プシュ
「しまった!もうこれで最後なのに・・・!」
「もう宮廷には無いですよ!!」
「そんにゃ!もうおしまいだ!」
とうとう最後のスプレーを使い切り焦りに焦りまくる閻魔大王と見習い鬼達。千次郎がもう少しで気絶から起きる所だったのに最早これまでである。しかし、そもそも千次郎が神の顔を見て気絶
してしまったことがいけないのだが。
「うえーんうえーん!!起きて下さいよ!千次郎様!!」
「そうだそうだ!早く起きて闘いに行って下さいよ!」
肩を揺らしながら問いかけるもピクリともしない。
「この!この!」パンッ
閻魔大王の平手打ちをまともに喰らうもただ頬が真紅のように赤くなっただけである。
そんな3人の様子を見て神が杖をついてやって来た。
「大王様。私に考えがあるのですが・・・」
「何!!本当か!?」
「えぇ・・・」
「何だ。言ってみろ」
やけに珍しく黙り込んでいる神。しかしどんな事をしても千次郎を起こさなくてはならない。
すると神の重い口から言葉が出た。
「・・・・・・ョー」
「え!何だって!!」
「“カンチョー”・・・・・・」
「“カンチョー”?」
「・・・・・・」
「ほらあれですよ!肛門に指をぶっ刺す・・・・・・あ、失礼しました」
「で、それで千次郎を起こさすということか?神」
「えぇ・・・そういうことです」
顔を真っ赤にしながらカンチョーを提案する神。デリカシーがとても強いのだろう。
「そうか・・・・・・よし!お前達千次郎の体を持て!」
「「えーーー!!!!やるんですかーー!!!」」
「やるに決まってるだろ!!!!!!!!!!!!」
「「へーーい」」
2人の見習い鬼は千次郎の体を持ち無理矢理起こした。そして1人1人が別の場所を持ち始めた。
1人は両肩。もう1人は腰を支えた。閻魔大王は、ラグビーでコーナーキックをしようとしているキッカーの様に人差し指をピンと伸ばし息を吹きかけていた。
「いいか・・・・・・もうそろそろ始めるぞ!」
「え!もうですか!?」
「こっちは大丈夫っす」
「よーし!行くぞーー!!!!」
閻魔大王は掛け声と共に人差し指を千次郎の肛門に向けて放った。
思い切り放った指は段々千次郎の肛門に向かっていき、
「目を覚ますんだーーー!!!!!!!千次郎!!!!」
ブスッ
見事に千次郎の肛門に鋭い指がブスッと刺さった。指はメリメリと音を立てて肛門にめり込む。
すると、
「い、・・・い、・・・、痛ってーーーーー!!!!!!!!!!!!」
「おお!」
「千次郎様が・・・起きた・・・・・・」
「よっしゃー!起きてくれたー!!」
何と千次郎が気絶から目を覚ましたのだ。千次郎は肛門に激しい痛みが襲った為か飛び跳ねて
目を覚ました。
「痛てて一体何が起きてんだ・・・って閻魔大王のオッサン何やっとんじゃー!」
「よっ!お前起こす為にカンチョーをしてやったのだ」
「嫌だー!よりによって閻魔大王のオッサンにカンチョーされるのは嫌だー!」
「嘆いている暇は無いぞ千次郎!!早く神と一緒に下界に降りるのだ」
後ろには自分の肛門に指をめり込ませていた閻魔大王がいた。閻魔大王は指を肛門から外して、
ハンカチで拭いていた。すると今度は自分を慕ってくれている2人の見習い鬼が飛びついて来た。
「千次郎様ー!!」ガシッ
「起きてくれて超良嬉しいっすよ〜!!」ガシッ
「ちょお前ら苦しいって!」
抱きつかれて息が出来なく薙ぎ払ってしまい、2人は泣いてしまった。泣くな泣くなと
たしなめようとしていると神が千次郎達のいる方へ向かってきた。その瞬間千次郎は咄嗟に
身構えた。何故なら自分は神の顔を見て気絶してしまったのだから。神は千次郎の顔を見つめるとゆっくりと手を差し出した。千次郎は仲直りの握手と思ったのか手を握った。すると神が指を
動かしてグリグリし始めた。
「痛い痛い!!やめて下さい神様!」
「よくも・・・よくも私の顔を見て気絶したな・・・」
「その件は失礼致しま『謝っても許すもんか!』」
そう言うと更に指をグリグリし始めた。
「あー!ごめんなさいごめんなさい!!二度と神様の顔を見て気絶しません!
