ふわふわと揺蕩う。
ふらふらと揺らいでいく。
冷たくともどこか心地よく感じられる暗い黒い
そして気づく。
ああ、まただ。またこの夢だ。あの日、ヒーロー殺しと出会ったあの日から個性を使えばほぼ間違いなく見る夢だ。黒く暗い
そんな中、伏黒は底にたどり着いたのか足が地につく。そこには何もなかった。ただただ広がる何もないはずの黒の中に何かが現れる。複数体の玉犬が蝦蟇が遠吠えをする。まるで絶対的なナニカに道を開けるかのように。すると、奥の方から何が現れる。それは4、5メートル以上を誇る人型の何かだった。手には剣をつけ、尻尾のようなものが見え隠れしていた。顔の方を見ようとしたが先程の生き物達と同様にモヤがかかって見えなかった。ふと、体が上昇していく。まるで世界から拒絶されるかのようにフワフワとそれでいて凄まじい勢いで上昇していく。視界に光が差し込み始める。そして、
『ガコンッ』
歯車が回る。意識の浮上とともにそんな音が耳に響き渡った。
◇
目が薄らと開く。それと同時に眩しい光が目に差し込む。いきなりの光量に一瞬視界が真っ白に染まって目を窄める。しばらくして慣れてきた伏黒は再度目を開く。目を開いた場所は一年前に一度見た光景——病院によく似ていた。状況を把握すべく体を起こそうとする。が、まるで鉛でも着せられたかのように体が動かなかった。それだけではない。平衡感覚を失ったかのように頭がぐるぐると回り吐き気を催した。いまいち把握しきれず困惑していると。
「おや。目が覚めたのかい」
老人の声が聞こえた。声の高さから恐らく女性だと判断しながら首だけでも音のした方に目を向ける。そこには小柄で優しげな老婆がいた。一瞬誰かわからなかったが、今までの出来事を照らし合わせてすぐに正体に気づけた。
「どうも……リカバリーガール……。こんな…格好で申し訳……ありません……」
目の前にある人物、恐らく自身の怪我を治してくれたであろうリカバリーガールに礼を言おうとする伏黒。しかし、伏黒の口から出た声は疲れからか全く覇気がこもってなかった。
「無理すんじゃないよ。体の血液が1割強程度は抜けてたよ。傷口の止血が無けりゃ本当に死んでたかもしんないよ。アンタがそんなに動けないのは出血の影響と私の個性で少し無理に治したのが理由だよ」
「でも……。普通に動けて…ました」
「アドレナリンがドバドバと出てたからだよ。闘いが終わったこととオールマイトが来たことのダブルパンチで緊張が抜けてぶっ倒れたのさ」
そこまで言われて自身の体に感じる重さの理由とあそこまで動けていたのにも関わらずいきなり倒れたことに対して理解する伏黒。自身が思っていた以上に危険であったことを遅まきながらいやでも理解させられた。リカバリーガールの言いつけを無視しながら重たい体も持ち上げる。上体を起こそうとする伏黒を見てリカバリーガールは軽く睨みつけてくる。すると、ある事実に気がつく。
「手が……」
「相手の個性と実力、そして自身の運と周りの判断に感謝しな。切り口が鋭く滑らかだったから出来た芸当さね。もしも切り口が荒くて傷口が壊死してたり燃やして無理に止血させたら、今頃あんたの手の部分にあんのは素手じゃなくて義手だったよ」
咎めるように発されるリカバリーガールの言葉を聞いて、伏黒は初めて存在しないと思っていた運と周りの判断が自身を五体満足にしたのだと知る。切り落とされてそこそこの時間が経ったにも関わらず、すでに手を握りしめることが出来、感覚も感触もあることがわかる。リカバリーガールの個性と純粋な技術に感謝すると同時に感嘆する。すると、
「今日はもう動けないだろうからこのまま寝な。後、アンタの彼女かい?アンタが負傷したこと知ったら顔色変えて来てたよ」
