最終的に闇堕ち霊夢と戦う話   作:カザナミ

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第6話

 

 

ここ数日で、赤の配色が多すぎる紅魔館にも慣れてきた本日。私はしばらく振りに外の景色を見られる事になりました。

 

ただまぁ…間違っても紅魔館の住人達が善意で私に気分転換をさせようとしている訳でない事を知っている。  

 

だってこいつら、初日から一般人相手にデスゲーム(本気)をやらせたからね!何が教育だふざけんな!!

 

 

フラン「ピクニック~♪お姉ちゃんと一緒にピクニック~♪」

 

月下「妹様。何度も言いますが、今回は遊びに来てる訳でないんですよ?」

 

フラン「分かってるよ~。そっちの邪魔はしないって」

 

「…でも、大丈夫なのかな?フランちゃん、危ないと思うよ?」

 

 

私は自身の左腕にしがみつく金髪の幼女にそう訪ねる。

 

というのも、私達が今を生きているこの場所。

 

幻想郷という場所なのだが、何処か懐かしさすら覚える美しい原風景とは裏腹に、その実人間には生きずらい所なのだ。

 

その理由として何よりも、妖怪という存在が実際に存在しているという事が上げられる。

 

当然ながら、ただの人間に抗う方法はない。普通なら、だが。

 

 

フラン「大丈夫だよお姉ちゃん!月下が何とかしてくれるのよ♪…ね?」

 

月下「………まぁ、俺の仕事は果たしますが。ただ、あまり好きにされますと後でお嬢に言われるのは我々ですので」

 

フラン「はぁ~あ…月下も咲夜もお姉様お姉様ってそればっかりねぇ。つまんないわ」

 

月下「はいはい。それではこちらの邪魔はしないで下さいねー?待たせたなシスター。今日の目的、早速取り掛かろうぜ?」

 

月下「紅魔式…青空教室をな!」

 

 

要するに今日は、何故か外に出てお勉強をするらしいです。

 

 

・・・

 

 

今日の早朝 中庭広場にて

 

外の世界で使っていた布団よりも寝心地の良い布団から出たくないなぁ…等と思いながらベッドから這い出て身支度を行う。

 

今日は何をやらされるだろ…と少し憂鬱になってはいたが、ここでの暮らしは私が望んだ事でもある。

 

よし、今日も頑張ろうと貸して貰っている部屋の扉を開けると、咲夜さんが立っていた。

 

居るなら声かけろよと一瞬思ったが、どうやら月下が朝礼をするそうなので、出ろとの事だった。

 

 

「咲夜さんは出ないんですか?」

 

咲夜「月下が勝手にやってるだけだし。私がそんな無駄な事をする理由もないから」

 

 

思ったよりバッサリだった。

 

で、実際中庭に行ってみたんだけど私が思ってたよりも従業員は多かったらしい。

 

メイド妖精、咲夜曰くホフゴブリン。中には頭に羽のような何かを着けた…あれはどういう存在?

 

とにかく、紅魔館には主にそれら部下達が体育館3つ分位にもなりそうな数が雇われていたらしい。

 

月下は…あ、居た。演説台に立って皆を見えるようにしてる。私は…適当にその辺に居れば良いのかな?

 

 

月下「えー、皆さん!お→は↓よ↑う↑↑ございます!!」

 

メイド妖精 ホフゴブリン 小悪魔 「「「お…おは、よ……ま、す…」」」

 

(うわぁ…全然まばらだ…)

 

月下「なんだお前ら、揃って声が小さいなぁ?朝って言うのは、その日一日で一番エネルギーがある瞬間なんだ!そんなんじゃお嬢に声が届く訳ないやろが!!」

 

 

いや、別にレミリアに声を届けようなんてやってる奴居ないと思うよ?

 

 

月下「………次声が小さかったら、気紛れに誰かの頭と体を永遠にお離婚さんな…せい!ぷりーず!!」

 

月下「お→は↓よ↑う↑↑ございます!!」

 

メイド妖精 ホフゴブリン 小悪魔 「「「おはようございます!!!」」」

 

月下「なんだやれば出来るんじゃねぇか。最初からやれよな」

 

 

いや脅してる!?恐怖で無理矢理やらせただけじゃないか!?

