「おはようございます、トマリさん!」
「おはようユウユくん」
私の名前は瀬戸トマリ。加賀の国で有名な敏腕美少女婦警だ。私は今、気になっていることがある。以前保護した家出少年の近導ユウユ君、中学3年生でありながらどこかあどけなさを残した少年、近導ユウユくん。
その笑顔を見るとつい抱きしめたくなってしまうほど、かわいく、思わずきゅーんとしてしま…。
ごほん、そんな近導ユウユくんが最近元気になっているのだ。
姉に無理やり女装をさせられ、たまらず家出をしたと聞いており、最初にあった気の弱そうな、元気なさそうな印象を受けたが、最近はとてもはつらつとしていて少し頼りがいも出てきたくらいだ。
それはうれしいことなのだが…。
「今日も元気だね。でも、あんまり遅くまで遊んで親御さんの心配かけちゃだめだよ。危ないところには近づかないようにね!」
「はい!」
ユウユ君がこう言っているが、彼は最近良くない噂を聞く。訳ありのヴァンガードファイターが集まると噂の廃墟の遊園地、ワンダヒル、そこに彼が出入りしているというのだ。そこにはあの桃山ダンジがいる場所だ。伝説のファイターなどともてはやされているが、ファイター資格を剥奪されたような男だ。何かよからぬことをしているに決まっている。そんな人達が出入りしているところにこんないたいけな少年が…。
「トマリさんもいつもお仕事お疲れ様です。それじゃ、行ってきまーす!」
「きゅーん!はっ!我慢我慢…。」
何か、良くない影響を受けているのではないだろうか。こんなかわいい少年がもし、不良になってしまったら…?心配でたまらない!!
「…、市民の安全を守るのは刑事の務め!そう、何かあってからでは遅いのよ!」
こうして、私は仕事終わりに私はユウユ君の様子を見に行くことに決めた。
これはユウユくんの身を守るため、決してほかに理由はない…。
ー
「よし!集まったな。」
今日は廃墟の遊園地に集まったチームブラックアウトの新しい門出の日だ。
公式戦で実績を残す、そして、この廃墟の遊園地の取り壊しをやめさせる。
そんな大きな目標のための第一歩。公式大会出場経験のあるリーダー、桃山ダンジからの公式大会についての説明の日だった。
「まずは皆に礼を言わせてくれ。こんな不甲斐ないリーダーに代わって、この場所を守るために戦ってくれて、本当にありがとう。」
ダンジさんが頭を下げる。その姿を見て、ここにいる全員の士気が高まっていくのが分かった。
きっと、ここにいるみんなならやり遂げられる。僕もみんなと一緒に頑張ろう!
強い気持ちで決意を固める僕、でも、この後のダンジさんの言葉で僕の決意は早くもくじかれることになる。
「それじゃあ、まずは公式大会に参加するにあたってみんなには3人または4人のチームを組んでほしい。実績の残る大会は必ず、チームでの参加になるからだ!これはヴァンガード公式からファイター同志の交流を促進するという意図のもとに導入された制度で…。」
ダンジさんからの説明は続いたが、僕の耳にはそれ以上入ってこなかった。
学校の体育の授業で2人1組を組むように言われた時のことを思い出す僕。言いたいことをなかなか言い出せない僕は周りの人になかなか声をかけられず。いつも一人余っていたのだ。
そんな僕が、この廃墟の遊園地ではまだまだ新参者の僕が、3人から4人のチームに入れてもらう?
(む、無理だよ…。)
大会出場前、僕に、ファイトとは関係のないところで、大きな試練が立ちはだかった…。
ー
数時間後、周りの人たちが次々にチームを結成していく中、僕は…。
「あ、あの…。」
「山本!俺たちのとこに来いよ!」
「ああ、いいぜ!」
「えっと、すみませ…。」
「おまえは当然、俺たちのとこに来るよな!」
「なっ!石田の癖に生意気な!!」
誰にも声をかけれずにおろおろとするだけ。そんな僕にもチャンスが訪れた。
目の前にいたのは、一緒にこのチームに入ったカツジさんとその子分。
最初は衝突こそしたものの、今は何度もファイトをする仲だ。きっと、カツジさんなら…。
「あのカツジさ…。」
「森崎カツジだな。」
でも、僕より前にカツジさんに声をかける二人組が現れた。
「お前、能登の国じゃ相当名の知れたファイターだそうだな。そんなお前に一つ提案がある。」
「提案?」
「ああ、俺たちと一緒にこの加賀の国でもその名を轟かせてみないか?」
ちょっと格好いい文句とともにその人はカツジさんに手を差し出した。
「ふ、面白い…。」
その手をがっしりと握り返すカツジさん。こうして、カツジさんは僕の目の前でチームを決めてしまった。
ー
「はあ…。」
結局誰ともチームを組めないまま、かなりの時間を無駄に過ごしてしまった。昨日、みんなの前で実績を残す提案をしたときの勇気はどこに言ったんだろう。そんなことを考えながら、ベンチに腰掛ける僕。
そんな僕の頬に冷たい缶ジュースが当てられた。
「うわあっ!?」
「その様子だとうまくいってないみたいだね。チーム集め。」
驚いて振り返るとそこにいたのはメグミさんだった。
「メグミさん。」
「よかったら、一緒に帰らない?」
そして、僕たちは帰路につく。それにしても、どうしてメグミさんは僕に声をかけたんだろう?
