「よし、シグナム、シャマル、
ザフィーラ・・・はぁ。」
「おい。」
「ヴィータ、は、はやての直衛な。」
「なんでだよっ!?」
「お前、サイの角、壊す気だろ?」
「あん?壊すんだろ?」
「違わい、
良く見ろ、角に着いてる札を。」
「ふだ?」
「アレは何なの?」
「魔料理女、アレは“呪符だ”、
さっきの話、聞こえてなかったのか?」
「ま、また魔料理女って言った。」
「アレが原因でサイが暴れていると?」
「流石将を名乗るだけはあるなシグナム、
だが、気づいていながら
俺の方へはやてを誘導したのはユルサナイから
覚悟しとけ?」
「ちっ。」
「シンヤ殿、我らの力では
あの角を壊してしまうぞ?」
「バインド系統で動きを止められりゃ良いんだけど。」
「エクサグラマ、どう?」
《駄目ですね、バインド系統が
すぐさまレジストされ、
効果がまるでありませんね》
「と、言う事で“力技で止めるしかない”
シグナム、その瞬間に
“札の下3分の1”だけ、切り飛ばせるか?」
「なに?」
「まさか騎士とあろうお前が
「あ。」
「なんだ?ヴィータ?」
「レヴァンティンだと、
抜刀は必ず火炎属性がついちまうんだよ。」
「え?そうなの?」
ふぃっと顔を背けられた
「えっと、流石に私も無理よ?」
さりげなくバトルフォームになっているすずか
「むぅ、バインド系統はだめ、
シグナムの抜刀は火炎属性デフォルト、
アレ?結構積んでねぇか、コレ。」
「そしたらウチが動き止めればいいんよね?」
「は、はやてちゃん?
いきなり魔法を使うって大丈夫なの?」
「シャマル、今は少しでも手が多い方がええんとちゃうか?」
「それは、そうだけど。」
「・・・それは、
サイの生命を絶つ事にはならないんだな?」
「ウチがそんなヘマするか!
ってのは冗談で、
このやみ「こら。」なんや?」
「夜天の書だ、夜天の書。」
「シンヤ、なんでこの本の名前を知ってるん?」
「・・・調べ物の次いでで知ってただけだ。」
「ほ~ん、シンヤ、
今度、ウチの調べ物も協力してくれるかな?」
「・・・気が向いたらな。」
と、流石にサイがバテて来たらしく息が荒い
「はぁ、お姫様抱っこがこないな形で
実現するとはなぁ~。」
「なんだよはやて?
アタシじゃ不服だってのか?」
「コレはコレ、それはそれや!」
「なんだそりゃ?」
「埒が明かない、
はやて、詠唱に掛かる時間は?」
「わからん、初めてやし。」
「すずか。」
「わかった、陽動ね、眷属召喚!」
何時もなら子犬が4~6匹召喚される筈が
ウォォオオン!!
「え?ちょ、エクサグラマっ!?」
《えぇっ?!想定外ですよっ!?》
大きな狼が召喚された
(・・・やっぱり影響が出たか)
「兎に角、すずか、
その子は言う事聞くんだな?」
「え?ぁ、うん、聞いてみる。」
〈申し訳ないんだけど、
あのサイの陽動を頼めるかしら?〉
〈承知、夜の血族よ〉
〈それを、口にするな、名で呼べ〉
〈・・・うむ〉
「大丈夫みたい。」
全員(今、物凄い覇気を感じたような?)
(ぉ~、こわ、大方
夜の貴族か血族って言われたな?)
▽
執拗にはやてを狙うサイだが
狼によって全て阻まれてしまう
〈すずか殿、そろそろ飽きて来たのだが?〉
〈・・・もう少しお願い〉
〈むぅ、承知〉
「はやて、まだ出来ないのか?」
「まって!読めない漢字があるんよ!」
「あ?どれだ?」
「これや!」
新緑の森よその力を持って
大樹の根を張り巡らしたまえ
「だろ?」
「学校行ってへんから読めんのや!!」
「いや、お前国語の授業サボってただろ!!」
「違うんや!!
