「すみません。皆さんは避難した人々の保護をお願いします。俺が離れても【円鹿】は解除されないので安心してください」
No.10ヒーロー《ギャングオルカ》と片手に銃型のサポートアイテムと思しき物を装着したギャングオルカのサイドキック達が現れるのと同時に伏黒は【嵌合纏】を発動させて【満象】を纏う。伏黒は考える。今この瞬間で最悪な事態はヴィラン(役)に避難した人間(役)に手出しをされて被害が出ること。そうなる前に相手を倒せれば吉だが、相手はNo.10ヒーローのギャングオルカ。そう易々と倒せる相手ではない。ならば今この瞬間やるべきことは他の生徒よりも戦える自身が捨て駒になって避難し切るまでの間、足止めをすること。
そこまで考えると伏黒は手のひらに大量の水を展開する。そして手のひらに展開した大量の水をビー玉サイズになるまで加圧して限界まで圧縮する。そしてビー玉サイズになった水を両手で挟むと前に突き出す。これこそ【満象】を元に新たに考案した新必殺技。突き進めばありとあらゆるものを貫通し、振るえば凄まじい切断能力を誇る一撃。その名も、
「【
瞬間、伏黒の手から圧縮された水が矢のように飛び出す。その初速が音速に迫る水の槍はギャングオルカの肩目掛けて突き進む。
「ヌオォォォォッッッ!?」
咄嗟に狙った場所を察知したギャングオルカは腕を覆うプロテクターで受ける。しかし、音の速度に迫る槍を防ぐには耐えられずあえなく破壊される。予想外の威力に驚くギャングオルカ。そのまま腕を貫くかと思いきや、ギャングオルカの横から現れた全員同じコスチュームで揃えたサイドキック達が避難しようとした人たちを襲うべく押しかけたり、援護のために伏黒目掛けてサポートアイテムからセメント弾を放つ。それを見た伏黒はギャングオルカから攻撃対象を急遽サイドキック達に変更。加圧された水を緩めると同時に横薙ぎに振るう。加圧を解かれ緩められた水が槍から怒涛に変わるとサイドキック達と放たれたセメント弾を押し流す。
「シャチョー、大丈夫ですか!?」
「腕を穿たれた。少々違和感はあるが誤差の範囲だ。問題なく動かせる」
流されて後ろに下がったサイドキック達が腕から血を流すギャングオルカを心配する。だが、ギャングオルカは腕を何度か振るったり手をグーパーとして動きを確認すると問題ないと宣言する。その反応に伏黒は思わず舌打ちをする。伏黒は今の一撃でギャングオルカの腕の機能を目に見えてわかる範囲で削ぐか停止させるつもりだった。しかし、一瞬でも頭の中で腕が飛ぶのではないかという配慮が入り加圧が足らなかった。【祉水】は溜めが大きい以上、見切られた可能性が高い。つまり、2度目を放つのはまず不可能となる。
「大丈夫か!?」
さっきの一撃は腕を切り落とす気でやるべきだったと後悔している伏黒の後ろから試験前に話しかけてきた傑物高校の真堂が現れる。
「全く、無茶する一年だよ!」
「真堂さんでしたよね?個性はなんですか?」
「【揺らす】だ!」
「でしたら後方支援を「2人で私を相手取ると?甘く見積もりすぎじゃあないか!?」甘くても勝つんですよ」
伏黒が真堂の個性を聞いている間にいつの間にか迫っていたギャングオルカが伏黒目掛けて手を伸ばしてきた。それに対して伏黒は【嵌合纏】を遅い【満象】からバランスの良い【玉犬】に切り替えると迫ってくる手を弾き飛ばして胴体に蹴りを叩き込む。するとギャングオルカはそれを防ぐが蹴りの威力もあって後ろに飛んでいく。
「ふむ、殿を務める訳だ」
「構わず個性を放ってください!手加減して勝てる相手じゃあない!」
「ああ、もう!しっかり避けろよ!当たっても知らねぇからなぁ!!」
真堂の今まで改まってた口調が崩れるのと同時に受け止めた手が衝撃で痺れてることに感心しているギャングオルカとサイドキック達に対して触れた地面を揺らすことで叩き割る。バランスを崩すサイドキック達の顎を的確に打ち抜き脳震盪を起こして行動不能にしながら迫り来るギャングオルカの攻撃を捌き続ける。すると、