その答えはすぐにメグミさんの口から語られた。
「実は私もうまくいってないんだよね。」
「え、メグミさんも!?」
「まあ、藩主様の妹だって黙ってたことが?まだ尾を引いてるみたいなんだよね。ははは…。」
しかし、目をそらしている。どうにも嘘っぽい。
一方メグミはというと…。
(まあ、そのことはユウユ君のおかげで片付いたんだけど…。)
『ねえ、チーム組むんでしょ?私も入れてよ!』
いつも仲良くしている女性メンバーに声をかけたメグミ。すでに3人集まっているが、きっとみんななら入れてくれるだろう。そう思って居たのだが
『だめだよ。メグミは私たちより、あの子のところに行ってあげなきゃ!』
『あの子?』
その子は声をかけようとしては、失敗しているユウユを指さした。
『ユウユくんだよ!メグミを救ってくれた小さい王子様!』
『え、何を言って!?』
『ユウユ君のことずっと気にしてたもんねメグミは…、ふふふ。』
何やら、怪しげにニヤニヤと笑う女子たち。その姿はまさに、恋バナをするときのにやけ顔で…。
『待ってよ!別にそんなんじゃ』
『ほ~ら、行ってあげな!メグミの王子様が困ってるよ~。』
『だから、そんなんじゃないってば~!!』
こうして、メグミはいつものメンバーとチームを組むことができなかった。
そのうえ、その時の会話が頭にちらつき、ユウユとまともに目を合わせることができていない。
(もう、あんなこと言うから…。でも、助けてもらったのは事実だし、今度は私が助けないとだめだよね…、そう!これは恩返し!恩返しだから!)
と、誰に言ってるのかわからない言い訳をしながら、必死に表情を作り、ユウユに切り出した。
「ねえ、ユウユくん!よかったら私と組まない?」
「え、いいんですか!?」
なんだか、声が上ずってたのが気になったのだが、願ってもない話だ、本当にメグミさんがいいのなら、願ってもない話だ。
「もちろん困ったときはお互い様だしね。これからよろしくね、ユウユくん。」
「はい!よろしくお願いします。」
僕が笑顔で言うとなぜかメグミさんは目をそらす。
だが、僕とメグミさんが組んでもチームメンバーは二人、これではチームとしては成立しない。
「あとのメンバーはどうしましょう。」
「そうだね、もう遊園地のメンバーは誰かと組んじゃってるみたいだし、外で探してくるしかないね。そうだ、今度の土曜日空いてる?一緒にさ…。」
こうして、僕たちは休日にカードショップ巡りをしてチームメンバーを探すことになった。
その時、僕は気付いていなかった。
途中、一人の婦警さんとすれ違っていたことに、その婦警さんが僕たちの会話を聞いて、振り返ったことに。そしてその婦警さんが、しばらく僕たちの後をつけていたことに…。
ー
私は美少女婦警、瀬戸トマリ。ある日、仕事終わりにコンビニでお酒を買って歩いていると、私が保護した少年と怪しげな不良少女を目撃してしまう。
慌てて身を隠し、尾行に夢中になっていた私は二人がデートの約束を取り付けているのに気づいてしまう。
頭を後ろから殴られたような衝撃に見舞われた私は気がつくと、翌日もその少年を尾行してしまっていた!
少年少女の恋愛事情に本来なら首を突っ込むべきことでない。だが、相手はワンダヒルに出入りしている不良の少女。もし、だまされていたなら?
私の中に良くないイメージが沸き上がる…。
『ユウユく~んこれ買ってよ~』
『ええっ!?そんなお金ないよ!』
『あ?私のお願いを聞けないっていうの?』
『そ、そんな~!』
(そんなことはさせない!少年は私が守らないと!!)
こうして、私は明日、ユウユ君を守るために、彼らの様子を見守ることにした…。
これはいたいけな少年、ユウユ君を守るため、それ以外の理由など断じてない!
ー
休日、僕たちは近所のカードショップに来て、メンバーの勧誘を始めた。
「あ、あの、僕たちチームメンバーを探していて。」
「ごめん、もうチーム組んじゃってるから」
「君強いね。私たちを組まない?」
「すみません、そういうの興味ないんで」
だが2つほどショップを巡ったもののうまくいかなかった。ひとまず、近所のファミレスで昼食を取る。
一人、僕たちの後をつけていた人がいたことに僕たちはまだ気づかない。
「なかなかうまくいかないねー。」
「ご、ごめんなさい。」
「いやいやユウユくんのせいじゃないよ…。」
短い時間で3件もショップを回った疲れを感じながら、昼食を済ませる僕たち。それにしても、周りがファイトしているのに自分だけファイトしないのは少し寂しい。
そんな思いでデッキを見ていると、ちょうど、ドリンクを持ってきたメグミさんが僕の耳元でささやいた。
「ユウユ君もやりたくなったんでしょ?ヴァンガード。」
「ひゃあ!もう、脅かさないでくださいよ。」
「ははは、ごめごめん。でも気持ちは分かるよ。私もしたいし。」
そういって席についた。メグミさん。
僕たちの目的はチーム集めだ。そんなことしてていいのだろうか?