先生の話声が子守歌なのがいけへんのや!!」
「あほぉ!!とっとと復唱して発動しやがれ!!」
「誰があほや!!」
「てめえの事言ってんだよ!!クソ狸女!!」
「あんたら外まで聞こえるわよ。」
「ぁ、アリサ、アリシア、もぅ着いたのか。」
「アリサちゃん、そろそろ眷属召喚を切り変えたいの、
あのサイを抑えてくれる?」
〈はぁ、やっと帰れる〉
〈・・・おチビちゃん達はどうしたのよ?〉
〈ん?我の息子たちがどうしたって?〉
〈・・・次からおチビちゃん達を出しなさい〉
〈いや、暇だったし“同族の匂いがしたのでな”
気になったから出て来たのだ〉
〈え?〉
〈すまぬ、帰るぞ〉
〈ちょっ!?〉
「アリサちゃん!!」
「はぁ、動物に拳はぶつけたく無いんだけど、ね!!」
高速ジャブはサイの頭を揺らした
姿勢が崩れ
「よし、行ける!!
拘束魔法!ストラングラーフィグネット!!」
「ぅぉ~ぃ、絞め殺しの木だろこれ。」
「で、でも動きを止められたやろ!!」
確かに動きを止め・・・てねぇよ
「はやて、制御をしっかりしろ!
サイを締め付けてるぞ!!」
「うぇえっ!?そんな事ゆうても!」
「は、はやてちゃん!
しっかりイメージして!!
そうすれば本が補正してくれるから!!」
「わ、わかった、やって見る!」
締め付けは止まったが
サイはまだ暴れる事を諦めていなかった
「はぁ、アリサ。」
「はいはい、これでいいでしょ?」
後ろから抱き着く
「は、恥ずかしいんだからね?
早く済ませてよ。」
「はいよ。」
(・・・アリサちゃんに出来て
なんで私は吸血鬼なのかしらね)
(すずかちゃん、
良くない気配してる、
誰かにそそのかされたりしなければいいんだけど)
〈しなの〉
《はい、アリシアさん》
〈私のデバイス作りたいから
素材の次元調べてくれる?〉
《え?》
〈すずかさんが危なそうだから〉
《・・・わかりました》
▽
「ほぅ。」
「ぁ、アレだけの禍々しい気配が。」
「消えて行く、シンヤ殿、
それが“霊力”の御業なのか?」
答える余裕は無い
アリサに抱えてられないと
「・・・うし、封印完了、
シグナム、剥がしてくれ。」
「なぜだ?」
「すずかに悪影響が出るからだ。」
「え?」
「狼、何時もの子犬じゃ無かったのは俺のせいだ、
すずか、みんなを家に招待出来るか?
そこで話す。」
「わ、わかった、今連絡する。」
(え?シンヤ?どう言う事なの?)
「仕方がない、ほら、剥がしたぞ?」
「後は燃やしてくれ。」
「今度こそ私の出番だな。」
レヴァンティンをしっかり構え
「紫電、一閃!!」
「ほんとだ、デフォルトで燃えてるわ、
わりぃな、3分の1だけ切り飛ばせてれば
「ぇ?私に?」
「あぁ、少ない方の切れ端でな
「すずか?アンタが考えてる事
当ててあげようか?」
「あ、アリサちゃん?」
「っ!?」
「逆よ、私はすずかだと出来る事が出来ないの、
少し羨ましいんだからね?」
「・・・嘘よ。」
「すずか、マジで急いでくれぇ~・・・
ダメだ、意識が・・・おち、る。」
▽
すずか邸
「はぁ、とりあえず大丈夫そうね。」
静かに寝息を立てるシンヤ
「なぁ、アリサちゃん、
シンヤはどないしてここまで無理をするんや?」
「・・・私達の為、
それしか教えて貰って無いわ。」
「え?アリサちゃん、
それって、私達3人の事?」
「当ったり前でしょすずか、
アンタが一番護られてるんだからね?」
「えぇっ!?」
「はぁ、先ずは私から、
私はシンヤの側に居過ぎたせいで
勿論、幽霊、妖怪、この世ならざる者も全部ね。」
「ぅ、うそやろ?
お化けなんておらんのやろ?」
「ぁ、あら、は、はやてちゃんも
怖い物があるのね?」
「そ、そぅいう、しゃ、シャマルもやろ?」
「見えないアンタらが普通よ?
