リリカルなのは 変動記   作:扶桑畝傍

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第76話

じっ

 

「えっと、俺に何か?」

 

じ~

 

イリヤが呼び出したサーヴァント

『ヘラクレス』が俺から視線を外そうとしない

 

「ねぇ、バーサーカー?

 どうしたの?」

「ん?」

「オルタ、よそ見をしていると

 避けられませんよ?」

「はっ、この程度、

 切り払いでどうとでもなるわ。」

 

見もしないで背後から飛んで来る

『飛行型魔道生物』を弾き返す

 

「おまっ、こっちに飛ばすなよ!」

「シロウ!!」

「バーサーカー!!」

 

振り下ろす巨大な剣は

『魔道生物』に当るが

 

「!?」

「うそっ、刃が通らない?」

「うげ、バーサーカーのそれですら

 刃が通らないのかよ?」

「なるほどな。」

「シンヤ!どうすれば攻撃が通る?」

「まぁ、

 コレは適任者がいるけど~・・・なぁ。」

「いるなら早く呼んで頂戴な?

 私、この後お母様と食事があるのよ!」

「んん?

 イリヤのお母さんはご存命で?」

「は?」

「シンヤには言って無かったけど、

 俺達は会ってるんだよ、

 セイバーも一緒にな。」

「はい、ただ、虚弱体質なのは変わらずの様で、

 ほぼ、屋敷からは出ません。」

「な~ほ~ね、

 ど~りで知らない訳だ。」

「シンヤ、早くしなさいよ!」

「ぁ~、うん、聞いてみる。」

〈もっしも~し、すずか~〉

「ひゃん!?なになに!?」

〈念話念話〉

「あ、ご、ごめんなさいシンヤ、

 久し振りに念話で話しかけられたから

 びっくりしちゃった。」

〈ごめんごめん、

 ちょっとトラブルでさ、

 すずかの力を借りたいんだけど大丈夫かな?〉

「私の?」

〈おう、相手が相手でな、

 味方のメンツじゃ

 相性が悪くてな

 『攻撃が通らないんだ』〉

「・・・そっか。」

〈嫌ならいいんだ、

 俺でも出来なくは無いからな〉

「・・・何分時間はあるの?」

〈ぁ~、出来れば急ぎで〉

「・・・3分頂戴。」

〈良いのか?〉

「アリサを縛り付けてから行くわ。」

〈ぁ~、俺からも言っとくよ〉

「お願いね。」

〈アリサ~〉

「なぁに?」

〈今、大丈夫か?〉

「ハピネスと訓練中だけど?」

〈どこで?〉

「アースラの訓練所、

 そっちだと、まだだるくて動きづらいのよ。」

〈おけ、

 そのだるくなるのは今しばらく掛かるんだ〉

「敵側の結界のせいよね?」

〈あぁ、

 学校の授業はリモートで出来るように

 手配しとくよ〉

「うん、ありがと、シンヤ。」

「お父さん!

 ママのさじ加減を教えてあげて下さいよ!!」

〈アリサ?

 難易度幾つに設定してるの?〉

「オーバーS。」

〈ん~?俺の聞き間違い?〉

「ぴゃ~っ!?波動防壁全開!!」

「ハピネス、今のは避け切れたわよ、

 余分なエネルギーを使わないで?」

「ママ!!

 幾ら何でも余波で削り取んじゃいますから!!」

「大丈夫大丈夫、

 6枚ある波動防壁の一枚で済むでしょ?」

「も~~~っ!!」

〈アリサ、適度に休んでくれよ?

 じゃ無きゃ、

 『小さいまま大人になるぞ?』〉

「ハピネス!強制終了!!」

「今すぐします!!」

「シンヤ、それ、ほんと?」

〈俺の風呂上り見たろ?