「ムッ!!」
ギャングオルカ目掛けて見慣れた氷塊が怒涛のように迫っていく。それに対してギャングオルカは頭部から音波を発して粉砕して防ぐ。
「轟か」
「伏黒は他の人の避難にまわってくれ。ここは俺に任せろ」
轟は現れると同時に伏黒と並び立つと伏黒に怪我した人間を避難所に運ぶように指示を出す。それに対して伏黒は相手がギャングオルカということもあって断ろうとするも、
「吹ぅぅきィィイイイイ飛べぇえええええええっっっ!!!!」
轟の氷を用いた攻撃に一拍遅れて、士傑高校の夜嵐が騒々しく乱入してきた。風を用いた攻撃に轟の張った氷塊ごとサイドキックを吹き飛ばしていく。轟と夜嵐。両者共に強いだけでなく制圧力にも長けた存在が揃ったのを見ると伏黒もこれなら大丈夫だと判断。
「任せるぞ、轟」
「…………」
「轟?」
「ああ、悪い。わかった。任せろ」
轟に任せようと声をかけるも反応しなかった為、再度声をかけてその場を任せる。反応がなかったことに少しだけ疑問を持ちながら伏黒に迫るサイドキック達の足止めを続けて個性の影響からか少し顔色の悪い真堂を連れてその場を離れる。すると、それと同時に【脱兎】が完全に戻ったのを確認する。
「皆さん!【脱兎】が完全に戻りました!重症者は無し!残りは軽傷者であと少しです!」
その言葉に終わりが見えてきたという事実からか少しだけ場が盛り上がる。伏黒は【満象】を呼び出すと生成系の個性を持った他校の生徒に一度に大量に運べる荷台のようなものを作るよう頼むと被災者達を一気に乗せて【満象】に運ばせる。燃費の悪い【満象】と【円鹿】を使ったこともあって流石に倦怠感を覚え始めるが、あと少しということもあって轟と夜嵐の援護に向かおうとする。瞬間、振り返ろうとするのと同時に耳を突き刺すような鋭い音があたりに響き渡る。何事かと伏黒は音の発生源に目線を向ける。
「は?」
するとそこには空からフラフラと頼りなく落ちていく夜嵐と今まさに肩を掴まれてギャングオルカの超音波の餌食となり、崩れ落ちる轟の姿があった。悪くても全員運び切るまでは足止めしていてくれると思っていた2人がまさかのダウンと想像していたより最悪な事態に伏黒はすぐに【嵌合纏】を使うと【虎葬】と【鵺】を足して生まれた【雷跳虎臥】を纏うと迫ってくるサイドキック達の足元目掛けて攻撃して叩き割ることで侵攻を阻害する。
「流石ですね、No.10ヒーロー」
「それはこちらのセリフだ、伏黒。治療、運搬、護衛、これら3つを同時並行で行える人間は中々にいないぞ」
褒められたことに伏黒は「光栄ですね」と言いつつもこちらの出方を伺いながら間合いを狭めようとしてくるギャングオルカに放電することで牽制する。少なくとも自身1人ではまず勝ち目がないことは目に見えている為、少しでも時間を稼ぐべく口を動かす。
「そういう個性を持って生まれたからですよ。それにまさかあの2人を相手にノーダメで仕留められるとは思いませんでしたよ」
「
「はぁ?」
ギャングオルカは知らなかったのか、とでも言いたげな顔をしながらことの顛末を話し始める。なんでも初めは氷塊で攻撃してきた所や暴風を用いての制圧までは良かったのだが、炎で風が逸れたことをきっかけにいきなり言い争い始めたらしい。それからも改善する余地はなく呆れもあってサイドキックと共に速攻で両名共に仕留めたとのこと。そこまで聞いた伏黒は思わず天を仰ぎたくなる衝動に駆られ、色々と文句を言いたくなる。しかし、そんな隙を晒そうものなら間違いなく仕留められる為、ため息を吐くだけに留める。
「さて、時間稼ぎのお喋りはもういいかな?」
「ええ、いつでもどうぞ」
