バニングス邸
コンコンコン
「おきろ~、アリサ~。」
返事がない
「メイドさん、頼めますか?」
「かしこまりました、
お嬢様、
シンヤ様はもう起きていらっしゃいますよ?」
「んぇ~?」
ま、まだ朝の5時なんだけどな
「お嬢様が言ったんですよ?
シンヤ様に稽古をつけて貰うと。」
「はっ!!」
▽
「しなの、実際どうなんだ?」
《ありません》
「そぅ、か。」
アリサには、魔力を扱う素養が無い
つまり、魔法を使えない
「ごめんなさい、今、来たわ。」
体育着姿のアリサは、
まぁ、可愛い
が、それ以上にならないんだよな
「このクソデバイスに調べて貰ったんだけど、
アリサに、魔法を使う素養は無いそうだ。」
「・・・だよ、ね。」
「代わりに、コイツを使ってくれ。」
「なにこれ?」
《私の劣化コピーですが、
アリサ専用に成長するよう、
調整しました》
《マスターアリサ、
私の名前を決めて下さい》
「しゃ、しゃべったっ!?」
《はい、インテリジェントデバイス
デフォルトで、ロザリオの形を
取らせて貰っています》
「ん~・・・ねぇ?しなのって、
何が由来なの?」
《そう言えば、聞いていませんでしたね》
「・・・艦歴、7日の
“大和型船体空母からだ”」
《・・・マジですか》
「うっせ。」
「やまと?なにそれ?」
「アリサ、第二次世界大戦は解るよな?」
「うん。」
「かつて、日本は
大日本帝国だってのも知ってるよな?」
「うん、授業で始まったばかりだからね。」
「その海軍末期に建造されて、
“海に浮かんだ日数が7日”しか無い
悲運の空母の名前が“信濃”
それの“ひらがな表記だ”」
「へ~。」
「今の時代、海軍が変わって、
“海上自衛隊”って名前になったのは知ってるか?」
「かいじょーじえーたい?」
「・・・まぁ、かつて大戦中に使われた
艦艇の名前を“ひらがな表記”で
使わせて貰ってるんだ。」
「へ~。」
「別に無理にそう言う名前をつけなくて良いんだぞ?
アリサの好きな名前で良いんだからな?」
「あぅ、そう言われると。」
「あ、時間が無い、
ま、ゆっくり決めてくれ、
それが最初の課題だな。」
「うぇえっ!?」
▽
はぁ、なんでこっちの学校に転校しなきゃならんのだ
クラスこそ違ったが、
授業内容は問題なく付いて行ける
「シンヤ、ちょっと良い?」
「なんだ?アリサ?」
隣のクラスなのが災いして、
カップル等々冷やかされたりしているが
【名前決めたいから屋上来てよ】
【ん、りょ~かい】
因みに英語だ、簡単に聞き取れる物じゃないし
同学年に英語を理解出来る子が数人も居ない事が
俺達に有利に働いた
▽
「は~、はずかし。」
「だから言ったろ、俺を選ぶなって。」
「かえませーんだ、
それで、名前、今決めて大丈夫だよね?」
「あぁ、大丈夫だ。」
「貴女の名前は“ハピネス”!!
幸せを司る名前よ!」
《マスターアリサ、
登録しました、インテリジェントデバイス
固有名を拝命致しました、
ハピネス、いい名前ですね》
《ハピネス、私の劣化》
《劣化ではありません》
二人「お?」
《私は、ハピネス、
マスターアリサと共に成長するデバイスです、
最早、貴方の劣化コピーではありません》
「しなの、これはお前が悪い。」
「そうね、
この子はもうハピネスの名前があるんだから。」
《味方が居ないっ!?》
「さて、早速授業中でも
“訓練やるか”」
「え?」
▽
夢限空間
「ほえ~。」
「ま、なんだ、
表じゃ普通に授業を受けているし、
なんら問題ない。」
「え?じゃぁ、何時でも訓練出来るの?」
「流石に寝ろよ?
