どうも、今日の勝利の女神です。   作:味付け糊

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うー!! (うまだっち!)

こんにちは! 私、今日の勝利の女神!

いつも頑張ってるウマ娘ちゃんにキスするのがお仕事!

 

「そんなわけでちゅー!! テイオーちゃん、ちゅっ!!」

「ぎゃあああわけわかんないよぉぉぉおおお!!!!」

「ニゲルナ……ニゲルナ……」

「ひいいいい!」

 

ちぇー。

どうしてかしら? あんなに可愛い子ならたっくさんキスしてあげるのに。

あっ、ステージの女神もやってるからハグでもいいわよ! ぎゅーっとしてあげちゃうわ!

 

「あっ、女神様だー! ぎゅー!」

「ウララちゃんぎゅー! にへへ……」

 

可愛いわこの娘! とっても!

ちっちゃいウマ娘ちゃんはほんとに可愛いわ! 素直!

逆にテイオーちゃんみたいな恥ずかしがるのも可愛いい!

 

「おはようございまーす女神様」

「はいおはよう! ぎゅーいる? ちゅーにする?」

「どっちも良いでーす」

「また今度ねぇ!」

「……精が出るな、女神様」

「アラ生徒会長じゃない。ちゅーする?」

「遠慮しておこう。……まぁ、貴女のおかげで朝から活気がでるのは感謝をしている」

 

そうなの!

私、初めは勝利の女神だって誰も信じてくれなくて……それを一番に信じてくれたのがルドルフちゃんなのよね!

ほんと良い子だわ! ちゅーしてあげちゃう!

 

「いや、私はいらっ、あっ、力強ッ……ぬうん!」

「きゃあ! まったくもう! いつになったらちゅーさせてくれるのよ!」

「……いずれ、な」

「かっこいいわね!」

 

まぁったく可愛くてカッコいいんだから!

 

「おはようございます、朝の挨拶お代わりしますよ」

「たづなちゃんじゃない! 良いのよ好きでやってることだから! 一緒に頑張りましょ?」

「ふふっ、そうですか。では、一瞬に」

 

今ではこの学園の生徒に人気のお姉さんよ!

 

「あっ、女神だ! はい、ニンジン食べる?」

「いいの? ターボちゃんのでしょ?」

「あーん!」

「えっ!? あ、あーん! もぐもぐ……うん、おいしいわ!」

「たくさん食べるんだぞ! そんじゃあな!」

 

こんなふうにおやつも貰えるの!

たまに頭撫でたりしてくれるし……ん? 私、もしかしてペットみたいな扱いされてる?

…………まぁ良いわ! ウマ娘ちゃんが楽しんでるなら私も嬉しいもの!

 

「ぐっもーにん」

「おはようございます」

「おはようゴルシちゃん! キスしましょ?」

「出たな妖怪ディープキスババア!」

「酷い!?」

 

これでもぴちぴちの4000歳よ!? 誰がババアよ誰が!

 

「せめて妖怪ディープキスおねえさんにしときなさい! アッ待て!」

「妖怪は良いんですか……?」

「酷いこと言うゴルシちゃんにはハグしちゃうわ! ぎゅー!」

「ぎゃあ背骨折れた!」

 

うふふ!

今日も幸せね!

だって世界はこんなに輝いていて、ウマ娘ちゃんたちはこんなに笑顔なんだもの!

 

ウマ娘ちゃんたちが幸せなら、それが私の幸せよ!

……って……ん……?

何かしらあの子。なんだか嫌〜な雰囲気を漂わせているけど。

 

「ねぇねぇ貴女、どうかしたの? 元気ないわよ?」

「……おはようございます……実は、ネットで私がモブウマ娘と呼ばれているのを聞いてしまって……」

 

あら……そういえば……私も貴女のお名前知らないわ……。影が薄いってこう言うことなのね(辛口)

でも、私はみんなが愛しみんなを愛する勝利の女神! 名前知らないくらいでへこたれないわ!

 

「たづなちゃん、ちょっとこの娘借りるわね! こっちにいらっしゃい!」

「あ、はい」

「なんでしょうか……」

 

まずは元気のないウマ娘ちゃんを木陰に呼び出すわ!