 『アレが入らん』〉

「わかった。」

「ママ?アレって?」

「ハピネスの妹を作るにも

 『今の私』じゃ身体が小さすぎてダメなのよ、

 栄養のある料理レシピをダウンロードしといて?」

「はい!いつか来る、妹の為に!」

「こっちはコレで良し。」

「おい。」

「オルタ?」

「アレ、デカいのか?」

「人の念話を盗み聞きしてんじゃねぇよ。」

「しかし、あれでまだ14か、

 達観しておるなぁ。」

「・・・俺がそうさせたようなもんだ、

 もっと普通に暮らして欲しかった。」

「それは貴様のエゴだ、

 押し付けにすぎん。」

「オルタに言われると重みが違うな。」

「伊達にブリテンで

 ドロドロを経験してきたわけで無い。」

「って、シンヤ?

 さっきの頼むって、誰か来るのか?」

 

「すずか、怒らないから出て来い。」

 

俺の影からヴァンパイアスタイルの

『月村すずか』が出て来る

 

「もぅ、もうちょっと雰囲気があるでしょ?」

「雰囲気一つで行動が遅れるなら意味がない、

 それに、急ぎの意味が無くなるだろ?」

「あ、それで?」

「ほれ、アレだ。」

 

羽が生えた魔道生物は

サイズ的に『サル』に近い

 

「なるほど、確かに

 『攻撃は通らない』わね。」

「って、今、シンヤの影から出て来たのか?」

「・・・シロウ、

 彼女は『人』「人だ」しかし!」

「セイバー、

 お前の知るヴァンパイアじゃない、

 『人だ』」

「ほ~、『真祖』からの

 『直系子孫』か、しかし、

 大分薄まっておる、

 別の属性も持ち合わせているのか。」

「流石にオルタには隠せないか。」

「初めまして、

 オルタさん、『悲劇の種族』代表、

 月村すずかと申します。」

と、カテーシーを静かに決める

「っと、『真名』は言えぬが、

 役職、セイバー・オルタだ、

 貴殿もまだ?」

「はい、この間14になったばかりです。」

「ふむ、苦労しておるな、

 こんな『旦那で』」

「へ?」

「オルタ~。」

「堂々と婚約指輪を着けておるのだ、

 気づかん方がおかしいのだが?」

「な゛っ!?」

また変な驚きのポーズをするセイバー

「おま、アリサちゃんに、

 その、すずかちゃんも手を出してるのか?」

「後、アリシアが居るぞ?」

「さ、三人も居るのか。」

「あぁ、色々あったの一部だ。」

「あの~

 どうするの、アレ?」

ロッテが呆れ顔をしつつ空を指差す

「・・・エクサグラマ。」

〈何話振りですか?私のセリフ〉

「メタい事言って無いで、

 『血毒霧』いける?」

〈構いませんが

 範囲は大丈夫ですか?

 一般人はおろか

 皆様にも悪影響が出るかと〉

「オルタ、バーガーだ。」

「良かろう、お前ら、こっちに寄れ、

 『結界』を張る。」

「あ、うん。」

「セイバー。」

「わかりました。」

「家屋の方は俺が結界を張るよ。」

「ありがと、シンヤ。」

「すずか、頼む。」

 

「エクサグラマ・ルナピエーナ

 フルドライブ。」

〈はぁ、了解、

 ヴァンパイアスタイル、

 『血毒霧』散布〉

「『さぁ、アナタの血で

  私に更なる彩を加えて頂戴?』」

 

血の霧が

飛行する『魔道生物達を包んで行く』

 

叫び声と苦しみ悶える嘆き声が入り混じる

 

一匹が霧から飛び出してすずかに迫るが

「あら、自ら『血』を捧げに来るなんて、

 でも、眷属は足りてるのよ。」

 

左手で頭を掴み 破裂する

 

そして、浮遊する赤い霧は

全てすずかに吸収される

 

「けぷっ、もう、

 コレを使うと、明日から

 ダイエットしなきゃいけないのに。」

ふくよかに膨らんだお腹は

『妊婦に見えてしまう』

 

ゴクッ「お、おい。」

「オルタさん?」

「私に貰われないか?」

「お断りします、シンヤと言う

 大切な恋人がいますので。」

「ちょっと、オルタ?」

「なんだ、ロッテ?