「……彼女?……それって、サイドテールで…オレンジ色の?」
「そうだよ」
リカバリーガールが来た人物が恋人なのか?という問いを投げかけてくる。その問いに身に覚えがないが故に首を傾げ、思い浮かんだ人物の特徴を告げるとリカバリーガールは肯定する。
「ああ……なら幼馴染です。恋人では…ないですよ…」
「そうなのかい?意識のないアンタ見てあの子あんなに泣いてたもんだからてっきり恋仲なのかと思ったよ」
それに対して伏黒は否定するとリカバリーガールは軽く驚きながらもそう告げる。そんなリカバリーガールをよそに伏黒は何故倒れたことがバレたのかと思考を巡らせて恐らくクラスメイトの誰かがバラしたのだろうと勝手に結論付ける。そして、拳藤が泣いたという事実を受け入れてニヒルに笑った。すると、そんな様子を見たリカバリーガールが訝しむように伏黒を見る。
「……何がおかしいんだい」
「いや……俺は自分のことを……自己完結して生きてた…って思ってたので……。案外…人との関わりも……あったもんだなって…」
「呆れたね。まさか今の今まで自分の力だけで生きてきたと思ってるのかい?だとしたらとんだ傲りだよ」
伏黒の呟くような一言にリカバリーガールはため息を一つ吐くと呆れたように、というか実際に呆れながら伏黒の考えを奢りであると告げる。目線を向けながら伏黒は問う。
「……人は独りじゃ生きていけないと?」
「陳腐な言い回しになるけどね。それでも事実さね。それともう寝な。明日は休みだけど、退院は明後日だよ」
伏黒の問いに当たり前と返すリカバリーガール。その後に退院のタイミングを伝えて伏黒の額に指を当ててぐっと押す。普段であれば争うこともできたはずがあっさりとベッドの上に引き倒される。腕につけられた点滴を目で追うと花瓶の置かれた机の上に自身のスマホが置かれていた。何着か来ている拳藤のメッセージを眠りに落ちるまでのあいだ返し続けていた。
◇
あれから二日たった。ミイラ男と化した相澤先生やコスチューム姿ではない13号と出くわして守りきれなかったことに関して謝られる、拳藤とそのお友達がベッドで寝たきりの伏黒の見舞いに来て、少しだけ鬱陶しく質問責めされた、などのことを除けば入院と検査は滞りなく行われた。
「よし。腕は問題なく動くようだね。予定通り退院おめでとう」
「ありがとうございました」
「あんまり怪我すんじゃないよ。アンタの幼馴染もそう言ってだろう?」
「……肝に銘じておきます」
正直な話。初日の質問攻めや説教は寝たきりの伏黒がマジ切れするほど鬱陶しかった。心配してくれていたのはよくわかったがまだ疲れが抜けきっておらず頭が痛かった伏黒にとって拳藤のよく響く声は伏黒の頭にもよく響かされた。その後、どういう訳か揶揄われている拳藤を見てザマァと思いながら伏黒は二度寝に移行していた。
制服に着替えて保健室の外に出る前にリカバリーガールに一礼してから出た後に体を捻る。久しぶりに体を動かしたためか体の至る所からバキバキと音が鳴り響いた。最後に伸びをして伏黒は1ーAに向かう。特にこれといった問題もなく到着する。するとあることに気がつく。普段から明るいはずの教室からあまり会話が聞こえないことに。疑問に思いながらも引き戸を開ける。
「おはよう」
「おう!おは…よ……う……」
すぐ近くにいた切島に挨拶すると笑顔を浮かべ切島は挨拶を返す。が、どういう訳か言い切る前に固まって動かなくなる。そんな様子に伏黒は首を傾げながらも周りを見渡す。すると、全員が全員伏黒の方を見て固まっているのがわかった。何が何だかわからずに困惑していると、
「ふ」
「ふ?」
切島が何かを呟き始めた。聞き取れた部分だけを伏黒は復唱する。その直後、
