翌朝、新聞には『ガス爆発』とされていた
「ふぁ、まだねむい。」
《え?体調面では完璧の筈ですが?》
「てめぇが、『夢限空間』で
起こしてただろうが、
精神面が眠いんだよ、バカ。」
履修する必要の無い小学校に
通わなければいけないのがこの身体の一番の問題
「はぁ、いってきます。」
誰もいない部屋に行ってきますと言う
俺の両親は既に他界している
海外出張で乗った旅客機が不時着で
乗員、乗客、全員が死んだ
俺は、叔母の家に預けられていて
その場に居合わせていなかった
ま、それが切っ掛けで
『前世の記憶が復活したのだ』
この家は、両親と住んで居た家、
生活に掛かる費用は両親が残してくれた遺産と、
叔母が、月事に食材を送ってくれる
正直、前世の記憶が戻ってしまった俺は、
『叔母を他人にしか思えなかったので』
同棲を断ったし、両親の家が良いと言う
建前もあって、一人暮らしを堪能している
▽
ぁ~、退屈
歴史の成績こそギリギリ平均だけど、
それ以外は平均以上、トップ未満を取れる
そりゃぁ、この世界の歴史と、
前世の記憶の歴史は幾つか食い違ったりするからだ
退屈な学校が終わり、
帰り道
《シンヤ、昨日の今日ですが、
ジュエルシードの反応が出ました》
「・・・早くね?」
《ジュエルシードに、
空気を読めと説教をしたいですね》
「お前の説教はまだあるからな?」
《なんでですかっ?!》
「さて、一応、増援に向かいますか。」
《ですね、流石に零式は目立つので、
普通に単独飛行をオススメします》
「わかってるよ、
単独飛行で見つかる可能性は?」
《ゼロです、
それに、零式より、早く着けます》
「・・・マジか。」
《はい》
▽
「うわぁ~お。」
《これは・・・隠蔽不可ですね》
「レイジングハートは?」
《応答はしてくれませんが、
位置情報は供与されています》
「言わずとも来いってか?おっかねぇ、
しなの、とりあえず合流するか。」
《そうですね、直ぐ近くです》
▽
「うっす、なのは、
って・・・レイハさん、これはぁ~。」
私のせいだ、と、
何度もブツブツ言って凹んでいる
《マスター、お願いします、立って下さい》
「・・・はぁ、なのは!!
今すべきは封印だろ!!」
「ひゃぁっ!?
し、シンヤ、さん、
びっくりしました!いつ、ここに?」
「酷な事を言うけど、
『この状況を打開できる力を
持ってるのは誰だ?』」
あ、顔つき変わった
《マスター》
「レイジングハート、やろう。」
《はい、やりましょう》
ったく、レイハさん、
もう少し支え方を考えて欲しい物だ、
この海鳴市で起こる事は対処出来ても、
それ以外は、間に合わない可能性が高い
覚悟を決めさせないと、
マジであぶねぇぞ?
《エリアサーチ》
「リリカル・マジカル、探して!
最悪の根源を!!」
「見つけた!!」
〈本当かい?なのは!〉
「うん、“ここから封印するよ”」
〈え?ダメだよ、近づかないと!〉
「いや、いけんじゃね?」
〈えぇっ!?シンヤまでなに言ってるのさっ!?〉
「大丈夫、
ね?レイジングハート。」
《はい、マスターなら出来ます、
モードチェンジ、
シューティングモード》
〈ちょ、長距離封印っ?!〉
「これが・・・。」
「ジュエルシード、
ふーいん!!」
うげぇ、コレがディバインバスター
受けたくねぇな
さて、無事封印が出来た訳だし、
この木が消える前に、なのはを、
見つからない場所に移動させなきゃな
「しなの、“3人分の魔力隠蔽”
少し外れのビルの上に退避するぞ。」
《了解、移動、開始します》
《不要です》
「レイハさんは、
なのはとしっかり話して、
『覚悟』を決めろ、
そんなんじゃ、
『目の前にある物すら守れないぞ?』」
《・・・本当に、何者ですか?
幾多の戦闘を経験したように見えて、
“中身はまるで別人”な貴方は?》
うひ~、流石レイハさん、
もう気づいた?
滅茶苦茶高性能なロストロギアデバイスなこって
《馬鹿な、私の隠蔽を搔い潜るなんて》
《言ったでしょう?
完璧なら、貴方程度に
“遅れは取りません”と》
「喧嘩は後でな、
兎に角、勘の鋭い
“誰かさんが気づきかねないからな”」
〈まさか、監視?〉
「いや、この世界でも
“本当に死線を搔い潜って来た人間”が、
身近なとこに居るかもしれないだろ?
それに、魔法を使っているのも
バレたくは無い筈だろ?」
《一理あります、マスター、
シンヤの後に付いて飛んで下さい》
「え?あ、はい。」
▽
流石にビル屋上の扉を壊す訳には行かないので、
隠蔽しながら、なのはを降ろしてあげる
「す、すいません、ここからなら帰れます。」
「そか、なのは。」
「はい?」
「ちゃんと食べろ、軽すぎだぞ?
そんなんじゃ、
いざって時に動けないし、判断も鈍る、
女の子がガリガリじゃ、
可愛くないぞ?」
あ、余計な事言っちまった。
《マスター、
先程の砲撃をシンヤに撃って下さい》
「ちょっ?!レイジングハートっ?!」
《人に言うなとか言っといて
自分でフラグを建てるようなマスターに、
お仕置きが必要ですね、
レイジングハートさん、
よろしくお願いします》
「しなの、お前デバイスだろうが。」
《いえ、この場合“意志”を持つ意味で
人と言う表現をしたまでです》
「はぁ、帰るぞ、しなの、
なのはも、気を付けて帰れよ?
向こうから怖い顔した
“お兄さんが睨んで来るから”
帰るな。」
「え?あ、お兄ちゃん!」
「なのは!大丈夫か!」
あっぶね~、咄嗟に隠蔽して飛んで正解だったな
《危なかったですね、
恐ろしく察知能力の高い人間ですね》
「あぁ、アレがなのはの兄か、
ほんと、
“見えて無い筈なのに上空を警戒する時点で”
普通じゃねぇよ、
多分、なのはに言えない事やってるんだろうな。」
《調べますか?》
「やめとけ、巻き込まれたくないし、
なのはも、
身内を調べられたくはないだろ。」
《はっ》
「やっぱ帰ったら説教とオシオキな?」
《え?ちょ、
オシオキは・・・》
「40番の紙ヤスリが家にあるんだ、
“磨いてやるよ”」
《お願いします!!
それだけはやめて下さい!!
せめて、300番代ので磨いて下さい!!》
「・・・いや、
グラインダーで削るのもありか。」
《いやだぁああっ!!》