 

皆が恐怖で引きつってる中でやりきった、みたいな顔してんじゃねぇ!

 

 

小悪魔「あ、あのーすみません、月下さん…その、良いですか?」

 

月下「あぁ?どうした、未だに名前が確認されてない小悪魔さん?」

 

小悪魔「名前が出てないのは別に良いじゃないですか!?」

 

小悪魔「そうじゃなくて、これってなんのための朝礼なんですか?」

 

月下「ああ、それな。えー…一部の奴はもう知ってると思うが、一週間程うちで人間を預かる事になった」

 

月下「挨拶なり親睦を深めるなりは好きにしろ。ただ、それでサボる奴はころ…お仕置きな」

 

月下「それと、俺は今日シスターの勉強の監督をするから夕方まで帰らん。何かあったらサクヤかメーリンに言うように。他に質問は?」

 

メイド妖精 ホフゴブリン 小悪魔 「「「…」」」

 

「…」

 

月下「無いって事な。じゃ、今日も一日お嬢の為に頑張るように。解散!」

 

 

体感10分にも満たない程度で朝礼は終わった。それを確認した皆は散り散りになっていく。

 

さっき私の事を話題に上げられたので、一部興味がありそうに私を見てくるのも居たけど、話しかけられはしなかった。

 

 

月下「ああ、シスター。お前はこっちな」

 

 

行き場に困ってぼっ立ちしている私に月下が手招きで呼び掛ける。

 

さっき私の勉強の監督をすると言っていたな…それについての話だろうか?

 

 

月下「今言ったと思うが、シスターにはこれからお嬢の元で働く者として勉強をしてもらう。筋肉痛はどうだ?」 

 

「もう殆ど大丈夫だけど…何でそんなこと聞くの?」

 

月下「その勉強は外でやる方が都合いーんだよ。なんだ、百聞は一見にしかず…だっけ?」

 

「外で勉強?まぁ、良いけど」

 

月下「ま、嫌とか言われてもやんだけどな!じゃ、俺は紅魔式青空教室の用意しとくから。それまではメーリンと庭の手入れでもしててくれなー」

 

「はい!分かりました!」

 

月下「………」

 

「?何?」

 

月下「いや…少しは良い顔になったなぁってだけだ」

 

月下「おっと、別に元の顔が悪かったとかじゃねぇぞ?どちらかというとシスターの顔は好みだぜ!」

 

「私はあなたみたいな性格クソ野郎お断りですけど」

 

月下「そりゃ無いぜシスター!?」

 

「もう行きますね…あの、メーリンさん?って何処に居るんですか?」

 

月下「あん?ここに来たなら顔は見たろ。ほら、正門で立ってなかったか?」

 

 

………あの人か。確か、紅魔館の前で見張りをしていた人がいたな。

 

特徴は…赤い髪の、羨ましい位のスタイルの良い女の人だ。朝礼には居なかったけど、出入口に行けば会えるだろうか。

 

 

・・・

 

 

「メーリンさん。ちょっといいですかー?」

 

 

この数日間、紅魔館と外を隔てる境界である正門を三度ノックしながら声をかける。

 

こっちにメーリンさんが居なければ、既に中庭の手入れを始めているということなので、私も移動しなければならない。

 

しかし向こうからは「どうかしましたかー?」と返答が帰ってくる。無駄に歩き回らなくて良かった。

 

 

「月下さんが青空教室?をするらしいんですけど、準備に時間かかるからメーリンさんと一緒に中庭の手入れしとけって言われました」

 

美鈴「あ、それはありがたいですね。今行きます」

 

 

少しだけ開いた門から私の思っていた通りの女性が入ってきた。ここに来た初日に、ここの監視をしていた女性だ。

 

メーリンさんは門の側に置いてあった庭の手入れ道具一式を軽々と持ち上げ、行きましょうかと微笑む。

 

…結構な重量だと思うんだけど、重たくないのかな?