絶対誓います!だがら!」
「だから?」
「だからもう指をグリグリするのをやめて下さい!」
必死に頼んだ。もう苦しいので許して下さいと。もう二度と神様を見て気絶しないと。
そう必死に頼み続けると神はゆっくり手を離した。
「・・・・・・今回だけは許してやる。だが今度やればそれの更に痛いやり方でお前を痛めつける。分かったな?」
「は、はい!!もう二度と神様を見て気絶なんてしません!!」
「よう言うた。よし!閻魔大王様。千次郎を連れて私共は下界へ行きます」
「分かった!いいか千次郎!サイヤ人の奴らなど痛めつけてやれい!!」
「ああ!任しといてくれ!」
「雑談はよろしいかな?」
「あ!ごめんなさい!じゃ行ってくる閻魔大王のオッサン!!じゃあな・・・
お前ら何て名前だっけ?」
「“コオロギ”です!」
「“マツムシ”っす!」
「そうか・・・じゃコオロギ!ゴキブリ!お前ら分まで頑張ってくるわ!」
「はい!」
「俺はゴキブリじゃ無いっすよ〜!」
「そうか悪りぃ。じゃバイバ」ビッ!
別れを告げようとした瞬間神が瞬間移動を使った為神と千次郎は消えてしまった。
「千次郎様が消えちゃった!」
「何でだ!?」
「何・・・瞬間移動を使ったんだよ神が」
慌て惚ける2人の見習い鬼にそっと教える閻魔大王であった。
(千次郎・・・頼んだぞ。)
そう心で思いながら・・・。
■
一方ここはアフリカにあるカリンの塔の上の神殿。普段はマサイ族や色々な原住民達によって
守られていてその神殿に1人の人物がいた。彼の名はミスターポポ。普段は神の右腕として神殿に住んでいる皮膚が真っ黒でぽっちゃりの男である。そんなポポは、神の帰りを待っていた。
しかし神はどんなに時間が過ぎても一向に戻って来ない。心配になって自分も行こうとした
その時、
「よしっ着いたぞっ!!」ビッ
「え!?もう着いちゃったの!?スゲェや神様!」ビッ
突如神と何者かが神殿に瞬間移動してやって来たのである。これにはポポもびっくりした。
「神様。誰そいつ?」
「うわぁーー!!!!真っ黒じゃねぇーか!!」
「すまんのポポ。こいつは、今日本で厄災をもたらしているサイヤ人に対抗できる青田千次郎だ」
「よう!俺千次郎って言うんだ。よろしくな!ポポ」
「え、えぇ・・・」
「おい!もたもたするな早く向かうんだ!!」
「あ!そうだった!!で、場所は何処なの神様!?」
「えー確か日本の茨城で・・・“大洗”という町だ!!」
「OK!要するに大洗っていう町へ向かえばいいんだな」
「そうだ!分かったのならとっとと行けぇ!」
「待って!靴紐が・・・」
靴紐がとけ、大慌てで紐を結ぶ千次郎。
「よし!じゃあ行ってくる!!修行はバッチリだ!!」
「頼んだぞ!!千次郎!」
「まぁ一応・・・・・・頑張れ青田千次郎!!」
「おう!じゃあな!」ギャウッ
そう言った瞬間まるで電気の様なスピードで神殿を駆け抜けて、
「とうっ!!」バンッ
バンッと大きく跳ねて神殿から落ちた。
「大丈夫かなぁ?あんな能天気だけど?」
「安心しろポポ。簡単にはやられんぞ千次郎は」
少し心配するも神の言葉を信じて千次郎にもう一度エールを送るポポだった。
「よしっ!!やっともう一度ここに戻れたぜ」
約1年ぶりの下界に感激するもそんなことをする暇が無いので更にスピードを出す千次郎。
しかし、
「くそっ!やっぱり体力が・・・」
ここまで来るのに1日も掛けてやって来た為体力がもう限界だった。
でも休んでいる暇など無いので気力で振り絞ろうとしたその時、
「おーーーい!!!お前が青田千次郎かーー!!!」