そして、ほっぺたを持って、しばらくむにむにするわ!

あぁ柔らかい! こんなに可愛い娘なのにどうしてモブなのかしら!

 

「あぁ、貴女ってば個性が無いのね!(毒舌)」

「……すみません死にます」

「ちょっとやめてよ私が困るわよ! いい? 貴女はモブなんかじゃないわ! ほら、貴女の走りを色んなウマ娘ちゃんに見せつけるのよ! そしたらモブなんて言われないわ!」

「でも私……なんで走るのかわからなくなって……自分の走りも安定しなくって……」

 

あらあら、泣き出しちゃったわ。

でも分かるわ、その気持ち。ずっとずぅっと練習ばかりしていると、たまに本当に自分がやりたいことがわからなくなっちゃうわよね。

根が優しくて素直なウマ娘ちゃんなら尚更、心にくるダメージは大きいでしょうね……?

 

「ほっぺたむにってしていい?」

「既にむにってしてるじゃないですか。どうぞ」

「むにむにむにぃ〜」

「あうあうあう」

 

んもう、こんな可愛い子にモブって言ったの誰よ! あっ、私だわ!*1

 

「わたしっ……明日レースなのに……っひぐ……トレーナーさんにもっ、めいわぐ、かけて……!」

 

……じゃあ、仕方ないわね!

勝利の女神が、レースに勝つおまじないしてあげるわ!

えい!

 

「なっ!?」

「はむ、はむ、はむ……ほっへたおいひいわね」

 

ぷるぷるでなんとも言えない食感! こんにゃくとこんにゃくを足して2で割ったみたい! それこんにゃくだわ! 私ってば説明下手ね!

まあ私が唇にキスしちゃうと女神パワーが溢れすぎてあらゆる勝負事に絶対に勝利しちゃうからほっぺで我慢ね! 勝利っってのは自分で掴むものよ! 願掛けだけならしてあげるわ!

 

「あの、女神さん、これって……」

「はひほふむひ?」

「聞き取れないです」

「ぺろ」

「ひゃうっ!? お、怒りますよ!?」

「ぷあ。それは怖いわね! やめておくわ!」

「まったく」

「……でも、元気は出たみたいね?」

「え?」

「今までたくさんのレースを見てきたけど、どのウマ娘も全く同じって人はいなかったわ! 走法が同じでも体重や脚の幅がそれぞれ違って、楽しかったのよ?」

「…………」

「走り方なんて、気軽に変えて良いのよ! それが本人に合う合わないはわからないけど、逆に言うとやってみないとわからないわ! もし明日がレースでも、自分がやりたい走りを今日やってみなさい! ダメだったら戻せば良いの! 貴女はそれができるはずよ?」

 

どうしたのよ目を丸くしちゃって。

私だって真面目なことくらい言えるわよ?」

 

「……でも、強いウマ娘の真似をしないと強くなれないんですよ……」

「貴女の今の走りって誰かのパクリってこと?」

「そんなわけ!! 私はたくさん努力してきました! そりゃあ生徒会長みたいな天才には遠く及ばないかもしれないけど、私はたくさんのウマ娘の走り方を見て、たくさん勉強して、練習してきたんです! 勝てるようにって!」

「それじゃあできるわね!」

「……え?」

「自分のやりたい走り。たくさん勉強してきた貴女なら、他のウマ娘の走りの『あっ、ここの走り方良いなぁ』みたいなの、再現できるはずよ!」

「…………」

「できる、なんて無責任なことは言わないわ! 実力は自分で掴み取るべきものだもの」

「……はい」

「でも自信は持ちなさい! 私ならできるって自信! だって貴女、今幸運だもの!」

 

勝利の女神のご加護付きよ?

 

「……そうですね。私、やってみます!」

「そのいきよ! ついでにぎゅーってしちゃうわ! ウィニングライブ、頑張ってね!」

「もう勝った後の話ですか……? ふふっ、ありがとうございます」

 

うん、今日も迷えるウマ娘ちゃんを一人元気にさせられたわ!

これってとっても、良いことよね!!

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こんなに可愛い娘なのにどうしてモブなのかしら!




次回

     第1話
   トウカイテイオー
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