「「「「伏黒、復活早ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」」」
クラス中の言葉が一つになる。そして声が教室内を叩いた。あまりの大きさに想定よりも遥か上をいく盛り上がりぶりに、伏黒は一歩引いた。すると、クラスメイトのほぼ全員が伏黒に駆け寄ってくる。あまりの勢いと熱に正直逃げたい衝動に駆られたが、ぐっと堪えてクラスメイトに向き合う。
「おい待て。なんだこの騒ぎは」
「何が『なんだこの騒ぎは』だ!マジでビビらせやがって!」
「そーだ!そーだ!私たち全員心配したんだからなー!」
位置的な意味で真っ先に駆け寄ってきた切島と芦田がそれぞれの思いを口にする。
「だからって騒ぎすぎだろ……」
「腕もげたって聞いたんだよ!?出血多量でぶっ倒れたって聞いたんだよ!?」
「寧ろ心配しない奴はいないだろ?」
騒ぎ過ぎだとつっこむと葉隠が見えないながらも全身を使って憤りながら捲し立て、尾白は呆れたようにどこか責めるように伏黒を諭す。収拾がつかなくなったことにどうしたものかと思っていると蛙吹がこちらに来ていることに気がつく。
「……よぉ」
「ケロ……伏黒ちゃん…。3人から聞いたわ…」
話す内容も思いつかずに取り敢えず挨拶をすると俯いた蛙吹がボソリと呟く。話の内容からして間違いなくあの攻防での会話のことだろう。そう確信すると上鳴、耳郎、八百万の順番に余計なことをしたなという意味を込めた目線を向ける。上鳴は知らねとでも言いたげな顔をして、耳郎と八百万は気まずそうに目線を逸らした。すると、
「伏黒ちゃんは……。私のこと友達だと思ってなかったのかしら」
「別にそうは思って「そう思うとね、私ね色んな嫌な気持ちが溢れてね……」
とっても悲しい気持ちになったの。そう締めくくられて流石に気まずくなった伏黒は蛙吹の顔を見る。そして、こちらに来て最大の驚愕に襲われる。
蛙吹は泣いていた。ポロリポロリと。ケロケロと鳴きながら泣いていた。ギョッと目を見開く伏黒。近くにいた切島と芦田と葉隠と尾白に目を向ける。するとこれは自身で解決しろと目線で返された。
伏黒は突っかかってきた連中を泣かせたことはある。だが、お友達だと健気に言ってくる女の子を泣かせたことは一度もないのだ。慌てて周りに目線を向けるも答えは先ほどと同じ。いよいよ混乱してきた伏黒は廊下に目線を向ける。するとそこには相澤がいた。最後の綱として相澤に目線を送るも目も見えないというのに「泣き止ませなかったら除籍な?」とでも言いたげな圧が送られてきた。いよいよ切羽詰まってきた伏黒はどうしたものかと前を向く。
「困り顔だな。友よ」
そこには常闇がいた。思わぬ救いの手にどうすればいいのかと声に出さずに目線で問う。すると常闇ははぁ、とため息を吐いた後に「まさか、本当に他人との付き合いがなかったとは……。孤高故、か」と、どこから仕入れてきたのか情報なのか割と簡単に予想できることを口にした後に伏黒に指を指す。
「やるべきことは簡単だ友よ。『謝る』ただそれだけだ」
「……いいのか?そんなので」
「寧ろお前は深く考え過ぎだ。臭い台詞だが友情というやつは複雑に見えるがお前が思っている以上に単純だ」
常闇のセリフを噛み砕き、「取り敢えずとかそんな考えを捨ててあまり深く考えずに謝るべきである」ということを理解する伏黒。本当にそれでいいのかと悩みながら伏黒は蛙吹の顔を見る。一度深く息を吐いた後に伏黒は蛙吹をこちらに引き寄せて顔を伏黒の胸の部分に押し付ける。
「悪りぃ梅雨ちゃん。俺はお前の言う『お友達』ってのが良く分かんねぇんだ」
「……知ってるわ。3人から聞いたもの」