「え!?は、はい!!そうですが!!」
神殿の下にある塔から誰かの声が聞こえてきた。よく見るとそこには神と同じ杖をついている
猫がいた。
「わしは、この塔に住んでおる“カリン”という者じゃ!!さぞここまで来るのに疲れた
じゃろう!!この“仙豆”を持ってゆけ!!それーーっ!!!」
「あ!!とっとと!!」パシッパシッ
カリンと名乗られる者に何かを投げられ思わず反射的に取った。よく見ると2粒の豆だった。
「あの!これは!?」
「それは仙豆と言って回復作用があるものじゃ!!それを食べてゆけー!!」
「なるほど・・・わざわざありがとうございます!!」
「お礼などよい!!早く向かうのだーーっ!!!」
「はーーい!!!!」
カリンという仙猫に仙豆を渡され感謝する千次郎。
「本当に回復するのかなぁ?まあ食べてみようっと」ボリボリ
本当に回復するのかと疑いながらもボリボリと音を立てて飲み込んだ。すると、
「あれ!何か分かんないけどスゲェ元気になってきた!」
まるで朝の背伸びぐらいの安らぎを感じるのだ。
あのカリンが言っていたことは本当だったのだ。
「よっしゃー!!!元気全快だぜ!!!!」
ここまで来るのに疲れた身体が仙豆のおかげで界王星から出発した時と同じぐらい回復した。
「さて、サイヤ人は大洗っていう所にいるんだったよな・・・」
一度動くのを止めアフリカから気を感知し始める。
(えーと・・・違うな・・・ここか?嫌違う・・・あれ?ここにはやけに気が少ない。ここだな)
「よしっ!!ここだな!!それじゃぶっ飛ばすぜーー!!!!」
そう言うともう肉眼では捉えることが出来ないスピードで大洗へと向かって行った。
「このスピードだと後3時間ちょいかなぁ・・・・・・その時まで皆くたばらないでくれ」
■
一方ここは大洗町。大洗町の人々は平穏な生活を毎日過ごしていたが突如現れた謎の戦闘民族
サイヤ人の来襲によって今正に地獄そのものである。この大洗に住んでいる4割は焼け死に、
残る6割は負傷者の数である。しかしその中で動き出している者達が合わせて3ついる。1つは、
「おーい!皆ー!!」
「いるのでしたら返事をお願いしまーす!!」
「梓ちゃん!あゆみちゃん!」
「1年生の皆さん生きていますでしょうか!!!」
「・・・・・・いるのだったら返事をしろ」
「・・・・・・皆ー」
西住みほ達あんこうチームと1年生の丸山紗希である。そしてもう1つは、
「紗希ー!!」
「いるなら返事してー!!」
「紗希ーー!!」
「紗希さんーー!!」
「桂里奈はここにいるよー!!!!」
「丸山さーーん!!!!!」
友を救おうと動き出した為とんでもないことに巻き込まれた青年多田修平と同級生丸山紗希と
離れ離れになってしまったウサギさんチーム。そして最後の1つは、
「青田千次郎を知っているか?」
「し、知らない・・・」
「そうか・・・・・・なら“死ね”」キュイーン
「や、やめて」
バキュン
「ぎゃあああ!!!!」バタッ
「ちっ!本当にやわい奴らだな地球人は」
「本当だ全く・・・」
サイヤ人の阿散井慎也とナッパである。慎也とナッパは、この大洗ごと使い、
千次郎の聞き込みをしている。もちろん知らないと言えば死である。今このサイヤ人に
一番近いのが修平達とウサギさんチームである。
「丸山さーーん!!」
しかしそんな脅威が迫っていることを知らず大声をだして紗希を探す修平とウサギさんチーム。
もうあれこれ探し続けてもう何時間も過ぎている。早くこの地獄から助かることは出来ないの
だろうか。誰もがそう思っていた。