「でも、まだチームメンバーだって集まってないのに…。」
「まあ、大きな大会までまだ期間はあるし、ちょっとくらいはいいんじゃない?それにユウユくんとは私とするは嫌?」
「いや、むしろ嬉しいくらいですけど」
「なら、やろ!次のとこでね!」
こうして、僕達は最初の目的は一旦忘れて、別のショップに行くことになった。
この時、一人の客が届いた食べ物を食べずに席を立ったのに僕達は気づかなかった。
ー
私は瀬戸トマリ、近導ユウユくんと不良少女大倉メグミは何やらカードショップに入っては出てを繰り返していた。
流石にショップの中にまでついていくとバレるため、中で何が行われているのかまでは分からなかったがカードショップに出入りするくらいなら問題はないだろう。
しかし、油断はできない。もし、怪しい動きがあれば、即座に現行犯でしょっぴいてやろうと気を張り巡らせる。
二人がファミレスの入ったのを見た私は、後を追い同じ店の近くの席に座る。ここなら備考がバレることはない。二人の会話を聞くことができるだろう…。
「ご注文がお決まりになったらこちらのボタンを」
「え、あ、はい!」
まぁ、ちょうど昼食の時間だし、私も何か頼むか。
そして、ランチセットを食べ終わりコーヒーを飲んでいたとき、事件は起こった。
『ユウユくんもヤりたくなったんでしょ?』
ぶーっ!!
思わずコーヒーを吹き出してしまった。
『分かるよ。私もシたいし』
(昼間からなんちゅー会話してんのよあの子!?!?)
カードショップなら大丈夫だろうなどと安心していた私が甘かった!やはり大倉メグミは敵だ!
『私とするのは嫌?』
『いや、むしろ嬉しいくらいですけど』
『なら、やろ!つぎのとこでね!』
店を出た二人を見た私は笛を取り出し見失わないようコーヒーを残して店を出た。
必ず現場を取り押さえる!ユウユくんは私が守ってみせる!!
ー
「メグミさん、本当にこっちであってるんですか?」
「え、えっとおかしいな…」
メグミさんが調べたカードショップをめざしているのだが、一向に目的地が見えてこない。メグミさんの反応を見るに道に迷ってしまったようだ。
慌ててスマホで現在地を確認するメグミさん。
「うわっ、全然違う方向に来ちゃってるよ。参ったな〜。えっと、目的地は…こっちだ!」
そういうとスマホを見ながら歩き始めた。だが、その先にあるのはホテル街だ。
「待ってください、そっちには!」
僕がメグミさんを引き留めようとしたその時だった。
ピピーッ!!
滅茶苦茶聞き覚えのある増えの音が僕らの耳に入った。
振り返る僕とメグミさんそこにいたのは…
「トマリさん?」
「げえっ!瀬戸トマリ!!」
最近何故か良う会う婦警さんである瀬戸トマリさんだ。今日は制服じゃないところを見ると非番のようだが、どうしてこんなところにいるのだろう?そして、メグミさんはどうしてそんなに嫌そうな顔をしているのだろう。
「ついに現場を抑えたわよ大倉メグミ!」
「は?何言ってんよ?」
「その子をいかがわしいところに連れて行こうとしたわね。それは明らかな不純異性交友!!」
ビシッとトマリさんはメグミさんが入りそうになったホテル街を指差した。
そしてようやく自分が行こうとしてた場所に気づいたメグミの顔がみるみる赤くなる。
「ばっ!そんなんじゃないわよ!」
「言い訳するんじゃありません!大人しくその子をこっちに引き渡しなさい!」
そうやって二人がこちらを見た。というかなんで僕?
「やっぱり狙いはユウユ君か!!」
そう言うとメグミさんは突然僕の手を引いて走り出した。
「逃げるよ!ユウユ君!」
「ええっなんで!?」
「こら待ちなさい!」
ホテル街を走り抜ける僕とメグミさん。それを追うトマリさん。
「そこの二人!止まりなさい!」
「止まるわけないでしょうが!」
そんなやりとりをしながら、メグミさんは走り続ける。
「へえ、そっちがその気なら…。」
トマリさんが左に回り込めば、僕たちは右に曲がる。トマリさんが右に回り込めば、僕たちは左に曲がる。そうやって僕たちがたどりついたのは…。
「行き止まり!?」
「ふっふっふ…。」
袋小路に追い詰めた僕たちにトマリさんが迫る。
「警察を舐めないで頂戴。この地域のことならなんでもお見通し、犯人を追い詰めるならどこに追い詰めればいいのかなんて当然わかってるのよ…。」
メグミさんは僕をかばうように立っている。だが、ここにいる中で唯一状況が全く分からない僕は、ひとまずトマリさんと話をすることにした。
「ま、待ってくださいトマリさん!」
「ちょっ!ユウユくん?」
今度は僕がメグミさんの前に出た。
「あ、あの、僕たち何かしたんでしょうか!前に家出したことは悪いと思っています。でも、僕もメグミさんも悪いことなんて何もしていません。」
「きゅーん!はっ!我慢我慢…。」
そんな僕を見たトマリさんはまた、変な反応を見せるも、すぐに正気に戻った。
「ユウユ君はそうでしょう、でも、そこにいる大倉メグミはどうかしら?」
「はあ?私!?」
トマリさんはメグミさんを指さす。そして、メグミさんとトマリさんが言い争いを始めた。
「警察から逃げるということはやましいことがあるということよ!違う!」
「何言ってんのよ!違うにきまってるでしょう!」