「だからお前がそんなに傷つくとは全く思ってなかった。本当に悪かった。嘘くさく感じるかもしれねぇから信じなくてもいい。そして教えて欲しいんだ『お友達』って奴を」
「迷惑ならいい……」と言いながら伏黒は落ち着かせるように蛙吹の頭を撫で回す。ある程度泣き止んできた時に蛙吹は
「そんなことでいいなら……。だから約束して無茶はしないって」
と答える。伏黒は「ああ」とだけ答えると蛙吹は少しだけ伏黒の服を掴む力を緩める。そして涙を拭うように伏黒の胸部分の制服に顔を擦り付ける。その後に伏黒が何度か蛙吹の背中を軽く叩き、蛙吹を離す。今度こそ教室に入るべく顔を上げる。すると、明らかに教室の空気がおかしかった。女性陣は八百万を初め口に手を添えて「まあ!」とでも言いたげな雰囲気を出し他はキャーキャーと小声で騒ぐ。男性陣に目を向けると緑谷などは顔を赤くして、峰田や上鳴は「これがイケメンかー」と血の涙を流しながらこちらを見てきている。最後に常闇に顔を向ける。
「おい」
「……なんだ」
「なにこれ?」
「……その、俺としては軽く頭を下げると思ってたんだ。それでその後は二度とこんなことはしない、と約束して終わりだと」
「で?」
「その……。皆はお前が抱きしめるとは思ってなかったのだ、友よ」
少しだけ頰を赤くして頰をかく常闇に対して伏黒の目が少しずつ腐り始める。恐らくだが、というか常闇の言動からして軽く謝って約束すればそれで終わりだったのだろう。しかし伏黒は蛙吹を慰めるためとは言え抱きしめてしまった。男女が互いを抱き寄せるや抱きしめるは高校生成り立たての彼ら彼女らの目に初々しくも甘酸っぱく写ったことだろう。天を仰ぎ、後ろを振り返る。そこには全身を包帯で覆った
「みんな席付け」
その一言で皆が席に着く。泣いたためか、抱き締められたためか少し照れ臭そうにした座る蛙吹を見届けた後に伏黒も座る。皆の視線を受けながらも出来るだけ無視を決め組む伏黒。そして、
「皆んな元気そうで何より。伏黒もアオハルできるだけの余裕があってよかったよ」
悪意有りなのか無しなのかよくわからない相澤の一言に顔を赤くした伏黒は今すぐに保健室に戻りたい衝動と共に顔を机に押し付けた。
◇
着席してすぐに相澤が始めた説明の内容は雄英体育祭についてだった。机にうつ伏せになりながら聞いていた伏黒も雄英体育祭については知っていた。雄英体育祭は雄英高校で行われる日本の一大イベントであり。個性を使用して日本各所から集められた優秀な生徒らが競い合うというもの。TVでも放送され、高視聴率をキープ中な日本のビッグイベント。スポーツの祭典と呼ばれたオリンピックに代わり、全国を熱狂させている。 かく言う伏黒も電気代という面で余裕があった際に見た時と見た回数こそ少なかったが興味を示すほどだ。すると峰田が、
「中止にはしねぇのかよ……」
と、慄くように呟いた。そんな言葉に対して中止にすべきではないかと言う意見も出たらしい。しかし、逆に開催することで雄英の管理体制が万全であることを示すためでもあるとのこと。その代わり、警備も例年の5倍に強化するとのこと。そして何よりこの体育祭には重要な面がある。それは他のヒーローたちも見ると言うことだ。それもスカウト目的のために。
「年に1回、計3回だけのチャンス。ヒーロー志すなら絶対に外せないイベントだ。その気があるなら皆んな気張って行け!」
「「「「「ハイッ!!」」」」」
相澤の言葉に羞恥からなんとか抜け出した伏黒を含めたクラス全員の声が室内に響かと同時に皆の心に新たな日がともった。
◇
授業を全て終え、時間は過ぎて放課後になる。あの後、主に女性陣の質問攻めや峰田の蛙吹の抱きしめた感触に関しての質問などの面倒方を除けばこれまで通りの生活だった。普段以上に疲れながらも家に帰り体育祭までの間に
