リリカルなのは 変動記   作:扶桑畝傍

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30話

やっちまった

 

「はぁ。」

 

思えばこの身体に10年

 

前世で35年

 

計45年生きても

 

「人間嫌いは治らない、か。」

 

数珠を掴み

 

「読むか。」

 

延々と般若心経を読み出す

 

 

 

「あの、アリサ。」

「なに?」

「怒ってる?」

「そうね、フェイトは知らない事ばかりだから

 しょうがないけどアンタは別よ?()()()。」

「なんで?」

「はぁ、シンヤが言った事、もう忘れたの?

 ()()()()()()()()()()()()()

 なのは、今のアンタは

 ()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「子供って・・・。」

「それと、フェイト。」

「はい!」

「今日から家に泊まりなさい、

 なのはは、()()()()から

 お説教があるから帰りなさい。」

「え?」

「そうそう、なのはさんのご両親も

 ()()()()があるから

 帰って来なさいって言ってたわ、

 多分そろそろ。」

 

なのはー!!

 

「ひぃっ?!」

部屋の隅に逃げるなのは

 

コンコンコン

「開いてるわよ~。」

「失礼する。」

普段は良いお兄さんの恭也さんだけど

「ぁ。」

「なのは、帰るぞ。」

「ハイ。」

殺気が乗った言葉は重かった

 

 

嵐が過ぎ去った部屋に戻ると

 

「・・・晩飯、まだだろ?」

とりあえずでた一言だった

 

って、買い物してねぇから・・・

 

「ジャガイモに、コレかぁ。」

 

前世に置ける初料理で

特定の人が食べると泣いてしまうアレを作る

 

「ほれ、とりあえず腹入れとけ。」

 

ジャガイモパンケーキ

 

程よい甘さとジャガイモの風味が良く出る

 

「シンヤ。」

「悪い、今から追加の食材買って来る。」

 

 

「・・・リンディ母さん、食べる?」

「そうね。」

 

「って、フェイト?大丈夫?」

ポロポロと涙を流しだす

 

「っ・・・わからないの、でも、止められない。」

「フェイト?私にもくれるかしら?」

「プレシア母さん。」

「・・・ごめん、私はパス。」

「アリシア?」

「これは、ね。」

そう言って部屋を出てしまった

「っ!?

 これは・・・そうね、男が作る、

 そう言う味ね、これは・・・っ、

 涙なんて、久しぶりね。」

リンディ母さん

プレシア母さん

フェイトも

「・・・えい!」

私も食べる

「・・・ふぇ?」

ポロポロ

「にゃんでぇ?」

涙が止まらなくなった

噛めば噛むほど

懐かしい味と

「・・・寂しい?」

「そぅ、ね、これは()()()()()()()。」

 

「っ!?」

目の前に誰かが現れる

(し~)

口を人差し指で押さえられた

 

周りは誰も気づいていない

 

(貴女は誰?)

(あら?ダメよ?見えるからって

 簡単に話しかけちゃ憑りつかれちゃうわよ?)

(えぇっ!?)

(冗談よ、貴女がアリサちゃんね?)

(・・・はい)

(出来ればお話が出来る場所がいいんだけど)

(わかった)

「ごめんなさい、

 一度、部屋に戻るわ。」

 

「ふぅ、ここなら良いわよ?」

〈じゃぁ〉ぽん!

 

「・・・痴女。」

「失礼ね!!一応吸血鬼の衣装なのに!!」

「吸血鬼・・・まさかっ!?」

「そ、シンヤのお母さんよ?」

背中に生える禍々しい翼に

鋭い牙、爪、そしてギリギリしか隠せていない水着?

「でも。」

「そ、墜落事故で《再生に今日まで掛かっちゃったのよ》、

 そうしたら、こんな可愛い子を()()()()()

 なんて子かしら。」

「シンヤのせいじゃないわ!!