「なら、なんで逃げたのよ!」
「はん!自分の胸に手を当ててよーく考えてみなさい!」
「それは警察が犯人に使う言葉よ!」
せっかく声を上げたのに状況は分からないままだ。それどころか不毛な言い争いのせいで余計に混乱してきた。
「どうやら、白黒はっきりつける必要があるようね。」
そういうとトマリさんはヴァンガードのデッキを取り出し、メグミさんに見せつけた。
「ファイトよ大倉メグミ!私が勝ったらユウユ君には二度と近づかないと約束しなさい」
「上等よ!」
メグミさんも自分のデッキを取り出す。
「売られたファイトは買う主義よ!私が勝ったら、二度と私たちに付きまとわないでもらうわ!」
こうして、いや、どうしてかわからないが、僕をめぐって二人のファイトが始まった。
ー
近くのファイトスペース。
僕が見つめる中、メグミさんとトマリさんのファイトが始まった。
「スタンドアップ・ヴァンガード!」
「スタンドアップ・ヴァンガード!」
「《樹角獣ローテ》!」
《樹角獣ローテ》
G0 パワー6000
「《極光戦姫ルビー・レッド》」
《極光戦姫ルビー・レッド》
G0 パワー6000
メグミさんは以前と同じく樹角獣。対するトマリさんがライドしたのは警察の制服を着た極光戦姫というユニットだ。
「ブラントゲートの警察組織、極光戦姫。その強さを美しさを存分に味合わせてあげる!」
「ふん!そっちこそ私の樹角獣の餌食にしてやるわ!ライド《樹角獣カリス》!」
《樹角獣カリス》
G1 パワー8000
「ライド!《極光戦姫キルナ・ブルー》!」
《極光戦姫キルナ・ブルー》
G1 パワー8000
「キルナブルーのスキル発動!山札からセットオーダーカード《銀河中央監獄ギャラクトラズ》を手札に加えるわ。《奇想機獣 バグモーター》をコール!このユニットをレストして《銀河中央監獄ギャラクトラズ》をオーダーゾーンにセット!」
トマリさんのキルナブルーの登場と同時に、サイレンの音が鳴り響く、そして、時空の穴が開き、巨大な監獄が姿を現した。
「セットオーダー」
「そう、セットオーダーはオーダーゾーンに残り続け、場にある限り効果を発揮し続けるカードよ。せいぜい震えて眠りなさい!キルナ・ブルーでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード!」
「ドライブチェック!トリガーはなしね…」
メグミさんのダメージチェックでもトリガーはなく。そのままトマリさんはターンエンド。
しかし、ターンが終わっても《銀河中央監獄ギャラクトラズ》は、オーダーゾーンに残り続けている。
(確かに、良くないものみたいね。でも、あれをどうすることもできない。今はとにかく、私のファイトをするだけよ!)
「ライド!《樹角獣ラティス》!」
《樹角獣ラティス》
G2 パワー10000
「ラティスにライドされたカリスのスキル発動!山札の上の《樹角獣ギュノスラ》を後列にスペリオルコール!更に手札から《樹角獣ダマイナル》をコール!」
《樹角獣ギュノスラ》
G2 パワー10000
《樹角獣ダマイナル》
G2 パワー10000
次々にメグミさんの場に樹角獣の仲間たちが集まってくる。
「ダマイナルのスキル発動!ソウルブラスト1を支払い、ギュノスラにパワー+5000!そして、このターンギュノスラは後列からアタックができる!」
《樹角獣ギュノスラ》
パワー15000
「バトル!《樹角獣ラティス》でヴァンガードにアタック!」
「ノーガード!」
「ドライブチェック!」
《狂乱の令嬢》フロントトリガー
「ゲット!フロントトリガー!前列にパワー+10000!」
《樹角獣ダマイナル》
パワー20000
ラティスの角に跳ね飛ばされるキルナブルー。その両側からギュノスラとダマイナルが迫る。
「ギュノスラでヴァンガードにアタック!ギュノスラがヴァンガードにアタックした時、そのパワーを他のユニットに与えることができる!ダマイナルにパワー+15000!」
《樹角獣ダマイナル》
パワー35000
「仲間が力を合わせることで強くなる!これが私の樹角獣の力よ!」
「くっ!組織ぐるみの犯行ということね…。《極光戦姫ルルースイエロー》でガード!」
《極光戦姫ルルースイエロー》シールド15000
「ダマイナルでヴァンガードにアタック!」
仲間の警察がギュノスラを抑えたが、背後から忍び寄る、もう一体の獣に殴られて、キルナブルーは倒れてしまった。
トマリさんはダメージ2。だが、トマリさんはあくまで落ち着いていた。
「ライド!《極光戦姫リサットピンク》!」
トマリさんは更に体の大きな警察官にライドする。その姿で目を引くのは、その手に持った謎の光線銃だ。
そしてトマリさんはメグミに指を差した。
「リサットピンクのスキル発動!大倉メグミ、あなたの手札のユニット一体に強制捜査をかけるわ!手札を一枚選んで私に見せなさい!」
その言葉を聞いたメグミさんは手札の《樹角獣アーレイ》を公開する。情報を与えてしまうことになるが鑑賞を受けてドロップゾーンに落ちても影響がなさそうなカードだ。
しかし、そのカードはドロップゾーンではなく意外なところに置かれた。
取調室におすわりするアーレイオ。そんな1匹の獣にリサットピンク警部はスタンドライトを向けた。