 

 

「メーリンさん、重たくないですか?私もいくつか持ちますよ」

 

美鈴「いえいえ大丈夫です。この位何ともありませんよ!」

 

 

そう言って笑うメーリンさんの足運びは確かだ。本当に無理をしているという訳でないらしい。

 

そして、いざ私も中庭手入れの手伝いを始めたのだけど、これがもうきつい。

 

何がきついってそもそも広さがヤバい。金持ちのイメージとして無駄にクソ広い庭が使われたりするが、本当にそのイメージ通りの光景。

 

こんな所をやるって時間かかるし、何よりも終わらねぇ…と気力が減っていく事請け負いだ。

 

 

「やば、やば…これいつになったら終わんの…?てかメーリンさんはこれを一人でやってるってマジ?」

 

美鈴「いえいえ、流石に門番の方もありますから。大事な所だけ私がやってお水やりとか簡単な事はメイド妖精さんに任せたり、月下さんや咲夜さんが引き継いでくれますから」

 

「その月下さんが、何か外で勉強するって言ってたけど」

 

美鈴「聞いてますよ。月下さんの指導を受けるのは大変だと思いますが、あなたにとって無駄になることはないので、頑張って下さいね!」

 

「月下さんもそうだけど、私には咲夜さんも正直キツイなぁ…すっごい睨んでくるの。後、二人の小競り合いに巻き込まれるのがね。皆よく平気だよね」

 

美鈴「あはは…まぁ月下さん咲夜さんのお二人にとって、レミリアお嬢様は母親みたいなものですからねぇ。お互いお嬢様を取られたくないという感じでしょうか。そう思うと、可愛くないですか?」

 

 

母親ぁ?あの幼女が?

 

ってか可愛いって…どう見たらそんな考えになるんだか。

 

 

「美鈴さんは、二人の事に詳しいんですか?」

 

美鈴「ふふふ。何を隠そう、お二人に体術指導を行ったのは私!なので実質、月下さんと咲夜さんは私が育てたと言っても過言ではないのですよ!」

 

 

ふふん!と得意気にしているところ悪いけど、生憎二人が戦ってる所を見たことがないんだ。

 

 

フラン「あ、お姉さん。ここに居たのね!」

 

「あ、フランちゃん!おはよー」

 

美鈴「おはようございます。妹様!」

 

フラン「お姉さん、今日は美鈴のお手伝いをしてるの?」

 

「うん。月下が青空教室をするらしいから、その準備が終わるまでだけどね」

 

フラン「青空教室…?何それ、なんだか面白そうね!ねぇねぇ、私も連れてってよー!」

 

「え?私に言われても…」

 

 

日傘を片手に、フランちゃんが青空教室に連れていってとぴょこぴょこと跳ねる。

 

ただ、青空教室は私が提案したことじゃなくて月下の言い出した事だ。連れていってと言われても困るんだよなぁ。

 

 

フラン「ダメ…?」

 

「う…んん…月下さんに、聞いてみようか」

 

フラン「あは♪そうでなくちゃね!」

 

「ああもう、可愛いなぁ…」

 

 

柔らかな金髪を撫でると、嬉しそうに目を細めて手に頭を擦り付けてくる。

 

さながらなついた相手に好意を示す猫のような姿は、なんかもうほんと可愛い。やだ最高…

 

 

月下「待たせたなシスター。青空ハイスクールの時間だぜ!夕方までには帰ってくるから、メーリン。それまでしっかり頼むぞ~」

 

美鈴「はい!お任せ下さい!」

 

「月下さん。あの、フランちゃんが一緒に青空教室に来たいみたいなんだけど…」

 

月下「え?普通に嫌だけど?」

 

 

普通に嫌だけど!?どういう事なんだよ!?