「た、多田さん・・・少し休みませんか?」ゼェゼェ
「私もう足が動かないよー!」
「そうだね・・・少し休もうか」ハァハァ
梓は指を差した瓦礫の山に一同は体を休めた。しかし修平だけは座ろうとせず立っていた。彼には彼だけの事情があった。
(辻本達・・・生きてるのかなぁ・・・)
そう友人の辻本の生死がとても心に引っかかっていた。今はウサギさんチームの皆と行動を
しているも本当は単独行動をとっていたのでいつ離れるべきか考えていた。そんなことを考えて
いると皆じっと見つめていた。
「どうかしたんですか?さっきから黙り込んでいますけど」
「何かあるなら私達相談に乗りますよ」
「そうだよ!だって修平さんこんな私達と一緒にいてくれるですし」
「桂里奈に教えてよ修平お兄ちゃん!」
「嫌大丈夫だよ。ちょっとボーっとしていただけだよ」
何とか誤魔化そうとするも、
「嘘つかないでよ!!お兄ちゃん絶対何か隠してるもん!」
桂里奈には分かるのか誤魔化しを貫き通そうとしている修平に突っかかる。これ以上誤魔化しても無駄だと思ったのか修平は意を決して皆を見た。
「分かった。話すよ」
そう言って皆にここまでの話を話した。大洗の試合を見ている最中地震が起きたことは全員知っているのでそこは飛ばした。辻本という友達のこと。助けようとしたらサイヤ人という宇宙人に
襲われたこと。友を助けようと起き上がろうとした時肩に光線を喰らってしまったこと。全てを話した後皆涙を流していた。修平が心から友を大切にしている思いに感動したと皆言っている。すると涙を拭いて梓が立って修平にこう言った。
「多田さんありがとう。私達と一緒に行動してくれて私達は私達で紗希を探しますからどうか
友達の所へ向かってあげてください」
皆じっと修平を見てそう伝えた。でも修平には何故か心の何処か引っかかった。
本当に行っていいのかと。断った方がいいんじゃないかと。黙り込みながら考え出した答えを
伝えようとした瞬間、
「いたっ!!皆ーー!!!!」
「え!?先輩!!」
「良かった!!皆生きていますよ!!」
「・・・・・・皆」
「え!!??紗希!!」
「え!?」
「嘘でしょ!」
「生きてたんだ・・・うわぁーん紗希ー!!」
「・・・・・・ちょっと苦しい」
何とあれほど探しても見つからなかった紗希が生きていたのだ。それにみほ達あんこうチームも
来てくれたのだ。そう思うと言葉より行動が体に出てしまい皆声を上げて泣いていた。
「先輩ー!!怖かったですよー!!」
「本当に本当に!!」
「そっか・・・・・・怖かったんだね。でももう大丈夫だよ」
「先輩!!紗希とは何処で会ったんですか!?」
「私達が地域の人達を助けていた時に瓦礫にぽつんと座っていたの」
「理由を聞いてみるとはぐれちゃったと聞きましたから」
「だから一瞬大丈夫かなぁと思ったけど皆何処も怪我してなくて良かったよ!」
「早く病院に向かいましょう」
「了解しました。あ!待って下さい先輩実は!・・・あれ?」
「どうしたの?」
「修平お兄ちゃん!お兄ちゃんってば!!」
「・・・・・・」
少し目を離している隙に修平がみほ達から黙って何処かに行こうとしていた。もう彼女達の目的はもう果たしたのだ。だから今度は自分の番なのだ。そう思い梓達の声をわざと無視してここから
立ち去ろうとした。ゆっくり、ゆっくりと。その時自分の服をガシッと誰かが掴んできた。
一体誰かと思い後ろを振り返ると、
「待ってくれませんか?1年生の皆さんがあなたに話がしたいと言っているので」
そこには修平の服をガシッと掴みながら必死に伝えているみほがいた。すると後ろから目に涙を