「《樹角獣アーレイオ》その長い角は危険だわ!」
「は?何言ってんよ!可愛いじゃない!」
「いいえ、その角で一体何人のユニットを手にかけてきたか分かったもんじゃない!」
「惑星クレイじゃ別に変なことじゃないでしょう!」
「先導者うるさい!危険なユニットは極光戦姫の名に置いて見過ごすことはできない!よって、逮捕よ!!」
リサットピンクが光線銃の引き金を引く。すると銃口からは出てきたのは光の縄だ。
その縄はアーレイオの体に巻き付き自由を奪ってしまった。
文字通りお縄にかけられたアーレイオはリサットピンクに雑に投げられる。
「逮捕したユニットは監獄に収容される!さぁ、そのカードをオーダーゾーンに置きなさい!」
アーレイオは監獄に投げ込まれる。逃げようとするも鉄格子が降りてきて哀れにも閉じ込められてしまった。
理不尽に自分のユニットが投獄されてしまったメグミさん…
「さらに《極光戦姫アガラー・ルージュ》をコール!スキル発動!」
《極光戦姫アガラー・ルージュ》
G2 パワー10000
「《樹角角ダマイナル》をもふもふ尻尾による誘惑の罪で逮捕よ!」
「わけわかんないこじつけで私の樹角獣たちがー!!!!」
「そして、この逮捕により《極光戦姫アガラー・ルージュ》は連続検挙記録を更新。署内で表彰され、パワー+5000、シールド+10000よ!」
《極光戦姫アガラー・ルージュ》
パワー15000 シールド15000
さらにその逮捕がきっかけで極光戦姫が表彰されるというあまりにも理不尽な事態にメグミさんが抗議の声を上げた。
「不当逮捕で表彰ですって!それが警察のすることか!!」
だが、そんなトマリさんは現職の警察官として、冷酷に告げるのだった。
「諦めなさい…警察とはそういう組織よ。」
※違います
勢いをそのまま、バトルに入るトマリさん。
「リサットピンクでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード!」
「ドライブチェック!トリガーはなし。」
「ダメージチェック、こっちもトリガーなしよ」
「アガラールージュでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード!」
これでダメージは3対2。しかし、トマリさんのターンが終わっても、メグミさんの樹角獣は監獄にとらわれたままだ。
次はいよいよメグミさんのマグノリアが現れる。しかし、リアガードが確保できなければマグノリアは十分に力を発揮できない。
「ライド!これが私の本当の姿、森を守る聖なる守護の光!《樹角獣王マグノリア》光臨!!」
《樹角獣王マグノリア》
G3 パワー13000
「マグノリアにライドされたラティスのスキル!山札の上の《樹角獣アーレイオ》をスペリオルコール!さらにこのアーレイオを退却させてもう一体のアーレイオとダマイナルにパワー+5000」
《樹角獣ダマイナル》
パワー15000
《樹角獣アーレイオ》
パワー15000
ついにあらわれた樹角獣の王。そしてメインフェイズ。すると、トマリさんが口を開いた。
「大倉メグミ、あなたには監獄のユニットたちを自由にする権利があるわ。」
「なんですって?」
「このメインフェイズ、保釈金としてカウンターブラスト1、もしくはソウルブラスト1を支払うことであなたのユニットたちは釈放される。ソウルブラストなら1体、カウンターブラストなら2体よ。」
不当ないいがかりで監獄に収容した挙句、お金まで徴収する不良警察の言い分にこめかみをぴくつかせながらメグミさんはカウンターブラスト1を支払った。
こうして、《樹角獣アーレイオ》《樹角獣ダマイナル》がメグミさんの場に戻ってくる。
同時にトマリさんの《極光戦姫アガラー・ルージュ》はパワーダウン。そして、4体のリアガードがメグミさの場に並んだ。
「バトル!《樹角獣マグノリア》でヴァンガードにアタック!この瞬間、マグノリアのスキル発動!ギュノスラにパワー+5000!そしてギュノスラはこのターン後列からもアタックができる!」
マグノリアの神助の風がギュノスラに力を与えた。これでメグミさんのユニットは4回連続攻撃が可能になった。ただし、リアガードはパワー10000だが、ギュノスラのスキルが使える。くりくりの目とぼてっとした体格の愛くるしい見た目をしたギュノスラだが、頼りになるユニットだ。
「ノーガード」
「ツインドライブ!」
《樹角獣王マグノリア》トリガーなし
《樹角獣ズラトトク》ヒールトリガー
「ドロートリガー!パワーはアーレイオに!ダメージを1回復!」
《樹角獣アーレイオ》
パワー25000
「ダメージチェック!」
《極光戦姫セラス・ホワイト》トリガーなし
「ギュノスラでヴァンガードにアタック!この瞬間、ギュノスラのスキルを…!!」
そこでメグミさんは動きを止めた。いつもならギュノスラのスキルでパワーを上げて、あと二回攻撃をするところだ。だが、メグミさんは…。
「スキルは使用しないわ、このままアタックよ!」
「あら?だったらノーガードよ。」
《極光戦姫トルシュ・グリーン》ヒールトリガー
「こっちもヒールトリガーよ!ダメージを回復するわ!さらにヴァンガードにパワー+10000!」