ソレを承知で私は
シンヤに告白したし付き合ってるの。」
「次は私ね?」
「アリシアちゃん?」
「お母さんには心配かけちゃうから
言って無いんだけど、
私、まだこの身体にちゃんと定着してないの。」
「まって?シンヤが施した
生きる気力が満ちていれば失敗しない筈じゃ。」
「ぁ~、半分諦めてたの、だから。」
「でも!!」
「
コレがアリシア・テスタロッサの今なの、
シンヤが、改めて定着出来るように
毎日、少しずつ、
私の身体と、魂を紡いで行ってくれてるの、
ん~、ざっくり言えば、
RPGの3人称視点とか、
キャラクターを操作してる感じに近いんだ~、
だから、屋上から排水管伝って降りれるし、
“中国のキョンシーよろしく”、
力も人間のリミッターギリギリまで使えるから、
便利っちゃ、便利だよ?」
「あ、あははは、なんや?もぅついてけへん。」
「ん~、さっぱりだ。」
「あはは、私も。」
「我もだ。」
「・・・それは繋がりを切られるような状態になると?」
「今度こそ、本当に死んじゃうね、
こればっかりは無理ってシンヤから言われてる。」
「アリシア、と言ったな?」
「あぁ、勘違いしないで?
ちゃんと、
あはは、正直、心臓バクバクなんだ、あはは、はは。」
「そうか、すまない。」
「シグナムさん、
今の私だから伝える事があるの、聞いて貰える?」
「なんだ?」
3人「「「っ?!」」」
「・・・むしろ、謝るべきは私達だ、
護る筈の主に護られて来たのだから。」
「シグナム、大丈夫!
ウチが何とかしたる!絶対や!!」
「主、はやて。」
「さ、すずか、
シンヤから聞いてるから伝えるけど
心の準備、出来てるかしら?」
「・・・やだ。」
「そ、でも、コレは受けて貰うわね?」
「へ?」
バチーン!!
「ちょっ?!アリサちゃん!?
なんですずかちゃんをぶつんやっ!?」
「あんたね。」
ぽろぽろ
「一番。」
ぽたぽた
「たいせつに。」
「あんたが一番大切にされてるのよ!!すずか!!
私はシンヤを支えるしか出来ないの!!
アンタは違う!!
吸血鬼の力があるからこそ!!出来る事が!!」
「私は!!吸血鬼でいたくない!!」
「もぅ我慢出来ない!!
言ってやる!!」
「なによ!!」
「・・・やっぱ、こうなったか。」
「シンヤ、ごめん、言っちゃった。」
「え・・・だって、
「アリシアも、言ったんだな?」
「うん、正直、
どんな時でも離れて欲しくないぐらい、
こわいよ?でも、シンヤ、
必ずむりしちゃうから、わたし、がまんするよ?」
「我慢すんな、何時でも側に居てやる、
アリシア、アリサ。」
「俺は、何度も言ってるんだけど、
まだ、理解してくれないか?」
「な、なにぉよ。」
「俺は
父さんも、母さんに
母さんを慰めてた、だから、
好きと言われたなら
俺もそうしようと、心に決めてたんだ、
すずか。」
「
【愛してる】」
「これ、アタシ達も、ね。」
「ぅん、いわれた。」
さっきまでの泣き顔は消え
真っ赤に染まっていた
「・・・ほんと?」
「あぁ、だからそこの『狸女』も証人だ。」
「誰が狸女やっ!!」
「うっせ、てめぇは狸女で充分だ!」
「シンヤ。」
「おう、なんだ?すずか?」
「・・・血、吸わせて。」
全員『へ?』
「ぁ~、母さんが父さんにべったりくっついて
ちゅぱちゅぱなんか吸ってるって、
コレの事だったのか~・・・って、今吸うの?」
「吸う。」
かぷ
「ぇ~・・・首筋、だいれくとぉ~・・・
ぉ~・・・血の気がひいてくぅ~・・・。」
ぱたん、きゅぅ
「ちょっ!?ハピネス!!
急いでシンヤの輸血パックだして!!」
《はいっ!!今直ぐ出します!!》
「あぁあ!?すずか!!
死んじゃう!!シンヤが死んじゃうから
それ以上吸っちゃだめぇええっ!!」