演技なのか顔立ち故なのかギャングオルカが悪辣に笑うのと同時に手を前に突き出し伏黒にサイドキック達を差し向ける。援軍として緑谷とかも来るだろうが、相手はプロ。それまで持ち堪えられる自信もなかった為、戦闘不能になるのを覚悟に伏黒が迎え撃とうとする。すると、熱と風がある2つの方向から同時に発生する。次の瞬間、ギャングオルカ目掛けて炎が放たれるとその炎を烈風によって下から掬い上げ、まるで火災旋風を思わせるような炎の竜巻がギャングオルカの体を覆うように渦を巻きその体を閉じ込める。
「ヤベーぞ!乾燥に弱いシャチョーが炎の渦に閉じ込められた!!」
「そいつはいい事を聞きましたよ」
「「「「ぐおェ!!??」」」」
乾燥に弱いギャングオルカが炎の竜巻に閉じ込められたからか、サイドキック達は一様に足を止めて振り返る。そうして生まれた隙は伏黒にとって大変美味しいもので見逃す筈もなく、全力で腕を振るうと二桁ほどいたサイドキックの内、半数以上を吹き飛ばす。乾燥に弱いギャングオルカを救うべく、サイドキック達は炎の発生源である轟を攻撃しようとする。しかし、それよりも早く伏黒は腰に付けている苦無型のサポートアイテムをサイドキック達目掛けて投擲する。しかし伏黒にも注意を向けてたのか苦無を難なく避けて轟に再度攻撃しようとするも突如として襲いかかって来る雷に体を穿たれる。
これこそ伏黒の新しいサポートアイテム。仕組みは《如意金箍》と同じで予め電気を溜め込んでおいた苦無を投擲すると同時に相手が延長線上に来たタイミングで帰還電気を帰還させて延長線上にいた相手を感電させるという仕組みだ。しっかりと非殺傷用にチューニングされていることもあって咄嗟に電撃を込めても一定以上は溜まらない為、問題無し。
しかし、投擲した姿勢でガラ空きとなった伏黒を見逃すほど今回の試験官は甘くない。隙だらけになった伏黒目掛けてセメント弾を放とうとする。だが、伏黒はそこは気にしていなかった。何故ならば、
「セントルイス・スマッシュッッッ!!」
既に緑谷が駆けつけているのを知っていたから。緑谷は伏黒が攻撃されかけているのを見かけると高く跳躍し、体を何回転もさせると地面に着地すると同時に踵落としの要領で踵を地面に叩きつける。その衝撃に地面は耐えきれず、バキバキに割れる。そして割れた地面と蹴りの衝撃でぐらついたサイドキック達目掛けて緑谷は蹴り飛ばして意識を刈り取る。
「助かった、緑谷」
「伏黒君もここまで足止めしてくれてありがとう!おかげで今確認できる怪我人は全員避難させることが出来たよ!」
伏黒が礼を言うと緑谷は伏黒に駆け寄りながら逆に礼を言ってファイティングポーズを取る。残りのサイドキック達が8人程度と少し前と比べれば圧倒的に数は減らすことが出来た。しかしそれでも油断はならない為、緑谷と背中合わせになる形で伏黒もファイテングポーズをとっていつでも迎撃出来る準備をする。すると次から次へと手が空いたのかセメント弾を逆に利用してサイドキック達の動きを封じにかかった尾白を筆頭に芦戸や常闇、他校の生徒達が片っ端からサイドキック達に攻撃をする。そして圧縮訓練で蛙っぽさに磨きをかけた蛙吹の保護色によるカモフラージュからの奇襲によって最後のギャングオルカのサイドキックを仕留めると歓声が上がる。
しかし、その歓声は
「ふむ、この歓声。ということは俺のサイドキック達を仕留めたのか……。やるじゃないか」
炎の竜巻から聞こえてくる厳かな声で中断させられた。全員が声のした方に目線を向ける。そこから放たれる覇気に目を逸らすことが出来ないように。
「それにしても、炎と風の熱風牢獄か……。なるほど、いいアイデアだ。並のヴィランなら泣いて許しを請うだろう。だが、俺はその並には属さない。そういった相手の時は打ったときには既に次の手を講じておくものだ!」
キュィィィィィィィィンッッッ!!