《極光戦姫リサット・ピンク》
パワー20000
「ダマイナルで《極光戦姫アガラー・ルージュ》にアタック!」
「ノーガード。アガラー・ルージュは退却。」
「アーレイオでヴァンガードにアタック!」
「《極光戦姫ルルース・イエロー》でガードよ!」
「くっ、ターンエンド。」
全力でなかったとは言え、4回連続攻撃したにも関わらず、1ダメージしか増えていない。ダメージは2対3。そして、次はトマリさんのグレード3だ。
「なるほど、ヴァンガードの攻撃をトリガーにして後列をも利用した。連続攻撃を仕掛ける。なら、攻撃してくるリアガードは全員危険人物ということね。なら、みんなまとめて逮捕してやるわ!」
手札を捨てたトマリさん。
サイレンの音とともに巨大な手錠が現れる。次に二本のサブアームが標的を探すように動く。その中心にいたのは白銀の髪をなびかせた青い制服の女性。ついに極光戦姫のグレード3のユニットがその姿を現した。
「愛と平和を守るため、悪いやつらは逃がさない!白銀の美女警官、いざ出動!《極光戦姫セラス・ホワイト》!!」
《極光戦姫セラス・ホワイト》
G3 パワー13000
「さあ、お楽しみの逮捕の時間よ!《極光戦姫アガラー・ルージュ》をコール!スキル発動!」
ソウルブラスト1で前列のユニットを監獄に収容するアガラー・ルージュ。トマリさんが最初に指定したのは前列の《樹角獣アーレイオ》。
「角出すぎで逮捕!」
前のターンよりさらに雑な理由付けで逮捕されるアーレイオ。なおも、トマリさんの勢いは止まらない
「《極光戦姫セラス・ホワイト》のスキル発動!《樹角獣ダマイナル》・《樹角獣ギュノスラ》!」
「ま、まさか!」
おもむろに二体にリアガードを指定するトマリさん。その行動にメグミさんは嫌な予感を感じて身震いをする。
「尻尾長すぎ!不潔!まとめて逮捕して監獄に収容!!」
「っ!!!!!!!」
一度に二体のユニットが不当に逮捕されてしまった。その言葉を皮切りにメグミさんは何も言わなくなる。代わりに僕が声を上げた。
「そんな、ほとんど言いがかりみたいな理由でメグミさんのユニットが全員逮捕された!?」
「さらに、セラス・ホワイトはこの連続逮捕で検挙率トップにのし上がり、勲章を授与されるわ。それによりパワー+10000、ドライブ+1!!」
「おまけに不当逮捕で昇進まで!なんて真っ黒な組織なんだ!?」
そんな僕にトマリさんは寂しそうな表情で告げた。
「ユウユ君、ごめんなさい。これが、警察の仕事なの…。」
※断じて違います。
そんなやりとりによって、メグミさんのリアガードは全員監獄に収容されてしまった。
「さらに《極光戦姫アガラー・ルージュ》をもう一体コール。あ、そうそう、わかってるとは思うけど、アガラー・ルージュは収容されているユニットが2対以上いるので、それぞれパワー+5000よ。」
《極光戦姫アガラー・ルージュ》
パワー15000
《極光戦姫アガラー・ルージュ》
パワー15000
単体でヴァンガードにアタックが届くユニットが両側に並んだ。ブーストができるのはヴァンガード後列のバグモーターだけだが、インターセプトを封じられたメグミさんはその攻撃を全て手札とダメージで受け切らなければならない。
「バトル!セラス・ホワイトヴァンガードにアタック!」
「ノーガード…」
「トリプルドライブ!!」
ダメージはまだ2点とは言えトマリさんのドライブチェックは3回。クリティカルトリガー三枚でそのまま敗北ということも十分にあり得る。
僕はその攻撃を固唾を呑んで見つめることしかできない。
「ファーストチェック」
《極光戦姫ルルース・イエロー》クリティカルトリガー
「クリティカルトリガー、パワーは右のアガラー・ルージュへ、クリティカルはヴァンガードへ!」
《極光戦姫アガラー・ルージュ》
パワー25000
《極光戦姫セラス・ホワイト》
クリティカル2
「セカンドチェック」
《枢機の竜エンパイロ》フロントトリガー
「フロントトリガー、前列すべてにパワー+10000!」
《極光戦姫アガラー・ルージュ》パワー25000
《極光戦姫アガラー・ルージュ》パワー35000
連続トリガー、しかし、まだドライブチェックは残っている。
「サードチェック」
《ヴァイオレート・ドラゴン》
「あらら、トリガーなしね。まあ、それでもここまでできれば十分だけどね。」
背中のサブアーム、その銃口がマグノリアに向けられる。セラスホワイトが手を突き出した瞬間、サブアームから一斉にミサイルが一斉に発射された。
「ラリアットミサイル!!」
ミサイルがマグノリアに着弾。大爆発を起こした。
「ダメージチェック」
《樹角獣ダマイナル》トリガーなし
《狂乱の令嬢》フロントトリガー
「フロントトリガー、マグノリアにパワー+10000」
《樹角獣王マグノリア》
パワー23000
一気に2ダメージ入り、メグミさんのダメージが4点。さらにリアガードの追撃が来る。
「左のアガラー・ルージュでヴァンガードにアタック!」
「《樹角獣アーレイオ》でガード!」
《樹角獣アーレイオ》
シールド5000
「右のアガラー・ルージュでアタック!!」
「ノーガード」
「え!?」