出来なくは無いけど、
成長期な俺達には睡眠は必須だ、
それに夜更かしが過ぎると
将来・・・。」
「将来?」
「しわしわのばあちゃんになっちまうな。」
「ちゃんと寝るわ!!」
「なら良いけど、
ハピネス、アリサを大事にな?」
《言われるまでもありません》
《シンヤ、私を大事にしてくれても》
「・・・30番。」
《お願い申し上げます、
どうか、どうか、300番代で
綺麗に磨いて欲しいのです!!》
「み、見えない筈なのに。」
《土下座しているしなのが見える気がします》
▽
「ぜ~、ぜ~、ま、まだまだ~。」
「いや、授業終わるから戻らないとダメだ。」
「くっそ~、
今日は短縮授業だから、
帰ってから覚悟しなさい~。」
「はいはい。」
ま、最初は動けないんだけどね
▽
空気を読まないジュエルシードは
“2つ同時に発動した”
▽
「結界フィールド形成急いで!」
「座標固定、範囲指定、
一般人退避完了しました!!」
「なのはさん、クロノ、
お願いします!」
〈はい、リンディさん!〉
〈はい、艦長〉
▽
「どうする?アリサ?」
「・・・行けない。」
「どうして?」
「今は、ハピネスと動きを合わせる事、
それが大事。」
「・・・強いな、アリサは。」
「へ?」
「なんでもない、
先ずはお前に合った武器形態の選定だな。」
「そんな事言っても、どう使うのよ?」
銃火器は無理だった
「もっと、こう、けん~とか、
ゆみ~とかじゃないの?」
「ぁ~、弓と剣の融合型でもいいか。」
「え?」
ショートソード二本を近接として
連結し、
弓モードへ速変形出来るように組み上げていく
「うわぁ、すごい。」
《マスターアリサ、
正直、貴女に私も驚かされてますよ》
「そうなの?」
「あぁ、本当に魔法の素養が無いのが
不思議なくらいだ。」
「言わないでよ、
でも、魔法使えないなら、
なんでハピネスと話せるの?」
《別なエネルギーを変換し、
疑似魔力を精製して使っております
マスターアリサに悪影響は一切ありません》
「へ~、ハピネスって凄いんだね~。」
《それほどでも》
「ただ、今の背丈じゃ耐えられないから、
・・・16ぐらいか?」
《おそらく》
「ハピネス?」
「アリサ、バトルフォームって、
言ってくれ。」
「ん、わかった、
ハピネス、バトルフォーム!」
《了解、
骨格成長予測起動、
容姿調整、現在選択されている
武器形態に合わせ、
必要な補正を計算します》
「後ろ向いてるからな~。」
「ちょっと~っ!?」
▽
「はわ~、大きくなれた。」
《成功しました、
バリアジャケットは、
西洋女性騎士風に仕立てました》
「か、かっこい~!」
「もう、見て良いか~?」
「あ、ごめん、いいよ?」
「あい・・・うぉ~、やべぇ。」
より洗練された美顔に
胸当ての大きさから、かなり成長されるのだろう
背丈も、恐らく170近い
誰が見ても“美人”がそこに居た
「そ、そんな見つめないでよ。」
「すまん、
まぁ、これで本格的に訓練出来るな。」
「お、お願いします。」
〈二人共!!大至急アースラに来て!!
なのはちゃんが!!〉
「・・・やらかしたか。」
「シンヤ?」
「わかった、直ぐ向かう。」
「ぁ~あ、もうこの目線もお終いかぁ~。」
「いや、そのまま行く方が良いだろうな。」
「え?」
「必要だろうから。」
「よ、よくわかんないけど、
てか、ここからどうやって行くの?」
「・・・家まで飛んでくか。」
「飛ぶ?」
▽
アースラで合流したすずかと一緒に
医務室で寝込んでいるなのはを診まいに行く
「は、はいるよ~?」
「あぁ、まだ寝てるからいいわよ?」
「リンディさん!」
「って・・・貴女は誰?」
「あ、アリサ、です、
シンヤから貰った
インテリジェントデバイス、
ハピネスで、変身した姿です。」
「・・・シンヤ君?」
「彼女だからだ、
それ以上もそれ以外も無い。」
「なのはちゃん。」
「アリサ、コレがなのはの現実だ、
お前は、この世界に関わって行くんだ。」
すずかも“小さい”
なのはも、“小さい”
「私、こんなに小さいんだね。」
「あぁ。」
「ねぇ?」
「なんだ?すずか?」
「私も貰いたいのだけれど?」
「・・・リンディさん?」
「知りません。」
「アリサ?」
「私が出来たんだから、
すずかが出来ないなんて言わないわよね?」
ん?リンディさんの顔が緩んでる?
まさか・・・
〈おい、スケベフェレット〉
〈ユーノだ〉
〈お前、知ってたな?〉
〈なんの事だか〉
「シンヤ君?」
「しなの、
お前、俺に黙って何しやがった?」
《い、いえ、私は何も・・・》
《あ、しなのは、
アースラの予備資材庫から
私と、“もう一つ組み上げていましたよ?”》
《は、ハピネス?》
「・・・20番な?」
しなのをザリザリになるまで削ってやった
《な・・・なんでぇ》