その宣言と同時に今まで放たれたものとは比べ物にならないほどの甲高い音を奏でた超音波が轟と夜嵐の生み出した炎の竜巻を吹き飛ばす。乾燥を防ぐ為か、頭から水を滴らせたギャングオルカは炎の竜巻を起こした2人とサイドキック達を全滅させた伏黒達を睨みつける。
「――――で?次はどうする?」
「僕達が!」「相手になりますよ」
誰もがその威容に怖気付く中、ギャングオルカの意識を天敵である倒れ伏す轟と夜嵐から逸らすべく緑谷と伏黒の両名が攻撃する。緑谷がギャングオルカの頭部目掛けて蹴りを放ち、伏黒は大きく空いた上体目掛けて拳を放つ。乾燥の影響からか雄英きっての火力を誇る2人の攻撃を流石に流し切ることができず、ギャングオルカは緑谷の攻撃でよろめくと伏黒の放つ刻み打ちを鳩尾に喰らわされる。攻撃を喰らわせた伏黒はなるべく遠くに飛ばすべく拳を振り切るとギャングオルカは10メートルほど吹き飛んでいく。
しかし、ギャングオルカはすぐに立ち上がると先ほどまで見せなかった好戦的な笑みを浮かべて伏黒と緑谷の元へと向かってくる。このまま戦闘が再開するかと思った矢先、伏黒の影に【円鹿】が戻るのと同時にビーィッ!!というブザー音がけたたましく鳴り響く。
《えー、たった今、配置されていた
「ふー…」「終わったぁ!?」
ブザーの音と同時に仮免試験が終了した事を告げるアナウンスが流れる。それを聞いた伏黒は【円鹿】と【嵌合纏】を解除してかなり消耗していたこともあって安堵の息を吐く。緑谷は迎え撃つ気満々だったこともあって突然の終了に驚きを隠せないといった様子だった。するとブザーの音を聞いて急ブレーキをかけることで突撃を中断したギャングオルカ。少しして轟と夜嵐、緑谷、伏黒の順番で見たかと思うと「フフッ…」と少し微笑むと倒れ伏すサイドキック達へと足を運んだ。
◇
「友よ。ギャングオルカとの戦闘、実に見事だった」
「常闇も《深淵暗駆》が板についてた。それに梅雨ちゃんも保護色のカモフラージュからの奇襲は凄かった。全然気づかなかったぞ」
「ケロ。広い範囲で色々なことをこなしてた伏黒ちゃんには劣るわ」
仮免試験が終わってコスチュームから制服に着替えたA組のクラスメイト達は指示に従い、結果発表が行われるとされる指定の場所へ足を運んでいた。伏黒は途中で合流した蛙吹と常闇と一緒にお互いに健闘した事を讃えあっていた。道中で伏黒はギャングオルカとの戦闘で後衛を務めてくれた真堂に礼を言うという一幕があったが割愛とする。
《皆さん、長いことお疲れ様でした。これより発表を行ないますがその前に一言、採点方式についてです。我々ヒーロー公安委員会とHUCの皆さんによる二重の減点方式であなた方を見させてもらいました」
そして指定された場所に全員が集まった事を確認した目良は遅まきながら採点方式について説明し始める。どうやら危機的状況でどれだけ間違いの無い行動をどれだけ取れたかを審査することで採点していたらしい。伏黒としては治癒や被災者の捜索、
「ふ、ふ、ふ、ふ、……あった!」