襲ってきた2体のアガラー・ルージュ。一帯はアーレイオがその長い角で攻撃をはじき返したが、もう一体の攻撃がヒット。ダメージ5になり、マグノリアももうボロボロだ。
「残念、でも、自慢の毛並みももうボロボロみたいね。ターンエンド。」
僕はメグミさんのこの行動に強い違和感を覚えた。なぜんなら、メグミさんは2ターン目のドライブチェックで手札に加えた《狂乱の令嬢》を使わなかったからだ。
《狂乱の令嬢》はトリガーユニットのシールド値15000に加えて、相手がグレード3ならさらにシールド5000、実質20000のシールドとして使用できるユニットだ。そのカードを使えば二回目のアガラー・ルージュの攻撃も防ぐことができたはずだ。
「ふふふ…。」
メグミさんのターンと同時に狂ったような笑い声をあげるメグミさん。
顔を上げたメグミさんは対戦相手のトマリさんが思わず引くくらい。
「よくも、私のかわいいユニットたちのことをコケにしてくれたわねえ…、ええ!!!!」
「ひいっ!?」
ものすごく怒っていた。
「スタンド&ドロー!!魂を昇華させ、真の力ですべての命を守れ!ペルソナライド!《樹角獣王マグノリア》再臨!!」
メグミさんのペルソナライド、ボロボロになったマグノリアが再び輝きを取り戻し、その背中には神々しい光輪が現れ、辺りを照らし出す。
「ペルソナライドの効果により、手札を1枚ドロー、このターン前列すべてにパワー+10000!!」
そして、メインフェイズ。はっとしてトマリさんが同じセリフを語る
「あ、あああなたには監獄に収容されたユニットを自由にする権利が…」
「当然、全員解放させてもらうわ!」
「ええっ!?」
「あんたの払ってくれた損害賠償のおかげで保釈金は十分に用意できるからね!!」
カウンターブラスト1、ソウルブラスト1を支払い無理なくメグミさんは3体のユニットを開放した。樹角獣の王のもとに帰ってくる樹角獣のユニットたちはなんだかうれしそうだ。
「《樹角獣アンヴァール》《樹角獣エンピックス》をコール!ヴァンガードがマグノリアのため、アンヴァールはパワー+5000、後列にコールされたためエンピックスはパワー+10000!!」
《樹角獣アンヴァール》
G2 パワー15000
《樹角獣エンピックス》
G2 パワー18000
メグミさんの場に5体のリアガードが揃った。獣たちは楽しそうに咆哮を上げる。だが、エンピックス、ギュノスラ、アーレイオが後列にいる。このままではバトルに参加できない。
トマリさんもメグミさんの意図が分からず困惑している。
しかし、それは本来ならの話、ここからがマグノリアの真の力が発揮される時だった。
「バトル!マグノリアでヴァンガードにアタック!!この瞬間マグノリアのスキル発動!!」
「さっきも見せた4回連続攻撃ね。そのくらいなら…。」
「何を勘違いしているのかしら?」
「はい?」
「マグノリアがペルソナライドしたこのターン、スキルで選べるユニットの数は3体に増える!つまり、合計6回連続攻撃よ!!」
「な、なんですって!?!?」
「さあ、行くわよ、私のかわいい樹角獣たち!マグノリアタイフーン!!」
《樹角獣ギュノスラ》パワー15000
《樹角獣エンピックス》パワー23000
《樹角獣アーレイオ》パワー15000
マグノリアの光輪が光を放つ、そして、樹角獣たちに強い追い風が吹いた。その風を受けた後列の樹角獣も戦闘に参加するために構える。
トマリさんは慌てて手札を見た。
手札は5枚《枢機の竜エンパイロ》《極光戦姫ルルースイエロー》《ヴァイオレート・ドラゴン》《極光戦姫アガラー・ルージュ》《奇想怪獣バグ・モーター》
20000、15000、5000が2枚と完全ガードが1枚、インターセプトが2体。ダメージはまだ3点、トリガーが出なければ次第ではこのターンをしのぐことは十分に可能だ。
ただし、手札はギリギリになる。一切の無駄は許されない。そのためトマリさんは
「ノーガード!」
リスク承知でヴァンガードの攻撃を通した
「ツインドライブ!」
《狂乱の令嬢》フロントトリガー
「フロントトリガー!前列にパワープラス10000!」
《樹角獣ダマイナル》パワー30000
《樹角獣王マグノリア》パワー33000
《樹角獣アンヴァール》パワー25000
「くっ!」
一気に苦しい表情になるトマリさん。どうやらダメージトリガーがなければ防ぎきれないようだ。
もう一枚トリガーを引ければダメ押しになるだろう。そう思ってメグミさんのドライブチェックを見る。
「セカンドチェック!!」
メグミさんが怒りを込めた瞳でカードを見つめ、めくる。するとカードはその怒りにこたえるように強い光を放った。
《決意の精霊王オルバリア》オーバートリガー
(オルバリアかあ…。)
ふと、メグミさんが採用しているオーバートリガーを見て意外に思う。《決意の精霊王オルバリア》はどの国家のデッキにも入れられるエレメンタルのオーバートリガーだ。癖がなく使いやすいものの多くの場合は国家特有のオーバートリガーが採用されることが多い。だが、メグミさんはこのオルバリアを採用している。
そんなとき、ふと、いったいのユニットが目に入った。《樹角獣ギュノスラ》。くりくりの目とぼてっとした体格の愛くるしい見た目をしたユニット。なぜかその姿が、今だけはとても恐ろしいものに見えた。