 

 

フラン「ええ~そんなこと言わないで、フランも混ぜて欲・し・い・な⭐」

 

月下「いだだだだだだ!?分かった分かりましたから!?ひび入りますので!」

 

 

フランちゃんが月下の腕を握り込むと、結構嫌そうにしていたのに簡単に意見を変えた。

 

 

月下「………ファック。何で俺が妹様の暇潰しに付き合わなきゃいけないんだ…」

 

フラン「何か言った?」

 

月下「haha…何でも無いっす」

 

 

・・・

 

 

「で、外に出たんだけど…勉強するだけなら別に出なくても良かったんじゃない?」

 

月下「実物を見た方が早いだろ。安心しろよシスター。さっきお弁当は作ってきたぜ!普通の家ではまず食えない最高品質の…ハンバーグ弁当だ!」

 

「あ、時間掛かってたのってそういう。いやそんな心配してた訳じゃないし」

 

月下「おっと!分かってるぜシスター。お弁当ということは、時間が経って冷えちまうのが心配だよなぁ?だが俺はな、炎系統の魔術が得意なんだ。お弁当を温めるくらい何てことないんだyo!」

 

フラン「世界一無駄な魔術の使い方だね~」

 

 

って待って。今さらっと流しちゃったけど魔術とか言った?

 

実在してるの?いや、そういえば魔理沙は魔法を使ってたね。それと同じものなのかな?

 

 

「魔術って、魔法と同じやつですか?」

 

月下「ぜーんぜん違うな。例えるならイクラ軍艦とネギトロ軍艦位違う」

 

 

それは具が違うだけで同じものでは?私は訝しんだ。

 

 

月下「その説明は後にして先ずはシスターも気にしてた、何で青空教室なんかをしてるかの理由だが…理由があってな。お嬢の下に尽くす者として、大事な仕事があんだよ」

 

「大事な仕事?」

 

月下「シスターは妖獣って、知ってるか?」

 

 

妖獣…私が幻想郷に始めて迷いこんだ時に襲われた化け物の事だ。

 

幻想郷には人里等の限られた場所は当然として、その場所以外であっても人を殺し過ぎてはならないという妖怪の中限定の決まりがあるらしい。

 

幻想郷の人間自体そこまで多い訳でないので、減りすぎない配慮をしているそうだ。

 

ただ、妖獣と呼ばれている奴等はその限りじゃない。こいつらは何といってもその狂暴性が問題だ。

 

おまけに、妖怪なんかと違って話し合いができる知能もない。人間を見かけたら、本能のままに喰い殺してしまう。そんな奴等だ。

 

 

「………話し合いの出来ない、人喰いの化け物です」

 

月下「おお、そんだけ知ってりゃ十分だ(ガリ)」

 

月下「その通り。妖獣ってのは害獣だ。あいつらの出す被害が多いと、うちが殺ってるなんて疑われる」

 

月下「迷惑な話だよなぁ。痛くもねぇ腹を触りに境界お姉さんが来るとかよぉ…ほんと、いい迷惑だ、なぁ?(ピッピッ)」

 

「あの、月下さん?さっきから指噛んで何してるんですか?」

 

月下「血を出してそこらに蒔いてる」

 

「何で、そんなことを?」

 

月下「そんなの害獣を集めたいからに決まってんだろ」

 

「うっそでしょ!?」

 

???「………ゥゥゥゥゥゥ」

 

 

妖獣は血の匂いに敏感だ。月下が指を少し噛んで血を数滴散らしただけでも、匂いを嗅ぎ付けてくる。

 

私が低い唸り声に動揺している間に、始めて幻想郷に来た時のような不定形な獣が私達の様子を伺っている。

 

 

月下「多いな。やっぱ駆除に来て正解だったみてぇだ。シスター、取り敢えずお前は戦いの空気に慣れるようにな」

 

「頭おかしいのかお前!?フランちゃんもいるのに何考えてんの!?」

 

月下「大丈夫だって。今日はちゃんとコイツを持ってきてんだからよ」

 

 

月下の持ってきたコイツ…それは身長の約半分少しの長さの長剣だった。

 

長剣の不自然な切れ込みが無数に入っており、さながら百足のような異質な印象を受ける。

 

 

月下「シスター、お前はこう思っているだろう。自分より弱い奴に教わることなんかねぇよと」

 

「いや、そんなこと思ってないけど」

 

月下「それは俺もそう思います」

 

「月下さんの感想じゃねぇか!!」

 

月下「なので、研修ついでに一度俺の実力を見せておこうかと思います。シスターはちゃんと見ておくように」

 

フラン「やっちゃえ月下~」

 

「え、ええ?でも、危ないよこんなの…」

 