 あの膨らみに溜まる『魔力はな?』

 なんとも美しく濃縮されて

 相当な甘美なる味に仕上がっているのだ

 間違い無い!!」

「ぁ~・・・すずか、

 少し、お腹に触って良いか?」

「もぅ、みんなの前は嫌。」

物陰に隠れある事をする

 

「お待たせ~。」

若干顔が赤いすずかと一緒に出て来る

「おい。」

「なんだよ、余分な魔力を

 『飴玉』に変換しただけだ。」

シンヤの手には『真っ赤な飴玉』が三つ

「ぉおおぉぉっ!?」

「はいはい、3つしか無いから、

 大事に味わえよ?」

「早速一つ!」

ぱく

 

あ、オルタが溶けて動かなくなった

「えっと、オルタ?」

「なんひゃ?」

「どゆこと?」

「あぁ、すずかの魔力に変換された

 『魔道生物』の魔力はな、

 『魔力を糧にする生き物には

  滅茶苦茶美味い性質に変化するそうでな』

 一旦お腹に貯めて、

 『時間をかけて少しずつ消化していくんだけど』

 今回は燃費の悪いオルタが居るからな、

 そっちで消化して貰った方が早い。」

「つまり?」

「ロッテの味と互角に

 オルタの中では美味しいって事。」

「ぁ~。」

「なぁ、セイバーにも貰えないか?」

「わっ!?わたしはいりゃないれふよ?!」

「いや、すずかのお腹見りゃわかるだろ?

 もう無い。」

 

あ、凹んだ

 

すっ

「オルタ、私にも一つ頂けないだろうか?」

「やら。」

「一つ恵んでくれないか?」

「なんりぇおまえりあけなひゃなひゃ

 なりゃんのら?」

「私も食べたい!!」

「や~ら。」

エクスカリバーを構える

「待て待て待てセイバー!!」

詠唱を始める

「おいおい、飴玉一つに宝具を使うな。」

タキオン粒子変換魔力を圧縮し

『飴玉』にする

 

「てい。」

ぶん投げてセイバーの口に放り込む

 

し~ん

 

静かになった

 

「シロウ、今の内に帰れ、

 ロッテも、帰ってから

 慰めて貰え、

 すずか!帰るから俺に抱き着け、

 転移で帰るぞ。」

「はぁ、そうさせて貰おう、

 帰るぞ、セイバー。」

「ひゃぃ、しりょう、

 この飴おいふぃいれふ。」

「そうかい。」

「はぁ、オルタ、帰るよ。」

「すまんな、

 この魔力の濃さは、

 ロッテには毒だからな、なぁに、

 『程よくお前に調整したのを後で補充してやる』

 覚悟しろ?」

「ぅん///」

「ねぇ、シンヤ。」

「なんだ?」

「世の中にはいろんな人がいるのね。」

「この冬木市がおかしいだけだと思うぞ?」

「そうなの?」

「・・・そうだと良いな。」

「そうね。」

 




「って、アンタ達待ちなさいよ!!」

全員、有無を言わさず帰った

「な゛・・・シロウまで。」

じっ

「バーサーカー。」

頭を優しく撫でられる

「・・・帰りましょ、
 お母様も待ってるし。」

僅かにうなずき、
イリヤを肩に乗せ
素早く帰った



・影移動

ヴァンパイアスタイルの新たな能力

人の影だろうがビルの影だろうが
何処へでも移動できる『が』

月村すずかの『行った事がある場所』
『シンヤ』『アリサ』『アリシア』
しか、まだ行けない

・血毒霧

先の使い方が本来の使い方であり
〔数カ月以上血の補給に
 目途が立たない時に使う〕
言わば『保存食な立ち位置の能力』

デメリットはお腹が膨らみ
『妊婦』に間違えられる

そして、消化が終わるまで
『吸血』が出来なくなるのもある

シンヤが『魔を祓う力を応用し』
すずかのお腹に手を触れ
魔力を『飴玉』に変換する事が出来るが

『それをすると
 イケナイ気持ちが沸き上がるので』
後が大変

失った分をシンヤ成分なる
謎物資で補おうとする為である
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