「オーバートリガー!ギュノスラにパワー+1億!さらに追加効果でダマイナルにもパワー+1億!」
《樹角獣ギュノスラ》パワー100015000
《樹角獣ダマイナル》パワー100030000
「な、なによこれ!?だ、ダメージチェック!」
《極光戦姫ルルースイエロー》クリティカルトリガー
「よし、クリティカルトリガー!パワーはヴァンガードに!!」
《極光戦姫セラス・ホワイト》
パワー23000
「これなら、後列のアーレイオの攻撃はヒットしないし、アンヴァールの攻撃も…。」
「ギュノスラでヴァンガードにアタック!この瞬間、ギュノスラのスキル発動!」
メグミさんの最後のカウンターブラスト。前のターンの攻撃をあえて受けたことが功を奏し、ギュノスラのスキルが発動する。そう、他のリアガードに自身のパワーを与える能力…。
「ギュノスラのパワーをアーレイオに与えるわ」
「え、そのパワーってまさか…。」
「そう、オーバートリガーで乗った1億を加えた100015000をそのままプラスよ!」
《樹角獣アーレイオ》パワー100030000
「パワー1億オーバーの3回攻撃ですってー!!!!」
当然、ダメージは4点だが、当然、そんなハチャメチャな攻撃を止めることなどできないトマリさん、もうメグミさんの怒りを受け止めるしかなかった。
「私の樹角獣たちを危険で不潔で邪魔な害獣呼ばわりしたことを死んで後悔しやがれ!マグノリア・インパクト!!!!」
マグノリアの攻撃、さらに、パワー1億越えの樹角獣たちが光になって、セラスホワイトに襲い掛かる。なんとか一つはヴァイオレート・ドラゴンが防いだが、残り二つの光がセラスホワイトの腹部に直撃。そして、はるかかなたまで吹っ飛ぶセラス・ホワイト
「誰もそこまでは!言ってないわよおおおおおおおおおおおお!!!!」
キラーン
悲痛な叫びとともにセラス・ホワイトは、星になった…。
ー
ダメージ6。
「しゃああああああああ!私の勝ちいいいい!!」
勝利とともにメグミはガッツポーズを決めた。
「こんなはずじゃ…。」
がっくりとうなだれるトマリ。
「す、すごい。すごいですよ!」
そんな二人のファイトを見ていたユウユが声を上げた。
そういわれるとなんだか照れ臭くなったのかメグミは頭をかいた。
「いや、そうでもないよ…。」
だが、ユウユはそんなメグミをスルーして…。
「トマリさん!!」
瀬戸トマリの手を取った。
ずっこけるメグミ。困惑するトマリ。
「えっと、私、負けちゃったけど…。」
「勝ったの私なんだけど!?」
メグミには耳を貸さず、ユウユは言葉をつづけた。
「でも、相手のユニットを収容して強化、さらにコストを払うことを強要するなんて戦い方、僕初めて見ました。本当にすごかったです。」
ここでユウユは本題に入る。実はユウユはトマリがファイターだと知ってからずっと考えていたことがあった。
「あの、僕たち今、大きな公式大会に出ようとしてて、チームに入ってくれる人を探しているんです。」
そうチームへの勧誘だ。だが、ユウユの意図を察してなおメグミの顔は渋かった。
「ユウユくん、悪いことは言わないからその人はやめたほうが…。」
「トマリさん、僕たちのチームに入ってくれませんか?」
だが、ユウユは精一杯の笑顔でトマリをチームに誘った。いや、誘ってしまった。
「あ、あああ…。」
両手を上げて、わなわなと震えるトマリ。そして
「もう我慢できな~い!!」
そのまま、ユウユを思いっきり抱きしめた。体格差もあり、ユウユの顔にいろんなものが当たる。突然の出来事にユウユは理解が追いつかない。
「ああ~、なんてかわいいの!こんなにかわいい子を目の前して我慢するなんて体に毒よ!もふもふしないなんてやっぱりできないわ~!!」
「とうとう本性を現したわね!年下好きの変態婦警!!」
「うるさい!ちょっと、嗜好が人と違うだけで変態ではありません!!」
そして、ユウユの頭にほおずりをしながらトマリは応えるのだった。
「チームに入ってほしいですって!もちろん!オーケーよ!お姉さんに任せて!ユウユくんのためなら、なんだってしてあげるからね!ね!」
こうして、無事にユウユはチームを組む最低ラインの3人を集めることができた…。
「う、ありがとう、ございます…。」
それがユウユにとって良かったのかは定かではない…。
「いい加減ユウユくんから離れなさいよ!この変たーーーーい!!」
次回予告
「さあ、ユウユくん!またもふもふさせて頂戴!」
「ユウユ君に近づくんじゃないわよ!この変態!」
「大倉メグミ!また邪魔をするのね!」
「当然よ!ユウユ君をこれ以上あんたの変態趣味に付き合わせるもんですか!」
真夜中に廃墟の遊園地の前に来たユウユ。そんなユウユの肩を一人の男がたたく。
翌日、ダンジと静かに話をする、二人を見たユウユはその男にファイトを申し込んだ。
イメージの中、満月を現れたのは大鎌を構えたドラゴン。深い夜の暗闇がニルヴァーナに襲い掛かる。
ファイトの中で何かを問いかける、男にユウユが出す答えとは?
次回「深淵黒夜」
「大倉メグミ、やはりあなたは危険なようね。ここで排除するわ」
「やってみなさい!返り討ちにしてやる!」
「やめてください!二人とも、僕のために争わないで!!」