溜めながらこっちに走ってくる桂里奈がやって来た。
「待ってよ・・・・・・お兄ちゃん・・・!」
「桂里奈ちゃん・・・・・・」
「行かないでよ・・・私と一緒にいてよ!」ガシッ
「ちょ、桂里奈ちゃん!」
桂里奈は修平の服に顔を埋めて抱きついてばかり少しも動かない。修平はオドオドしながらも
離してもらおうとするも一向に離れない。そうイザコザをしていると背中に冷たい者を感じた。
すぐ後ろを振り返ると、
「うん?貴様はあの時の・・・」
「え!?何!?宇宙人?」
「嘘・・・・・・見つかっちゃた・・・」
「もしかしてあれが西住殿が見た宇宙人・・・」
「私達とそっくりですね」
何とサイヤ人の2人が自分達の後ろにいたのだ。それを見た修平は急いで声を上げた。
「皆さん!早くここから離れるんだ!!コイツらから・・・グワァッッ!!!!」バタッ
「お兄ちゃん!!」
「俺達に向かってコイツらとはいい度胸してんなお前」バキッ
「くっ!!」
頭を踏まれ、身動きを取れなくされてしまった。
「お兄ちゃんから離れろ!!」
「うん?何だ?」
「駄目!桂里奈ちゃん!」
「駄目だ・・・桂里奈ちゃん・・・・・・こっち来たら駄目だ・・・」
「うおおおーー!!!!」
桂里奈は皆の言葉を無視して修平を踏むナッパに向かって走ってタックルしようとした。が、
「こんなチビやったっていい気にもなりゃしねぇ」
そう言うとデコピンの構えをして、
「ほらよ」バンッ
「きゃあっ!!!」
「桂里奈ちゃん!!」
「ハハハハハッ!!!!」
ナッパのデコピンをまともに喰らった為、額に血が出ている桂里奈。
その光景を見て沙織達が叫んだ。
「あんた達一体何なのよっ!!!私達が何をしたって言うのよっ!!!!」
「そうです私達が何をしたんですか!?」
「フフフフ・・・・・・恨むんだったら青田という奴を恨め」
「青田?」
「そうだ。俺達がこんなことをするのは“青田千次郎”という奴を探しているのに
やっているだけだ」
「だからって・・・何で私達の大洗をこんな風にされなきゃ行けないんですか?」
「そうよ!そんなの矛盾してるわよっ!!」
「話せば長くなるな・・・まあ聞いておくとするか・・・・・・おいそこの小娘」
「ふぇっ、はっはい!」
「お前青田という奴を知っているか?」
慎也はみほに向かってそう問いかけた。もちろんこの町に千次郎のことを知っている奴
何ていない。分からないと答えた瞬間殺そうと考えている慎也。しかし、みほの答えは
予想外だった。
「青田さんですか・・・その人なら“知っています”」
「そうか・・・・・・え!?今何て言った!!」
「青田という奴を知ってるだと・・・」
「はい。知ってます」
「何処だ!何処にいる!早く教えろ!!」
何と自分達が殺そうと探している千次郎を知っていると答えたみほ。そう言うと、早く教えろと
言わんばかりナッパが詰め寄った。しかしみほは冷静だった。
「だったら・・・“3時間”の猶予を下さい」
「何!?」
「もういっぺん言ってみろアマ・・・」
3時間の猶予。そう提案した。これには普段冷静な慎也も驚いた。が、
ナッパには逆効果だったらしい。
「3時間の猶予を下さい。そうしてくれたら教えます」
「ふざけるなー!!!!」
「!?」
みほの提案に痺れを切らしたのかみほに攻撃しようと突っ込んだナッパ。
もう頭の中ではぐちゃぐちゃにしようと考えていた。そう思って右拳を振り上げようとした瞬間、
「やめろナッパ」
「何?」
慎也が後ろからボソッとやめろと言った。