月下「iiiiiiiiiiiiiii…HAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

 

 

咆哮と同時に、月下が妖獣の群れに突っ込んで行く。

 

本来なら、妖獣と人間ならどうあっても人間に勝ち目はない。それだけの力の差があるんだ。

 

けど、月下は長剣を目茶苦茶に振り回して妖獣を屠っていく。

 

一撃でも肌に直撃すればただでは済まない筈なのに、恐怖なんて無いかのように斬り、砕き、千切る。

 

 

フラン「ひゅー!かっこいいよー」

 

「…か、怪物だ…」

 

 

月下は自分の事を一応人間だと言ってた。でも、今こうしてあの人の戦ってる所を見てしまうと私と同じ人間だととは思えない。

 

狂喜の叫びを上げながら人外の怪物を喰い殺す…怪物だ。

 

 

フラン「んぁ?」

 

「フランちゃん!危ない!?」

 

月下「!」

 

 

月下の戦いに目を奪われていると、すぐ近くまで妖獣の接近を許してしまった。

 

咄嗟にフランちゃんだけは守ろうと抱き締めて目を閉じる。

 

が、痛みは来ない。恐る恐る目を開けてフランちゃんも私も無事なようだ。

 

 

「フランちゃん、大丈夫だった!?」

 

フラン「え?まぁ大丈夫だけど」

 

 

私達を襲ってきて来ていた妖獣と月下との距離はかなりあった。普通なら、もうどうしようとない必中距離だった。

 

けど月下は間に合った。何故なら、長剣の長さが大幅に伸びていたから。

 

自分の目で見ても信じられないのだけど、模様毎に剣の刀身が分裂し、それを一本のワイヤーか何かで繋げている。

 

冗談抜きで百足のように剣の関節という表現をするしかない姿で、関節の一つ一つが一定の開きが出来る事によって、攻撃射程を伸ばしていた。

 

 

月下「いけね。テンション上がり過ぎてやらなきゃいけない事まで忘れる所だった」

 

「やらなきゃいけない事?」

 

月下「青空教室だよ。俺が皆殺しにしちゃ意味無かったわ」

 

「今までは青空教室じゃなかったと!?」

 

月下「続きだよ続き。そうだなぁ…じゃあさっきシスターが気にしてた魔術と魔法の違いにするか!」

 

「いやいやいや、あんたマジで頭のネジ飛んでんの!?今、妖獣に攻撃されてるの!危険なの!分かる!?」

 

月下「はー?何言ってんだシスター。俺がいる場所は、幻想郷一安全な場所なんだぜ!」

 

「さっき普通に危なかったよね!?」

 

月下「hey heyシスター。人の話はちゃんと聞くもんだ、ぜ!と。まず魔法と魔術の一番の違いは、人間が使うかそれ以外の奴が使うかってのがあるんだ」

 

 

え、マジで説明続けるの?リアルタイムで戦いながら?

 

命の危険がずっとあるなかで?こんなん集中出来るわけないだろ!!

 

 

月下「魔術っていうのは、そういう人外に立ち向かうために第六物質。マナという存在を定義して力を借りる事でそういう存在に対抗できる術…魔の者に対抗する術という意味で『魔術』なんだな。俺はルーン魔術派だけど、この国でも巫女とかが魔術の亜種を使ってるよ」

 

 

真面目に解説してくれるのはいいんだけど、内容がちょっと難しいよ!

 

ってか集中できねぇ!!こうして聞いてる間もずっと妖獣の襲撃は続いてるとか止めてくれ…

 

 

月下「…という事だ。分かったか?」

 

「…いや、その、全然集中出来ないです…」

 

月下「聞けよ人の話!耳をファックすんぞ!!」

 

「突然の耳レ⚪⚪止めてよ!」

 

月下「んまー、これまでそういうのとは無縁だったしな。流石にムズいか…どうしよ………せや!」

 

月下「シスター。お前の能力で俺の魔術を使えないか?」

 

「月下さんの?」

 

月下「ああ、見とけ…『イージス』!」

 

 

何かの宣言後、月下の左腕に一枚の盾が構築された。

 

