ、転生者】

(お~、こわ、簡単に見破られたわ)

 

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