「何故だ!3時間も待って何をしろっんだ!!これまでズーーッと寝てたから
俺は体がウズウズしてんだぜ!!」
「このアマはぶっ殺す!!」
しかしナッパの中は火がついていて、慎也の忠告を無視してみほの顔を殴ろうとした瞬間、
「ナッパ!!!!!俺の言うことが聞けんのかーーーっ!!!!!」
「!?」ビクッ
「す、すまねえ慎也・・・つい調子に乗っち待って・・・・・・」
「ハァハァハァハァ」
「ふんこのゴミが・・・おい小娘!」
「はいっ!!」
「確か3時間だったな」
「はい・・・」
「良かろう。3時間だけ待ってやる。ただしそれ以上繰上げは無しだからな」
そう言うと慎也はナッパを連れて瓦礫の山に座り込んだ。その際急いで修平を助けようとした時に桂里奈が飛び出して修平の肩を持ってやってきた。
「みぽりん・・・本当に知ってるの!」
「ううん知らない」
「え!?どう言うことですか!?」
「多分あの時に本当のことを言っていたら・・・殺されてた」
「だからあの時咄嗟に嘘をついたんですね」
「でももし嘘をついたということがバレたらお終いですよ!」
「その時は・・・私達も大洗の人達・・・皆諸共殺されちゃう」
「・・・・・・・・・」
「みぽりんどうするの?」
「このままだとバレるのも時間の問題だぞ」
「うん・・・どうしようこのままだと皆殺されちゃう・・・」
「あのー・・・ゴホッ!僕に提案があるんだけど・・・」
「え!?」
「僕が“囮”になるから皆さんは逃げて下さい」
「!?」
突然修平と提案に一同は驚いた。
「駄目だよ!そんなことしたらお兄ちゃんが・・・」
「いいんだよ桂里奈ちゃん。まだ桂里奈ちゃん達はまだ高校生だ。大人は今僕しかいない・・・
だから大人である僕が君達を守らなきゃいけない。アイツらの注意を引くよ。
だから桂里奈ちゃん達はここから病院まで走るんだ。分かった?」
「・・・・・・お兄ちゃん」
「分かった。そうしよう」
「ま、麻子!!」
「沙織・・・誰かが生きる為には誰かが犠牲になれない時だってある。
今それをこの人がやろうとしてるんだ」
「で、でも!」
「・・・・・・分かりました。囮をお願いします」
「ちょっと!みぽりんまで!」
修平が囮になるという作戦に段々皆も賛成していった。最終的には沙織も折れて賛成
することにした。一方の修平は落ち着いていた。
「いいかい?もし僕がアイツらの囮になってすぐ死んだらバラバラに逃げるんだ。そうすれば
アイツらも誰から殺そうか少し考えるはずだ」
そう言い、残りの時間皆静かにして逃げる時の体力を回復していた。
一方こちらは慎也とナッパ。何故慎也が提案を飲んだのか疑問に思ったのかナッパが慎也に
話しかけていた。
「で、でもよう慎也・・・な・・・何であんな地球人共の提案なんか飲んだんだ?」
「何・・・あの小娘の目を見ると嘘をついてるなと思ってな」
「何!?」
「だからわざと信じて提案を飲んだんだ」
「あのアマ・・・やっぱり殺しておいたら良かったぜ」
「まあ待てその前に青田を待つんだ」
「何青田はここにはいないんだぜ」
「だからだ。この小娘共を殺す前か殺した後かどっちに来るかと俺は考えてるんだ」
「もし殺す前にやってきたらまず奴の目の前で小娘共を殺して、その後で奴もじっくり料理する・・・
おのれの無力さを分からせもだえ苦しませてやる・・・・・・そして今日はあと3,4時間もすれば・・・
くくく・・・素晴らしい地獄ショーも見せてやれるはずだ」
「なるほどそう言うことか!そりゃあいいぜ慎也」
「この3時間のうちに奴が来れば話だがな・・・」