伏黒はあ行から順に自身の名前がないかを確認していくと『葉隠』の次に自身の名前があるのを確認できた。その事実に伏黒はらしくもなく胸が熱くなるのを感じる。どうやら常闇も蛙吹も合格だったらしく、あまり表情に出さない3人もこれにはニッコリ。因みに余談だが雄英から2人ほど不合格者が出た。轟と爆豪である。これは後から聞いた話なのだが、ギャングオルカの前で喧嘩した挙句、戦闘不能になった轟ならいざ知らず何故爆豪までか気になり、共に行動していた上鳴と切島に訳を聞いてみた。するとこれがかなり馬鹿げた理由で、どうやら爆豪は怪我人(偽)相手にも爆豪節を炸裂させたらしく行動こそ悪くなかったもののそこで減点されまくったらしい。これには伏黒も思わず「馬鹿なのか?」と声に出してしまった。
そして皆が合否の判定を把握するのと同時に黒服を着た公安の職員達からA4サイズの用紙が配られる。それに目を通していると、目良のほうから配られた用紙は採点内容が詳しく記載されている事を言い渡される。
《ボーダーラインは50点。減点方式で採点しております。どの行動が何点引かれたなど、下記にズラーッと並んでいます》
そうして点数を互いに発表し合うA組の面々。伏黒が聞こえた限りでは尾白が61点、瀬呂は84点、八百万は90点、飯田が80点、緑谷が71点だった。すると、先ほど黒服からプリントを貰って点数を確認した蛙吹が寄ってきた。
「私たちも共有しましょう。私は89点だったわ。伏黒ちゃんは何点だったの?」
「ん」
伏黒は蛙吹に自身の成績が記載されたプリントを渡す。するとそこには98点と記載されていた。これには蛙吹も驚愕し、その様子を見た他の面々も駆け寄り伏黒の成績を見て驚愕する。
「伏黒、高すぎだろぉ!?」
「なんでぇ!?現場にいなかったじゃん!?」
「でも、とっても妥当だと思うわ。要救助者の発見に運搬、それに襲いかかるヴィランとの戦闘と色々な面で活躍してたもの。…でも確かに気になるわ。伏黒ちゃんはやろうと思えば現場でも活動できたのになんで来なかったのかしら?」
「ん?ああ、そのことか」
騒ぐ上鳴と芦戸をフォローしつつも蛙吹からなんで現場にいなかったのかを聞かれた。実のところHUCからも同じ質問をされていた伏黒は HUCの皆さんが怪我を負ってなかったからだと言う。本当に怪我を負っていれば治されていく過程を見て他校の生徒達が大丈夫か否かを判断して避難所に案内させることが出来た。しかし、今回のHUC達はあくまでも特殊メイクで怪我を負ったフリをしていただけ。どの程度、【円鹿】の回復エリアにいれば治るのかを知ってるのは伏黒と【円鹿】のみ。故に、伏黒と【円鹿】が残ってこの怪我人が大丈夫か否かを判断する必要があったのだ。そこまで聞くと伏黒の成績を知った全員が納得する。
今度は逆に何が減点対象となったのか見てみると『励ましが一辺倒なのと笑顔が下手くそ』と記載されていた。その事実に何名かが笑うと伏黒は恥ずかしそうに顔を横にずらした。全員が一喜一憂している中で目良の発表は続く。
内容を省略すると今回の仮免試験で合格した人達は緊急時に限り、ヒーローと同等の権利を行使できる立場となった。それ即ち、ヴィランとの戦闘や事件事故からの救助など、ヒーローの指示がなくとも個人の判断で動けるようになったのだとか。そして同時に免許保有者達の行動一つ一つにより大きな社会的責任が生じることを意味していると言明された。そして今回は不合格になってしまった人たちにも三ヶ月の特別講習を受講の後、個別テストで結果を出せば君たちにも仮免許を発行する予定があるとのことだ。その事実に爆豪と夜嵐辺りから気合の入った返事が返ってくる。
そうして短くも試練が山盛りだった仮免試験は幕を閉じたのだった。