 コレは私の意志で見える事を受け入れたの!!」

「そぅ。」

冷たい爪先が喉に当てられる

「あの子の何を知って、

 理解している積りかしら?」

「・・・正直、知らない事が多すぎて解らないけど。」

あえて爪に押し付ける

「私はシンヤが大好きなの!!」

 

「・・・強い子、

 私は弱かった、羨ましいわアリサちゃん。」

爪を収納し

「ごめんなさいね。」

キズを撫でる

 

「はい、これで大丈夫よ。」

傷痕は無くなっていた

「治癒魔法?」

「そうね、ベルカ式でも、ミッド式でも無いけどね。」

「そうだ!!生きているなら!!」

「ダメよ。」

「どうして!?」

「もぅ、あの子の母親としての私は()()()()()

 ここに居るのは()()()()()()()()()()()()()()。」

「でも!!」

扉が開く

「こんな禍々しい妖気を持つ同族が身近にいるなんてね。」

「あら?貴女が()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()?」

「この世界?

 名前を憶えて貰えて光栄です、

 ()()()。」

「止めて頂戴、その役柄を捨ててこの世界に来たのだから。」

「失礼しました。」

「すずか?」

まるで、王様に跪くように屈む

「アリサ、ごめんね、私じゃ到底敵わないお人よ。」

「すずか。」

「はぁ、固いのはナシ、いいわね?」

「・・・ですが。」

「あの子の()、美味しかったでしょ?」

「・・・はぃ。」

「私の血と、宗栄(ソウエイ)の血が混ざってるんだもの、

 美味しいだけじゃないの、わかってるでしょ?」

「・・・はい。」

「って、すずか?その羽・・・。」

すずかの背中には

()()()()()()()()()()

「宗栄の血は聖属性、

 いわゆる()を祓う力を持つ、

 私は()を貯める力を持つ、

 その二人から産まれる子が、

 ()()()()()()()()()()()()()()

 私はシンヤを産んだの、

 お互いの血を残したかったから。」

「でも。」

「えぇ、身体は弱く、

 心臓も普通の子より小さい病気を持って生まれた、

 丈夫に産んであげられなくて

 何度も謝ったわ、

 でもね、シンヤは許してくれた。」

「あぁ、そうだ。」

「あら、久し振り、シンヤ。」

「久し振りだな、母さん、

 すずか、アリサ、こんな痴女が俺の母さんだ。」

「痴女じゃないわ!!」

「「ぷっ!」」

 

あははは

 

二人して笑った

 

「も~。」

「ったく、母さん、父さんはどうしたんだ?」

「もぅ上がっちゃったわよ、

 シンヤをよろしくって言われてね。」

「ったく、一発殴らせろ。」

()()()()()?」

「・・・止めとく、今じゃ無いだろうから。」

「正解、良く出来ました♪」

「・・・それで?」

「そぅ、ね、

 夜天の書を調べたけど良くて()()()ね。」

「二カ月?」

「やっぱ、そうか。」

「ねぇ、シンヤ?二カ月ってなんなの?」

 

あぁ、()()()()()()()()()()()

 

「「っ!?」」

「それも、急速に進んでるから、

 下手すればひと月持たないわね。」

「うげ、間に合うかどうかギリギリじゃねぇか。」

「そうね、シンヤ貴方は周りを鍛えなさい、

 ギリギリまでね?」

「はぁ、母さんは?」

「ん~、ちょっと別件で調べ物、

 あの動物園で使われた呪符に

 ちょっと心当たりがあるから。」

「・・・()絡み?」

「嬉しくないけどね。」

「はい、これ。」

紙袋を渡す

「あ!コレコレ!!

 私の服!!シンヤ!!ありがと!!」

むぎゅう!!

「・・・母さん?」

「貴方、また無茶したのね?」

「あぁ。」

「そうなんですよ。」

「そうそう、シンヤったら

 何言っても無茶しちゃって。」

「あらあら。」

(何の因果か、()()()に喚ばれてるわよ?)

(・・・わかった)

「はい、これで暫くは大丈夫、

 でも、調()()()()()()()()()()()()()()()

 選ばなきゃいけないわ。」

「・・・はい。」

「選ぶ?」

「ねぇ、シンヤ?」

「それじゃ、母さん、またな。」

じゃら

「ちょっ!?その数珠は止めて!!」

素早く窓際に逃げる

「なんだよ?妖怪だし、

 ()()()()()()()()()()()()()なんだろ?」

「ぉ、怒ってる?」

「アァ、怒ッテナイヨ?」

「やぁ~ん!!」

飛んで逃げられた

「ちっ、逃げられたか。」

「し、シンヤ?」

「まさか。」

「ン?イイカ?

 ()()()()()()()()()()()()()()

 イイネ?」

「「はいぃ!!」」

 

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