「青田って野郎は慎也に譲るがあとの残りは俺にやらせてくれよ!」
「スキにしろ。ただしあの中にいるあの男は生かせておけ」
「な、何でだ!」
「あの男は俺達をコイツと呼んだからな青田と同じ苦しませてやる」
「そうか・・・ハハハハハッ!!!!くるといいなぁ青田っていう奴・・・・・・」
しかし、千次郎はやってこないままとうとう3時間が過ぎてしまった・・・・・・・・・。
■
「時間だ・・・・・・どうやら待っても無駄だったようだな・・・・・・おい小娘!!もう時間だ!」
慎也はスカウターを付け直して、みほ達の所へと向かう。その際向かっている時の顔が
ニヤついていて悪魔の形相の様だ。
「さて青田千次郎という奴について聞かせてもらおうか」
そしてみほの前に立ち顔を覗かせる。みほが必死に睨んでいる顔が面白いのか半笑いで
見つめている。
「じゃ教えます・・・でもその前に・・・」
「何だ?」
するとみほは自分に背を向けて、
「私を捕まえてからにして下さい!」ダッ
「よし!皆早く逃げて!!」
「急いで!!」
「うわぁー!早くしないと!」
「修平さん!頼みます!!」
「あぁ任せてくれ」
何と自分達から逃げようとしたのである。それを理解した瞬間笑いながらナッパが
突っ込んできた。
「ハハハハハッ!!!!何て無能な奴らだ。この俺達から逃げられると思っているのか!」
そう言いながら一番最初に逃げた沙織に狙いにつけた。が、
「やめろーー!!!!!」
「うん?」
「うおおおー!!!!」バキッ
「グハァ!」
突如自分の脇に入った修平に頭を角材で殴られた。頭を触ると何と血がついていた。
その血を見てナッパの顔に血管が溜まった。
「貴様ーーっ!!!!」ビュン
「くっ!」
「ぶっ殺してやる!!!!!」バキューン
狙いを修平に変え修平に向かって気弾をぶつけた。
「うわぁ!!!!」ヒョイ
しかし運良く左に避けたためかろうじて気弾にぶつからなかった。
後ろを振り返ると建物が粉砕していた。そう後ろを振り返っていた際腹に鋭い一撃が入った。
「ガハァッ!!!!」
今まで感じたこともない鋭い一撃。口からは血が出ていた。すると、今度は頭を思い切り
地面に擦り付けられた。何とか反抗しようとするも余りにも物凄い力の差により
何も出来なかった。するとナッパの口から侮辱の言葉が溢れた。
「ふん!たかが知れたことをしても俺様にゃあ敵わなぇぜ」
「くっ!!!!」
「何故逃げようとしなかった。もう友達は“死んでる”のにな」
「!?」
「ど、どういう事だ!」
修平は焦りながらナッパに聞く。辻本が死んだ?嘘だ。アイツは死なない。
昔から体が人一倍頑丈な奴だ。死ぬはずない。死ぬはずが・・・。
「だったら証拠を見せてやろうか?」
「証拠?」
「そうだ。ほらこれだ!」
そう言うと修平に何かを投げつけた。よく見ると何かが焼け焦げている。
「持っと近くで見せてやろうか?」
すると何かを足で引きずりながら修平に見せた。するとようやく何かの正体が分かった。
それは焼け焦げた辻本の首だった。
「嘘・・・これって辻本の・・・」ブルブル
「そうだ。お前のお友達の頭だ」
「嘘だ・・・・・・嘘だーー!!!!!!」
そう言うと修平は声を上げて涙を流した。するとナッパは修平に向かって
気弾を飛ばそうとしていた。
「フフフフ・・・テメェはちょっとの間そこで寝てろ」
「・・・・・・」
「でも今まで闘った奴の中でお前が一番“弱かった”ぜハハハハハッ!!!!」
「何・・・だと」
「お前みたいに中途半端な奴で何にも守れねぇ奴は初めて見たって言ったんだよ!