それは妖獣の爪や牙を通さずに受けきった後で、盾で殴り頭蓋を吹き飛ばされた妖獣は地面に沈む。

 

察するに防御魔術らしい…何で攻撃に使ってるかは分かんないけど。

 

 

月下「どうだ?」

 

「………駄目みたいです。月下さんの思念が上手く読み取れません」

 

フラン「思念?」

 

「うん…私の能力って、月下さんの推理した記憶を読み取るとは、ちょっと違うんだ。トランプとかで、どっちを取られたくなさそうだなーとかが分かる程度なの」

 

フラン「ああー、だから昨日お姉さん大勝してたのね。お姉様が半泣きになるほどに」

 

「だ、だって手加減するなって言うから…」

 

フラン「ナイスー♪」

 

 

レミリア、ごめんなさい…私は能力で勝ってました。引きたきゃ引けばって分かったのも私の能力のお陰です。ここに懺悔しておきます…

 

 

月下「要するに、シスターが前みたいなスペルの真似撃ちをするには、そいつの考えてる事を理解しなきゃダメって事で」

 

月下「てことはあれか。魔導具前提とか魔力とか妖力とか人間には再現不可能なのもダメか、そうだろ?」

 

「う、うん…」

 

月下「なら俺のは大丈夫だな。シスターが俺を理解してくれりゃ、その内使えるようになるかもな」

 

「理解、か…」

 

フラン「ねーねー月下ー。お昼ご飯にしましょうよ~お腹が減っちゃったわ」

 

月下「了解っす!って訳だ、お片付けさせて貰うぜ。『クァールド・ボルグ・カリバー』ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

月下の長剣が突如炎とも雷とも言えるような列光を纏う。

 

集中したエネルギーを宿した剣を地面に叩きつけた瞬間、光は妖獣達に殺到してジュアっという焼けるような溶けるような音と共に骨も残さず消滅させた。

 

私にも使えるかも知れないと言っていたので、これも月下の扱う魔術なのだろう。でもこんな凄まじい威力すら出せる技術を、私にどうにか出来るのかな…

 

 

月下「Foo!気持ちいい!害獣駆除完了!お嬢、見てましたか!お嬢の騎士が、今日も活躍しましたよ!」 

 

フラン「寝てるんじゃないかな?そんな事より、ごーはーん!」

 

月下「お待ち下さい。今温めますから。シスター、お前も早く座れよ」

 

「あぁ、うん…」

 

 

月下への理解…レミリアへの忠誠が絶対で、口が悪くて、スパルタ教育な人。

 

私は、この人を理解出来るだろうか…

 

 

 

・・・

 

おまけ

 

朔日 月下 友好度 1

 

 

 

月下「それにしても、物好きな奴だな。幻想郷にいる奴なら、お嬢の事は多少なりとも聞いてるだろうに。態々ここに訪れるとは」

 

月下「命知らずというか、鈍いだけなのか…まぁ、見てる分には嫌いじゃねぇけどよ」

 

「まぁ、興那さんもここの事は死にたいならって評価をしてたしね。暗に、近付くなってのは分かってたよ」

 

月下「じゃあ、その『死にたいなら』って所にシスターは何で来たんだ?」

 

「阿求が出してる求聞史紀ってのを見た事があって。その時はうわ怖…近寄らんとこって思ってたんだけどね」

 

「でもそこに従ってる人間が居るって書いてあって。どっちも強制されて働かされてる訳じゃないってあったから。信用出来るかも?って」

 

月下「アキュウ…あの毒吐きキッズの事か。あいつわざと大袈裟に書くときあるから正直嫌いなんだよな」

 

「毒吐きキッズて」

 

月下「まぁでも、数ある候補の中からお嬢を選んだシスターは正しい。良い選択をしたと言えるな」

 

「因みに、何で月下さんはレミリアに従ってるの?」

 

月下「そんなの決まってるだろー?お嬢への…愛ゆえに!」

 

「ブレないなぁ…」

 

月下「イヒヒ!シスター、お前にもすぐに分かるさ。お嬢こそが、我が世界そのものになるとな!」

 

 

少しだけ月下と仲良くなれた気がする。

 

 

通常弾[魔術]を習得しました。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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