「うおぉぉ……何事だぁ!?」
「何だよ出れねぇじゃん!何しに来たんだよ!」
「勘弁しろよ……」
麗日と峰田が教室の前の光景を見て声を上げる。そこにはB組の生徒やそれ以外の学科の生徒達がA組の前の廊下に集まって教室を除いていた。伏黒はこのままでは帰らないとめんどくさげに呟くと爆豪がズカズカと歩いて吐き捨てるように話す。
「敵情視察だろうよ。敵の襲撃を耐え抜いたヤツらだもんな、体育祭の前に見ときたいんだろ。ンなことしたって意味ねぇからどけモブ共!」
「知らない人のこととりあえずモブって言うの止めなよ!」
「今更だろ」
もはやA組には見慣れた爆豪節に対して、後ろから飯田が鋭いツッコミをかます。伏黒はもはや手遅れだと思っているため意味はないと飯田の肩を叩いて諭す。すると
「噂のA組、どんなもんかと見に来たが随分と偉そうだよなぁ。ヒーロー科に在籍するヤツは皆こんななのかい?こういうの見ると幻滅するなぁ」
するりとブーイングをあげる生徒たちの間を抜けて青寄りの紫色をした髪と目の男が現れて話し始める。
「ア゛ァ゛?」
チンピラのような顔と態度で目の前の生徒を睨む爆豪に対して一歩も引かずに言葉を続ける。
「普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴、結構いるんだって」
「……何が言いてぇ」
「そんな俺らにも学校側はチャンスを残してくれてる。体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りらしいよ」
この言葉を聞いてクラスメイトの何名かは固まる。それは事実だ。伏黒は入院の最中暇でリカバリーガールがそばにいた時にこっそり聞いていたのだ。それを聞いた時は自由さでは雄英は常に自身の上をいくと伏黒は思わされたらしい。
「敵情視察?少なくとも俺はいくらヒーロー科とはいえ、調子に乗ってっと足下ゴッソリ掬っちゃうぞっつー宣戦布告しにきたつもり」
大胆不敵な言葉。その言葉には一切の虚言は含まれていなかった。つまりは目の前にいるこの男は本気の本気でヒーロー科の連中を蹴落としてでも這いあがろうとしているのだ。それに伏黒は気づくと頰が僅かに上がり笑みの形を作る。目の前にいた数名が伏黒の笑みを見て2、3歩下がった。それを見て伏黒は口元を手で覆う。するとすぐにB組の男が現れる。
「おうおう!隣のB組のモンだけどよぉ!敵と戦ったっつうから話聞こうと思ったんだがエラく調子づいちゃってんなぁオイ!!」
そして爆豪の言動が気に食わなかったのか爆豪に噛み付いてきた。A組の生徒達はざわめきじっと事の発端である爆豪に視線が行く。伏黒はそんな連中を無視してそのまま家に帰宅しようとする。
「おいおい!伏黒ォ!ヘイト集めまくった爆豪に文句ねぇのかよ!?」
「興味ねぇよ」
「ハァ!?」
「……フン」
「「上に上がれば問題ねぇ/関係ねぇ」」
伏黒と爆豪はそう告げるとそのまま教室を出て行った。互いに教室を出て道が分かれると伏黒はリハビリ兼新たな手札を揃えるべく珍しく目をギラギラと光らせる。道中で偶然会った拳藤の腕を掴む。
「ちょっと!なに!?」
「リハビリに付き合え。拳藤」
「へえ……珍しいじゃん。あんたから誘ってくるなんて」
「嫌ならいい」
「いや、私も久々にあんたと戦いたいからさ。いいよ受けたげる」
その後、拳藤の付き合いと共に二週間、リハビリとトレーニングをして、日本最大の催しである雄英体育祭に向けて準備を進めていた。
そして、2週間はあっという間に過ぎて雄英体育祭本番当日が訪れた。
ようやく伏黒にお友達が出来ましたね。
え?拳藤?あの子は伏黒にとって兄弟みたいな認識が強いですのでお友達ではありませんよ?