まあお前のお友達を少しおかしかったがな」
「ふざけるんじゃねぇ!!」バンッ
「うん?」
「うおおおーー!!!!」
修平は叫びながらナッパにしがみついた。
「ったくそんなに苦しんで死にたいのかよ」
そう言って修平を払い除けようとした瞬間、
ガブッ
「っ!痛ってー!!!!何すんだテメェ!!」
何とナッパの脇にかぶりついたのだ。不意をつかれたためか顔を真っ赤にして怒るナッパ。
「俺の・・・ことは・・・侮辱していいけど・・・・・・辻本のことは侮辱するな!!!」
だが、それがどうしたと言わんばかりナッパを鼻で笑っている修平。
そんな修平の顔を見るとナッパは更に顔を赤くし、
「もう我慢出来ねぇーーッ!!!!!」バッ
「うん?」
「テメェの前でこの女を殺してやるよ!!」
そう言い逃げている桂里奈に気弾を飛ばそうとした。それに気づいた修平は
止めようと足を動かした。
「やめろーー!!!!」
「ヘヘッ!!もう遅せんだよっ!」バキューン
そして桂里奈に向かって気弾を飛ばした。何としてでも止めようとするも
足がつっかえて動かない。自分の目の前で人が死ぬ。嫌だ。そんなの見たくない。
「桂里奈ちゃん!!避けッゴホッゴホッ」
声が掠れて声が出ない。もうおしまいだ。修平はもう無理だと思い、顔を下げた瞬間、
キイーーン
「うん?何だありゃ」
ナッパの前方に何かがこちらに飛んできているのだ。それも物凄い速さで。
その何かはナッパ達に気づくと猛スピードで突っ込んできナッパが桂里奈に対して
飛ばした気弾を弾き返した。
「何!?弾き返しただと!!」
ナッパは突然の出来事に目を白黒させた。すると慎也のスカウターが反応した。
ピピピピ!
「スカウターが反応した・・・戦闘力は・・・“5000”!」
「何!?」
「!?いかん!ナッパ!避けろ!!」
「え!?」
慎也が突然叫んだので後ろを振り返ると、
ドンッ!!
「グハァッ!!!!」バタッ
突然ナッパの顔に重い蹴りが入った。そしてナッパはゴロゴロと転がりながら動かなくなった。
その場にいた修平や逃げていた皆何が起きたか分からなかった。すると煙が上がって様子を
見ると、そこには桂里奈をお姫様抱っこしながら慎也とナッパを睨みつけるオレンジ道着を着た
少年が現れた。
「・・・・・・お前らか?サイヤ人ってのは?」ギロッ
そうその少年は我らが主人公青田千次郎だったのである。
長い長すぎる!またもや過去最長11199文字!!
どうも書きすぎて腰が痛い男ボノぼんです!
いやーやっと千次郎が大洗に到着した所を無理矢理ぎゅうぎゅうに詰めて投稿出来ました。
何度ここでやめとこうと思ったか・・・。でも一応千次郎が大洗に来れたので良かったです。
でもまたアフリカにカリンの塔という設定は私が勝手に決めたことなので気にしないで下さい。
次回は、遂に久々のバトルシーンが入るのでどうぞご期待ください。後後半はめちゃくちゃだと思います。(この馬鹿野郎!)後次回期末テストなので投稿送れます。ごめんなさい。
感想よろしくお願いします。時間も有れば評価もよろしくお願いします。
では次回も見てくれるかな?(いいともー!)
さいならー!!!!!
!!I'llbe back!!